古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

ケアマネージャー 実務研修 その6

2015-03-08 18:14:04 | 日記
こんばんは。古森病院@福岡市博多区です。

やっとゴールが見えてまいりました。
ケアマネ実務研修第6回目を過日、某所にて受けてまいりました。

先般、事務局に「なぜ高額有料講習なのに、何ら指導のない研修を行うのか」と散々文句を申し上げた管理人ですが
それが反映されたのか、なんと今回は 講師陣および一部受講生によるサービス担当者会議のデモンストレーションが行われました。
有難うございます。→事務局と講師の方。

施設内で自己完結している我々は、他の事業者のサービス担当者会議(業界では担会(たんかい)っていうそうです)を
見る機会はなかなかありません。

主任介護支援専門員の方による居宅の架空症例の担会司会はなかなか興味深かったです。

へえ~と思ったことですが
導入時
①ご利用者様やご家族様にねぎらいの言葉をかけ、話しやすい雰囲気を作る。
②話すテンポや声の大きさが適切か確認する。
③会議のおおよその所要時間を説明する。
④ご利用者様の会議中の体調不良時の自己申告を促す。
⑤個人情報を会議後に外に出さないことの誓約を行う。
⑥自己紹介は各々で。

アセスメント(第1表)サービス計画書(1)について
⑦氏名や住所の本人確認を行う。
⑧何ができなくて、何がだめ などのネガティブリストを上げるよりも 残存機能を活かした
ポジティブリストを中心に話す。
⑨担会が開かれるに至ったいきさつを 病気のイベントが起こる前から簡単に説明する。
(事業者向け うちは施設なので関係ないですが・・・)
⑩「利用者及び家族の生活に対する意向」の項目は、予め聞きとった内容を記載するものの、「今のお気持ちということで記載しましたが
その後、何か気持ちの変化がありましたら、お知らせください」と確認する。またいつでも変更可能なことも
説明する。
⑪計画作成日などが空欄である理由を説明する。(ご利用者様やご家族様の同意日を書き入れるので空欄)

第2表の説明
⑫「生活全般の解決すべき課題」というのは おうちに帰ってからの円滑な暮らしのための目標と思ってください。との説明。
⑬サービス内容や料金は、各事業者から説明して頂く。

時々 ご本人やご家族に内容が理解できているか、体調は大丈夫か、他の事業者にも指摘事項がないか確認しながら会議を行う。

最後に第1表に戻り、「総合的な援助の方針」をお話しし、「このチームでお二人を支えてまいりますので、よろしくお願いします」で〆る。

ほとんど「司会の心得」で、ケアマネに限らず、テレビ番組でも学会シンポジウムの司会でも場を共有し、盛り上げる工夫が随所に
入っておりました。

居宅の場合、
①提供されるのが、在宅サービスがメインで何かイベントが起こった時の(ご本人はかかりつけがあるからよいとして、介護を担う方の入院など)対応がまったく書かれていないのが
気になりました。うちは病院なので、患者様の病状変化だけ考えればよいのですが、居宅ではそうはいきません。
(もっとも当院でもご家族様の急病の際は連絡先を変更していただくなどの事務手続きが必要ですが、ロングステイの常として、患者様の第一連絡先になっておられた方が
いつの間にか患者様より先に亡くなられたり、施設入所になっていたりして、知らないうちに当院からご連絡ができなくなっていたりします。)
②ご利用者様とご家族様のニーズの違いが大なり小なり出てくるだろうな・・と思いました。ご利用者様が望まれないサービス提供だけど、
ご家族様の負担軽減のためには必要という場合もかなりあると思われ、すり合わせに相当な調整が必要なケースも多いと思います。
もっともこれは当院でも同様で、患者様とご家族様のニーズが違っていたとしても、諸般の事情で施設入院しか選択肢がないということも多いです。
(患者様の意識がないとか重度認知症など患者様の意思表示ができない場合も多いため、ご本人の意思確認ができないケースもまた多いのですが)
③担会の関係者が多すぎて、時間がどう考えても30分はかかり、要介護認定の出ているご利用者様の身体的、精神的負担は相当なものでしょう。
御家族様も高齢だと同じように負担は大変だと思います。説明を聞かれる方が相当健康でないとよくわからないまま、サインだけとなりそうです。

私が希望していた架空症例のケアプランに対する主任介護専門員のコメントがなかったのは、残念です。事務局は伝えたそうですが・・・。

あと一回で終了です。


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成年後見制度

2015-03-05 09:21:05 | 日記
こんにちは。古森病院@福岡市博多区 です。

今日は成年後見制度についてのお話です。
判断能力が知的障害や精神障害、認知症などにより低下している方のための制度です。

昔は禁治産者とか準禁治産者などと言われ、認定されると戸籍に載ったりしておりましたが
現在は人権の観点から 名称が変わり、また戸籍に情報が載ることもなくなりました。

制限行為能力者 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%B6%E9%99%90%E8%A1%8C%E7%82%BA%E8%83%BD%E5%8A%9B%E8%80%85

また後見の認定となると、従来選挙権がなくなったりしておりましたが
先般、裁判をきっかけに法律が改正され、そのようなことはなくなりました。

http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/touhyou/seinen/
http://www.tokyo-jinken.or.jp/jyoho/62/jyoho62_interview.htm

この法律をきっかけに 施設内投票の外部立会人が施設の努力義務とされ
当院でも実施しております(過去記事あり)。今度また県知事選挙が行われるとのことで
最近、事務部門を中心に、選挙に敏感になっている当院です。

当院にも高齢化社会を反映し、援助人のついた方が入院されることがあります。

成年後見には任意後見制度、法定後見制度があります。
もともと知的障害などがあり判断能力が乏しい方の援助や、予め自分が認知症になることを見越して、
どなたか決めた方と公正証書で契約を交わし、 
判断能力が低下した時点で援助を開始するシステムが任意後見制度です。

法定後見制度は家庭裁判所に対し、本人及び親族、身寄りの方と音信不通の方や身寄りのない方などは
市町村長(緊急の場合、地域包括支援センターが窓口になります)、その他
法定援助人、検察官などが成年後見制度の申し立てを行い、医師の「判断能力が低下している」という
診断をもとに(専門の鑑定人が出てくるケースは少なく、主治医の診断書でよい)
家庭裁判所が援助する人を親族や 援助人になってよいという法律職や福祉職のボランティアリスト
(弁護士さん、司法書士さんや社会福祉士さん)から選定します。
この選定は申し立てから早くても1か月、どうかすると数か月の時間がかかります。
その後 2週間の異議申し立て期間を超え、誰も異議申し立てをしなければ、ようやく
援助人が正式に決定し、援助を開始します。援助人には法務局の発行する援助人の証明書があり、
必要時には提示した上で、援助を開始します。

登記事項証明書
http://houmukyoku.moj.go.jp/fukuoka/static/arukotonomi3.html

法定後見には 残存判断能力の多い順に補助、保佐、後見があり、後見がもっとも判断能力がない
方となります。当院に入院してこられる方で援助人がついている方は、後見レベルの方がほとんどです。

法定後見申し立ては御親族がされれば、費用は印紙代程度で済みますが、
申し立てを法テラスに丸投げの場合は 費用がかかりますので、費用が捻出できない方は法テラスでご相談され
申し立て費用を貸与または援助していただくことができます〈10万円ほどかかり、月々5千円ほどの分割のケースが多いそうです)。
また援助人への援助費用が捻出できない時は
福岡市の場合、「市町村長申し立てでかつ生活保護の方、ないし市町村長申し立てで公費助成により
生活保護基準年収まで収入が下がらない方、その他利用支援事業を使うことが必要な方」は
福岡市の助成制度を利用することも可能です。
(窓口は区の保健福祉センター)

福岡市ホームページから

http://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/chiikihoken/00/04/4-02010-2.html

福岡市成年後見利用支援事業実施要項
http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/46619/1/seinenkouken_yoko.pdf
http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/46619/1/seinenkouken_yoryo.pdf


また低所得者の援助人は、司法書士さん達の公益法人 リーガルサポートによる、
公益信託成年後見助成基金を利用できる可能性もあるようです。
www.legal-support.or.jp/act/foundation.html


以前 管理人が社会福祉士の団体である「ぱあとなあ福岡」にお電話し、「援助される人の経済状況が
厳しく、援助人の持ち出しになるケースでも 援助人はつくのか」とお伺いしたところ
「つきます」ときっぱり言われました。プロ意識に驚きました。

ぱあとなあ福岡 http://facsw.or.jp/katudou/iinkai-partner.htm

援助人の報酬は 1年間どれくらい援助したかで決まり、各々年1回、
報酬を家庭裁判所が決めるとのことです。中には報酬はいりませんと言われる方もあるようです。

成年後見について勉強する機会が増えましたので、成果を書いてみました。
参考になりましたら、幸いに存じます。

以上、古森病院でした。
http://komori-hp.cloud-line.com/

追記

前述のリーガルサポートのHPに
全国自治体担当者へのアンケート調査結果が載っており、なかなか
興味深い内容です。

リーガルサポート トップページ
http://www.legal-support.or.jp/

成年後見人についての自治体アンケート調査結果 2014年7月
(成年後見制度利用支援事業の成年後見人等への報酬助成』に関連(含「市町村長申立て」「市民後見人」)するアンケート)
http://www.legal-support.or.jp/act/other_pdf/140722houshujosei.pdf(ダイジェスト)

http://www.legal-support.or.jp/act/other_pdf/140722houshujosei_komento.pdf#search='140722houshujosei_komento+%E5%A0%B1%E9%85%AC%E5%8A%A9%E6%88%90'(詳細)


市町村長申し立ては 迅速な申し立てのため 親族4親等まで市町村長申し立ての意向を調査しなくとも、
2親等まででよいなどの通知が出ているとの情報もかかれています。(平成17年7月29日の 厚生労働省通知)





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ケアマネージャー 実務研修 その5

2015-03-01 20:12:05 | 日記
こんばんは。古森病院@福岡市博多区です。

過日、また県内某所にて 研修を受けて参りました。

今回は、自己症例を用いてのグループ内討論です。
またしても何ら指導のない、素人談義のみの講習でした。

今回は事務局に「なぜ高いお金と長い時間を使うのに
何ら指導をしない講習を行うのか」「この講習は必須なのに、受けても現場では全く役に立たない」と
申し入れました。カリキュラムは厚労省が作るようですが、中身は講師が決めるらしく
「講師にそのようなご意見があったとお伝えしておきます」との事でした。

何しろ、在宅では要介護判定によって
受けれるサービスが決まってくるのに、自己症例ではサービスは無限に使って良い
「練習だから」とのことです。
練習とは本番に活かせるようにするためのものであって、この条件では
練習にも何にもなりません。同じ口で「絵に描いたケアプランになってしまいますよ」と
言われても点数も教えてもらえないなら、どっちみち絵に描いたケアプランにしか
ならないのですが、、、、

今回は講義が少なかったので、それだけは良かったです。
班員のみなさん、苦労されているようです。
在宅は大変ですよね。ちなみに施設ケアプランは私だけでした。
施設も別の意味で大変ですが。。

管理人は在宅生活を希望されるご本人とご家族に「在宅介護に必要なのは人手といつどうなっても事態を
受け入れるという度胸だけ(あとお金も。。かな)」といつも申し上げています。

研修はあと2日です。

先日、管理人は名刺を作り替えたのですが
「介護支援専門員」と入れるのをころっと忘れておりました。
痛恨の極みです。

以上、古森病院でした。

ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/


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