栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

ノートパソコンのキーボードが壊れたが・・・

2018-12-29 16:48:38 | 視点
 昔と違って最近(Windows7か8.1時代以降)のパソコンはヤワに作られている。
これはなにもパソコンに限る話ではなくデジタル製品一般に言えることだが、
コスト優先で一つ一つの部品が安く作られているだけでなく、それら安い部品を集めて組み立てるだけだから
メーカーがどこであろうと関係なく、日本製と思って買っても中の部品は全て中国その他の国で
作られているため昔のパソコンとは比べ物にならないほど耐久性はない。
すぐ壊れる。

 だからというわけではないが、ノートパソコンは5年持てばいいと考え、大体5、6年で買い替えてきた。
またOSのWindowsが10年程で変わっていたからパソコンに20万円以上投資しても、
パソコン本体はしっかりしていても肝心のOSが古くなる。
もちろんOSが古くても使えないわけではないが、そのうちソフトの方も古いOSをサポートしなくなる。
それなら新しいパソコンに買い替えた方がいい、となる。

 10年も使わないノートパソコンに20万円も30万円もかけるのはバカらしい、と思うから
10万円~7万円で買っている。
ゲームをするわけではないし画像を扱うなどのCPUに負担をかける使い方をしてないから
高級パソコンが必要ないのだ。
文章を書くのはエディターで「一太郎」や「ワード」などのワープロソフトさえ使ってない。
一応「一太郎」は入れているが、それはプリントする場合の整形用で、その場合でも実際に使っているのは
「LibreOffice」というフリーソフトだし、エディターは「秀丸」というシェアウェアだ。
 文章を書くという作業ではエディターが最も速く、ストレスがたまらない。
その代りに出来上がりの見栄えという観点ではまったくダメだから、見栄えが必要な場合
(文字を強調したり、大きくしたり、文字飾りを付けたりという)だけ「一太郎」や「LibreOffice」で
整形をしているというわけ。

 後の使い方はブログにアップする写真の加工(縮小)とメーラーにネット閲覧程度。
その他は「OneNote」と「Evernote」があれば取り敢えず足りる。
パソコンはMS-DOSの時代から使っているが、いまだパワーポイントも使ったことがないという
いまではすっかりマイナーなパソコンオタク(?)になってしまったが。

 前振りはこの程度にして実家に置いているレノボのノートパソコン(i5)が壊れた。
といっても数年前で、これは予定より数年早くダメになったので、その時点ではちょっとショックだったが。
壊れたのはキーボードで、ある文字列が一切受け付けなくなったのだ。
 デスクトップ、ノートPCともに、長年使ってきてキーボードが壊れたのは初めてだけに驚いた。
いくら安く買ったノートPCとは言え3、4年で壊れるというのはない。
ましてやキーボードだけに「えっ、どうして?」という感じだった。

 壊れたのがキーボードだけだから、そこを修理すればいい、と考えるのは甘い。
デスクトップの場合ならキーボードは単体でいくらでも売っているから何も問題ない。
価格も数千円、高いものでも1万円前後だ。

 ところがノートPCの場合は一体型だからメーカー(販売店)修理になる。
しかも、調べてみるとキーボードの修理は結構高い。
2、3万円もキーボードの修理代に払うなら、この際買い替えた方がマシというものだ。
OSもWindows7だし。

 そう考えて、しばらく放っておいた。
どうせ実家に置いているノートパソコン(15インチ)だし、旅行の時はいつも11.6インチの
携帯用ノートパソコンを持ち歩いているから、取り敢えず不自由なことはなにもない。



 だが、ある時「もしかすると外付けキーボードが使えないだろうか」と考えた。
USB接続の外付けキーボードは家にゴロゴロしている。
その内の1台を接続してみた。
すると、これが問題なく使えた。
それどころかキータッチは外付けキーボードの方がはるかにいい。

