栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

フェミニストは誤解を生む・・・?

2004-11-26 12:45:50 | 雑感
 男と女の間に誤解は付きものとはいえ、最近のセクハラ報道を見ていると、君子危うきに近寄らずで自戒しなければと思ってしまう。
まあ多いのは先生や会社に所属する人達、いわゆる権力を持っている人間。
その点、どこにも所属せず、金も力もない私などは比較的遠い距離にいると思っていたが、どうもそうでもなさそうだ。

 自分で言うのも何だが私はフェミニストである。
女性はできるだけ褒めるのを信条としているし、3度は誘うものだと心得ている。
メールのアドレスを聞いたり、食事に誘ったりするのになんの抵抗もない。
自分ではそれ程深い意味がないからだ。

ただ、PCメールのアドレスは聞いても携帯のアドレスは聞かない。
ましてや携帯電話の番号はまず聞かない。
食事も夜誘っているわけではなく、昼でも構わない。
一応、その辺りに自分なりのケジメというか線引きをしているわけだ。

 とはいえ、私にも嫌いなタイプ、苦手なタイプはある。
そういうタイプにはもちろん聞かないし、誘わない。
そうなると、線引き、ケジメといったところで段々あやふやになる。
やはり多少なりとも好感を持った相手しか褒めない、誘わないとなれば、最初の前提が崩れてしまう。
そのことに最近気付いたのである。
なんとも愚かとしか言いようがないが、昨今のセクハラ騒動を耳にするにつけ、フェミニストを返上しなければなどと思ってしまう。
まあ、せめてもの幸いは権力を持ってないことだろう。

ベンチャーが失敗する時

2004-11-25 15:12:10 | 視点
 九州の素晴らしい技術を紹介するため、再び九州各地の技術系企業を取材して回っているが、その中で気付いたことがいくつかある。
 1つはブームが人を狂わせるということであり、もう1つはベンチャーの陥る失敗パターンの共通性である。

 この10数年の間に我々は2つのブームを経験している。
1つはバブルという言葉で代表される投機ブームである。
もう1つは第3次ベンチャーブームである。
前者は金融機関に踊らされ、真面目な会社員までもが皮算用に狂い、人生を棒に振った。
後者は真面目な製造業や技術者までもが、やはり捕らぬ狸の皮算用をし、地に足が着かなくなった。
前者は金融機関の責任だが、国にも一端の責任はある。
後者では国(行政)の責任が大きい。
だが、その国は責任を一切取ろうとしないばかりか、バブルは金融機関に責任を押し付け、今度は不良債権の処理で金融機関を締め付け、その結果、弱い中小企業と国民にしわ寄せがきた。

 ベンチャーブームの影響はある意味もっと深刻だ。
もはやブームとは言えないまでも、まだ現在進行形で進んでいるだけに被害はまだ拡散している。
問題なのは学生などまでがこのブームに巻き込まれ踊らされていることだ。

 さて、ベンチャーが陥る失敗パターンの共通性である。
それらはある段階にきた時に、ほぼ間違いなくその穴に落ちている。
まるで確率ゲームのように、ベンチャーの何パーセントかはその穴に落ちているのである。
といっても、その穴は新しいものではない。
20年前も15年前も同じように皆その穴に落ちているのである。
要するに、今回新たに出現したわけではなく、以前から皆共通して失敗する箇所で同じように失敗しているだけなのだ。
そういう意味では前轍を戒めにしていないといえる。

 前車の覆るを以て後車の戒めとする、というのが古来、人間の知恵である。
ところが、それをしないのが人間の傲りだろう。
古くはナポレンがハンニバルのアルプス越えの轍を踏んだ。
ヒトラーは両人の失敗から学習するどころか、傲りから逆に敢えて同じ轍に挑み、結果ロシアの冬将軍に屈服した。
人間がいかに学習しない動物かという証しだろう。

 ベンチャーが最初に陥る失敗は事業の先行きに明るさが見え始めたかに思えた段階である。
この段階では実際に明るいわけではなく、先の方に仄かに明るさが見えるような気がする段階なのだが、それを明かりが見えたと勘違いするところから失敗する。

