昨夏8月宮崎県から導入した去勢牛1頭に全廃棄がでた。
枝肉市場の衛生検査チームから、検査結果に写真を添えた報告が届いた。
これまで発症したことのない珍しい病名で、左房室弁に疣贅性心内膜炎を認めたとある。
つまり俗に「疣心」と呼ばれ、心臓内に疣(写真)のような敗血症と診断する根拠となる菌が認められとあった。
当牛の発病からの経過は、数日前から食欲不振で、やや痩せた感じがあり診療を依頼したが、胃の動きが極めて悪いと言うことで、その治療と脱水を警戒して6Lの補液を行い、採血した。
翌朝の見回りで、水溶血便が診られ、「やばい!」と獣医師の診断を仰ぎ、即処分の結論から切迫となった。
ちなみに、採決の結果では、特に問題となる数値はなく、炎症に関する数値だけが高い程度であった。
血便の原因と疣心との関係は明示されていなかった。
聞くところによれば、同症は生時での診断や発症原因、治療は判明していないようである。
素牛導入時に、発育が良く健康であることを見抜くことぐらいが対処法のようである。
滅多に無い症例だけに事故として納得するしかないようである。