カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

汚染水、分からないまま手を出すな!

2015-06-19 19:43:42 | 本日のおまけ
以下は『Gigazine』というブログの記事からの転載。
その前に一言。

この記事を読んで、どうしても思いが及ぶのは原発から発せられる汚染水。
これに東電の中の真摯な人たちは本当に頭を抱えているんだと思う。
メルトダウンし手がつけられない炉心と、それを延々と冷却し続けなければならない膨大な水と、それをはるかに上回る量のその周辺を通過する地下水の汚染。
この問題を解決することなしには世界規模での放射能汚染は拡大するばかりだ。

最先端の科学技術を誇り、安全性の完全性を謳った日本政府は明らかに完全敗北したのだ。
最先端技術が水を扱いきれぬのだ。

もうすでに、とんでもなく手遅れだが、世界中の知と、資金がこの事に集中しなければならない。
そのためには、もちろん事件を起こした当事国である日本が、それへの最大限の努力をしていることを世界に納得してもらわなければならない。
そのあらゆる努力の内容を公表しなければならない。
それが批判の対象になろうとも、未来の人類には貢献したことになる。


  *****
水についてまだよく分かっていない5つのこと

By Janet Ramsden

生き物が生きていく上で必要な「水」は、あまりにも身近過ぎる存在のため、水についてじっくりと考える機会は意外と少ないものです。しかし、誰もが当たり前の存在に感じる水について、まったく解明されていない代表的な5つのものをまとめるとこうなります。

Five Things We Still Don’t Know About Water—Richard Saykally Takes Us Inside Waters’ Mysteries
http://nautil.us/issue/25/water/five-things-we-still-dont-know-about-water

◆1:いくつも種類がある「氷」
水が凍ると「氷」となるのは誰もが知るところ。このような固体状態の水である氷は、極めてめずらしいことに、液体状態よりも体積が増加することが知られています。これは水素結合という原子同士の特殊な結合を原因とするもので、水はセ氏4度(以下、温度はすべてセ氏で表記)の時に最も体積が小さくなる(=密度が高くなる)事が知られています。

しかし、「水の固体状態の氷が1種類ではない」ということは学校では教わらず、知らない人も多いはずです。現在、知られているだけでも氷は17種類あり、一般的に私たちが氷と呼んでいる「Ih」以外にも自然状態でごく微量の「Ic」が存在することや、その他にも高圧下の宇宙にのみ存在し得る15種類の氷が見つかっています。

水素結合が整っていて密度の低い「一般的な」氷の状態(右)から圧力を加えて最密充填構造の限界に到達するまでに、氷はさまざまな形状をとると考えられており、今後、既知の17種類以外の状態の氷が発見されるかもしれません。




◆2:水の蒸発メカニズム
物質が液体から気体へと変化することは「気化(蒸発)」と呼ばれており、水が蒸発して水蒸気になることも気化によるものです。この水が蒸発する割合は、大気の雲の発生に大きく影響するので気象を予測するのに非常に重要なものの一つとなっています。


By Mervi Eskelinen

しかし、水が蒸発するメカニズムについてはいまだに完全には理解されていません。水に塩を加えると表面張力が上がり、表面張力波が抑制されるため理論上は蒸発率は下がるはずなのに、実験ではほとんど蒸発率に変化が見られないなど、蒸発メカニズムは解明されていないとのこと。

◆3:水の表面は酸性か塩基性か
ナイアガラの滝が作る霧にはマイナスイオンが含まれていることが知られています。ナイアガラの滝に限らず多くの滝でマイナスイオンが出ているのは、水の表面に水酸化物イオンが蓄積しているからで、液面のpHは7より大きな塩基性であると考えられてきました。


By MATAVI@

しかし、近年の実験やシミュレーションでは実際には液体の水の表面には水酸化物イオンよりも水素イオンが多く、pHは7未満すなわち酸性であることが分かっています。

◆4:アモルファス氷
水は温度が下がっていくと0度以下で固体の氷になりますが、ゆっくり冷却すると0度以下でも凍らない過冷却という現象が起こります。なお、どんなにゆっくり冷却したとしても-38度では凝固してしまうことも分かっています。