 これはいい、と思っていると今年になって今度は携帯用のノートPCのキーボードがおかしくなった。
パソコン工房で4年前に買ったものだが延長保証をかけていた。
いままで延長保証をかけたことはない。
4、5年で故障するわけがないと思っていたし、耐久年数5、6年と考えていたからだ。
だが、この時だけはメーカーの1年保証+3年延長保証を付けた。
しかし、よくしたもので延長保証は今年7月末まで。
それを待っていたかのように8月にキーボードの調子がおかしくなり、一切のタッチを受け付けなくなった。

 それでも自宅で使う分には外付けキーボードを接続しさえすれば問題なかった。
問題だったのは旅行に携帯用ノートPCを持って行く時だ。
さすがに大きなキーボードを持ち歩くわけにはいかない。
そこで携帯サイズの小さなキーボードを買った。



 同じことならケーブルがないブルートゥース接続、と考え買ったが、携帯用ノートPCがブルートゥースに
対応してなかった。
 だがタブレットの方は対応しているので、ブルートゥースキーボードはもっぱらタブレット用にし
新たにケーブル接続のミニキーボードを買った。
これなら携帯用ノートPCとサイズ幅が同じだからキャリーバッグに入れて持ち歩いても邪魔にならない。
修理代に2、3万円も出さず、2000円余りの出費で済んだ。

 もしノートPCのキーボードが壊れたら外付けキーボードを試すことをお勧めする。





問題は世界がアメリカ的新自由主義の強欲資本主義と決別できるかどうかだ。

2018-12-22 12:29:01 | 視点
 カルロス・ゴーン日産前会長の逮捕で擁護派、批判派双方が連日メディアを通じて色々言っているが

ほとんど論じられないのが高額報酬を是とする背景だ。

大まかに分けると高額報酬是認派はアメリカ社会の中流層以上に属する人々でヨーロッパ諸国は大体批判的である。

ゴーン氏がCEOを務めるルノーのフランスでも。

我々の社会が高額報酬を是とする強欲資本主義と決別するのかどうか。

そこを明確にしない限り産業革新投資機構役員の高額報酬のように第2第3の「ゴーン」は生まれ続けるだろう。

下記「栗野的視点」を「まぐまぐ」から配信

リエゾン九州のHPにも掲載しているのでご一読いただきたい(どちらも無料で閲覧できます)

「カルロス・ゴーン問題、新自由主義への決別になるか」(2018年12月2日)

  「まぐまぐ」は下記から
   https://archives.mag2.com/0000138716/20181202184418000.html?l=rzx0003148

「アメリカ的強欲資本主義と決別できるか~カルロス・ゴーンが及ぼした影響」(2018年12月10日)

  「まぐまぐ」は下記から
   https://archives.mag2.com/0000138716/20181210172849000.html?l=rzx0003148


自転車が「盗られた」と思ったら、まずここを探せ!