 例えばA社は売り上げ4億円で上場を目指すと言い、その数年後に倒産一歩寸前まで行った。
当時を振り返って今「あの頃は有頂天になり状況が見えなかった」と反省している。
しかし、連日、ベンチャーキャピタルや銀行が投融資しますよと言ってくれば、凡人なら誰もが舞い上がる。
この間まで融資を頼みに行っても相手にしてくれなかった銀行が、掌を返すように数千万円から億の金を借りてくれと日参するのだから、舞い上がらない方がおかしいだろう。
 しかも、周囲に集まってくるのはその金のおこぼれに預かろうという輩ばかりで、諫言する者はいないからますます舞い上がる。
将来の事業計画といっても見込みばかりで、実際は砂上の楼閣。
一つ計画が躓けばガラガラッと音を立てて全てが崩れてしまう。
A社の社長は家屋敷も全て処分し、会社を閉鎖した。

 研究開発型のB社は県期待のベンチャーと持てはやされ資金も集まり、人も増やし、順調に推移しているように見えたが、商品化に手間取り、開発費ばかりが膨れあがっていた。結局、商品化の見通しが立たないまま事業を縮小し、今は数人で細々と継続している。

 技術開発型のC社が開発した商品は市場規模の大きさが注目され、皮算用ばかりが先に立った。
誰もが机上の計算に夢中になり、左うちわの自分の姿を想像し悦に入った。
ところが、実際に販売活動を始めてみると、意に反してユーザーの反応は冷たかった。
左うちわと有頂天になった分だけ落ち込みも激しかった。
結局、開発に注ぎ込んだ資金はどぶに捨てたと同じことになった。

 IT関連企業のD社はソフトが注目されたが、似たような商品は市場にあり、本人が強調する割りには独自性が市場で評価されなかった。
ところが、本人は成功者気取りであちこちのセミナーで講演をして回り、気が付いた時には営業が疎かになり、わずか7,000万円の決算ができずに自己破産の道を選んだ。

 彼らに共通しているのは現実と遊離した思い込みである。
さらにそれを助長させるほめ潰しに合っている。(「ほめ潰し」についてはリエゾン九州のHP内の「栗野的視点」を参照)
 先行きに見えた明かりを成功と勘違いしたところから悲劇が起こっているが、いずれにしろ起業直後に起こる失敗のパターンである。

 次の段階は上場前後である。
この段階のベンチャーはある程度成功していたり、すでにベンチャーキャピタルや監査法人が入っていることが多い。
中には上場が秒読み段階のところもあるだろう。
車でいえばアクセルを踏み込み加速している段階であり、こうなるとスピードダウンは言い出しにくい雰囲気になる。
当然のごとくベンチャーキャピタルは彼らのスケジュールに従って事を運び始める。
そのことが上場を急がさせられてるように感じることもあるが、一番有頂天になり地に足が着かなくなっているのは当の本人だ。

 E社は上場がタイムスケジュールに上がった頃から増産に向けて設備投資に走った。
金融機関もキャピタルも誰1人急激な設備投資に異を唱える者はいなかった。
それどころか設備投資を煽る雰囲気さえあった。
ところが市場の状況が変わり、新工場は開店休業状態。
残ったのは設備投資の借金のみ。
結局、上場は諦めた。

 F社の社長は上場を考え出した頃から頭を悩ませていた。
本人所有の持株比率が低く、一族の分を合わせても30%を下回っていた。
経営権を守るため増資を行ったが、その資金は金融機関からの借り入れで賄った。
今のようなゼロ金利時代ではなかったため、今度は借金の金利だけでもバカにならなかった。
借金返済のためには早く上場して、そこから得た創業者利益で返すほかなかった。
そのため上場を急ぎ、社内整備が不十分なまま上場した。
そのツケが上場後に回ってき、気が付いたら自分の会社から追われていた。
 このほかにも株価を維持するために粉飾決算まがいのことをしたり、経営権維持のために虚偽の報告をしている企業は西武鉄道を例に取るまでもなく多い。

