古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

外国人技能実習制度(介護職員)

2015-03-11 14:44:24 | 日記
こんにちは。古森病院@福岡市博多区です。

今日は業界向けのお話です。

先日、当院に外国人技能実習生(介護職員)の受け入れ希望のアンケート調査がきて
外国人の介護士を導入しようという国の試みがどの辺で上手くいっていないのかが
ちょっと垣間見えましたので、ブログアップすることにしました。

外国人技能実習生の受け入れのあり方に関する検討会 中間まとめ
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000073122.pdf

いろいろ突っ込みどころはあるのですが、
①実習生の日本語能力試験による日本語の能力レベルを入職1年目はN4という下から二番目の水準で可としていること。
https://www.jlpt.jp/about/levelsummary.html

介護施設に入院するような患者様方は全般的にご高齢なので、耳が遠く、
会話をするのにかなり大声でゆっくり言わないと理解して頂けません。
筆談(老眼があるので、工夫が必要です)が必要なこともしばしばです。
また高齢者の方は方言がきつい方も多く、たとえ実習生の日本語能力がN1レベルでもかなり大変です。
(当院外来には日本語に長けた留学生や在留外国人の方も来院されますが、さすがに博多弁は理解して頂けないことが多いです。)
またただの会話ならまだしも、自分の病状を訴えたり、相手から聞き取ったりするには
かなり高度な日本語能力を必要とします。
当院の外国人の外来患者様にもipadの翻訳機能を利用して、何とか病状を「読み」取ったりしないといけない方がおられます。

②受け入れ側(病院側)に、負担が大きすぎること。

外国人技能実習制度について

技能実習生を受け入れるにあたって、病院側に発生する負担。
*2年目に移行する実習生の日本語能力を病院側でN4からN3に上げるよう日本語教育すること。
*技能実習指導員及び生活指導員(日本での生活を円滑に行わせるため)を配置すること。
*実習生一人当たり、人材コンサルタント料や日本語教育費用、渡航費、通訳代、研修費用、在留期間更新手続き料、
管理団体管理費、送り出し期間管理費などで、施設側が支払う費用が 3年間で200万から300万ほどかかること。
*ちなみに実習生の賃金は別途必要。
日本人と同等の給与待遇で、法定社会保険(年金も)にも当然入れること。
*スケジュールやカリキュラムを作り、達成度などの記載を行うこと。

この条件で実習生を受け入れる施設って どれくらいあるんだろう。。。

と思いませんか・・?

もっとも現時点での法令では上記のような縛りがあるそうですが、今後法令が改正されたら
何か変わるかもしれないということです。

古森病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/


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