カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

藤沢周平 『暗殺の年輪』 文春文庫

2016-02-29 19:04:18 | 本日の抜粋
藤沢周平の初期作品集である。

と、訳知りに書き出してみたが実は徳さん、藤沢作品を手にしたのは初めてだ。
売れっ子の作品を何となく敬遠してしまう、はすっかいの心情の持ち主の行動の結果だ。
今回、友人に薦められて好奇心に駆られて手にしてみた。

収録されている六つの作品の中で特に印象に残ったのが『ただ一撃』。
隠居し平凡な生活をしている兵法の達人が急遽呼び出され、御前試合のようなものに駆り出される。

話ははっきり前半と後半に分かれる。

徳さんが気に入ったのは、前半のほのぼのした隠居老兵法者の日常の有り様。

  *****
三緒は、
「お茶を召しあがれ」
 と舅を縁側に誘った。
「む、む、これは旨い」
 範兵衛は茶を啜ったあとで、鉢からつまんだ小茄子の漬物を頬張りながら言った。
 歯が欠けているから、含んだ茄子を口の中であちこち転がしながら嚙む。
 範兵衛は小柄で痩せている。頬も痩せて、小茄子を口の中で動かすたびに、いなびた頬の皺がのび、眼だけはぎょろりとしているので、水中の魚の顔のように剽軽な表情になる。三緒は袂を口に押し当てて、くすくす笑った。
  *****

なんか、嫁、舅の羨ましい関係がそこにはある。

茄子の説明もちゃんとある。

  *****
 鶴ケ丘の城下から三十丁ほど離れたところに、民田という村がある。ここで栽培する茄子は小ぶりで、味がいい。春苗を育て、初夏に畑に植えつけて、六月の炎天下に日に三度も水を遣って育てる。このように苦労して水を遣るために皮は薄く、浅塩で漬けた味は格別なのである。茄子の木は次々と可憐な紫色の花をつけて実を結び、七月一杯成り続けるが、八月になると、さすがに木に成る実の数はめっきり減り、水を遣ることもなくなるから皮は硬い。だがその実はまた捨て難い風味を宿すのである。
  *****


この画像は「ヤマセミの渓から」というブログから。

後半は一変する。
果し合いを命令された範兵衛は戦う人に一変する。
戦闘意識の高揚した範兵衛は嫁である三緒に男女の関係を求め、三緒はそれに応じる、、、。
そして三緒は自害する。

徳さんは、このくだりに差し掛かった時、戦争とかテロを想ってしまった。
戦争とかテロは、我々の日常生活上のスイッチを切り替えねば出来ぬことだが、いったんスイッチが入ったら人はどこまでも苛酷、非情になれるのだ。

軍隊での初期教育は敵の存在を設定する事。
敵を人間と見なさず、破壊すべき対象としてだけ認識するように教育される。

軍隊と自衛隊の存在意義の違いを明確化することが、ヘナチョコ野党に求められているのだ。


新宿カイロのHPは
http://chirozizii.com/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキングへ

盗撮しましてごめんなさい

2016-02-28 17:53:48 | 本日の路上観察
画像は、扇すみという人の「冬の朝」という作品。


さて、この方がどこのどなたか判るか判らないのギリギリの線で、今回の徳さんの盗撮行為を許して遣って欲しい。

某私鉄の車中で目撃、思わずシャッターを押してしまった。
幸いにしてピンボケ。

車内ではよく見かける平凡な読書風景だが、徳さん仕事がら気になってしょうがない。



両膝に肘を乗せ本を開いている。
リュックを担いだままなので席に浅くかけている。
当然、本は遠ざかるので身を屈めて、本に覆いかぶさるようにしている。
かなり熱中されてる様子なので、しばらくは同じ姿勢で読書されるに違いない。

気になるというのは、この姿勢の中に未来の病気や現在の体の不都合が詰まっているからだ。

腰椎が後湾している。
腰の筋肉を酷使する姿勢で、将来、椎間板ヘルニアを起こしかねない。

前かがみの姿勢になっている。
内臓は窮屈な空間に置かれ、内臓下垂を手伝っている。
内臓はその機能を充分発揮できないまま時を過ごす状態だ。
当然、呼吸も浅くなっている。
血圧を上げざるをえず、心臓に余分な労働をさせていることになる。

頭が体の重心線から前方に大きく位置するため、肩こりを製造中である。
手に行く神経の通り道が狭くなっているため、手の痺れなんぞが待ち構えている。

この方が、この姿勢のまま顔を起こした時には、脳への血流が一時阻害される。


本当は、まだまだあるぞ、、、。

各々方、ご注意召され!



カイロジジイのHPは
http://chirozizii.com/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキングへ

取りあえずは、敗北宣言

2016-02-27 18:51:27 | 本日の酒の肴
まともな人だったら、こんなブログを書こうとする時、まずもって写真を撮り画像として張り付けるのだろうが、徳さんの場合そうはいかない。

まず、日常に身近な画像を誰かさんに送るという発想がない。
実際には画像を利用しているが、それらは常に後付けのものだ。

そして今日は酒の肴について。

一日の仕事を終えて、こうしてパソコンに向かい拙いブログを書こうとする。
当然、同伴者としての酒と酒の肴は必需品だ。
でも、悲しいかな、その両方ともよそ様に作ってもらったものだ。

近くのコンビニに行く。
悔しいけど、他に手立てはない。
(近くの小売店は軒並廃業!)
酒の肴を物色する。
みな割高だがこれも甘受する。

「カナダほっき貝入りサラダSカップ」なるものを買う。
その画像は無し。
さっさと食べてしまった。
で、包装パックの裏の製品内容表示だけが残骸として残る。

なかに判りにくい原材料表示がいくつかある。

半固体状ドレッシング(食用植物油脂、醸造酢、砂糖、その他)とある。
エッ!こんな場合、その他ってありなの?

悪く考ええば、これだけをもって、食品衛生法がいかにザル法であるかの認識に至る。


ああ、ゆっくり、自分で食べる酒の肴を自分で作る生活を取り戻したいものだ、、、。


新宿カイロのHPは
http://chirozizii.com/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキングへ

偽物徳さんの診断、ンゴングーっちのケース

2016-02-26 20:51:28 | 本日の患者さん
痛みのせいでへっぴり腰で現れたンゴングーっち。
ベッドに横たわるのも一大事業のようである。
久々のご登場である。
去年の10月に右腰痛と下肢痛を訴えていらして以来である。
その後、整形外科で痛み止めなどの薬を貰って何とか誤魔化していたとのこと。

お医者さんの診断は、腰椎椎間板が薄くなっていることによる坐骨神経痛。

それを薬の力で何とか誤魔化してきたのだが、先日、会社の上司の葬儀を手伝うこととなり、その時の長い立ちっぱなしで一挙に症状が悪化したとのこと。

うつ伏せになってもらったンゴングーっちの腰椎5番が右に少し回転している。
その上、その骨が後方に飛び出ている。
試しにその骨に押圧を加えるとひどく痛がる。

これは典型的な腰椎分離辷り症の反応だ。

そうである事を信じて腰椎分離辷り症対策の施療をすると、かなりの手ごたえがあった。

坐骨神経痛との診断は正しいのだが、その診断に原因に対する考察が含まれていなかったようだ。
ンゴングーっちにはセカンドオピニオンとして他の整形でレントゲン判断を仰ぐように勧めた。




カイロジジイのHPは
http://chirozizii.com/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキングへ

タイ古式マッサージ

2016-02-24 19:48:49 | 本日のパクリ
一応、現在のところ、徳さんはカイロプラクティックなるものを名乗って仕事をしているがかなり怪しい。
カイロの本場アメリカ帰りのカイロの先生が徳さんの施療を見学すれば、オーマイゴッド!と叫ぶに違いない。
申し訳ないので、患者さんにはその旨を伝えるようにはしている。

生き物の不全状態を目の前にして、出来ることなら(これが異常に少なくて皆様方には迷惑をかけている)なんでもしましょうというスタンスだけでやっている。
もちろん、日本においては未認可の世界なので、そこは多少わきまえている。

で、どうしてるか?

