栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

ひどすぎるシンドラー社の責任転嫁発言

2006-06-09 17:06:34 | 雑感
「管理・乗り方も原因」 死亡事故でシンドラー本部声明 (朝日新聞) - goo ニュース
 出るわ出るわ、次から次にシンドラー社製エレベーターのトラブルだけで459件。
範囲は全国に広がっている。
それなのにシンドラー社の対応はあまりにも不誠実といわざるを得ない。

 なかでも極め付けが、シンドラーホールディング(本部・スイス)が出した「エレベーター産業での事故は主に不適切な管理か利用者の危険な乗り方に起因していることが多い」という責任転嫁の声明。
 その前日の7日にはケン・スミス社長名で「我々の製品及び保守が高い安全基準を満たしていると自負しています」という声明を報道機関に出している。

 「高い安全基準を満たしている」というが中国・重慶(97年)、上海、香港(02年)、シンガポール(03年)でも死亡事故を含むトラブルが起こっている。それなのに「我々の製品及び保守が高い安全基準を満たしていると自負」とか「不適切な管理か利用者の危険な乗り方」が問題だなどとよく言えるものだ。

 ところで、なぜアジアばかりと思ってしまう。
フランスでも1件トラブルがあったようだが、メーカーは不明だ。
本当に欧米では事故はなかったのか。
仮に欧米で事故がなく、アジアに集中しているとしたら、アジア向けには「高い安全基準」でなくてもいいと考えたとしか思えないではないか。

 今回死亡事故が起きた東京都港区の「シティハイツ竹芝」では今年1月30日に扉が開かないトラブルがあった際、シンドラー社が修理に立ち会っている。
メンテナンス会社のミスだという言い逃れは出来ないだろう。

 問題はシンドラー社だけで済むのか、耐震構造設計疑惑のように他社製まで広がるのかどうかだ。
ハイテク、コンピューター化が進んだお陰で生活が便利になった一方、ひとたびトラブルが生じると大事故になる傾向がある。
これが現代の怖さだ。
普段からちょっとした異音や変調にも気を付けたいものだ。


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