2018-12-20 12:15:23 | 視点
 このところ福岡市で自転車の「盗難」が相次いでいる。
「盗難」に遭う場所は天神、博多、中洲などの中心部だ。

時間は昼夜関係なし。
鍵をかけている、いないも関係ない。
駐輪時間も関係ない。


 実際、1時間前に駐めた自転車が戻ってみると影も形もなくなっていたという話を耳にする。

 その時、誰もが「盗難」と思うに違いない。
次に取る行動は警察(最寄りの交番か警察署)への被害届だろう。

 防犯登録をしているから出てくるに違いない。
見つかれば警察から連絡があるだろう、と考えて待つ。

 防犯登録をしてなかった人は、あの時しとけばよかった、と後悔するに違いない。
自転車が新しければ尚のことそうだろう。
古い自転車なら諦める人もいるかもしれない。

だが、これで自転車が出てきた人はよほどラッキーな人で、まず出てこないと思った方がいい。

 理由はいくつかあるが、警察官が忙しく自転車捜しのような「些細な」(失礼)事件にかかる余裕がないということが1つ。

 もう1つは意外な人間が「盗難」し、意外な場所に「保管」しているからだ。

しかも、その場所には大量に「盗難」された自転車が置かれている。

よくもまあ、これだけ「盗み」に「盗んだ」ものだと思うほど大量の自転車が、そこにある。

 これでは警察官が発見できないのも納得できる。

 それにしても誰が、何の目的で、と思うだろうが、次のことを聞いて怒らない人がいるだろうか。

自転車「盗難」犯人は福岡市

 なんと、自転車をこっそり持って行ったのは福岡市。

理由は「放置自転車の撤去」

撤去と言っても事前通告も警告もなく、いきなりである。

普通、張り紙なりなんなり事前通告をするだろう

仮に500歩、1000歩譲るとしても、「窃盗」でなく「撤去」だというなら、「保管場所」を知らせる通知書を付近の目立つ場所に貼り付けておくべきだ。

 そういうこともせず、所有者に無断で「撤去」するのは「窃盗」以外の何物でもない。

 放置自転車を撤去しているのは市の何課なのか調べると「道路下水道局」だった。

市のホームページ内に「放置自転車対策」として次のように記している。

「放置された自転車は、禁止区域内では即時、禁止区域外では3日経過後撤去」

 果たしてどれだけの人がこのホームページを閲覧し、この事実を知っているだろうか。

 http://www.city.fukuoka.lg.jp/doro-gesuido/cycle/hp/removal.html


保管場所

 市によって「盗難」された自転車はどこに保管されているのか。

 ホームページによれば市内10箇所に保管場所(野ざらし)があるようだ。

 詳細は下記HPをご覧いただきたい。

 http://www.chari-angels.com/info/info_6.shtml

 保管期間は1か月でそれ以後は処分すると記載されている。

引き取りには「身分証明書」「自転車のカギ」のほかに「保管料2,500円」を要求される。

 もちろん保管場所までの移動費は自己負担だから、3000円~4000円の出費を覚悟しなければならない。

 注意しなければならないのは保管期間が1か月と短い

 その期間を過ぎると勝手に処分される。

 防犯登録をしていても、市から持ち主に連絡があるわけではない。

 勝手に持って行って、勝手に処分するのだ。

 いくらなんでもこれは行政の横暴だと思うが。




スマホは集中力を阻害し、学力の低下を招くと法律で禁止

2018-12-08 11:55:02 | 視点
 今年9月、スマートフォンの使用が法律で禁止された--。
と言っても日本ではなくフランスでのことだが、法規制までしなければいけないとは穏やかではない。
なぜ、そこまでしなければならないのか。背景には何があるのか。
また、こうした動きは今後他国、例えば日本でも広がる可能性があるだろうか。



 この問題には2つの側面がある。
1つはフランス特有の問題であり、もう1つは世界各国(主として先進各国)が共通して抱えている問題である。

 前者はフランスの新大統領にエマニュエル・マクロン氏が就任したことと大いに関係している。
というのはマクロン氏はフランス全土の幼稚園、小中学校で生徒の校内でのスマホ使用禁止を
大統領選での公約の1つに掲げていたからだ。

 そして公約通りに9月の新学期開始と同時に実施したわけだが、それは実施目標でも
「お願い」でもなく法律まで作って禁止したのだから、自由の国フランスではさぞかし反対されたに違いない。
そう考えたのはこちらの思い過ごしで、むしろ保護者からは支持されるなど好意的に受け止められたようだ。

 なぜ、スマホの校内使用禁止が支持されたのか。
それはスマホが生徒の集中力を阻害しているからである。

 これについて異論がある人は少ないだろう。
集中力の阻害は勉強だけではない。
仕事上でも現れているし、スマホが登場する以前の携帯電話時代でも現れていた。

 例えばこんな例がある。オフィスワークをしている女性社員が頻繁にデスクの引き出しを開けている。
最初のうちはペンか定規でも取り出しているのだろうと思っていたが、別にそれらを取り出すわけでもなく、
引き出しを開けて中をチラッと見て閉めるだけだ。
ただ開ける引き出しは決まって一番上で、それ以外の引き出しを開ける時はファイルだったり
書類を必ず取り出していた。

