flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

塙保己一史料館

2016-04-09 00:00:00 | STRUCTURE-構造物残影-

(温故学会会館 東京都渋谷区東 国登録有形文化財)
 昭和2年(1927)に竣工した、RC造2階建塔屋付、建築面積184m2の建物である。館内には寛政五年(1793)から文政二年(1819)に造られた歴史学、国文学の叢書である群書類従の版木17,244枚(34,488頁分)が保管され国の重要文化財となっている。塙保己一(はなわほきいち 1746-1821)は江戸時代の全盲の国学者であるが、日本全国各地に散在する書物を集め、それを校訂し、種類ごとに分けて編纂したものが群書類従である。明治維新になると膨大な版木の保管が難しくなり、三代目の塙忠韶(ただつぐ)は版木を文部省博物館浅草文庫に寄贈した。その後、東京帝国大学の管理となったが、版木の存在は忘れられた。然し、明治42年(1909)文部省の倉庫から発見され、塙保己一の墓所のある愛染院(新宿区若葉)に版木倉庫を建設し移されたが、大正12年(1923)関東大震災により倉庫が倒壊。然しながら版木は無事であった。そして、耐震耐火の現在の建物を建設し移管された。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする