古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

生き心地の良い町

2022-07-18 20:42:10 | 
古森病院@福岡市博多区です。

昔からそうだったのでしょうが
不遇な環境にある人が
通り魔のような事件を起こす報道が
目立つようになりました。

法曹関係の方に言わせれば
不遇な人が事件を起こすことは
珍しくないとのことです。
インターネットなどの発達で 目につきやすく
なってきているのかもしれません。

でも、管理人の周囲で
以前とは違う雰囲気を感じます。

それは「何事も踏み込まない」人が
増えているということ。

考えないようにしているのか、考える力が失われているのか。
よくわかりません。

管理人は 自分にわからないことがあると
「どうしてそういうことが起こったんだろう」と
追及したくなったり
(ただし理解が難しい分野の学問は除きます。笑。
日常生活上のことです)

「どうやったら、もっと効率よくできるんだろう」と
自分の仕事をいかに減らすかということを、いつも
考える人間なのですが

世の中にそういう人は少ないみたいですね。

考えるというのは、体力が必要みたいです。
管理人は誰からも「元気ですね(おばさんなのに子供じみているので
皮肉も混ざっているのかも・・笑)」と
言われますので、エネルギーがあるほうなのでしょう。

思考停止だと、異質なものを排除したくなります。
どうやったら、うまくいくんだろうなどとは
考えないので、
「うまくいく方法を考えるなんて面倒だから 排除しちゃえ」
と短絡的に 面倒なことが
目の前からなくなること、自分が楽になることだけを考えてしまいます。

そういう人が多くなると、

誰かがレールから外れる=まったく誰からも相手にされない
事が増え、

勢い 疎外感が強まり、世の中に復讐したくなる人が
増えてくるでしょう。

昔 管理人の同僚に
「どうして通り魔っているんだろう。自分だけで死ねばいいと
思わない?」と聞かれ

「世の中はつながっています。因果応報、
情けは人のためならず、自分のためという格言通り
「自分だけで死ね」というスタンスでは、通り魔は
いなくなりませんよ」とお話したことがありますが
意味がよく理解してもらえなかったようでした。

自分がレールから外れないと
わからないのでしょうかね。
ちょっと想像力があればいいと思うんですよね。

「この人が困っていることについて 
どうしてあげたらよいか」

と考えてあげたらいいと思うんです。

もっとも、その困っている人も 
自分で何とかしようという意思がまったくなく、人に丸投げでは
誰も助けないでしょうから、障害などで考えられないわけでなければ
多少は自分でも頑張らないといけません。

助けを求められたら、自分だけで解決できるならいいですが、
そうでないことのほうが多いでしょうから、何人かの人を紹介して
少しでもいい方向に向かうように努力するといいと思いますね。
そういう人が増えたら、いい方法が浮かんで 困りごとが
ある程度解決し、うまくいくようになり、八つ当たりしたくなる
気持ちも減るかもしれません。
また、八つ当たりしたくなる人は
孤立した人に多いということもわかっているので
西村博之さんが話しておられるように
孤立した人に 可能なら保護犬や保護猫を育ててもらい
孤立しないようにするというのもよい考えだと思います。

孤立には「居場所」の問題もあると思います。

以前 知的障がいのある方の障がい福祉サービスに
かかる意見書を書きました。
その方は女性ですが、他の施設では
性依存の傾向があり、性交渉をかなり頻繁に
行っていたようでした。
でも学校のごとくタイムテーブルがきちきち決まっている
今の施設に来られてからは
性依存傾向はピタッと治まったそうです。

自由時間がありすぎて
暇を持て余し、てっとり早い暇潰し、その時だけにせよ
強烈に求められることに居場所を見いだしていたのでしょう。
今まで大きな事件に巻き込まれなかったのは
奇跡的ですらありました。


本題ですが、
「生き心地の良い町」という本を紹介します。
2013年に書かれた本です。

徳島県の自殺率の低いある自治体について
その謎を解明しようとする大学院生の方の
フィールドワークの話です。

その自治体の自殺率が低い理由として
「適度なおせっかい」
「個人(多様性)の尊重」
の 絶妙なバランスが取れる環境があることを
挙げておられます。

詳しくは 本を読んでいただきたいですが
「弱音を吐いていい(吐いたら何かいいことがあるかも)」という環境が
重要であるようです。
誰かだけで背負うのではなく、集団で背負う、見守れる環境が
ポイントのようです。

諸外国の中で、日本で自殺が多い理由として
「勤勉さ」「かくあるべきという意識の強さ」を指摘され
日本の強みでもあり、また(自殺が多くなるという意味で)弱みでもある生真面目さと

一方で「どうしたん?」と聞いて、それが自分の価値観と違っていても
「こういうのもアリじゃない?」という
緩さのバランスを 同一人物の中でもっと取っていかないといけないのでしょうね。

真逆の2つの思考に どう折り合いをつけていくか
しかし 一人一人が心がけていかないと
未来はない・・のかもしれません。

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