 まとめてみよう。
ベンチャーが失敗しやすい箇所は2カ所ある。
まず最初の1カ所は離陸時期。
周囲からやたら持ち上げられ、講演などに引っ張り回され出すと危険信号である。
市場規模の大きさに喜び、捕らぬ狸の皮算用をして喜んだ事業はほぼ間違いなく失敗する。

 次の危機は上場前後に来る。
この段階ではキャピタル等からの資金も流入し、有頂天になり、地に足が着かなくなる。
金が人を狂わせる。
この頃に使った金はほとんど無駄金で、残らない。
金の使い道は昔から決まっている。女と博打だ。
無意味な贅沢品を買うか、夜の街で豪勇し女に金を使うぐらいなものだ。
社員のために何かしたなんて話は聞いたことがない。

 真面目な経営者程遊びで失敗しやすい。
なにより多いのは、上場直前になって自身の持株比率の少なさに気付き、慌てて変な手を打つことだ。
ひと言でいえば資本政策の失敗である。
好事魔多し、とはよく言ったものだ。
調子がいい時ほど注意したい。

宮崎・高千穂の紅葉はまだだった。

2004-11-18 12:31:39 | 雑感
 昨日、高千穂経由で福岡-延岡を車で往復した。
延岡には取材で出かけたのだが、所要時間は5時間。
高速バスを調べると4時間11分だった。
バスに4時間も乗っているのは体がきついので自家用車にしたが、往復10時間近い運転はやはり体に応える。
それでも車だと好きな時に好きな時間に休めるので、孤独な1人ドライブを楽しんだ(?)わけだ。

 行きは高千穂の道の駅でちょっと早めの昼食を摂り、ついでに橋の上から高千穂峡を眺めて写真を撮った。
道中、矢部、高千穂は秋色に染まっていることを期待したが、まだまだ先のようだ。
 帰りは真っ暗闇の中をひたすら走るだけで何の楽しみもなし。
行きがけの昼食は高千穂野道の駅で「だご汁定食」。
やまめが1匹乗っているやまめうどん・そばもお勧めですと言われた。
 夕食は8時頃に高千穂辺りのジョイフル。
ファミレスがあったり、ホームセンターのホームワイドやドラッグストアにパチンコ店と、秘境・高千穂のイメージとはほど遠いものばかり目にした。

 先週は宮崎・日南までやはり車で往復。
予定では帰りに北郷リゾートの温泉でもノンビリ入って帰る予定だったが、7、8年ぶりの再取材ということもあり、取材に思わぬ時間がかかってしまい、結局、日が暮れてから走る羽目になってしまい、温泉でノンビリリフレッシュという目論見は外れてしまった。

 日南は夜がいいんだけどな。夜食べる魚がおいしいんだけどな。
と、1泊を勧められたが根が貧乏性。翌日の仕事のことやら何やらを考え、せっかくのお勧めを振り切って帰ってきたけど、翌日は疲れて1日ダウン。
こんなことなら、お勧めに従っておいしい魚を食べて旅の疲れをいやしてから帰った方がよかったかと思ったが後の祭り。
 でも、お土産に頂いたカツオの刺身のおいしかったこと。
捕れたてのカツオを船中で急速冷凍したものらしく、こんなおいしい魚は食べたことがない。
 それにしても宮崎は遠い。
昔は「陸の孤島」と呼ばれる程交通の便の悪いところだった。
20年程前に比べると格段に道路事情はよくなったはずだが、それでもまだ時間がかかる。
交通アクセスから見れば、九州は西側に傾いた歪な形だ。
東九州軸の整備こそ必要だと思うが、JRも民営化されて以後は収益優先に走っているから、今後ますます日豊本線側の開発は取り残されていくに違いない。