 その光景を目にした当初は、その女性の癖だろうと上司は思ったらしい。
仕事中に無意識のうちに行う意味もない癖の1つや2つは誰しもある。
だが、気になりだすとどんどん気になるもので、しばらく観察していてあることに気付いたと言う。
それは携帯電話の着信を見ていたのだ。
着信音は鳴らない設定にしているが、バイブレーションで着信を知らせる設定にしているため
周囲に悟られることなく、振動がする度に引き出しを開けてチェックしていたというわけだ。

 携帯電話時代でさえこれだから、スマホになるともっと頻繁になり、
会話中でも講演を聴いている時でもスマホをポケットから取り出し、
テーブルの下でそっと見ている光景は今では当たり前のように目にする。

 社会人ですらこうだから小中学生なら授業よりスマホの画面が気になり勉強に身が入らなくなるのは当然だろう。
イギリスのロンドン大経済政治学院が2015年に行った調査によれば、携帯電話の使用を
禁止するとテストの結果が6%アップしたという結果が出ている。
これならマクロン大統領が携帯電話の校内使用を禁止したくなるのはよく分かる。

 マクロン大統領は小中学生の勉強だけでなくマナーにも厳しいようで、
6月にパリ近郊のモンバレリアン要塞を公式訪問した際、待ち受けた中学生の一団に囲まれ、
彼らと一緒に自撮りなどをしていたが、男子生徒の1人から「マニュ、調子はどう」と呼びかけられた。
「マニュ」はマクロン氏の名前、エマニュエルの愛称だが、そう呼びかけられた彼は
「それはいけない」と男子生徒に注意し、次のように諭したのだった。
「君は公式行事でここに来ているのだから、きちんとしなくてはいけない。
私のことは大統領、あるいはムッシュと呼ばないといけない。分かったね」

 そう、公式行事では相手に敬意を払い、「大統領」「議長」などと役職名で呼ぶか、
名前を呼ぶ時でもファーストネーム(名)ではなくラストネーム(姓)で呼ぶべきなのだ。
どこぞの国の首相は相手国のトップとの親密度を演出したいのか、
やたらとファーストネームで呼んでいるが、それは礼を欠いている。
少なくともマクロン氏はそう思うに違いない。



 さて、日本ではスマホ使用はどうか。
このような調査も法規制の動きもないがスマホ使用の弊害は以前から指摘されている。
「ライン」などのSNS疲れ、スマホ依存症まであるが、
やはり心配なのは高校生以下の注意力散漫、読解力の低下。

なかでも長文を読めなくなり、短文、極端な場合は1フレーズのやり取りが増え、
思考力低下を招いていることだ。

 思考力の低下は忍耐力、許容力の低下に繋がり、短絡的で自己中心的な考えに陥る。
その結果、自己中心的で短絡的な犯罪や無差別殺人が増えている。
こうした状況は日本だけではなく、アメリカでも中国でも、スマホ所持率が高い国々で共通している。

 ただ、日本はフランスに比べると民主的というか寛容で、法規制までしようという動きはない。
せいぜい「午後9時以降はスマホ利用を制限する」というルールを作ろうとしている程度だ。
それでも福岡県川崎町のように町内の全小中学校で携帯電話、スマホの校内持ち込みを
2015年10月から全面禁止した町もある。

 水は低きに流れ、人は易きに流れる。
一度手に入れたスマホを数時間でも手放す習慣が作れるかというと多少疑問はある。
それでもバス内で大声で電話する人は随分減ったような気がするし、
飲食店で喫煙する人も減少する傾向にあることを考えれば啓蒙活動の効果もあるかもしれない。

 子は親に似るというから、大人である私達自身が率先して夜9時以降の携帯端末操作をやめ、
電源を切るようにすることの方が大事かもしれない。