9月27日、ビルマ(ミャンマー)で取材中のジャーナリスト・長井健司さんが、治安部隊の兵士に射殺されたことは、大きな衝撃でした。
そして、イラクの時もそうであったように、今度もまたビルマのことを何も知らず、関心も持っていなかった私というものに気がつきました。
知らないなら、知る努力を。
かつてビルマを取材して国外追放処分になったことのある、フォトジャーナリスト・山本宗補さんのホームページを読む。
10月3日、日本ビジュアル・ジャーナリスト協会主催の緊急集会「ミャンマー(ビルマ)情勢緊急集会~これまで何が起きてきたのか」に参加。
こうした中で、私にとっては複雑と思える歴史や、「ビルマの民主化の足を引っ張」ってきた日本政府のしてきたことを知りました。
まだまだ人に話すほどの力は持てませんが、こうしてブログで「こんなことがあった」というご報告だけは出来るようになりました。
いまも、仰向けに倒れた長井さんが、ビデオカメラを握った右手を突き出している映像が、頭から離れません。
【転送・転載歓迎】
プレスリリース
「抗議声明」
「10月3日(水) ミャンマー(ビルマ)情勢緊急集会のご案内」
http://www.jvja.net/
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)は、軍事政権下にあるビルマ(ミャンマー)の旧首都ヤンゴンで、9月27日の一般市民らによる平和的な反政府デモの取材中、治安部隊の兵士により銃で至近距離から狙い撃ちされ、殺害された日本人ジャーナリストの長井健司氏の死に対し、ビルマ(ミャンマー)の軍事政権に強く抗議をするものである。
長井氏が殺害される瞬間の映像から、治安部隊が取材中である長井氏を射殺した経緯が明らかであり、「長井氏が観光ビザで入国しデモを取材中に巻き込まれたために死亡した」という国営テレビによる報道は、自由な報道を全く許さずに政府の広報機関としての機能を担う国営メディアを使い、当局が殺害の責任と国際社会からの非難を回避しようとする意志が読みとれる。こうした当局の報道に対しても抗議するものである。
軍事政権及び当局は速やかに長井氏のご遺族に謝罪するべきである。また、平和的な反政府デモに対する武力弾圧という蛮行を速やかに止め、撮影機材の押収や、ジャーナリストに対する脅迫と暴行、身柄の拘束など、事実を取材し報道しようとする内外のジャーナリスト及び報道機関の権利を踏みにじる一切の行為を止めるべきである。
また、8月以来ビルマ(ミャンマー)各地で行われてきた反政府抗議行動に対しての軍事政権による暴力的鎮圧と武力行使は、辺境地域の少数民族に銃口を向け、数十年来にわたり政府軍が無数の自国民を殺戮してきた軍事政権の一貫した方針を証明したにすぎない。
この間、国連をはじめとする国際社会が軍事政権に対して毅然とした外交姿勢をとっているにも関わらず、長井氏殺害事件が起きる直前まで、事態を静観し発言を控えてきた日本政府の人権を軽視した、あいまいで軍事政権に対し寛容と思える外交姿勢に強い疑念を覚えるものであることも付記しておきたい。
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)
2007年9月30日
(以下は、終了した分です ── 管理者)
なお、JVJAは以下の要綱で、緊急集会を開催します。
「ミャンマー(ビルマ)情勢緊急集会 ~ これまで何が起きてきたのか」
■10月3日(水曜日)
開場 午後6時30分 開会 6時45分~8時30分
■明治大学リバティータワー 1114教室
JR御茶ノ水駅下車 徒歩3分
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
■定員 130名限定 当日受付のみ・先着順
※満員になり次第、受付・入場を終了します。会場収容人員の都合上、あらかじめご了承ください
■参加費 1000円
■連絡先 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会事務局
TEL 090-6101-6113 E-mail office@jvja.net
(報告者)
・山本宗補(フォトジャーナリスト)
・吉田敏浩(フリージャーナリスト)
