古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

ケアプランについて

2015-03-16 11:28:33 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

今回のケアマネージャー実務研修全般を通しての感想です。

ケアプランについて・・・
特に予防のケアプランでその傾向が著明ですが「寝たきりになって、施設に行くことになったら
どうする?」というプレッシャーを患者さんに与え(先日の講義でも、当事者を
「まずい」という気分にさせることが肝心という趣旨の話がありましたが)、
したくもないリハビリを強要するような風潮にならないか
(あるいはもうなっているのかもしれませんが)ということが気になりました。

というか、当院は「施設に行くようになったらどうする?」のそうなってしまった方ばかり
おられるわけなんですが・・・
講師の方々は、この方たちの存在意義をどうお考えなのでしょうか・・

といつもこの手の話を聞くと思います。

下肢の筋力が弱ったり、認知能力が低下したり 病気で寝たきりになったりするのは
自然の摂理であり、ご本人のせいだけではありません。
私たちも他人事ではないのです。

保険財政が大赤字になっているのは 福祉制度をきちんと整備せず 医療保険任せにしたために
医療費が膨張したことや、年金や保険の財源を流用してグリーンピアや外郭団体を立ちあげた
厚労省にも責任がないわけではないのでは・・?ということは 今更ですから置いておいて、

今まで国のために貢献してきた人たちに 年を重ねて体も動かないのに(意欲があれば別ですが)、
しゃにむにケアプランを立てて、「さあ、さあ」と追い立てるのはどうなのかな・・と思います。
メタボリックシンドロームもそうですが、他人に言われたからといって生活習慣を変えて、
かつ持続させるのは極めて困難です。60代くらいまでの比較的若い世代なら
試みる価値はあるかもしれませんが・・。リハに意欲のない患者様に限りますが 70代、80代にまで
強いるのはある意味 身体的虐待ではないでしょうか・・?


また福祉系の講師の先生の講義に多いのですが、歩行がままならない方の基礎疾患を顧みず、
なんでも リハや痛みどめなどの投与で、もっと歩けるようになるという設定で、
ケアプランの話をされるのにも 少々疑問を感じます。
まあ 非現実的であっても、ケアプラン項目にあげるだけという場合もあるかもしれません。


次回講習からは、改正でケアマネ講習に医療系講師が入るらしいので、
その問題が 少しは解消される可能性があります。
医療系が講師に入ると、プランにあきらめモードが濃くなるかもしれませんが、
あまり非現実的なプランは立たないと思います。

以上、一医師としての感想でした。

古森病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/


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