カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

軽度側湾症なエックスやん

2008-10-18 21:42:49 | 本日の患者さん
1年前に男児を出産したエックスやんの訴えは右上肢の挙上困難だ。
3日前に、右腕を上に挙げようとしたら、肩甲骨の上部に痛みが走ったという。
以来痛みが続いている。

エックスやんは元々が左利き。だけど食事と字を書くのは訓練して右でやっている。

この手の話はよくある事だ。
日本では様々な設備の設置から道具のあり方まで、ほとんどが右利きの人を前提にしている。多数者の無意識の傲慢さがこんな処にも現れている。右利きの我々が左手でハサミを使う時の困難さを考えれば、エックスやん達の苦労にも心が及ぶだろう。
生来の左利きを矯正されなかった人は余りいない、といってもよかろう。

エックスやんの背骨は腰で左側湾。上部胸椎で右側湾になっている。軽い側湾症といってよいだろう。腰椎には前湾消失が見られる。

左利きの人は左に重心をかけやすい。左の筋肉の方が強いのだから、自然の成り行きとも言える。エックスやんの腰椎左側湾はそんな理由で説明が付けられる。
そこへ右利きの訓練だ。上半身は右の筋肉を鍛える事となる。
エックスやんが成長した段階で側湾症はある程度出来上がっていたと考えられる。

そこへ子育てが加わった。
赤ちゃんを強い左腕で抱きかかえ、右手であれこれ面倒を見る。
側湾症の進行である。

エックスやんの悪習慣なのだが、これに腰椎の前腕消失が加わった。左重心で足を組んだりするものだから腰にあるべき前湾がなくなってしまった。左肩が上がり、右腕に行く神経の通り道を圧迫するようになってしまった。

人は健康であれば、体のことなど、その存在も意識しないものである。
どこかが痛い、という事であれば、そこに何がしかの理由がある