三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

犬島へ

2012-10-18 20:55:13 | ちょっと遠くに行きました。
〈9月26日の食事〉
朝:ハムとチーズのサンドイッチ(イトキトのライ麦パン使用) ほうじ茶
休憩:犬島ジンジャーエール @犬島チケットセンター内カフェ
間食:ぶどうのパフェ @ホテルグランヴィア岡山・カフェレストラン オリビエ
夜:デミカツ丼定食 @平井食堂

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毎年恒例となりつつある、夏期休暇を利用した一人旅。
今年は行き先を瀬戸内海にした。
ベネッセが運営するアートの島々を巡るのだ。

一日目のこの日は、まずは東京から新幹線で岡山へ。
そこから電車やバスを乗り継ぎ、宝伝港という港から小さな船に乗る。
そうして辿り着くのが本日の目的、犬島だ。

犬島に着くなり、港から程近い距離にある『精練所』へ。
しょっぱなにして、本日のクライマックスでもある。

精練所は、明治時代に製銅工場として使われていた遺構を、美術館にリノベーションしたもの。
収納物は、建物内部の構造を生かした美術作品あり、三島由紀夫邸の築材や言葉を使用した作品ありと、盛りだくさんである。
が、個人的にもっとも胸を打ったのは、建築物としての精練所の姿そのものだ。



私はもともと、鉄骨やコンクリート、レンガなんかを利用した近代的な建物が好きである。
木の温もりより、無機質な物の織り成す直線や曲線に美を見出だす質だ。
さらにそれが経年変化を見せ、朽ちていたりなんかしたら最高。
真っ青な瀬戸内海や、のどかな樹木とのコントラストもまた絶妙。
この精練所は、まさに自分好みの空間なのであった。



チケットセンター内のカフェにて、オリジナルのジンジャーエールでひと休み。
来た道を逆に辿って岡山駅に着けば、既に夕方17時台。
時間に追われて食事時間が取れなかったり、また暑いなか歩いたことから食欲そのものが湧かなかったりして昼食しそびれていたのだが、このタイミングで軽い食事を摂ることにした。
食事代わりにしていいのか、そもそも軽いのかそれといった感じだが、フルーツパフェである。

岡山は白桃や(さすが桃太郎のくにである)マスカットなどのフルーツの生産が盛んで、それらを使ったフルーツパフェを作る店が増えているらしい。
それで食べてみたかったのだ。
選んだのは、秋の始まりらしく、ぶどうを使ったパフェ。
洋酒が効いた大人っぽい味わいで、美味しくいただきました。



宿泊先のホテルにチェックインし、荷物を整理してしばし休憩。
落ち着いたら、早くも夕食である。
さて何食べに行こう、えびめしにひるぜん焼きそばにデミカツに、ああでもやっぱりカキオコってのが食べたいな、と事前に知った岡山のご当地グルメが頭を巡る。
が、くだんのカキオコ(牡蠣のお好み焼き)は岡山市のグルメではなく、また今は牡蠣の旬ではないから、あったとしても冷凍物らしい。
それなら、他のものにしよう、デミカツかな。

実を言うと、デミカツ丼(デミグラスソースをかけた豚カツの丼)を食べるのは初めてではなかった。
ここ岡山の名物であるはずだが、なぜだか九十九里のお弁当屋さんでも食べたことがあるのである。
そういう意味では新鮮味はないのだが、美味しいものを食べて満足するのは大切だ。
そうしていただいた平井食堂のデミカツ丼は、とても美味しかった。

お店からの帰りは、歩いて帰れる距離なのにわざわざ路面電車に乗ってみた。
路面電車のない街で育ったせいか、あればおっと思って乗りたくなるし、旅情も駆き立てられるのである。

こうして過ぎていった、ひとり旅一日目。
この日受けた衝撃と、明日以降への楽しみを胸に、いそいそと眠りについたのであった。