最近の肥育素牛は、日本全国(兵庫県産以外)血統的にはかなり類似し、肥育結果も遜色がないと判断できるようになってきた。
素牛の4代祖までに、鳥取系・島根系・兵庫系の血液がほぼ掛け合わされており、平成20年度までの統計では増体や肉質能力が全国的に年々改善されている。
しかし、増体に関しては、最近導入している素牛からは若干停滞気味であるような感じを抱いている。
神高福に次いで平茂勝の出現により、和牛は増体能力が一段と改善されてきた感があるが、最近は当時のような肩幅や前胸の充実具合、背腰の幅やボリューム感、後躯幅のあるボリューム感などが影を潜めつつある。
肉質系を期待して兵庫系を交配して種雄牛が作出されていることと、人工授精する母牛についても複雑な血統の牛が大半を占めるようになり、必ずしも増体型という子牛ではなくなったために、体幅の薄い傾向が見られるようになった。
一方、食肉市場では、牛肉の消費低迷も影響し、大貫ものの枝肉が敬遠されつつあり、枝肉重量500kg未満のもので高品質を珍重がる箇所もあると聞く。
これらの要望に応えるには、この様な素牛が適応しているのかもしれない。