札幌市や市農協などが「さっぽろとれたてっこ」と銘打って、生産 に力を入れている地場産の農産品などをブランド化する取り組み が本格化している。安全・安心にこだわった独自の基準で生産さ れたコマツナやホウレンソウなど五十一品目を認証し、二十五日 から市内の協力店で販売を始めた。市などは「生産者と消費者の 信頼関係をつくり、地産地消を拡大したい」と意気込んでいる。 「さっぽろとれたてっこ」は市と市農協が認定した農家が生産・出 荷する農産品名として誕生した。新鮮な野菜や果物に生産者名、 地区名を付記して「顔の見える野菜」を目指し、1998年度から販 路の拡大に取り組んできた。
本年度は本格的にブランド化するため、農家ではなく、農産品の 認証制度を導入。微生物やアイガモ農法など、農薬や化学肥料 を極力減らし、堆肥で土づくりをする、といった独自の生産基準を 作成。専門家らによる認証委員会が審査し、基準を満たした方法 で生産されていれば、その農産品を「さっぽろとれたてっこ」として 認証した。認証された農産品は野菜が農家六十七戸の四十六品 目、畜産品が一戸の卵一品目、加工品が四戸のジュ-ス四品目。 野菜は市内九店、畜産物や加工品は十店の協力店で販売が始 まった。協力店は「さっぽろとれたてっこ」の専用マ-クを表示した オレンジ色の大小ののぼりを立て、生産者の顔写真付きのポス タ-を掲示し、野菜の生産名、地区名を専用のカ-ドで表示して いる。北区北二五西五の瀬戸商店はレタス(1個110円)など葉 野菜を中心に七品目を並べた。今後は朝もぎのトウモロコシやトマ ト、キュウリなどが加わる。同店の瀬戸松一社長は「価格は二割 ほど高めだけれど、安全・安心と新鮮さが自慢。食べてみれば地 場産を見直しますよ」と話している。