何はともあれ、盗人に徹するのだ。
ひと様への施療法でこれはいける!利用できる!と判断した奴を拾い集めるのだ。
やがてそれらは、徳さんの中でも、患者さんの反応の中でも熟成されて、一つの施療法として定着する。
ある一人の患者さんのためにだけある施療法だってそこには存在する。
そこには理論も体系もない。
それらは、後でゆっくり考えよう。

そんな中、タイ古式マッサ-ジというのを知った。
と言っても、WEB画像上だけの話なのだが、、、。

これが見た目カッコイイ。
何しろ、施術者が、ポーズを決めまくっている。
患者さんと施術者、どちらが主人公なのか判らなくなっている。
日本に輸入し、衣装もタイ式に整えて頑張っていらっしゃる。
でも、なんか、かすかな違和感が、、、

でも、参考になるものは全て盗ませていただきやす。
画像のポーズはえらく役立ちそう、、、。


新宿カイロのHPは
http://chirozizii.com/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキングへ

辺見庸 『もう戦争がはじまっている』 河出書房新社

2016-02-23 17:19:55 | 本日の抜粋
毎日起きている事柄に、それが余りにも頻繁なので日に日に鈍感になってしまっている私。
いつしか人間存在否定の世界を黙認している私。
申し訳程度の異議は申し立てる。
でもそれは、自己保身のための免罪符に過ぎない。
辺見庸はそんな私の臓腑に思いボディーブローをかましてくれる。

  *****
いまガザでおきていることは、「復讐の連鎖」「暴力の応酬」などではない。二〇〇発以上の核兵器を保有し、実質世界第四位の軍事力をもつイスラエルが、世界一の人口密集地、貧困都市・ガザ市に、砲撃、爆撃をくわえるということはどういうことなのか。これは、病弱な赤ちゃんに完全武装した大人がおそいかかるのとなにもかわらない、文字どおりのジェノサイドである。米国はそれを知っている。知っていながらとめたことはない。
  *****

そう、本気になって、一度たりとも、知っておりながらそんな米国の、自称先進国の、そして日本政府と戦ったことがない。

  *****
「≪殺すなかれ!≫……かつてはこの言葉が私を槍のように突き刺した。いまは……それは嘘のようにおもわれる。≪殺すなかれ≫、しかし周囲では誰もが殺しているのだ。……なんという冒涜的な見世物芝居だ」。そうおもう。ユーリイ・ニコラエヴィッチはそうおもった。もう戦争がはじまっている。
  *****

そう、知らぬままに、気付かぬうちに、事態はここまで来てしまっている。
だれもがこんな事態になるとは思いもしなかったはずだ。
でも、私たちの心は、どこかで油断し、安穏を謳歌してしまっていたのだ。
今、私たちは重篤な低温火傷の患者だ。
深部組織まで浸食されているのだ。

  *****
ニッポンとは、かつて、「イスラム国」だったのだ。のようなものだった。じつはもっと酷かったのだ。「シャー・リュエ・ジエン」。発音を聞くだけでドキドキする。顔が赤くなる。sha・lue・jian。殺・掠・姦。中国侵略日本軍は、日本では「皇軍」、中国では、べつに南京にかぎらず、「シャー・リュエ・ジエン」の「鬼」とみなされていた。
  *****

この歴史的事実を自虐的歴史感に基づくものとして、神国日本の再生を唱える輩がいる。
彼らが誰と話し合わなければならないかは明らかだが、彼らがそんなことを吠え出したのが、話し合わなければならない人々がほとんどこの世からいなくなった時点であるということは興味深い。
彼らの品性と人としての器の小ささを本人たちは自覚しているのであろうか?

  *****
きたるべきやがて到来するだろう未知の光景の手がかりを求めて、やがて到来するだろう未知の光景は、決して「希望」ではない。虐げられている者らが、さらに虐げられる光景である。虐げられている者らが、さらに虐げられても、だれも意に介さない、意に介さなくても済む光景である。それは、いっさいのことがらが、それぞれの「私」抜きに、すでに「他」によって決定されてしまっている状態でもある。
  *****

そう、引き受けるべきは「私」なのだ。
懺悔、悔悟、懺悔。


  *****
「グローバル・ヴィレッジ」のような幻想と倒錯がふくらめばふくらまるほど、ディスコミュニケーション(相互無理解)とコミュニケーション不全がすすみ、ひとびとが閉塞し孤独になっているのはなぜなのだろう 。世界は統合をもとめればもとめるほど細分化、断片化しており、等質化すればするほどバルカン化し、古典的アイデンティティをもとめてあがき、民族、部族と宗教の帰属意識をもとに、はてしない抗争をしているようにみえる。なぜなのか。いま、ゆいいつ活発なのは、自己増殖する価値の運動体=資本だけだある。
  *****              

人から(資本)から差し出される価値の誘惑。
対抗するにこれといった価値を持っていない私たち。
民族、部族、宗教への帰属意識のもうちょっと前まで遡らねばならないのかも。
まあ、徳さんには至難の業ではありまする。


カイロジジイのHPは
http://chirozizii.com/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキングへ

歯科衛生士事務所「ピュアとやま」

2016-02-22 19:59:05 | 本日のこういうのが好きだ
毎日の新聞、テレビなどの報道ではホントにウンザリさせられている。
ため息をつきながら、怒りを通りこして、諦めモードに入っている自分が情けない。

そんな中、時折、珠玉の人々の存在を知らされホッと息をつく。

2月8日の東京新聞記事もそうだ、という事は中日新聞の記事という事になるのか、、。

「誤嚥性肺炎の入院激減 介護職員主体で新技法口腔ケア」という記事だ。

例によって、徳さんのガラケイでの写真はピンボケなので記事を再掲する。

  *****
介護施設を悩ませている誤嚥(ごえん)性肺炎による入院を、口腔(こうくう)ケアの徹底でゼロに-。富山市の歯科衛生士が、口の中の清掃やマッサージなどの技法を考案し、富山県内の10施設で入院ゼロを達成した。介護施設が自ら清潔さを保てるよう、職員に技法を指導したことが成果につながった。

 「あら、口の中がすごくきれいなピンク色をしておられますね」

 昨年十二月中旬、富山県上市町の特別養護老人ホーム。富山市の「歯科衛生士事務所ピュアとやま」の職員が、洗面台に座る入居者の八十代女性に声を掛けた。

 口の中や入れ歯を一通り清掃すると、歯茎やほお、唇をマッサージし、首回りをストレッチ。一連の口腔ケアは一人二十分ほどで終了。その様子を特養の職員が見学した。

 「最初は黄色く粘りがあったお年寄りの口の中が、口腔ケアを続けると透明でさらさらの唾液になり、口臭もなくなります」。技法を考案した事務所代表の歯科衛生士精田(せいだ)紀代美さん(65)は強調する。

 口腔ケアは多くの施設で実施しているが、精田さんの技法の特徴は、歯茎や唇のつぼを指で押すマッサージと、のみ込みをよくするための首回りのストレッチ。通常の歯磨きとは別に週二回しっかり実施することで、食べ物をかんだりのみ込んだりする能力が保たれるという。それを専門職である歯科衛生士が行うのではなく、施設の職員が担当するのも重要な要素だ。

 歯科衛生士として施設に関わり始めた十年ほど前、精田さんが口腔ケアをすると職員たちは「人がやること」と思うようになってしまった。精田さんがせっかくきれいにしても、すぐに元通りに。そこで、職員の教育に力を入れ、自分たちがいなくても口内が清潔に保たれるようにした。「意識を変えることが大切だった」と精田さん。

 精田さんが六年前から県内の特別養護老人ホームで職員に口腔ケアの研修を始めたところ、三、四カ月ほどで誤嚥性肺炎で病院に行く入居者が目に見えて減りはじめ、四年で入院する人がゼロになった。現在指導する十カ所の特養や介護老人保健施設で誤嚥性肺炎による入院もゼロに。

 誤嚥性肺炎は、介護施設にとって悩みの種だ。入居者が入院してベッドが空くと、収入が減って経営を圧迫する。さらに、退院して戻ってくると、介護度が上がって、職員の負担が増すことが多い。この特養の責任者は「目に見えて入院する人が減った。指導に基づききちんと口腔ケアをすると効果が高い」と語る。