合併でサービスが落ちた西日本シティ銀

2004-11-13 10:11:41 | 視点
 西日本銀行と福岡シティ銀行が合併し、どうなるのか注目していた点がある。
それは窓口サービスの問題だ。
私が住んでいる福岡市南区の町内には福岡シティ銀行と西日本銀行の2つがあり、福岡シティ銀は機械による番号札制を導入しているが、西銀は導入してなかった。
規模は良好ともほぼ同じ。客数も同じか西銀の方がわずかに多い程度である。
ところが、両行の窓口サービス(この場合は事務処理スピード)を比べると明らかに西銀の方が速かった。

 本来、番号札機の導入は窓口業務の煩雑さを避け、顧客サービスを充実させるために行ったものである。
ところがそれ程忙しくない支店窓口では番号機の導入が逆効果を招いていることがよくある。
同じ町内の福岡シティ銀がそうだった。
客はいないにもかかわらず「番号札をお取り下さい」と窓口の行員が言うし、閉店間際で多くの客が待っているにもかかわらず、窓口行員は事務処理スピードを上げようとしないばかりか、バックヤードの男性行員もノンビリと自分の仕事をしていて手伝おうとしない。
こんな銀行こそリストラをどんどんやって欲しいものだ。

 結局、目の前に客がいないから、急がなければという緊迫感がないのだ。
その点、西銀は支店の顧客数に応じて番号札機を導入しているようで、さほど忙しくないというか、暇な我が町内の支店には番号機を導入していなかった。
 それが、両行合併後に窓口に行くと、驚いたことに番号機が導入されていたのだ。
もちろん、同じ町内の旧福岡シティ銀の支店もまだ開いたままだから、合併で西銀に客が増えたということは考えられない。

 さて、番号札機導入の結果である。
窓口の処理スピードは明らかに落ちていた。
これほど見事にスローダウンするのかと思った程だ。
なぜ、いままで番号札機がないところに新規に導入したのか、その理由が分からない。いずれ支店の統廃合で番号札機が余るのは分かり切っているのに。
合理化ならぬ不合理化。
合併は本来の目的を達するまでにこの種の不合理化や、様々な無駄遣い、サービスの低下を起こしていくのだろう。
そして内部ではお決まりの派閥争いの激化・・・。
彼らの目が顧客たる預金者の方に向くことは果たしてこれから先あるのだろうか。

「先生」に多い個人主義

2004-11-08 09:12:53 | 雑感
 この世の中には「先生」と呼ばれる人が多い。
教育を担当する本当の先生から政治家まで、皆「先生」と呼ばれている。
私なんかもたまに講師で招かれると、紹介者が「先生」と呼ぶ。
そう呼ばれるたびに、相手に心を許せなくなる。
本心からそう思って言ってないことが分かるからだ。
むしろ親しみを込めて「栗野さん」と呼ばれる方が好きだ。

 それはさておき、最近は「先生」と呼ばれる(自称も含め)人が増えている。
医師、弁護士は生命を左右する人だからまだいいとしても、税理士、公認会計士、弁理士、社労士、建築士までもが皆「先生」と呼ばれる。
どうも士業の人が「先生」と呼ばれているような気がする。
国家から任命される(国家資格)ような人だから偉いのだろうと考え、「先生」と呼び始めたのではないかと思うが、その内向こう3軒両隣皆先生ということになりかねない。

 この「先生」にはある種の共通点がある。
個人主義者が多いということだ。
「先生」と呼ばれている内にそうなった(自分が偉いと思うようになった)のか、それとも元々お山の大将的に仕事をしているからそうなったのか。

 私の身近にもこの「先生」と呼ばれる人達が何人かいる。
彼らは一様に個人主義者である。
私はNPOを主宰しているが、会の理念や方針に関係なく、この「先生」は自分の思う通りにしたがる。
見方によっては独創的な意見と言えなくもないが、会の理念や方針を逸脱(自分なりの解釈)した主張は個人主義以外の何ものでもない。
挙げ句の果てには「俺が言っているのだからいいだろう」「任せてみろ」と言う。
それを認めれば会はバラバラの、単なる人の集まりになり、理念も方針も関係なくなる。

