宿題の量と学力テストの因果関係？

この両者の因果関係の有無に関する研究か何かあれば、どなたか教えていただきたいのだが、私は「あるのでは？」と思っている。

私が暮らす県は、学力テストでは常に10位以内の「上位」（47都道府県中の10位以内は上位ではない？）の常連である。


これまでに気づいたことを上げると以下の通りである。

１、わが県よりも下位の都道府県に暮す知人に聞くと、あくまでも小学校レベルでの話だが、私の子供たちが通っている学校に比べて宿題の量が明らかに少ない。
２、我が子の学校が出す宿題は、教員によって方針の違いや量の多少はあるが、総じて周辺の学校よりも多い。そして、知人の塾関係者によれば、我が子の学校の生徒は、他校の生徒に比べて学力が高いという。ちなみに、我が子の学区は、周辺に比べて保護者の収入や学歴が高いというわけでは決してなく、むしろ周辺同様、かついかにも地方都市らしく、大都市部に比べて明らかに大学出ではないブルーカラー家庭が多い。

学習における繰り返し学習の重要性を私は否定しない。繰り返すということは、繰り返さないあるいは繰り返しの少ない場合よりも、こなす問題等の量も多いということである。現に、子供の春休みの宿題の量には、私も正直おどろくほどであった。夏休みの半分しかないのに、夏休みと同じくらいの量のプリント類が与えられたのである。どんなに量を多く与えても漫然とやっていては意味がない。たしかにそういうこともあるのだが、かと言って量は少なく目で良い、少ない方が学力は伸びるということではない。受験勉強でもそうだが、一般論的に言えば、こなす量が多ければ、それだけ学力はつくものである。反復、繰り返しによる「慣れ」は、時間の経過とともに子供たちの血となり、肉となるものである。

もっとも、大都市部では、学校側が宿題を出したくとも出せない場合もあるそうだ。中学受験がさかんな地区では、「宿題の量が多すぎる」とクレームをつけてくる親もいるそうだ。
進学塾が出す宿題の量はハンパではない。首都圏で有名な某Sなど、毎週のプリントの量は相当なものだと聞いている。したがって、受験にはくその役にも立たない学校宿題なんぞに時間を費やしている暇はない、ということなのだろう。

子供の中学受験を考えだした私もその気持ちが最近わかるようになってきた。たしかに、受験とあまり関係のない学校の宿題が邪魔に感じることがなくはないのだ。

ただ、中学受験はあくまでも個人の問題である。それによって、公教育の方針が変更されたり、妥協を迫られるようなことがあってはならない。もちろん、公教育においても、保護者の意向というのは重要である。民主社会における公教育であるならば当然のことではあるが、公教育とは国家に有用な人材を育成することを至上の目的とすべきであるはずだ（現在の日本の公教育はそうはなっていないようであるが）。であるならば、個々の事情や要望が退けられることもまた致し方あるまい。

というわけで、私は「この宿題がなければ、もう少し受験用ドリルをこなす時間が確保できるのに・・」と思いつつも、そんなことは子供には一言もいわず、学校の宿題はどんなに忙しくとも必ずやらせている。

加えて、子供の学校には「家庭学習ノート」というものがあり、毎日最低2ページはやらねばならない。さぼりが続けば「居残り」になることもある。これも受験準備にとっては邪魔なのだが、我が家では必ずやらせている。もしかしたら、受験という観点からしても、邪魔という認識自体間違いで、基礎学力なくして受験に必要な学力は身に就かないわけだから、学校が与える至極基本的で簡単な教材を毎日まじめに解き続けることは、結果的には我が子の受験に良い結果をもたらすのではと期待もしているのだ。

さて話が受験へと脱線しかかってしまったが、子供の学校のケースは以上のようなもので、程度の差こそあれ、私がクラス町の他の学校も似たような状況で、他県に比べて宿題が多いというのだが、それが学力テストにつながっているとしたら・・・。