カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

逆立ち日本論

2008-10-05 19:22:20 | 本日の抜粋

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内田 日本に来るアメリカの情報というのは、東海岸と西海岸発信の情報ばかりで、アパラチア山脈とロッキード山脈の間に拡がるアメリカ中西部の情報はほとんど入ってきませんね。実際にはそこが穀倉地帯で、バイブルベルト(中西部から南東部にかけてのキリスト教福音派の信仰が篤い地域。進化論の否定や中絶禁止などの主張も多く見られる)で、共和党の票田で、石油と軍事産業の本拠地で、ブッシュの地元なんですけど。アメリカの国論を決定しているエリアについて、ぼくたちはほとんど知らない。

養老 確かにそこを日本人はよく知らない。しかも、環境問題で言うと、あの辺りが一番危ない。アメリカの矛盾はあの辺りにいちばん出ていますね。
 牧畜や農業の問題でもそう思います。例えば中西部の農業は、ロッキー山脈に近づけば近づくほど地下水の汲み上げに頼っています。氷河期の氷が溶けて地下水がそこに溜まっているのです。それを汲み上げて使っている。汲み上げて使うと、当然ながら地面の塩分濃度が高くなってしまうのです。小麦栽培ではよくあることです。やかんの空焚きをすると、やかんの底に白く塩分がたまります。真水でもそれぐらいになるんです。

養老 孟司 / 内田 樹 『逆立ち日本論』より 新潮選書

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その本の本筋から外れたところで、うなる。というのが読解力の低い徳さんの読書法。あしからず。

最近読んだ本のうち幾冊もで、土を語る環境論に出くわした。
動物園の職員の本を読んでも、只今読書中のミミズ博士の本を読んでも、ここに抜粋した解剖学者と武道家の哲学の先生の対談を読んでも土に反映した環境問題が語られている。

そういえば、今日家を出掛けにチラッと見たテレビでは、中国の内モンゴル政策としての遊牧民の定住化により、牧草地が根こそぎ羊たちによって喰われ、砂漠化が進んでいるようだ。一年に鳥取県に相当する面積が砂漠化しているんだと。

皆、人間の目先の利益最優先の行動、今が良けりゃあとの事は知ったことじゃない行動の帰結だ。応急処置ばかりに気を取られ、病気の本態を見失った結末だ。
人が生きていくことは悪だ。と成らないようにと願っちゃおるが、、、。

内田先生の発言は、情報というものに対する傾向と対策を読み誤るな、という警告である。