(東京都大田区田園調布)
多摩川を見下ろす高台には多くの古墳がある。いわゆる国分寺崖線上に群集する荏原台古墳群の支群を成すもので、13基存在する。昭和28年(1953)に開園した多摩川台公園には10基が現存し、内8基は多摩川台古墳群として、昭和32年、33年に発掘調査、昭和62年から平成3年にかけて確認調査が行われた。最初に円墳の2号墳が6世紀前半に築かれ、その2号墳を前方部として利用した前方後円墳の1号墳が6世紀後半に築かれた。3~8号墳は直径13mから19mの円墳で、それぞれ後期古墳である。8号墳を再現したものが、園内の古墳展示室で見ることができる。公園の北端には全長97m,高さ11mの宝莱山(ほうらいさん)古墳があり、昭和9年(1934)住宅造成に際し後円部が削られ、粘土郭と副葬品が出土し、それらから4世紀前半と推定される。公園南東には亀甲山(かめのこやま)古墳があり、全長107m,高さ10mの前方後円墳で、4世紀後半から5世紀前半と推定される。公園南側の浅間神社古墳も前方後円墳であり、後円部に浅間神社が建ち、前方部は東急東横線により削られているが、推定全長は60mで築造は6世紀前半とみられる。
多摩川台公園
国指定史跡 亀甲山古墳
切通を渡る
園内の古墳展示室
8号墳
県指定史跡 宝莱山古墳
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