 思わぬ効果も。自らの口腔ケアで入院するお年寄りが減ることを実感した介護施設の職員の士気が上がり、離職する人が減ったという。目標はこの口腔ケア技法の普及だ。

 精田さんは「資格があるのに働いていない歯科衛生士が多くいる。そういう人たちに覚えてもらい、専門家による口腔ケアの指導を全国に広めていきたい」と話している。

 (稲田雅文)
  *****

そして多少しつこいが、福祉新聞の関連記事も。
  *****
富山市の歯科衛生士事務所「ピュアとやま」(精田紀代美代表)は、口腔ケアで三つの独自技法を開発。業務委託契約を結ぶ10カ所の介護施設すべてで誤嚥性肺炎による入院ゼロを実現した。  同事務所は県保健所に30年間務めた精田さんが、地域密着の歯科保健活動をしようと2003年に開設。06年の介護報酬改定で口腔機能向上加算がついたことで、介護施設から口腔ケアの依頼を受けるようになった。  しかし、月1~2回の訪問では口腔状態を十分に改善させられず、介護・看護職員が「自分たちは手を出さなくても良い」と思うようになるなど反省点が多かった。その経験を踏まえ、精田さんは職員が口腔ケアに取り組めるよう簡単で分かりやすい技法を開発し、職員への教育に力を入れるようにした。  同事務所が教えるのは①簡単口腔ケア週2回法②口腔内臓器つぼマッサージ法③手技で行う咽頭ケア法と排痰-の3技法。パートを含む全職員が研修を受け、施設全体で取り組むことが基本で、同事務所の歯科衛生士が月1~2回訪問し、利用者の口腔状態を点検し、状態改善に必要な用具や使い方などを伝授する。職員はその教えを受け、歯磨きや舌の汚れ落とし、入れ歯の掃除・除菌、口腔内のつぼのマッサージなどを行う。  3技法は県福祉カレッジの研修会などで知られるようになり、09年に4施設、12年に6施設と業務委託契約を結んだ。その結果、唾液がサラサラになるなど利用者の口腔状態は大幅に改善。口腔内の悪玉菌が減り、全施設で誤嚥性肺炎による入院がなくなった。  「個々の利用者に合った口腔ケアを教えていったら5年で全施設が入院ゼロになった。今後は潜在歯科衛生士や施設の看護・介護職員にノウハウを伝え、全国各地で取り組めるようにしたい」と精田さんは話している。
  *****

口腔ケアとは口の中の清掃だけではない。
口の中をマッサージして血行の改善を図る。
関連する首の筋肉へもストレッチをほどこす。

たったこれだけで、大病院の大先生でも解決できなかった誤嚥性肺炎を克服しつつあるのだ。
まさに現場力!

ただ気がかりなのは行政の現場への冷淡な態度である。




新宿カイロのHPは
http://chirozizii.com/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキングへ

石牟礼道子 『アニマの鳥』 筑摩書房

2016-02-20 17:36:34 | 本日の抜粋

  *****
 おうめは日頃に似ぬしっとりとした視線を仁助と美代に向けた。二人は身じろぎもしないでいた。
「ナマンダブ言う口の下から、大枚下されと手を出す坊さまのことも、あたいはよう知っておりやす。アメンの衆にも、ろくでもなかはずれ者はおる。まさかデウス様が、観音様を焼打ちにせろと申されたとは、あたいには思われやせん。
 あたいはここのお家に来て、本物のデウス様と本物の人の姿を見せてもらいよります。父っつぁまの願かけなさいた観音菩薩とマリア様が二人逢われたなら、仲良う、いよいよ優しゅうなられるとあたいは思いやす。仕事が出来る間はマリア様と観音様にお仕えして、ここのお家に居らせてもらうつもりでござりやした。おなごが言うのも何じゃが、昨夜のお話、切支丹でなくとも、あたいはとっくに同心のつもりでやした」
 おうめは倉の片づけ物でもする口調になった。
「戦さは刀、鉄砲ばかりで出来るものじゃなか。鍋釜を抱え包丁を取り、石臼をひく者が居らんことには。そのいずれも、あたいはまだお美代さまより働き上手でござりやす」
 おうめは自分の言ったことがおかしかったのか、くすりと笑ったが、唇をゆがめて涙をこぼした。
  *****

