カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

一年の締めくくりはやはり酒

2008-12-28 19:09:46 | 本日の酒の肴
本日の酒の肴は、酒そのもの。
酒を肴に酒を飲む。飲んべえの極みですな。
自家製のコーヒーリキュールだ。
コーヒー豆に氷砂糖を加えたものにホワイトリカーを注ぎ込んで数週間寝かせたものだ。
果実酒を造る要領でよい。

焼酎をベースにしたものだから、もちろん強い。
しかし、甘みとコーヒーの香りと味わいが一体となって疲れを癒してくれる。

徳さんも年末は忙しい。賀状もまだ手を付けていない。
そんなさ中、このコーヒーリキュールをチビチビ舐めながら、今年最後のブログを書くのは、忙中快感ありである。

これから多分1週間はこのブログを休ませて頂く。
パソコン器機が職場に置いてある関係だ。
なに、携帯があるじゃないか、と言われても、あの小さなボタンをせっせと打つ才は徳さんにはない。
以前挑戦してみたが、打っているうちに寝てしまった、、、。

それでは、良い年を!!


椎間板まっ黒な、ジェーちゃま

2008-12-27 19:31:52 | 本日の患者さん
ジェーちゃま、久し振りのカイロプラクティック施療である。

頚痛と下肢痛のファッション関係のイケ面の兄ちゃんだ。下肢痛については整形外科で腰椎の分離辷り症と診断されてる。

忙しくて、予約のキャンセルがあったりして、一ヶ月半振りのご登場。

その間、整形外科でMRI診断を受け、頚椎と腰椎の椎間板が老朽化してて、黒く写ってるとの指摘を受けた。
「自分としては、どうすれば良いのでしょうか?」
整形外科の先生の答えは、
「まだ、手術する段階ではないようです。薬を出しときますから、それで様子を見てください。」
「自分で取り組める努力はありませんか?」
「椎間板の老朽化自体は今の医学では治せません。」

こんなやり取りがあったらしい。
そして、この手の話は、徳さんも患者さんから聞く平均的な話でもある。

ジェーちゃまは30歳。
老朽化という表現は酷だろう。
椎間板の加齢性変性というのが正式な名称だが、加齢性も変性も、諦めろ、と言っているのだ。

しかし、努力する意味がない、諦めろというのは、徳さん、釈然としない。

椎間板は20歳を過ぎる頃から、内部に張り巡らされてた毛細血管が退行し、椎間板の表面にチョロチョロと血液を送るだけになる。
椎間板の栄養補給、老廃物の排泄は椎間板の水分の出し入れだけとなる。

椎間板に偏った重力を掛けないようにする。椎間板の水分吸収能力を守るために仰臥姿勢を取る時間を確保する。など、患者さんに伝えなければならないことは多いはず。
せめて、老朽化の進行を食い止めようとする助言があってしかるべきだ。

カーメン・マクレイ  テイクファイブ

2008-12-26 18:43:13 | 本日の楽曲
風邪が流行っている。患者さんにも風邪にやられた方が多く、だいぶ良くなったのですが、喉の具合がもう一つなんで、、、、とカイロに見える方もチラホラいらっしゃる。
今年は、インフルエンザの脅威が早くから喧伝されていて、ワクチンを接種する人も例年になく多いようだ。

高熱の辛さは耐えがたいものだし、苦しい咳は息苦しく、喉のヒリヒリは鬱陶しくいやなものだ。
なのに徳さんは、喉風邪だけには、時々罹りたいと思っている。
風邪にやられた喉から発せられる自分の声が好きなのだ。

ということは、日頃の自分の声が嫌いだということだ。
甲高く、軽薄で、落ち着き、渋みがない。おまけに早口ときている、、、、。
マイクを通すと、自分の声が違って聞こえる。他人はマイクに通した声を徳さんの声として認識してるのだろうが、その声もでぇ嫌いだ。

人は自分にない才能をうらやみながらも感嘆、賞賛する。
そして、結論は、
女性の野太い歌声が好きだ。

カーメン・マクレイのどすの利いた、艶のある声でテンポよくテイクファイブを唄われると、鳥肌が立ってくる。


体調警報装置所有な、ツェーちゃま

2008-12-24 17:39:29 | 本日の患者さん
体調警報装置は誰でも持っている。

ツェーちゃまの体調警報装置は、徳さん、最初に聞いた時は、かなりびっくりしたが、よくよく考えてみれば、生き物としてごく真っ当な装置で、多くの人がそれらしきもに気付かなかったり、失っているのは、かなり由々しき状態なのかもしれない。

と、話はそんなに大げさなものではないが、、、。

「私の体調のバロメーターはお茶なんです。」
「え!お茶がどうしたんです?」
「体調が悪くなると、お茶が飲めなくなるんです。白湯しか飲めなくなるんです。」
「そんな事があるんですか?昔からですか?」
「ええ、ちっちゃな時からです。私はお茶が大好きで、毎朝、ヨーグルトに粉茶を振りかけて食べるほどなんですが、体調が崩れると、途端にお茶に手がつけられなくなるんです。お茶が欲しくなくなったら、私の体調はかなり悪いんだと思って何もしないで寝るようにしてます。今回も、ひどい風邪にかかり、ずっとお茶を飲んでませんでした。」

う~ん。食欲レベルなら、徳さんも理解できるのだが、、、、。

しかし、ツェーちゃまと話をしているうちに、だんだん納得してきた。

体調を崩した時、細胞を取り巻く環境や、細胞自身の活動も変化しているはずだ。ナトリウムやカルシウムのイオン濃度が変わったり、ペーハーが変わったり、細胞膜が一部破壊されて、細胞内の成分というか物質が血中に流れ込んだりして、、、。
それが、お茶に対する味覚の変化として現れても不思議じゃないと。

むしろ、ツェーちゃまは、そんな原始的な能力を感謝すべきだ、という事に今日の会談は結論付けました。

証拠持参な、ハーちゃま

2008-12-22 17:52:04 | 本日の患者さん
70歳を過ぎて、いまだ現役で車を運転しているハーちゃま。

お若い頃、音楽を学ぶために長くアメリカに留学されていた。
車社会ゆえ当然の車派。左ハンドルでオートマッチック車を愛用されていた。
その頃の記念品があるので見せましょう、とおっしゃって一枚の薄い布切れを持参された。
徳さんの見たことの無いものだ。
スカートの裏地なのだそうだ。
いかに徳さんにスケベ心が健在であっても、女性のスカートの内側に裏地があるとは知らなかった。
そのスカートの裏地。布の半分の部分が擦り切れて穴まで開いている。

ハーちゃまの青春の思い出の一品なのだ。
オートマで左ハンドルの運転は、右足がブレーキとアクセルに乗せたままとなり、右のお尻が浮いて左のお尻だけで座っていたことになる。
布の半分とは左半分ということだったのだ。

雨の滴が長い年月をかけて、岩に穴を穿つ話は知っているが、ただ座っているだけの人力で、布地をやぶってしまうとは、、、。

ハーちゃまは40年後の今日も、左腰に頑固な筋肉のしこりをお持ちである、、、。




湯布院殺人事件

2008-12-21 18:28:49 | 本日の抜粋

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犯罪者がその犯罪を犯すにいたった道筋を辿ってゆくと、概していえることは、その道がきわめて平凡で日常的であるということであります。
 それはあたかも、田園の中のゆったりと曲がりくねった小道をいくようにのどかな風景で、この先に殺人だとか強盗だとか言う、怖ろしい犯罪が存在するなどということは、想像すらできないのがふつうであります。
 親子の葛藤だとか、夫婦間の不和、愛欲のもつれ、憎悪といったことなどがあったとしても、そういったことは、誰の上にも訪れる、なんの変哲もない生活の風景として、道筋の両側に展開しているにすぎません。しかし、そういう見慣れたはずの風景の先にとつぜん怖ろしい深淵が口を開けている。それが『犯罪』という名の出来事なのです。
 犯罪そのものは、あくまでも独立した事実でありますが、犯罪者がその犯罪を犯すにいたる道程の、一見、なんのへんてつもないかに見える風景の行き着く先にその犯罪が存在したのだということも、またまぎれもない事実なのであります。
 われわれ個々の人間は、誰しもが、社会生活の中で、風にそよぐ葦のごとくに揺れ動きながら生きているのであります。弱い葦もあれば、強靭な葦もある。強靭に見えた葦でさえも、あるとき、ポキンと折れないという保障はないのであります。
 平凡で穏やかに見えた人物が、とつぜん凶暴な犯罪に走るという事実を、われわれはしばしば眼にするものであります。
 いったい何が彼をして犯罪を犯さしめたのか―その動機を物質的即物的に辿るのと同時に、その罪を犯すにいたった道程を内面的に辿ることも、法に携わる者は忘れてはなりません。

内田 康夫 『湯布院殺人事件』より 中公文庫

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心が疲れた時の一つの対応法として、徳さんは内田先生の推理小説を読むようにしている。
その中庸加減が疲れた心に丁度いいのだ。

抜粋部は法律学者の主人公が退官の挨拶に教え子に向けたものであるが、この考え方は内田作品の背景に常にある。
物足りないといえば、物足りない。
良識ある推理小説と、徳さんは勝手に位置づけている。
時に犯人に寄り添うように、時に犯人の矜持を護る道を誘導する結末のつけ方は、疲れた徳さんの心を癒すには充分だ。

最近の現実の犯罪は、内田先生好みのものから加速度的に遠ざかっている。
ナンマンダブ、ナンマンダブ。

前交通動脈瘤発見な、エフちゃま

2008-12-20 18:02:08 | 本日の患者さん
「前交通動脈に動脈瘤が見つかったみたい。」
エフちゃまの奥さんから報告があったのはひと月前。
ようやくエフちゃま本人がみえた。
最終結果が出るのを待っていたのだ。
なのにエフちゃま、最終結果を出すための検査日を間違えて思い込んでいたとの事で、必要な検査は先送りと言う事になっている。

最近の患者さんはご自分の病気に対する知識だけは豊富だ。
マスコミとインターネットのおかげだ。これはいい事だ。

しかし、突然、前交通動脈と言われても、昔聞いたことがあるような、脳の何処かの動脈という判断しか徳さんには出来なかった。ゴメンナサイ。
奥さんとの会話では、適当に知ったかぶりを貫き通した徳さんだが、御本人を前にしてはそうもいかない。
二人して解剖学の本を引っ張り出しで調べた。
ありました。(当然ですよね。)

脳底にある動脈輪の一部でした。
これが破裂すれば、命に関わる代物。
医者から提示された選択肢は、頭蓋骨を切り開いて動脈瘤の根元をクリップで留めるようにするか、太ももからカテーテルを差し込んでネジのようなもので内側から瘤への血流を塞いでしまうか、そのまま放って置くか、の3つ。

幸い、エフちゃまの動脈瘤は2,3ミリ程度。
これが成長しなければ問題ない大きさらしい。
経過観察が大切な対処法といえる段階のようだ。

エフちゃま、しばらくは日和っていようよ。

この検査を受けるきっかけは、エフちゃまの度を越した物忘れだったらしいが、それについては、動脈瘤の存在と関係なしとの医師の断定。

それでは、最近顕著なエフちゃまの物忘れの正体は何なのだろう。
因みにエフちゃまは、まだまだ、己の物忘れを自分の年のせいにする事が出来るお年ではない。



イカはしゃべるし、空も飛ぶ

2008-12-19 20:00:22 | 本日の抜粋
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** やりいかの仲間は、しばしば集団結婚する。水面から海底まで、適齢期の雌雄が大群をなし、それこそ〝蚊柱〟ならぬイカの大群がほぼ円柱状に集まり、表層近くの中心では盛んな交接活動が行われる。
 日本のヤリイカは前に述べたように、大きい雄が斜め下から雌の胴をむんずと抱きしめ、漏斗から出てくる精包を交接腕で捧げ持って雌の口辺か、外套腔かへ差し込む。 
 秋田県男鹿水族館の竹内健氏の観察によると、雌はこの時、まったく受動的で、五分間ほどの交接が終わると、しばらく失神したようになるが、我にかえるとにわかに産卵場所を探し始めるという。
 イカ柱の外周には、雌を狙う雄がとり囲み、ヤリイカの交接・産卵集群には一種の社会秩序ができる。この〝集団結婚会場〟の海底には、卵のベッドと共に、大任をはたし終えた雌雄の累々たる屍も散乱し、一種異様な雰囲気を作り出す。

** タコの母親は、自分の産んだ卵を餌も食べずに孵化するまで見守り、新鮮な空気を吹きかけ、腕でブラッシングをして、ついには命絶えることは、よく海洋生物の〝美談〟として伝えられている。卵を産みつける場所のない大洋のまん中にすむフクロダコの一種などは、自分の腕を連ねているスカート(傘膜)
の中に卵を産み、抱き育てるばかりか、その期間は、母親が万一おのれの卵やかえった子供を食べてしまわないように、自分の口を膜でふさいでしまうというような涙ぐましさである。

奥谷喬司 『イカはしゃべるし、空も飛ぶ』より 講談社ブルーブックス

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生物観察の話は、どんなものでも心を洗われる。
徳さん、特権階級のやからは、でえ嫌いだが、こんな光景を観察する環境にいる人の特権は、ただただ羨ましい限りだ。

産卵のために深い海から海面近くに上がってくるホタルイカ漁が集魚灯を使っていることから考えて、イカの集団結婚は夜間に行われるのだろうか?。
漆黒の闇の海中で、膨大な数のイカが渦を巻いたように乱舞するのか?。
目が良いと言われるイカ君。月から海中に届くわずかな光を利用するのだろうか?
昼間の漁ではイカを集めにくいというだけで、日夜乱舞がおこなわれるのか?

一杯のイカの意思と集団としての意思が一致して、渦には秩序がある。
秩序が流れを作る。一杯のイカの意思が秩序の流れに乗る。
待機、決行、死。
この自然の中に生み出される秩序は、人間が必死になって作ろうとする秩序とは遺伝子がまったく違う。

なんか人間やっているのが馬鹿馬鹿しく感じられた読後感であった。

フクロダコの話はおまけ、、、。

肩口猫背克服進行形な、ウーちゃま

2008-12-17 21:08:15 | 本日の患者さん
確か来年になると80歳の大台を迎えるウーちゃま。
いたってお元気であらせられます。

そのウーちゃま。3年前から肩口猫背が目立つようになっていた。
症状らしい症状が無いのが救いだ。
元来が頑健な肉体の持ち主のウーちゃま。多少の背骨の歪みは影響を受けない御仁のようだ。
御先祖様から戴いた遺伝子が、背骨から出る神経の出入り口である椎間孔をゆとりを持って作っているようだ。

しかし、油断は禁物だ。

元気な人はある日突然、急激な症状の悪化に見舞われがちだ。
ゆとりある椎間孔を享受している人がある症状に出くわすと言うのは、かなり神経を取り巻く環境が悪化し切った時点であるともいえる。
人は、多少、弱々しいほうがいいのだ。という考え方もある。
それに、日頃元気な人は、体調を崩した経験に乏しく、必要以上のうろたえ振りを発揮してしまう事が多い。

肩口猫背とは、首のつけ根の肩口の辺りの、頚椎の前湾から胸椎の後湾への移行の角度が強すぎるものをいう。胸椎上部がロックしてしまい、頚椎中ほどにあらぬ負担を強いる場合もある。
肩口から出る交感神経は呼吸器系の親玉である肺と、循環器系の親玉である心臓を管理している。
新聞の死亡欄に登場する人は、癌を除けば死亡原因の1,2位だ。

3年前、ウーちゃまを脅しあげたのだが、最近のウーちゃまはその肩口猫背がかなり改善している。
患者さんの背骨をめったに誉めない徳さんだが、だって患者さんの背骨の欠点を探し出すのが商売なんだもん、本日は遠慮なく誉めさせていただきました。

いい忘れてたが、ウーちゃまは、健康の事に限り、素直な努力家なのです。
誰かさんに見習って欲しいような、、、。

予防医学としてのカイロプラクティック。
それはカイロプラクティックの本来の目的である。


おい、ブッシュ、世界を返せ!

2008-12-16 18:43:50 | 本日の抜粋

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 ぼくたちは大金持ちから身を護らなくちゃいけない。ぼくたちの老後の蓄えをむしりとり、環境を破壊し、利潤追求を旗印に貴重な化石燃料を枯渇させ、一般庶民の医療保険を利用する権利を否定し、気まぐれに人々の職を奪う企業家テロリストどもから。二〇〇一年から二〇〇二年にかけて、ホームレスの数を一九パーセントも増やしたことをどう呼べばいい?これこそテロじゃないか?それで死ぬ人間だっているじゃないか?これは貧乏人にだけ痛みを押しつけて、ひと握りの金持ちをもっと金持ちにしてやる計画的犯行の一部じゃないのか?
 ぼくたちが戦いを挑むべき〝テロリスト〟は国内にいる。

マイケル・ムーア 『おい、ブッシュ、世界を返せ!』より アーティストハウス

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なんとも簡単明瞭なアジテーションだ。

今までアジテーションの類は何度か聞いたが、それらはいずれも、硬い政治用語だったり勢いだけの空疎で型に嵌ったものだった。関係者だけが分かる、内輪向けのものだった。

マイケル・ムーアのこの一節を読んで、余りにも平易で、薄っぺらな感じのする人も多いかもしれないが、これら平易な言葉には、膨大な資料、情報が裏打ちされている。めんどくさい資料の山から、伝えるべき簡明な言葉を引き出す才能はすごい。

「恥を知れ!ブッシュ!」
とアカデミー賞受賞時に叫んだ人、という認識しかなかった徳さん。
日本のメディアからは流れてこない情報にいささか驚いとりまする。

9・11直後、オサマ・ビン・ラディン一族は、全米の飛行機が飛行を許可されなかった時点で、自家用ジェット機でサウジアラビアに帰国した。
ブッシュはビン・ラディン一族と親密だった。サウジの王家とも親密だった。
サウジアラビアは国際アムネスティからその弾圧政治をアルカイダ同様告発されているが、ブッシュはダブルスタンダードを取っている。ただただ石油の利権のために、、、。
などなど、次から次へとブッシュは追い詰められていく。

そしてこの本の面白さは、マイケル・ムーアの戦術だ。茶目っ気たっぷり。
選挙運動のアイディアなんかは、今回オバマ陣営も多く取り入れたのじゃないかな。