゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

時代の肖像「黒田 龍之助さん(43)」

2008-11-06 17:00:00 | 人物100選

語学はやり直せますか =フリ-ランス語学教師                                    良き師を見つけ 楽しく

100_1003中学生のころから「語学好き」だった。中学三年                             生の時、テレビのロシア語講座に夢中になった。                            「なるべく、帰国子女が少ない語学をやりたかっ                             た。冷戦下のソ連はめったに行けない国だった。                             バイリンガルが少ない言葉をやれば『勝てる』と                              思った」と振り返る。

〇 〇 〇

東京都出身。上智大外国語学部ロシアご学科卒                            業後、東大大学院を修了。東工大に9年、明治大                            に4年勤務し、ロシア語や英語を指導してきた。NHKテレビ「ロシア語                            会話」の講師を2001年から2年間勤め、早稲田大学で、言語学を教                            えたことも。現在、週五回放送されているNHKラジオ「まいにちロシア                            語」の講師を務めている。20年近く、語学を教えてきたプロであるとい                            う自負がある。そのプロがいま、訴えるのが「楽しくなければ語学では                            ない」ということだ。「語学はやり直せます。だから語学はク-ル(=涼                            しい、冷静、カッコいい) でなければなりません」今年2月、角川書店                            から新書を出した。タイトルもずばり、「語学はやり直せる!」。同書店                            の編集担当者によると「発売直後に重版が決まるなど゛、売れ行きは                            好調。語学の基本書としては異例です」という。昨年3月、大学を辞め                           た。「辞めさせられたわけじゃないですよ」。苦笑いしながらも、現在の                            大学での外国語教育に疑問を感じたことを打ち明ける。それは、大学                            かあまりに現世利益を追求していることだ。TOEIC、TOEFLなどの英                            語検定試験で何点取るか。学生に、高い得点を取らせる指導が可能か。                          そこに語学教師としての価値が求められることが疑問だった。「語学とは                           数値化できるものなのか。点数の先に何があるのか」学生が変わったの                          ではない。変゛わったのは大学だ。「国立大学法人も私立大も同じ。学生                           を呼び込むために、『ウチに来ればこんなにお得』と現世利益を強調して                            いる」と指摘する。「語学は損得じゃない。背景にさまざまな文化があると                          いうことを知る。文化の多様性を知り、各自の人生を豊かにしていくことこ                          そが、言葉を学ぶ意味」という大前提は譲れないと考えた。

語学はやり直せる! (角川oneテーマ21 (B-106)) 語学はやり直せる! (角川oneテーマ21 (B-106))
価格:¥ 720(税込)
発売日:2008-02

数値化志向、現世利益追求は、中学からの英語学習の反動だと分                             析する。学校で長い時間を英語教育にさく。その時間の見返りがほ                              しい。投資した時間に見合う、数学や利益を求めるわけだ。

    〇 〇 〇

一方で、多くの「英語は苦手」という人々が毎年、生み出されている。                           「学べ、学べ」と迫られた挙げ句、一生、英語に苦手意識を持ってしま                            う中学生、高校生たち。その苦手意識はやがて、増幅していく。「挫                             折し、外国語を憎んでしまう人がいる。一方で、英語が通じない人間                             を毛嫌いする人も出てくる。排他的でこわいことです。社会的なム-ド                            として、外国語をめぐってプチ・ナショナリズムが醸成されている」と現                            場からの実感を語る。だからこそ、「語学はやり直せる」と訴え続ける。                           やり直すためには何が必要か。「ク-ルに、楽しく、学ぶこと。そして、                            ハ-ドルを高くしないこと。外国語が日本語と同じレベルに達すること                            は無理なのです。さらに、その外国語の何がわかっていないかを知る。                           何がわからないかを導いてくれる教師を見つけること」と断言する。「教                           材など、語学を学ぶ環境はどんどん、よくなっている。肩ひじ張らず、                             気楽に語学を楽しめばよい」携帯電話は持たない。「これ以上、仕事                             を増やしたくないのです」。ク-ルに語り、去っていった。                                   

文・写真 編集委員 高畠伸一

コメント    この記事についてブログを書く
« プロに聞いた“雑巾がけ” | トップ | “もちもちカップ-ナ” »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

人物100選」カテゴリの最新記事