・根本敬(上智大学教授、ビルマ近・現代史専門)
・ポーンミントゥン(在日ビルマ人活動家)
※APF通信社より長井健司氏の関連映像を提供(5分程度)予定。
報告者・発言者は事情により変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
(報告者プロフィール)
山本 宗補 (やまもと むねすけ)
1953年、長野県生まれ。アジアを主なフィールドとするフォトジャーナリスト。1985年からフィリピン取材、1988年よりビルマ(ミャンマー)の少数民族問題、民主化闘争の取材開始。1998年、アウンサンスーチー氏のインタビュー直後、秘密警察に身柄を拘束され、国外追放となる。日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員、「ビルマ市民フォーラム」運営委員。
著書に「ビルマの子どもたち」(第三書館)、「ビルマの大いなる幻影 解放を求めるカレン族とスーチー民主化のゆくえ」(社会評論社)、「また、あした 日本列島老いの風景」(アートン)、「世界の戦場から フィリピン 最底辺を生きる」(岩波書店)など。共著に「フォトジャーナリスト13人の眼」(集英社新書 2005 年)などがある。現在、国内各地で「老いの風景」、「戦争の記憶」をテーマに取材を続ける。
http://homepage2.nifty.com/munesuke/
吉田 敏浩 (よしだ としひろ)
1957年大分県出身。77年にビルマ・シャン州の解放区を訪ねて以来、ビルマ、タイ、アフガニスタン、インド、バングラデシュなど、アジアの諸民族の世界を訪ねる。1985年3月から88年10月まで、ビルマ北部のカチン州とシャン州へ3年7ヶ月に及ぶ長期取材。その記録をテレビ番組「回想のジャングル」(NHKスペシャル)にて発表。また同記録をまとめた「森の回廊」(NHK出版)で第27回大宅壮一ノンフィクション賞(96年)を受賞。
その他の著書に、『宇宙樹の森』(現代書館)、『北ビルマ、いのちの根をたずねて』(めこん)、『生命の森の人びと』(理論社)、『夫婦が死と向きあうとき』(文芸文庫)、『ルポ戦争協力拒否』(岩波新書)、『反空爆の思想』(NHKブックス)など、共著に『世界の民・光と影』(明石書店)などがある。
http://asiapress.org/api/03memb/yoshida/yosd.htm
根本 敬 (ねもと けい)
1957年、米国ワシントンD.C.生まれ。上智大学教授、専門はビルマ近?現代史。62年から64年まで、ビルマの首都ラングーンで生活を送る。85-87年の2年間、かつての民族運動関係者や抗日農民ゲリラ参加者から精力的に聞き取り調査を行う。現在はビルマ近現代史におけるナショナリズムの形成と展開をテーマとし、ビルマという一国の枠を超えた地域的な比較研究や、幅広い角度からの歴史研究をおこなう。
著書に『アウン・サン―封印された独立ビルマの夢 現代アジアの肖像』(岩波書店)、共著に『ビルマ軍事政権とアウンサンスーチー』(角川書店)、『ビルマ (暮らしがわかるアジア読本) 』(河出書房新社)などがある。
ポーンミントゥン
1969年、ビルマの首都ヤンゴン生まれ。アウンサンスーチー氏のボディガードを務め、秘密警察に逮捕され91年から95年までインセイン刑務所に投獄された。釈放後に来日し、在日ビルマ人の活動家として民主化運動を継続している。投獄中の拷問経験を元に、AAPP(ビルマ政治囚支援協会)日本支部代表として活動し、ABFSU(ビルマ学生連盟)日本支部代表を務める。
APF通信社
92年設立(代表・山路徹)長井健司さんの契約社。
http://www.apfnews.com/
山本宗補さんのホームページ
http://homepage2.nifty.com/munesuke/
殺させないでほしい!
私たちなりの情報交換を続けましょう。
痛切に感じています。
長井さんと私って、ほとんど同い年みたい・・・
何で、彼が命を落とすのか・・・
それでも、現実は世界中に、命がけで報道しなければならない悲しい出来事があふれかえっていて・・・
その命がけの報道すら、排除しようとするものたち・・・
ああ、しっかり目を見開いて、耳をすまして暮らしていかないと...!