 自由とは何をしてもいいということではない。
英語で表現すれば、free from(何々からの自由)、 free to(何々をする自由)となるのだが、その辺が分からないようだ。
 その点、会社員は組織の中で動いているから、全体の中での役割ということがまだ分かっているところがある。
 最近、ジコチュウ(自己中心)という言葉がCMでもよく使われているが、このジコチュウは現在も増殖中である。

公的資金の上手な借り方について

2004-11-04 10:30:50 | 雑感
リエゾン九州の11月例会案内です。

 11月になるとさすがに冷え込んできましたね。
おかげで今秋は各地で見事な紅葉が見られるのではないでしょうか。

 景気も少し上向いてきたという話を耳にします。
前向きな展開をするために設備資金・運転資金が必要という方も多いのではないでし
ょうか。
 いずれにしろ、年末に向けて資金需要は高まっているのではないかと思います。
最近は公的資金も色々用意されていますし、利用しやすくなっているようです。
ただ、同じ申請の仕方でも借りられる人、借りられない人があるようです。
そこで今月は「公的資金の上手な借り方」と題して、公認会計士の新原清治氏に話を
してもらいます。

             --記--

●日 時:11月20日(土) 13:30 ~ 17:00
    ★(例会は基本的に第3土曜日に開催します)
●場 所:福商会館(大名1-12-57)の2F
      天神西通り、岩田屋本館(旧Zサイド前)の前に大福うどん、
      ケンターッキーフライドチキンがあり、その角を赤坂方向に
      入ると角から2、3軒目左手のビル(1FにPumaの赤いショップ)

●内 容:
1「公的資金の上手な借り方」
  講 師:新原公認会計士事務所・新原清治 氏

   最近は金融機関の合併再編成で従来の取引銀行の対応が一変、なんてことも
  あるようです。
  自社の都合で借りられないのならまだしも相手の都合でなぜ借りられないのか。
  そんな憤りを感じている人も多いでしょう。
  それならせっかく用意されている公的資金を利用しませんか。
   そこで、中小企業の立場で活動を続けている新原公認会計士に「公的資金の
  上手な借り方」のノウハウを話してもらいます。

2.発表企業
 「減容型生ゴミ処理機の販路拡大について」
  発表者:㈱福岡クボタ・環境プロジェクト営業課長 田淵健二 氏
  発表目的:販路拡大・導入企業の紹介

   クボタが開発した生ゴミ処理機・高速高能率有機物消滅装置「アースレミ
  ディー」について、販路の拡大及び導入企業の紹介等を目的に紹介します。

3.発表企業のその後
  発表者:㈱インベック・代表取締役 原崎多恵見 氏

   今月から導入した新企画です。
  リエゾン九州の場で発表したあの企業はその後どうなったのか。
  リエゾンのアドバイスは役に立ったのか、ビジネスになったのか。
  その辺りを発表してもらいます。


●例会参加は誰でも自由です。
  参加費用:会員・非会員共に1,000円。
 
●例会後、懇親会を予定しています。
   予算3,000円程度。今回は水炊きにしました。

●例会・懇親会とも参加申し込みは事前に!
   当日、会場準備の都合上、極力事前に参加申し込みをお願いします。

●ネームプレートを各自お持ち下さい。

☆ ☆
[リエゾン九州設立趣旨]
 九州には素晴らしい技術を持った中小企業、頑張っているベンチャー企業がたくさん存在します。
ところが残念なことに、それらの多くはヒト・モノ・カネ・情報の面で不足しています。
 とりわけ技術系企業の場合、開発力はあるが商品力がない、販路面の開拓が弱い、つまりマーケットを意識した商品開発を行っていないために、せっかく優秀な技術、いい商品を持っている企業が埋もれたままになっています。
 たしかにベンチャー・中小企業はないないづくしですが、それら不足しているリソースを外部からサポートすることで、ベンチャー・中小企業を元気にし、九州の経済を活性化したい。
 そう考えたのがリエゾン九州設立の動機であり、各分野の異能の人々を集め、活動を続けています。
 因みに「リエゾン」とはフランス語で「懸け橋」「橋渡し」という意味です。
ベンチャー・中小企業とマーケットの間の橋渡しをしたい、という考えの基に付けました。

[リエゾン九州の目的]
 ベンチャー・中小企業のサポートを通して九州経済の活性化を目指す。


「人罪」が邪魔をする。

2004-11-03 18:49:13 | 視点
 会社ではトップの方針や支持が末端まで届くもの、とは限らない。
トップダウンで物事が進んでいる、比較的社員数が少ない中小企業ではそんなことはないだろうと思うが、むしろ中小企業ほどトップの意向が末端に伝わらない。あるいは歪められて伝わることが多い。
だから中小企業の経営者は苦労する。

 問題はどこにあるのか。
一つには中小企業の経営者が忙し過ぎることだ。
その上、1人で何でもしなければならない。
だから、社員1人と1人とゆっくり話をしたり、将来のビジョンを語る時間が取れない。
そうしなければいけないと思っても、なかなかそうできないところに悩みがある。

 もう一つは人の問題である。
中小企業に限らず、社員は新卒採用と中途採用の2種類だろう。
とりわけ中小企業は即戦力を期待することから、中途採用に頼るようだ。
ところが、ここに問題の原因がある。

 例えば最近、倒産、合併、再編成に揺れている流通小売業界。
もともと人材の流動化が激しいことでよく知られているが、昨日までライバルだったA社を辞めた社員を翌日B社が採用する、なんてことは日常茶飯事に行われている。
ライバル企業の社員を入社させるメリットは相手の手の内や内部情報の入手という側面と共に、ライバル企業のノウハウも一緒に得ることにある。
実際それで伸びている会社も多い。

 ところが中途採用にはデメリットも多い。
一つは前職の企業文化風を吹かせ、転職先の会社をバカにした風なそぶりを見せることがままあることだ。
特に自分より若い社員に対してはそうした態度に出やすい。
 もう一つは、やはり転職先企業の理念・経営方針をしっかり理解しようとせず、自分の過去の実績(?)で行動しがちなため、重要な局面で会社の理念や方針と逆の行動をすることがある。
どうかすると公然と社長批判をしたりするものだから、組織が引っかき回され、修復のために無駄な時間と労力を要することになる。

 こうした社員は得てして自分中心に行動しているから、組織の成長に取り残されていることが多い。
その焦りからか、「昔はこうだった」などとまことしやかに話すものだから、事情をよく知らない(入社歴が)若い社員はコロッと騙されてしまう。
こういう社員は人材ではなく、「人罪」である。
悪貨が良貨を駆逐する、という言葉があるように、この種の「人罪」はウィルスのように周囲の人を巻き込みながら感染者を増やしていく傾向にあるので要注意だ。

 実は某社で私が社内セミナーを行った時、この種の社員に遭遇したことがある。
積極的に質問してくるから最初は見所があるのではと思っていたが、質問内容がすべてネガティブなのだ。
よく聞いていると会社の方針とは違っているし、自分が仕事をしない理由付けを言っているのだ。
要は向いている方向が全く違うのだが、なまじ知識が豊富で弁が立つため周囲の人間が引きづられているのだ。
 後ほど取締役からその社員の処遇について相談を受けたから、差し出がましいかとは思ったが、百害あって一利なしだから、早めに別の道を勧めた方がいいのではないかとアドバイスしておいた。

 こうした人間はどんな組織にも必ずいるものだ。
ある者は最初はいかにも理解者のような格好をして近付いてき、
またある者はいかにも有能なタイプを装い、「私に任せてくれ」と言う。
任せるということは放任ではない。
あくまでも理念・方針の下で一定の権限を与えるということだが、この種の人間は常に組織を自分勝手に動かしたがるところが要注意だ。
いずれにしろ、人材ならぬ「人罪」には早めに、断固とした態度で接し、組織から外すに限るだろう。