徳川3代将軍家光の治世下で起きた島原の乱を扱った石牟礼道子の小説だ。
でもそこに描かれているのは、戦闘ではない、乱ですらない。
乱に至るまでの天草・島原地方の農民、今の言葉でいえば庶民の生き生きとした生活が描かれている。
そして、彼らを取り巻く自然がきめ細かく描かれている。
飢餓や、過酷・無情な年貢の取り立てを背景にして、人々は雑草をも感謝の対象とし、次に訪れる春を待望した。

極限的に虐げられながらも、人々は生きるすべを、自然の恵みに対する感謝する心を持っていた近世。
対しましての我らのテクノ文明、、、。

乱というものを題材にして、乱から一番遠い所にいる人間群象を描いた小説ともいえる。




新宿カイロのHPは
http://chirozizii.com/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキングへ

シャーちゃま奮戦記

2016-02-17 17:32:54 | 本日の患者さん
肺癌の治療を終えて、今シャーちゃまは入院中にすっかり衰えてしまった筋肉が引き起こす事態と戦っている。

一言でいうとその症状は体中が痛くだるいとのこと。
その中で最もシャーちゃまを悩ましているのが左肩の痛み。
50肩の症状にほとんど似ている。
ベッドから起き上がる際にも、服を着替える際にも痛みが走る。
多少ふらつき気味の体を支えるすべがない。

徳さんにやれることは、、、。

まさか、ハイ背骨が曲がってますねと言って、ボキボキやる訳にはいかない。
まずは緊張しまくっている全身の筋肉をなだめる。
肩を動かす時に支点となっている関節部の腱を短い距離に限定して軽めのストレッチをしていく。
2回目の施療後、シャーちゃまはだいぶ可動域が広がったと言って、笑顔で帰られた。

しかし、シャーちゃまには、性格上の欠点がある。
がんばり屋さんなのだ。

3回目の施療に見えた時、左肩のその一層の痛みを訴えられる。
「原因は判っているの。一昨日フラダンスの新年会があって、会食の後練習があったの。最初は見ているだけの積りだったんだけど、だんだん堪らなくなって練習に参加したの。4曲も頑張っちゃった。最後は本当に動けなくなって仲間に支えられながら家に帰ったの」

4回目の今日、その肩の痛みは耐えられないものになっていた。
徳さんがシャーちゃまの肩に手を置いただけで、のけ反るように痛がられる。
「先生がやってくれたような事を自宅ででも出来ないかと考えて、板ゴムを使ったストレッチをこの二日ほど頑張ったのよ」

癌が発見されるまで、同年齢では格段の元気者だったシャーちゃま。
かつての美質が仇となるとは、、、。

徳さん、たっぷり、お説教させていただきやした。




新宿カイロのHPは
http://chirozizii.com/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキングへ

セロの冬仕様

2016-02-16 19:32:19 | 本日のセロ&ニーニャ
寒くなってきて、セロの行動が冬仕様になっている。
明け方の5時半に何処かからか枕元にやって来て、ニャァーと鳴いて片足で徳さんの頬を遠慮がちにチョンチョンする。
寝床に入れろと言っているのだ。
薄目を開けて見ていると愛くるしい。
しばらく知らん顔してほっとくと、何度もそのチョンチョンを繰り返す。
なんだ、態度は遠慮がちでも(爪をちゃんと仕舞い込んである)、心はちっとも遠慮しとらんじゃないか。

なんとか写真に収めようと思うが、その時間こちらも寝ぼけマナコで上手く撮れたためしがない。
今度は寝床にカメラを忍ばせておこう、、、。

今日の画像は徳さんが二階の部屋に入ろうとすると、決まってドドッと階段を上ってきて徳さんの足に纏わりつく様子。
その後、セロはドタリと音を立てて横ざまに倒れこむ。
腹を撫でさすれ!と言っているのだ。
その時の上目遣いで徳さんを見る目は、決して強者に対する恭順の意を表しているのではない。






カイロジジイのHPは
http://chirozizii.com/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキングへ