goo blog サービス終了のお知らせ 

栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

ホモ・サピエンスは滅亡に向かっているのか(4)~2極化する政治の危険性(2)

2025-06-15 18:17:26 | 視点

 ロシアほど極端ではないが、アメリカでも言論の封殺は起こっているし、選挙
結果に対し「不正が行われた」と主張し、議会議事堂に向けて進むようトランプ
支持者を焚き付け、実際に議事堂が占拠された事件も起きた。

 怖いのは今、強権的な政治家が世界的に台頭しつつあることと、そうした政治
家が一定の支持を広げつつあることで、日本も例外ではない。
 最近の政治家はトップに就くと豹変し強権的になる。その典型が斎藤前兵庫県
知事だが、最近コメンテーターとしてメディアによく顔を出している泉房穂氏も
パワハラで明石市長を辞職したが、そのことを本人も彼を起用するメディアも忘
れているらしい。
 他にも例を挙げればキリがなく、行政トップに就いた途端に公私混同、パワハ
ラの強権政治を行う傾向が強い。
 ヨーロッパでは極右政党が政権に就きそうな勢いまで見せている。

 その一方でイスラエルのようにガザ地区への軍事侵攻を強め、パレスチナ人へ
の虐殺を行う国が出てきたことは驚きだ。イスラエルはジェノサイドを経験した
民族だというのに、今同じようなことをパレスチナ人に対し行っている。

 今、世界情勢はナチスの勢力拡大、日本の満州(中国東北部)侵略、そして第
2次世界大戦へと続く頃とよく似ている。いや、第3次世界大戦はすでに起きて
いると言っていいだろう。
 かつて世界中に広がったベトナム戦争反対運動のようなうねりは起こらず、人
々は暴力の前に屈したまま。
 ホモ・サピエンスに未来があるとはとても思えない。

 

 「栗野的視点」はリエゾン九州の下記ホームページで

   http://www.liaison-q.com/

 

  

 


ホモ・サピエンスは滅亡に向かっているのか(4)~2極化する政治の危険性

2025-06-15 18:13:53 | 視点

栗野的視点(No.836)                   2024年10月1日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ホモ・サピエンスは滅亡に向かっているのか(4)~2極化する政治の危険性
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今、世界の政治は危険な曲がり角に差し掛かっている。日本も例外ではないが、
自民党総裁選で石破茂氏が総裁に選ばれたのは取り敢えずよかった。事前の予想
では小泉進次郎氏との1位2位争いになりそうだったが、いざ蓋を開けてみれば
小泉進次郎氏は3位で、よもやの高市早苗氏との決選投票。

 1回目の投票では2位だった石破氏が決選投票で高市氏を退けはしたものの僅
差の辛勝。今後の舵取りの難しさが予想されると思っていたら、早速、高市氏は
打診された自民党総務会長職を固辞し、一切の党役職、入閣にも応じないと協力
を拒否。幹事長職以外は受けないと息巻いたらしいが思い上がりも甚だしい。
 得票数を見れば高市氏が勘違いしたくなる気も分からなくはないが、これ以上
右傾化してはいけないという党員、議員の良識がギリギリのところで働いたとい
うところだろう。
 かといって考え方に一貫性がなくフワッとしたムードで政治を行いかねない小
泉進次郎氏に票が流れることもなく、石破氏に今後を託そうとしたのは一定の良
識が働いたと見るべきだろう。

 これはよかった点だが、個人的には気になる点がある。1つは石破氏の喋り方
だ。一言で言えば声が小さく、覇気が感じられない。話に筋が通っていても聴衆
は頭で聴いていない。聴いているのは「ハート」で、そこに届かなければならな
いが、石破氏の話し方は人の心に「響く」という意味では弱い。

 そのことは東京都知事選で元安芸高田市長の石丸候補の演説に若者が集まった
ことでも分かっているはずだが、石破氏は従来の自分のスタイルを変えようとは
せず、9人の総裁選候補者の中で最も喋り方にエネルギーを感じられなかった。
 今後、首相になり外国の要人と会ったり、各国要人との会議の場でも、声が小
さくボソボソと話すスタイルで相手に意思が通じるかどうか。第一、通訳が声を
聞き取れるだろうか。
 事前に原稿が渡されている分はいいが、記者会見などで予期せぬ質問が出た時
の受け答えで通訳が声を聞き取れなければ正確に訳して伝えることができず、そ
れは海外メディア等に誤訳、誤解を与えかねず、この点が危惧されるマイナス面。

 それにしても、この国でも高市氏のように極端に右寄りの考えを持つ政治家が
半数近くの票を集めるようになってきたことに驚いた。
 自民党は中道から右派まで、別の言い方をすればハト派からタカ派までかなり
ウィングの広い政党で、首相交代は自民党内の政権交代的な要素もある、ある意
味懐の深い政党で、その点が支持されてきた。
 ところが安倍政権以来、自民党は柔軟性を失い、主流派に異を唱える者は徹底
的に干し、違う意見を言い難い体質に変えられてきた。組織の硬直化である。

 硬直した組織が独裁化するのは歴史の常で、国民に対しては強権的な姿勢に出
る。それはなにもロシアや北朝鮮、中国を上げるまでもない。今、世界の政治は
一方で強権政治、独裁政治が力を得つつある。
 こうした政権は内に対しては反対派を力で抑え込み、外に対しては武力を行使
し、様々な理由を付けて自らが敵とみなす国家、民族を滅ぼそうとする。

 こうした方法を取る政権は発展途上国、文明未成熟国だったが、いまや米露中
国などの大国、国連常任理事国で台頭してきている。
 強権政治、独裁政治の対極にあるのは民主主義だが、民主主義の力が弱まって
いるだけでなく、今後ますます弱まりそうだ。

 その象徴がトランプ前大統領だが、高市氏もよく似ている。安倍政権は政権に
批判的な報道を規制したがっており、当時、総務相だった高市氏は政権に批判的
な報道番組に電波停止をちらつかせたことを記憶している人は多いと思うが、自
民党議員の中には健忘症か認知症が増えたのか、そうしたことをすっかり忘れて
いるようだ。

 独裁政権が最初にやりたがるのは報道の自由の規制である。まず、政権側に都
合のいい内容しか報道させたがらない。要は国民に権力側に都合のいい情報しか
与えたくないのだ。
 その次に批判的な報道内容を「フェイク」だと強弁する。それでも言うことを
聞かない記者やジャーナリストをメディアから追放する。最初は「偏向報道」だ
と報道機関に圧力をかけ「自主規制」で、記者やジャーナリストを番組から降ろ
させたり、配置転換させる。
 それでも批判をやめなければ暴力的な手段に出る。何らかの理由を付けて逮捕
監禁するか暗殺である。
 さすがに民主主義国家では3番目の手段まで出ることは表面的にはないが、独
裁政権下では現在でも行われているし、プーチンのロシアはこの手段に訴え反体
制派の中心人物を排除している。

                    (次に続く)


三流の国になり、ますます貧富の差が拡大するニッポン

2025-05-25 18:30:24 | 視点

栗野的視点(No.851)                   2025年3月5日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
三流の国になり、ますます貧富の差が拡大するニッポン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 三流の国ニッポン--。ついこの間まで一流国の仲間入りをしていたと多くの
日本人が思っていたはずだが、いつの間にかアジアでも三流の国になっている。
なぜ、そうなったのか、いつから日本は三流国になったのか。

アメリカの圧力に屈し下降線

 今この国の経済を表面的に支えているのはインバウンドと呼ばれる外国人旅行
客で、それは言うなら見かけの繁栄経済。ニッポンの国力(経済力)が落ち、円
安で安く旅行できるようになったから旅行客が来るようになっただけで、それで
ニッポン経済が潤っている(一部を除き)わけではない。
 いうなら今のニッポン経済は見かけの好調、数字上の好調経済で実体経済を反
映したものではないが、政府や経済アナリストはこの数字を操り国民を納得させ
にかかっている。
 国民の方も体感では悪化していると感じていても、「オエライさんが言うこと
が間違うわけない」とどこか諦め気味で、米騒動も物価高反対デモも起きる気配
はない。

 それにしても日本の国力が低下しだしたのはいつ頃からなのか。

       (略)

階層社会から階級社会へ

 それが今やゴールデンウィーク、シルバーウィーク、盆、正月の連休は1,000
円高速どころか休日割り引きさえ廃止の実質値上げ。これでは連休利用の旅行を
止められたのも同じで、その影響は庶民ほど受け、せっかくの連休でも近場での
1泊旅行か日帰り旅行しかできない。
 これではなんのための連休なのか分からないが、オエライさんや富裕層には関
係ない話だ。
 少々宿泊費が上がろうと海鮮丼やラーメンが数千円しようと関係ないし、意に
も介さない。庶民が食べているサンマを食べた殿様が、こんなにおいしいものは
ないと城を抜け出し食べに行く落語の「目黒のサンマ」と同じで、常日頃高級・
高額品を食べている富裕層がたまに庶民の食べ物を食べて、「おいしいじゃない
か、これがこの値段なのは今までが安すぎたのだ」と嘯くのと同じで庶民感覚と
は大きくズレている。

 かつて栄えた日本は中間層が支えたが今や中間層はいなくなり大半が下流へと
移行し、気が付けば日本から階層はなくなり、代わりに「階級社会」が生まれて
いた。

     (略)

2極化した社会の先に現れるのは

 1980年代から受け続けたボディブローが効き、国内の製造業は海外へ移転して
しまっているから国内の産業は空洞化し、80年代のアメリカと同じ状態に陥って
いる。
 さらにバブル期を経験し、汗水流して真面目に働くのがバカらしいと考える者
が増え、ちょっとでも仕事がきつい職場は「3K」と称して避けるものだからマン
パワーを必要とする建設・建築や介護・医療、運送、接客などの長時間労働にな
りやすい職場、特に中小企業の現場が慢性的な人手不足に陥り、コロナ禍で一度
離れた人はそれ以後も元の職場に戻らなくなっている。

 まさに忽然と消えたわけで、元の職場を離れた人はどこに吸収されたのか。一
部には大企業が吸収したという話もあるが、頭数だけ揃えればいいというわけで
はないだろうし、大手企業ほどデジタル化を進めているからかつてのように人を
必要としなくなっている。
 日産自動車を例に挙げるまでもないだろうが大企業の場合は数千人、数万人単
位でリストラという名の人員整理をしているから吸収するより放出している人数
の方が多い。
 人員整理の対象にされた人達が再就職できる場はあるのか。もちろん一部の人
は再就職できるだろうが、そうでない人もかなり出て来る。

 博士号を取得している大学講師でさえ非正規で働かざるを得ない時代だ。受験
人口が多かった時代は予備校講師という職場もあったが今は予備校も倒産する時
代。毎年、雇用契約の延長があるかどうかを考えながらする研究生活では人生を
楽しむことさえできない。

 かくして人は下流へ下流へと流されていき、一度、下流に流されれば上へ這い
あがることは難しい。家計が苦しければ子供を有名私立大学に行かせることも難
しくなるし、仮に地元を出て都会の大学に入学しても授業料や家賃その他のため
にバイトに明け暮れ、授業をまともに受けられなかったりする。
 当然そうした生活は就職にも影響し、下流から這い上がるのは難しく、その状
態が固定化されてしまう。固定化した階層=階級が形成される。

         (以下略)

 

  全文は「リエゾン九州」のHP内の下記「栗野的視点」に収録

  http://www.liaison-q.com/kurino/3ryunippon1.html

 

 

 


「栗野的視点」は下記にアップしています。

2025-05-18 11:58:03 | 視点

 まさかと思いましたが老舗ブログの「goo blog」がサービス終了になると通知が来てビックリ。

近年は写真はlivedoorブログの「栗野的風景」にアップしていますし

「栗野的視点」は以前から私のHP内にアップしていますので、今後はHPの方でご覧いただけると幸いです。

HP:リエゾン九州 http://www.liaison-q.com

最近の記事タイトルは下記のような内容です。

 

 栗野的視点(No.849):病院の保証人代行会社は高齢者、単身者の救いか

  http://www.liaison-q.com/kurino/Hoshounindaikou1.html

 栗野的視点(No.848):国立大病院の赤字拡大で崩壊する地域医療

  http://www.liaison-q.com/kurino/Hospitaldificit1.html

 栗野的視点(No.847):子は親を見て育つのか、親が背中を見せていないのか。

  http://www.liaison-q.com/kurino/Oyanosenaka1.html

 栗野的視点(No.843):「分別」「常識」「理性」が欠けた社会

  http://www.liaison-q.com/kurino/Hinoshouhei.html

 栗野的視点(No.839):汚染にまみれた生活環境が生命を脅かしている。

  http://www.liaison-q.com/kurino/Waterpollution1.html

 栗野的視点(No.838):「SHOGUN 将軍」と「碁盤斬り」に見るヒットの要因

  http://www.liaison-q.com/kurino/SHOGUN1.html

 栗野的視点(No.834):主観年齢が若いと見かけも若くなる。

  http://www.liaison-q.com/kurino/youthful1.html

 栗野的視点(No.831):8万円台以下で買える、Windows11、15インチPC

  http://www.liaison-q.com/kurino/Lenovo-Dell1.html

 栗野的視点(No.826):不正列島ニッポン(3)~横行するデータ改ざんに手抜き工事

  http://www.liaison-q.com/kurino/Daihatsu-IHI1.html

 


トヨタの不正謝罪会見に見る不遜な態度

2024-06-12 16:30:46 | 視点

 トヨタグループの会長、豊田章男氏はトヨタ自動車の不正が明らかになった時、今後、グループの株主総会にはすべて出席すると明言したが、豊田自動織機の株主総会には急遽、出席しないことを表明しただけでなく、トヨタグループの他の株主総会にも出席しないとした。

 株主総会で追及されるのを嫌がった(恐れた?)のだろう。

敵前逃亡である。

 それにしてもメディア各社はトヨタの不正に対してあまりにも追求しなさすぎる。広告出稿量(料)が多い大スポンサーだから遠慮しているのか。そうとしか思えないが。

 私は豊田章男氏が記者会見した翌日に下記記事をメルマガで書いたが、どこも続いて指摘したところがなかった。

 残念ながらジャーナリズムは死んだのだ。

 

栗野的視点(No.827)                   2024年6月4日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
不正列島ニッポン(3)~トヨタの不正謝罪会見に見る不遜な態度
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 6月3日、国土交通省がトヨタ自動車など5社で不適切事案があったと発表し
たが、別に驚きはしなかった。ああ、やっぱりなと思っただけだ。

 すでに「栗野的視点(No.826):不正列島ニッポン(3)~横行するデータ改ざ
んに手抜き工事
」の「ダイハツの不正は25項目に及ぶ」項の中で次のように記し
ていたからだ。
 
 <不正が相次ぐ自動車メーカーの中で不正に手を染めていないように見えるの
がトヨタだが、日野自動車もダイハツ工業もトヨタグループである。
 そしてダイハツ工業のトップはトヨタの出身者が数代続いていることを考えれ
ば「トヨタは大丈夫」と言い切れるのかどうか。
 トヨタ出身の社長は現場の不正に気付かなかったというならトヨタ在籍時にも
現場のことには目を通していなかったのではないだろうか。>

 三菱、スズキ、日野、日産、SUBARU、マツダ、ヤマハの不正が明らかになる中
で、トヨタ、ホンダだけが不正に手を染めていないのは考えられない、と思って
いた。

 ダイハツも日野自動車もトヨタの子会社(日野は24年末まで)である。しかも
トップはトヨタ出身者とくれば「トヨタイズム」が現場に浸透しているか、浸透
させようとしているはず。
 お断りしておくが、ここで言う「トヨタイズム」はCMで謳っている「トヨタイ
ズム」ではない。トヨタ生産方式に代表される効率主義のことである。
 ダイハツ工業の不正等を見ていれば効率主義を突き詰めればこういう方向に向
かうだろうというのは予測できる。

 不正が発覚した後で指摘されるのが「おかしい」という声を上げにくい社内体
制(風通しの悪さと弁明しているが)の問題だが、これはオーナー企業ほど強い。
 トヨタは豊田氏が、スズキは鈴木氏が絶対権力者である。それに逆らったり、
直言できる者が社内にいるだろうか。恐らくいないだろう。直言まではできない
にしても社員は風を読んで、上の顔色を窺って仕事をする。オーナー企業ほどそ
の傾向は強い。

 当初からトヨタだけが聖人君子とは考えられなかった。むしろ不都合な真実が
発覚しにくい組織体質であり、今まで隠蔽してきたということだけではないのか。

 3日の記者会見もどこか他人事めいて聞こえた。不正を行ってきたことを「認
証制度の根底を揺るがすもので、自動車メーカーとして絶対にやってはいけない
ことだ」と謝罪しているが、謝罪の言葉の前半に「認証制度の根底を揺るがすも
ので」という注釈を入れている。
 謝罪会見の中継を通して見ていると、豊田章男会長は自社の不正謝罪をしなが
ら、実は国の認証制度の方を問題にしているということがよく分かる。

 例えば会見で記者から次のように質問された時の受け答え等を聞いていると随
分不遜な印象を受ける。

 記者:日野自動車の不正を受け、しっかりと調査すべきだったのではないか。
 豊田会長:過去にあったことを、仮にいうご質問にはお答えできない。

 次の言葉は当事者感が薄く他人事めいて聞こえる。
 豊田会長:一斉調査をさせられたことで、ものすごく我々も気づかされた。国
交省の方々にこういう場を持たせていただいたのは、非常にありがたい。

 さらに「不正を完全に撲滅するのは無理」「トヨタは完璧な会社ではない」と
言う言葉は、語そのものはその通りだが、謝罪会見で言うべき内容なのか。私に
は開き直りのように聞こえたが。

 この日の豊田氏の会見は一方で謝罪しながら、他方で国に認証制度の改革を要
請するという次元が異なる2つのことを話しているのはちょっと違うのではない
かと思わざるを得ない。
 また、不正があった車種に安全性の問題はないとも繰り返し述べているのも気
になった。
 エアバックの試験にタイマーで爆発させて行っているとか、本来、左右で行う
必要がある衝撃時検査を片側だけで行い、そのデータをもう片側にも適用してい
て「安全性に問題ない」と言えるのか。
 彼らが言う安全性は車の安全性で、そこには搭乗者の生命を守るという観点は
ないようだ。

 米国の議決権行使助言会社、インスティテューショナル・シェアホルダー・サ
ービシーズ(ISS)とグラスルイス社がトヨタグループの一連の不正問題の最終
責任は豊田章男会長にあるとし、6月18日の株主総会で豊田章男会長の取締役選
任に反対推奨をともに表明したのは当然でまっとうな助言だと思う。

 気になるのは国内メディアの反応で、新聞各社は大スポンサーであるトヨタに
遠慮しているのかトヨタの不正問題(細かい内容、体質、責任)より日本経済に
与える影響の方を危惧する論点になっていることだ。
 不正が長年に渡り繰り返し行われてきた問題の根にあるのはオーナー経営者の
権力集中とものいえぬ体質、拡大主義、効率優先、利益優先の経営があり、そこ
を問題にし、そこから脱しない限り、豊田氏がいみじくも言ったように「不正を
完全に撲滅するのは無理」だし、トヨタのトップがそれを認めているのだから、
トヨタから不正は今後もなくならないだろう。なくなるのは外部への発覚だけに
違いない。


年始のご挨拶を兼ねて~宝玉を掴んだ龍の珍しい木鼻

2024-01-06 08:03:54 | 視点

人類はどこに向かっているのか。
未来に希望はあるのだろうか。


  今年は辰(竜)年。大きく揺れ動く年です。
世界情勢は決して良い方向に進んでいるとは思えず、
人類の未来を憂慮しています。

 上の写真は香川・善通寺で見た珍しい龍の木鼻です。
麒麟の木鼻はあっても龍は珍しい。
私は趣味で寺社の木鼻や狛犬を撮っていますが、
玉を握った龍の木鼻を見たのは初めてです。
 古来、龍は縁起が良い生き物とされています。
その中でも特に縁起が良い玉を握った龍をお届けします。

  ホームページに小説「Nの憂鬱」(http://www.liaison-q.com/KurinoNovel/KurinoNovel-index.html)を連載しています。

 「栗野的視点」(http://www.liaison-q.com/kurino/kurino-index.html)では今後も様々な問題について配信し続けたいと思います。
よろしくお付き合いください。

栗野 良


大久保利通になり切れなかった男

2023-10-10 10:00:30 | 視点

 近年、国会議員から地方自治体の首長になる人物が増えている。地方重視の表
れなのか、それとも地方自治体を舐めているのかは定かではないが、地方から国
へというステップアップの逆が起きているのは間違いない。
 牛後より鶏頭と考え、やりがいをそこに求めるのかと思えば、権力志向で地方
自治体の首長を目指した人もいる。そういう人物の中には「反(脱)原発」を掲
げて当選した後、原発容認に傾き、2期目は初出馬の際に対立した自民党に推薦
を求めた知事もいた。

 政治家としてこれほど優れた男はいないと思われるが、彼ほど成したプラス面
よりマイナス面や好きか嫌いかという本筋以外のことで語られることが多い政治
家も珍しい。
 政治家は政治思想や業績、手腕で評価されるべきである。ところが小沢一郎に
限っては、そういうことより好きか嫌いで語られ、親小沢、反小沢という本来の
政治とは関係ないところで分かれ、話題になる。
 民主党政権時代がまさにそれだった。民主党が政権を取った影の主役は小沢一
郎というか、小沢一郎なくして民主党政権はなかったにもかかわらず、政権奪取
後に親小沢派と反小沢派に分かれ内部紛争を行ったが故に民主党政権は瓦解した。
少なくとも瓦解の一因になった。

 小沢一郎ほどブレない政治家はいない。彼は議員になりたての頃から「政治改
革」を標榜し、良し悪しは別にして、現在の小選挙区制は小沢一郎が目指したも
のである。政権交代が可能な2大政党政治にしたい。彼は議員になりたての頃か
らずっとそう考え続けてきたのである。そのために身を捧げてきたといっても過
言ではないだろう。

 そして小選挙区制は実現できたが、彼が目指す2大政党政治は実現できなかっ
た。野党が弱すぎたからで、強い野党を作り政権交代を可能にしなければならな
い。そのためには数がいる。
 まあ大雑把に言えば、小沢一郎はそう考え、野党の結集を訴え、仕掛けてきた。
過去2度は曲がりなりにも「成功」した。それでも小沢が目指す政権はできなか
った。

 3回目の正直、という言葉がある。小沢一郎の3回目の挑戦は成功するだろう
か。残念ながら失敗に終わるだろう。

非情になり切れない小沢一郎

 なぜ、失敗に終わるのか。

「俺は西郷南洲が本当は好きです。彼には情がある。人間は、やっぱり情だよね」
 その一方で「政治家としては大久保利通に惹かれます」とも小沢は言っている。

 小沢一郎の失敗は「大久保利通になり切れなかった」からだろうと思っている。

情に引きずられ、非情に徹しきれなかったのだ。

 もし小沢一郎がもっと能弁だったら、日本の政治は変わっていたのではないだ
ろうか。彼は例えるなら中小企業の職人タイプの社長である。社員や部下に懇切
丁寧に教えたり、マニュアル化をするのが苦手で、自分でした方が速いと考え、
また自分ですれば望んだ通りの結果を出せる。
 それなら社員教育に力を入れ、自分のノウハウを教えればいいではないかと思
うが、職人タイプの人間にはそれが出来ない。「技術は盗むものだ」という考え
が染み付いている。

 全文はHPでお読み下さい。

 「目を覆いたくなる政治家の質低下(2)

   ~大久保利通になり切れなかった男」

 http://www.liaison-q.com/kurino/Seijikanosituteika1.html


Nの憂鬱20~反戦歌とフォークゲリラ

2023-10-05 11:54:51 | 視点

Kurino's Novel-20                    2023年9月26日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Nの憂鬱20~反戦歌とフォークゲリラ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇顔写真を撮り無言の圧力を

 工学部に巣食う学内右翼による大学正門前の立て看板破壊、全共闘の学長室占
拠、右翼・防共挺身隊の早朝襲撃があり、その過程で器物損壊、中山学生課長に
対する暴行・傷害容疑等で数人が逮捕されるなど、夏休みが明けるとE大はの状
況は一変して騒々しくなった。
 逮捕者に対する接見、差し入れ、裁判支援闘争が従来の活動に加わってきたし、
10月21日の国際反戦デーに向けた取り組みもあったが、この頃になると各セクト
の活動は学園闘争より10.21や、その後の佐藤訪米阻止闘争をいかに闘うかとい
う政治的課題に対する闘争の方が高まると同時に学内闘争も先鋭化していった。

 この頃になるとデモはスクラムを組んでのジグザグデモが当たり前になり、そ
の周囲を「私服」が身分を隠すことなく付きまとい、これ見よがしに真っ正面か
らカメラを向けてバシャバシャッと撮っていった。お前の顔写真を撮っているぞ、
お前が過激デモに参加している証拠だ、と言わんばかりに警察権力による半ば恫
喝である。
 ここまで露骨に顔写真を撮られると、大手企業等への就職を考えている学生に
は効果てきめんで、学外デモへは参加せず、せいぜい学内で後方支援活動を行う
か、それもできない学生は全共闘活動に距離を置くノンポリ学生と化すか、少し
離れた所から見守り「機動隊導入ハンターイ」「不当逮捕に抗議するぞー」とシ
ュプレヒコールで声を挙げるのがせいぜいだ。

 (俺の面は完全に割れてるな)
 写真をバシャバシャと撮られながら、Nはそんなことを思っていた。今更、面
が割れる割れないではなかった。まだ少人数でデモを行っていた当時から写真を
撮られているから面はとっくに割れているし、N自身その自覚はあった。だが、
一般企業への就職試験を控えている連中は大変だろうな、と彼らがデモに参加し
ない気持ちが分からないでもなかったが、「お前ら、それで自分に恥ずかしくな
いのか」と蔑む気持ちもあったが、だからといって誰かをデモに誘ったりしたこ
とはなかった。

       (以下略)

 

全文はHP内の「Kurino's Novel Nの憂鬱」でお読み下さい。

 http://www.liaison-q.com/KurinoNovel/KurinoNovel-index.html

バックナンバー

 Nの憂鬱1:彼思う故に我存在す

 Nの憂鬱2:鳥になった日

 Nの憂鬱3:二階から落下する


茶番劇のジャニーズ事務所会見

2023-09-11 11:22:52 | 視点

 「人は見た目が90%」という本があったのを思い出した。

ビジュアル社会、映像社会になって、人は見た目を重視するようになり、見た目で判断する(させられる)ようになった。

 その結果、外見ばかりを気にする人が増え、外見で騙される人が増えた。言い換えれば本質を見抜く力を失ってきたということだ。

 今回のジャニーズ事務所の会見はそのことをうまく逆手に取り、茶番劇を実に上手に演出した。

 メディアも視聴者も長年に渡り性加害を行った(一部にはそのためにジャニー氏が会社を作ったと指摘した内容もあった)。

ジャニー喜多川氏の姪の藤島ジュリー景子氏が9月5日で社長を辞任して7日に会見を開いたのも、同じく同日副社長を辞任した人物を

会見に同席させなかったのも実によく練られた戦術で危機管理マネジメントの専門家によるレクチャーを何度も繰り返していたように思える。

 会見に同席した藤島ジュリー景子、東山紀之、井ノ原快彦の各氏が揃ってメガネをかけていたのも専門家のアドバイスによるものだろう。

メガネにもよるが、メガネをかけると一見誠実そうに見える。

 第三者委員会の提言から日数がかかっての会見はそういうことの準備にかけた日数だろう。

どこまで認めるのか、社名を残すのか残さないのか、前社長の退任後の扱いをどうするのか等々。

 その結果が代表取締役社長は辞任したものの代表取締役には留まる。

社名変更はせず、そのまま継続して使用するというもの。

 呆れてモノが言えない。

代表取締役社長辞任で取締役会長に就くという例はよく見るが、代表取締役社長を辞任した後も

代表権を持ったまま取締役に留まるという例は知らない。

しかも株を100%持ったままなのだから、普通に考えて何かが変わると思う人はいないだろう。

いるとすれば余程組織に疎い人か、余程のお人好しだろう。

 会見で東山新社長に対し突っ込んだ質問があったようだが、そんなことは欧米では当たり前のことで、

それをとやかく言う方の気が知れない。

 気が知れないといえばメディアの対応だ。

いままで散々ジャニーズ事務所に忖度し、ジャニー氏の性加害を知りながら、そのことに触れず頬かむりしてきたにも拘らず、

そのことに対する猛省がなされず、通り一遍の反省で済ませているのをみれば、この国のメディアは今後も変わらないだろうと思ってしまう。

 中でも問題なのはテレビ朝日。

昼前に「大下容子ワイド!スクランブル」があるが、その中で大下容子アナウンサーはつぎのようにコメントした。

 「自らを厳しく律してエンターテインメントを追及してきた東山さんがプレーヤーを降りるという決断は、

非常につらいものだったんではないかなと思います」

 えっ、社長就任だから即芸能活動を辞め今後の対応などに全力を集中すべきだろうと思ったが、

年内、芸能活動をしながらでも出来る社長業って、代表権を持った社長なのかと思ってしまうが、

そういうことにも触れず「非常につらいものだったんではないか」と同情する報道はちょっと考えられない、

というかテレビ朝日とジャニーズ事務所のズブズブの関係を逆に窺わせる。

「メディアとジャニーズ事務所は距離感はどうだったのかな、というところはやはり私も思っています。

(中略)やはり一定の緊張感をもって接していかなければならないと思いますし、

そのことは今後も私たちもずっと問われ続けることではないかなと思っています」

 どこか他人事っぽく聞こえるのは私だけか。

 個人的には「ワイド!スクランブル」は見ない。

理由は彼女は番組MCなのに、自分の意見を言った後に「と思いますが、どう思われますか」と

ゲストで呼んだ専門家に話を振るが、それはMCとしては違うだろうと思うからだ。

 大下容子氏は役員待遇のアナウンサーである。

だとすればTV局を代表し、今までジャニーズ事務所に忖度し、この問題を取り上げて来なかった自分達にこそ責任がある。

そのことをまずもって視聴者の皆さんに謝罪します、と謝るべきだろう。

 茶番劇だらけの会見と報道ではジャニーズ事務所もメディアも何も変わらないだろう。


「コロナ」が変えた社会(7)~世界はファッシズムに向かう

2023-09-09 12:09:22 | 視点

人はなぜ陰謀論に惹かれるのか

 こうした現象は何も今回が初めてではないが、ここまで威力を持ち、勢力を拡大したのは今回が初めてであり、

それだけにこのウイルスの蔓延は恐ろしい。

 ウイルスは宿主に寄生して生きていくため、ウイルスと宿主は共生関係にあるとも言える。

ウイルスにとって宿主は絶対必要な存在で、宿主が絶命すれば自らも絶命せざるを得ない。

 だから一般的にはウイルスの毒性は宿主を絶滅させるほど強くはない。

しかし、今回のウイルスは強力で、ある地域では宿主を2分させ、互いに闘わせているし、我が国でも一定の感染力を持って広がっている。

 人はなぜ、このウイルスにいとも容易く感染するのか。その背景と今後に及ぼす影響について考えてみたい。

 「人間は考える葦である」

フランスの哲学者パスカルは、人間は自然の中で最も弱い1本の葦に過ぎない、と言った。

だが、それは「考える葦」だと。葦と人間の違いは思考するかどうかなのだ。

 「反省するだけならサルでもできる」というCMが流行ったことがあるが、これは正確に言うと

「反省している動作(ふり)」だけならサルでもできる(猿真似)ということであり、それは「反省」とは別物だ。

 反省とは過去の行動を振り返り、改めるという思考(考える)が伴うからで、「考えるサル」は人間になれるが、

「考えない人間」はサルと同じだろう。

 しかし今、考えない人達が増えている。

風の強さや風向きを見て、風になびき従っていたり、風に逆らっているように見えても、その実、別の意見に同調し、

その強固な信者になっているだけの人が。

 こうした傾向は何も昨日、今日現れたわけではない。

なんども形を変えて現れている。

「フリーメーソンの陰謀」だったり「宇宙人説」や「影の集団」、挙句の果てには「M資金」という言葉も

日本では何度も囁かれては消えた。そのうち最も長かったのが「秘密結社」フリーメーソンだろう。

 フリーメーソンは別に秘密結社ではなかったのだが、組織の実態が広く知られてなかったり、

ベンジャミン・フランクリンやルーズベルト、トルーマン、マッカーサーなどがフリーメーソンの会員だった

こともあり、世界の政治を影で操っているのは彼らだという「陰謀論」がまことしやかに囁かれた。

そういえばロスチャイルド家もフリーメーソンと同じような位置づけで囁かれたことがあった。

 これらは「エスタブリッシュメント」への反発から来る「陰謀論」で、確たる根拠(エビデンス)は

ないにもかかわらずというか、だからこそ一部の人達の間で信じられ、広がっていた。

 なぜ、この種の話は広がるのか。1つには面白さがあり、次に説明の付けやすさがある。

 人は論理的な話をあまり好まない。

それよりはスパッと言ってくれる話の方に飛びつく。

正しいかどうかではなく、分かりやすく感情に訴えるものの方を好む。

 ドナルド・トランプ元米大統領の言動が支持されたのはまさしくこのためだ。

「君たちの生活が苦しいのは移民が仕事を奪っているからだ。移民の流入を阻止しろ」

「SARS-CoV-2なんか怖くない。マスクなんか着けなくていい」

「選挙で勝ったのは私だ。民主党陣営は票を誤魔化している」

 アジアやアフリカの独裁政権が使っているのと同じ言葉をアメリカの大統領が発し、

議会議事堂へデモをかけるように支持者を煽ったわけで、つい先程、ミャンマーの軍事政権が選挙の不正を訴えて

クーデターを起こし軍政を敷いたが、それと同じことがアメリカで起こりかけたのだから恐ろしい。

 さらに恐ろしいのはアメリカ国内ではまだトランプの言うことを信じている人たちが結構いるということと、

日本にも一定数いること。トランプ夫妻はちゃっかり早々とコロナワクチンを打っているというのに。

 論理的な思考より感情に訴える話の方を好むのは日本人も同じ

都合よく説明できる宇宙人説や陰謀論

 宇宙人説や陰謀論が流行るのは、今起きている不可解な出来事を都合よく説明できることも大きく関係している。

 例えばキリストが起こした数々の奇跡や復活もキリスト宇宙人説に立てばスッキリ説明できるし、

エジプトのピラミッドも宇宙人建設説なら実にスッキリ説明できる。

 アメリカの陰謀、ロスチャイルド家の陰謀、ビル・ゲイツの陰謀等々。

とにかく不都合、不可解な現象は裏で〇〇が操っていると言いさえすれば、全て簡単に説明できる。

 陰謀だから理論的、科学的、論理的に説明しなくてもいい。「陰謀だ」と言いさえすればいいのだから。

 こうした陰謀話を聞いた人は最初は半信半疑だが、そういう人には「実は私も最初はそうだった」とか、

別の人を連れて来て「この人も最初は半信半疑で信じてなかったけど、今は彼(彼女)の方が私に情報を

教えてくれるほどの存在」と言えば「そうなのか、この人も最初は半信半疑だったのか。私と同じだ」

という妙な安心感と仲間意識みたいなものを覚え、第三者が信じたのだから本当だろうと思い込んでいく。

 一度そうした感情に陥ると、後は陰謀論信者になるのは容易いことで、それを手助けしてくれる便利なものが現代にはある。

インターネットやSNSだ。

 インターネットに接続して検索すれば「仲間」はすぐ見つかる。そして安堵する。

自分だけではなかった。ほかにもこんなに多くの人が信じているのだ、と。

何事につけ人は独りだと不安になるが、同じ考えの人がいれば安心する。落ち着く。そして群れる。

動画中心の人ほど偽情報、陰謀論に感染

 インターネットは数々の便利なものを我々に提供し、生活を大きく変えることに貢献したが、

その一方で人々を情報漬けにし、真偽不明な情報を溢れさせたのが最大の罪で、今GoogleやFacebook、Twitter、

さらにMicrosoft社はそのことに気づき、フィルターにかけフェイクニュース(偽情報)の拡散を防ぐ必要性を感じ始めている。

 しかし、これは難しい問題だ。

どれが不都合、あるいは害を与える情報で、どれがそうでないかの判断基準をどこに置くのか。

また判断は誰がするのか等々といった問題がある。

 規制を強めれば、最近、力を増しつつある中国や、アジア他で拡大しつつある独裁政権のようになる危険性があるし、

なにもしなければフェイクニュースに正しい情報が埋もれてしまうことになる。

 ところで陰謀論を信じる人達にはある共通点がある。

ユーチューブなどの動画をよく見ているし、彼らが入手する情報はほとんどが動画だ。

 動画は視覚から直接脳へ情報が伝達される(送り込まれる)ため、脳を刺激することが少ない。

そこが本や文字から入ってくる情報と違う点で、文字を読むという行為が加わることで情報が大脳を経由し、

その間に考え、情報の選別をしている。

 つまり動画と文字情報では動画からの方が影響を受けやすく、陰謀論に限ることではないが

他者の意見に感化されやすく、同調性が強いのは動画視聴者に多い。

「ハードファッシズム」と「ソフトファッシズム」

 インターネットは情報の民主制、公開に大きく道を開いたが、今世界で行われていることはその逆で、

情報の画一化、統制であり、それはファッシズムへ続く道である。

しかし、その危険性を意識している人は存外多くない。

 ファッシズムと言えば戦前の軍部独裁やヒットラーのナチスドイツ、あるいは北朝鮮、

軍部独裁のミャンマー政権等を思い浮かべるかもしれないが、

武力による強権的な弾圧政治のことだと捉えれば見誤ることになる。

 

顕在化する民衆ファッシズム

 

ファッシズムの主役は大衆

 

 全文は栗野のHP http://www.liaison-q.com/kurino/Softfascism1.html

栗野的視点(No.738):「コロナ」が変えた社会(7)~世界はファッシズムに向かう で。