しかし、水をゆっくりと冷却し続けると、-38度より低い低温領域では分子の結合に規則性がないアモルファスな状態の「アモルファス氷」と呼ばれる結晶をとり得ることが知られています。

固体は分子構造に規則性があり、液体は分子構造に規則性がないのが一般的ですが、水の場合、固体でありながら分子構造に規則性がない状態が生じ得るという点で特殊性を持ちます。つまり、固形で流動性がないのでアモルファス氷は「固体」ですが、分子構造に規則性がないという点では「液体」と同じで、極低温状態ではガラスのように「固いけれど液体」とも言えるというわけです。



なお、ガラスが液体状態か固体状態かそれとも独立したガラス状態なのかについては争いがあり、従来の学説を覆す「ガラスは液体ではない」という京都大学の研究も発表されています。そのためアモルファス氷が固体か液体かそれとも別の状態なのかという点も意見が分かれそうです。

◆5:量子サイズの水
カーボンナノチューブや陽子交換膜を作り出せるようになって以来、水分子を量子サイズに閉じ込めるというチャレンジが進められています。実験上も計算上も水を分子数百個レベルと極少量を狭い空間内に閉じ込めると、量子効果を示すことが分かっています。


By Geoff Hutchison

これらの量子効果を示す水の特性が、生物学から地質学に至るまであらゆる領域に影響を与えると考えられており、例えば、より効果的に海水から純水を作り出す淡水装置を設計できると予想されています。しかし現時点では、水を閉じ込めることさえうまくいっておらず、この分野の研究は解決すべき問題が山積みだとのことです。
  *****



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頼みは女性週刊誌!

2015-04-22 19:37:11 | 本日のおまけ
Twitterで香山リカさん経由でこの毎日新聞の記事を知った。
フムフム、なるほどである。

正直言って、徳さんは女性週間誌を手にしたことは皆無に近い。
はっきり言って小馬鹿にしている物件なのだ。
だった、、、。
今回、反省しておりまする。
リアルタイムの女性の関心、出くわしている問題などに無頓着であってはならないと、、、。

女性週刊誌の編集方針のわずかな修正が世界を変えれるかも知れない、、、。

女性週刊誌の取材によって安倍坊が女性の琴線に触れる事を繰り返し主張している事が伝わってくる。
「生命を育む」「生命を守る」という単純な、そして本質的な命題を安倍坊はいとも簡単に踏みにじっている事が一人一人の名も無い女性によって告発されている。



  *****
特集ワイド:怒る女性週刊誌 政権批判、読者に押され 原発再稼働、改憲…本当に必要? 家族の生活、命…守れるの
毎日新聞 2015年04月22日 東京夕刊


 芸能ゴシップや美容・健康情報などで華やかな女性週刊誌に“異変”が起きている。安倍晋三政権をストレートに批判する硬派な記事が目立っているのだ。俎上(そじょう)に載せるのは、安全保障法制の見直しや憲法改正、原発再稼働、アベノミクス、そして女性活躍推進といった目玉施策。この怒り、どこから湧いてくるのか。【小林祥晃】

 まずは左の表をご覧いただきたい。この1年間に、3大女性週刊誌(「女性セブン」=小学館▽「女性自身」=光文社▽「週刊女性」=主婦と生活社)が掲載した安倍政権を批判する記事の見出しである。<安倍さんは世界で“女性蔑視”だと思われている!><安倍政権は女の涙ぐましい努力をわかっちゃいない>などと、普段女性誌を読まないオジサン記者にはびっくりの率直さ。もちろんこれらはほんの一部に過ぎない。他にも原発再稼働や憲法改正などへ疑問を投げかける記事が少なくない。

 政治にモノ申す記事が増えてきたきっかけとして関係者が口をそろえるのが東日本大震災と福島第1原発事故だ。「週刊女性」の渡辺高嗣副編集長は「原発事故を経験して『最悪の場合、どうなるのか知りたい』というニーズが高まった。特に子供や家族を守る立場の女性にはその思いが強い」と話す。集団的自衛権やアベノミクスなどを取り上げる際にも「要するに、どうなるの?」という疑問に答えることを大事にしている。

 「女性自身」の田辺浩司編集長は「震災以降、特に主婦層は子供たちに明るい未来、安全な社会を残してあげられるのかを考えるようになった。そこに訴える記事を出そうというのが編集方針。特に原発、福島は徹底して追いかけている」と明かす。

 読者も好意的に受け止めているようだ。「週刊女性」の毎号約40本の記事のうち、面白かった記事を選ぶ読者アンケートで政治ネタはベスト10の常連だ。昨秋、小渕優子前経済産業相と松島みどり前法相が「政治とカネ」の問題で相次ぎ辞任した直後に特集した「政治とカネ問題Q&A」は5位に。「政治資金規正法の仕組みや、何がダメだったのかを徹底解説した。新聞やワイドショーで繰り返し伝えている話なので、読まれるかと心配しましたが、意外でした。それどころか『まだまだパンチが足りない』『もっと伝えて』という声ばかり。『やり過ぎだ』なんて声はありません」(渡辺さん)

 「女性自身」は4月7日号の人気連載「シリーズ人間」で「これからも『国民を踏み潰す国』でいいのですか」と題した沖縄・辺野古のルポを掲載。米軍普天間飛行場の移設反対を訴え座り込みを続ける戦争体験者の思い、子育て世代の家族の率直な声を取り上げた。写真グラフも含め計7ページの大型記事だが「涙が止まらなかった」「美容院で記事を見て、もう一度読みたくて買い直した」といった熱い反響が寄せられた。

 2人の男の子を持つ北陸地方の母親(42)は「日本が将来、戦争する国になるのではないか、徴兵制が復活するのではないかと本気で心配しています。でも、ママ友と政治的な話はしづらい。週刊誌に疑問に答えてくれる記事があると、美容院でも食い入るように読んでしまいます」と語る。

 「原発事故を経験して政治は生活の安全と直結していることに気付いた。アベノミクスも成功していると言いながら、大多数の国民の生活は苦しい。それらは男性より女性の方が肌で感じている。蓄積した不満や不安が女性週刊誌に反映されるのは当然です」。そう分析するのは、女性の心理に詳しい原宿カウンセリングセンター所長の信田さよ子さん(68)だ。「ただ、女性週刊誌には昔から地道に取材した反骨的なルポや、大手芸能事務所にもおもねらないスクープがあった。私を含めて長年の読者はそんな姿勢にも信頼感を抱いているんです」

 徹底した現場ルポ「からくり民主主義」や「男は邪魔!」などの著書があるノンフィクション作家の高橋秀実(ひでみね)さん(53)は「女性からすると、安倍政権の言葉は『存在が脅かされる』という警戒心を呼ぶのではないか」と指摘する。「例えば『女性の力を活用する』という言い方。女性はあくまで活用される立場で、活用する男性が優位なのは一目瞭然。また『女性の力を強く信じます』などとひとくくりに肯定する論理は、一人のミスでも『だから女性はダメなんだ』と全否定に転じる恐れもある。そのあたりのからくりを見抜いているのでしょう」

 とはいえ、各誌とも決して「批判ありき」ではない。「週刊女性」は小渕氏や松島氏ら5人の女性閣僚が誕生した際、期待を込めて5人の人となりを紹介した。過去の発言や政治姿勢を批判的に取り上げる切り口も考えたが「仕事をする前から読者に評価を押しつけるのはどうか」と、当初は批判を封印した。

 「私たちが大切にしているのは現場で聞いた生の言葉。それが結果的に、厳しい政権批判になっている」と言うのは「女性自身」の田辺さん。昨年5月27日号で、歴史教科書の採択で揺れる沖縄県竹富町を取材したルポ記事のタイトル「中国より、安倍さんがこわいです」は町民が語った言葉から取った。「人権を踏みにじるような表現でない限り、現実に上がっている声を無視したり、それを曲げて書いたりするのは、週刊誌としてはやってはいけないことだと思っています」

 女性誌を巡っては昨年、月刊ファッション誌「VERY」(光文社)が「お母さんこそ、改憲の前に知憲!」と題し、憲法改正や特定秘密保護法を取り上げた記事を掲載。発売前に内閣広報室が「秘密保護法を取り上げるなら、我々にも取材を」と編集部に電話していた事実が明らかになり、「言論への過剰な口出しではないか」と問題になった。今月にもNHKのやらせ疑惑やテレビ朝日の「報道ステーション」でのコメンテーターの発言について、自民党が両局幹部を呼び事情を聴くなどメディアへの介入や圧力ともとれる動きは強まるばかりだ。

 2人の子の母親でもあるタレントでエッセイストの小島慶子さん(42)は「女性誌はファッションやゴシップなど『見たい、知りたい』という読者の素直な欲求に応えるメディア。政権批判の記事は、異論を許さず、なし崩し的に変わろうとしている世の中への異議申し立てとも言える。批判を恐れて口をつぐむ人が増える中、生活実感を基に『他人がどう言おうと、私はおかしいと思う』と言える、血の通った言論をなくしてはいけない」とエールを送る。

 女性週刊誌に噴出する怒りのマグマを無視すれば、やがて地殻変動につながるかもしれない。
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本当は本日の無残!なのだが、伝えたいのは本日のおまけ

2015-03-11 20:40:17 | 本日のおまけ
シッチャカメッチャカの日が徳さんには度々訪れる。
今日は、そのうちの一日。

少し怪しいな、と思っていた左上の奥歯辺りが一夜にして腫れだした。
軟弱な歯槽膿漏の歯茎が雑菌の餌食になったようだ。
歯医者に行く。
レントゲン像を見て、あ!骨がほとんど無くなってますね、だって。
まるで、徳さんの肉体が悪いみたい。
そりゃ、悪いから来たのだ。

でも、この歯医者さんは以前からかかっていて、徳さんなりに先生の教えを割と律儀に守っていたのだ。
歯のブラッシング、歯間ブラシの使用。
そして、多少歯に怪しさを感じた時の早めの歯科医訪問。
昨年末も訪ねた。
仰せのままに徳さんなりに努力したのである。

で、今日のご託宣はちと辛い。
管理責任者の一方の大将は貴方ですよね、と言いたい。

でも、応急処置をして貰い、その部分の入れ歯使用を禁止されながらも痛み無しの状態に。

で、気を良くして昼飯を喰いにある店に入る。
以前から気になってた店だ。
当店自家製、ハラミ鶏丼、限定6食。
この限定という言葉に消費者は弱い。

予想してたのは、変則親子丼。
しかし実際に出て来たのは歯応えのする鶏肉炒めた料理で、確かに旨いが噛むのが大変。
入れ歯を外した側では噛めない。
片側だけだ悪戦苦闘しているうちに、何度も繰り返し口内の片側のある地点を思いっきり噛んでしまった。
たいした問題ではない、と言われればそれまでだが本人には過酷なのじゃ。
トホホ。

そんな事はまあどうでもいい。

本日のおまけ、が重要だ。



本日のおまけ

日本在住が長い、ニューヨークタイムスの東京支局長の発言だ。


  *****
時代の正体<71>「イスラム国」は問う(6)「日本のメディアは最悪」-邦人人質事件から/米NY・タイムズ マーティン・ファクラーさん

2015.03.03 11:30:00

 過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件で2人が殺害されてから1カ月が過ぎた。テロを含めた国際情勢にどう向き合っていくのか-。米有力紙ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーさんは、日本が重大な局面を迎えているにもかかわらずさほど論議が交わされていないことが不思議でならない。その背景にメディアが機能していないことを指摘する。



 ジャーナリストの後藤健二さんの殺害映像がインターネットに流れた約1週間後の2月8日、ニューヨーク・タイムズは1枚の風刺画を掲載しました。

 タイトルは「Could ISIS Push Japan to Depart From Pacifism?」(「イスラム国」は平和主義から日本を離脱させられるか?)。テロの脅威で国民をあおり、憲法改正という政治目的の達成へ進む安倍晋三首相が描かれていました。

 正確な数は分かりませんが、風刺画はツイッターだけでも何千とシェアされました。リツイート(拡散)している多くは米国人ではなく日本人です。なぜか。邦人人質事件をめぐる政府の対応や思惑について、関心を持っているからです。

 しかし、こうした風刺画や論評が外国の新聞に掲載され、日本の新聞には載らないのはなぜでしょうか。日本のメディアは一体何を報じてきたのでしょうか。

■「列強」への道

 日本はいま、重大な局面を迎えています。平和主義を守り続けるのか、米国や英国のように「列強」としての道を歩むのか。その判断を突きつけられたのが、今回の事件だったのです。

 安倍首相が望んでいるのは後者です。かねて「積極的平和主義」を掲げ、米国の有力な同盟国として、国際社会の一員として、役割を果たすことの必要性を強調してきた。

 今回の中東諸国訪問は、安倍政権の姿勢を世界に示す大きなチャンスと考えていたのでしょう。湯川遥菜さん、後藤さんの殺害が予告された後も、安倍首相は「テロに屈しない」と強硬姿勢を崩さず、最終的に2人は殺害されました。

 私にとって、政府がテロリストとの交渉を拒んだことは、何の驚きもありませんでした。安倍首相は今回の事件を「国民が犠牲になったが、テロリストとは交渉しなかった」と米国や英国にアピールする材料にするつもりだろうと思っていました。

 日本はこれまで「八方美人」でした。どこの国とも仲良く、その代わり、どこにも敵をつくらない姿勢を貫いてきた。安倍首相が描く国家像は真逆です。米国との同盟を強化し、国際社会における存在感を強めようとしている。当然、リスクは増え、敵も多くつくることになるでしょう。

 今回の事件でイスラム国のテロリストは「日本の首相へ。おまえはイスラム国から8500キロ以上離れているが、イスラム国を掃討する十字軍に進んで参加することを誓った」と言っている。繰り返しますが、安倍首相はこれまでの日本とは全く異なる国家をつくろうとしている。日本はそういう岐路に立っているわけです。

 国家として重大局面を迎えているにもかかわらず、なぜ日本のメディアは国民に問題提起しないのでしょうか。紙面で議論を展開しないのでしょう。国民が選択しようにも、メディアが沈黙していては選択肢は見えてきません。

 日本のメディアの報道ぶりは最悪だと思います。事件を受けての政府の対応を追及もしなければ、批判もしない。安倍首相の子どもにでもなったつもりでしょうか。保守系新聞の読売新聞は以前から期待などしていませんでしたが、リベラルの先頭に立ってきた朝日新聞は何をやっているのでしょう。もはや読む価値が感じられません。

 私がいま手にするのは、日刊ゲンダイ、週刊金曜日、週刊現代といった週刊誌です。いまや週刊誌の方が、大手紙より読み応えがあるのです。

 安倍政権になり、世論が右傾化したという人もいますが、私はそうは思いません。世論はさほど変わっていないでしょう。変わったのは、メディアです。

■批判こそ役割

 米国のメディアもかつて失敗を犯しました。米国は2001年、同時多発テロという国家を揺るがす危機に直面しました。約3千人が亡くなり、政府は対テロ戦争に乗り出した。03年には「イラクが大量破壊兵器を隠し持っている」という情報を根拠にイラク戦争を始めた。

 米国の主要メディアはブッシュ政権の決断を後押ししました。後にそれが大きな誤りだったと気が付くのですが、国家的危機を前に国民だけでなく、権力の監視を託されているはずのメディアも冷静さを失ってしまったのです。

 イラクに大量破壊兵器などありませんでした。誤った戦争だったのです。翼賛体制に協力したメディアは戦争に加担したのです。

 この大きな反省から、メディアは権力監視の役割を果たすことの重要性、権力と距離を保つことの必要性を学びました。二度と間違いを犯さぬよう、日々、現場で実践しようと努力しています。

 「国家の危機」はメディアを機能不全に陥らせる怖さを潜んでいます。今回の邦人人質事件でも「国家の危機に政府を批判するとは何事か」「テロを容認するのか」という声が一部で上がりました。筋違いな話です。

 今回、日本メディアはあまりにも簡単に批判をやめてしまった。しかし、2人死亡という事態で沈黙してしまったら、国内で数千人が犠牲になるようなテロが起きた際、一体どうするのでしょうか。

 国家の危機にこそ、メディアは権力が暴走しないよう目を光らせなければならない。冷静さを保ち、建設的な議論を展開しなければならない。

 日本のメディアには一刻も早く目を覚まし、本来のメディアとしての役割を果たしてほしいと思います。さもなければ、メディアとして語る資格はもはやないでしょう。

【神奈川新聞】

今日はおまけのみ、これから飲みじゃ

2015-02-01 16:40:11 | 本日のおまけ
(画像はイギリスのアントニー・ゴームリーって人の作品)


歴史ってのは綿々と繋がってるもんなんなんだろうけど、ターニングポイントというのはある気がする。

東日本大震災の時にその予感を感じたが、日本人は上手く再生出来ないでいる。
今回のISISによる事件もその予感がする。
それも、悪い方へ悪い方へと流れていく予感が。

何がテロを生んだか?から、やり直さないと。


本日のおまけその①

Twitterで見つけた面白い風刺画。
タイトルは“生みの親も育ての親もUSA”
フランスでテロの対象となった風刺画よりセンスがいい。



本日のおまけその②

これもTwitterで見つけた。
イラク戦争のしかけについて。
神保さんが、古い資料だが参考にしてくれと、、、。


『幻の大量破壊兵器』はいかに捏造されたか
イラクの脅威を誇張し続けたブッシュ政権の情報操作と
戦争の大義を再検証する

『世界 2004年』5月号に掲載
ジャーナリスト 神保哲生

 2004年1月28日、イラクの大量破壊兵器の捜索活動を指揮していたCIAのデビッド・ケイ博士が、米上院軍事委員会の公聴会で「イラクに生物・化学兵器の大量備蓄は存在しない。私たちの見通しは誤っていた」と証言し、CIA特別顧問の職を辞した。
 時を同じくして、アメリカとともにイラクへの武力行使の中心的役割を果たしたイギリスでも、ブレア政権がイラクの大量破壊兵器の脅威を誇張したとするBBCの報道と、その報道の情報源となった国防総省の専門家の自殺をめぐり、国をひっくり返したような大騒動が起きていた。
今年に入って、アメリカやイギリスではイラクの大量破壊兵器問題が、俄然クローズアップされている。しかし、ブッシュ政権高官の言動や動向を観察してきたアメリカ・ウオッチャーたちの目には、この騒ぎは少々滑稽に映ったにちがいない。「今さら何を言ってるんだ、この人たちは。」そんな印象を禁じ得ないのだ。

 もし、戦争終結後のイラクで大量破壊兵器なるものが発見されたとすれば、それはアメリカの主張が正しかったからではなく、たまたまの偶然か、もしくは捏造されたものに違いない。アメリカ・ウオッチャーたちの支配的な味方だった。
 イラクが果たして本当に大量破壊兵器を保有していたかどうかという問いについては、まだ100%結論が出たわけではない。しかし、少なくとも一つはっきりしていることは、イラク攻撃の前にも、そして戦闘終結後にも、ブッシュ政権によって、イラクが大量破壊兵器を保有していることを裏付ける説得力のある証拠が一つとして提示されたことはなかった。そして、その代わりにブッシュ政権は、欺瞞に満ちた情報操作による「イラク脅威論」を喧伝し続け、残念ながらそれが世論に対して一定の成果をあげることとなった。


始めにイラク攻撃ありき
 2001年に1月に発足したブッシュ政権は、2001年9月11日の同時テロを、先代のブッシュ政権時から懸案だったイラクを叩く好機と捉え、素早く動いた。同時テロ発生の4日後の9月15日には既に、キャンプデービッドで開かれた緊急の安全保障会議で、ラムズフェルド国防長官やウォルフォウィッツ国務副長官が、イラク攻撃を大統領に進言している。まだアフガニスタン攻撃すら決っていない段階で、既に政権の中枢ではイラクへの軍事介入が話し合われていたのだ。
 しかし、とは言え、いくらなんでも、何の証拠もなくいきなり「おれは9・11で怒っているんだぞ」というだけの理由で、まったく関係のないイラクに攻撃を仕掛けるのは無理がある。そんなことは国際社会も容認しないだろうし、いざ軍事介入となればある程度の犠牲者を覚悟しなければならない以上、アメリカの世論もこれを許すはずはなかった。
 また、ブッシュ政権内でも、穏健派を代表するパウエル国務長官が、イラク攻撃には強く反対していた。パウエル長官は、アメリカが9・11の報復対象にイラクを含めれば、せっかくテロとの戦いで足並みを揃えている国際社会の支持をアメリカは失うことになると、繰り返しブッシュ大統領に自制を進言していたことが、ボブ・ウッドワードの著書「Bush at War」の中で克明に紹介されている。
 そこでブッシュ政権は、国際社会を納得させるためにも、そしてパウエルら政権内の慎重論を押さえるためにも、イラク攻撃を正当化するための2つの口実を考え出した。一つはイラクが化学兵器などの大量破壊兵器の密かに保有し、核兵器の開発にも食指を伸ばしているということ。これが、中東地域のみならず、アメリカ本土にとっても脅威となっているというもの。
 そしてもう一つが、イラクがアルカイダを含む、国際テロリストのネットワークを支援しているとするということだった。もしもイラクが、貿易センタービルに突っ込んだあの憎きテロリストたちとつながっているとすれば、アメリカ国民も、そしてきっと国際社会も、イラクへの軍事介入を容認するに違いないと考えたわけだ。
 そして、それが決まった時、その口実を最もらしいものに見せるためのブッシュ政権による徹底した情報操作が始まった。

先代ブッシュ大統領と保育器の赤ん坊
 ところで、イラク脅威論をめぐる情報操作はジョージ・W・ブッシュ現大統領の父君の先代ブッシュ政権の時代にまで遡る。
 1990年10月10日ワシントンの連邦議会でトム・ラントス(民主党・カリフォルニア州)、ヘンリー・ハイド(共和党・イリノイ州)らの人権派有力議員らが主催する『下院人権議員集会』が開かれていた。
この集会の主人公は15歳のクウェート人少女だった。少女は、身元を明らかにすればクウェートに住む家族がイラクからの報復を受ける恐れがあるとの理由から、「ナイラ」という名前のみが明らかにされていた。そして、「命からがらクウェートから逃げてきた」とされたナイラは、イラク占領下のクウェートで彼女がボランティアで働いていた首都クウェートシティのアルアダン病院に武装したイラク兵が押し入ってきて、保育器の中にいた未熟児の赤ん坊を保育器から冷たい床の上に放り出して皆殺しにした、と涙ながらに証言した。
 このナイラ発言以降、先代ブッシュ政権の高官たちはサダム・フセインの残虐性を、そしてイラクのクウェート侵攻の違法性を批判する際に、必ずといっていいほどこのエピソードを繰り返し引き合いに出した。ブッシュ大統領自身、サダム・フセインを呼ぶ時に「ベビーキラー(赤ん坊殺し)」という表現を好んで使った。
 この「赤ん坊殺し」のエピソードが、アメリカの世論にどの程度の影響を及ぼしたかを具体的に推し量ることは難しい。しかし、湾岸戦争直後のブッシュ政権の支持率が89パーセントまで急上昇したのを見ても、ナイラ発言から3ヵ月後には多くのアメリカ人が、この戦争を「大義ある戦争」と受け止めていたことは容易に推察することができる。
 ところが実はこのナイラという少女は、とんだ食わせ物だった。ナイラの正体は当時のクウェートの駐米大使サウド・ナシール・アル・サバの娘で、ナイラはアルアダン病院とは縁もゆかりもなかった。しかも、この日のナイラの証言は、クウェート政府が反イラク世論を盛り上げるためにコンサルティング契約を結んでいたアメリカのPR会社『ヒル・アンド・ノウルトン』のローリー・フィッツペガド副社長が、直々に指導した名演技だった。そして更に問題なのは、この証言の内容が恐らく、と言うよりもほぼ間違いなく、「真っ赤な嘘」だったのだ。
 湾岸戦争終結後、世界中のマスメディアがこの証言の真偽を確認するために、取材に走った。ところが、あらゆる病院関係者に取材を試みてみても、イラク軍が保育器を持ち去るところを目撃した者は誰一人として見つからなかった。また、取材の結果、当時のクウェートには全土でも数えるほどしか保育器というものは存在しなかったことも明らかになった。クウェートにはナイラの証言したような「何百もの保育器」など、最初から存在するはずがなかったのだ。
 湾岸戦争では、他にも、例えばあの戦争の象徴の一つとなった「油まみれの鳥」が、当時はフセインが自ら油田を破壊したために起きた悲劇だとして、フセインの凶暴性や悪徳性の証の一つとして広く報じられたが、後になって実はあの油は、アメリカ軍の爆撃で流出したものだった可能性が高いことも指摘されている。
 他にも、国防総省が得意気に映像を公表していた精密誘導弾によるピンポイント爆撃も、実際に使われた精密誘導弾は全体のせいぜい1割程度で、残りは相当の誤差を伴う通常爆撃だったことが、後に明らかになっている。
 これらのケースはいずれも、当事者たちにはそれなりの言い分があるのかもしれない。しかし、こうして全体を眺めてみたとき、世界中がアメリカの見事なまでに巧みな情報操作にまんまと乗せられていたことだけは、どう見ても否定できそうにない。
 これらのエピソードは、いずれももう10年以上前の話になるが、イラクの脅威を誇張することで戦争に対する国内外の世論の支持を取り付けるブッシュ政権のこの体質は、8年間のクリントン政権を経て登場した長男ジョージ・W・ブッシュの政権にも確実に引き継がれていた。

幻の大量破壊兵器
 湾岸戦争でアメリカが主導する「多国籍軍」の新型兵器の前に完膚無きまでに打ちのめされたサダム・フセインは、クウェートからも撤退し、その後IAEA(国際原子力機関)の武器査察チームも受け入れ始めていた。一旦はイラクの大量破壊兵器の脅威は収束しつつあるかに見えた。
 ところが1995年、イラクの大量破壊兵器開発プログラムの最高責任者でサダム・フセインの長女の婿フセイン・カメルが、一族の内紛を機にヨルダンに亡命し、イラクが湾岸戦争後も大量破壊兵器やミサイルを隠し持っていたことを明らかにするという一大事件が起きた。
 カメルは国連やアメリカの関係者に対し、イラクがいまだに兵器の設計図などは保管していて、国連の査察が終わったら開発を再開することを目論んでいたことを証言した。
 ブッシュ政権の高官たちは、この時のカメルの証言を、イラクが大量破壊兵器を保有している根拠として繰り返し引き合いに出し、その主張はイラク攻撃まで続いた。
 ところが、実はカメルはもう一つとびきり重要な情報も提供していた。それは、イラクが湾岸戦争後に、自らの指示でVXガスや炭疽菌を含むすべての化学兵器とそれを飛ばすためのミサイルを廃棄していたことだった。
 ブッシュ政権の高官たちはカメル証言のうち、過去に大量破壊兵器を開発していたという部分と、未だにその設計図などが残っているという部分だけは最大限に利用しておきながら、武器が既に全て廃棄されているという証言部分には、誰一人として触れようとしなかった。
 コリン・パウエル国務長官はイラク攻撃を目前に控えた2003年2月5日の国連安全保障理事会演説で、「イラクが4トンの神経ガスVXを製造していたことを認めるまで、4年かかっている。それも、フセイン・カメルの亡命によって、査察団の手にその証拠資料がもたらされたために、やむを得ず白状したものだった」と発言し、あたかもカメルの証言がその後に及んでもイラクが大量破壊兵器を保有している証拠として、今なお有効であるかのような主張を展開している。
 2003年に入って、ニューズウイークやワシントンポストに、ブッシュ政権が恣意的にカメル証言を利用している可能性を指摘する記事が掲載されると、ブッシュ政権の高官たちは、カメルの証言には不確かな部分も多く、そもそも亡命者の証言を丸ごと信じるわけにはいかないと釈明し始めた。しかし、自分たちに都合のいい点についてはカメルの証言を最大限に評価しておきながら、都合の悪いことになると突然カメル証言の信頼性が問題になるあたりは、どう考えても恣意的な情報操作の誹りは免れないだろう。
 イラクの大量破壊兵器については、ブッシュ政権はカメル証言の他にも、多くのあからさまな情報操作を行っている。
 例えば、2002年9月7日 ブッシュ大統領はブレア首相との会談後演説の中で、「1998年のIAEAの報告書には、イラクがあと6カ月で核兵器の開発に成功するところまできていたことが明らかにされている。これ以上どんな証拠が必要だというのだ」と語り、イラクを攻撃すべき証拠は既に揃っているとの考えを強調した。
 ところがブッシュ大統領が、この演説の中で言及したような報告書というものは、実際にはこの世には存在しない。これに最も近いものとして、1998年にIAEAが発表した報告書が一冊だけあるが、その報告書には「今日に至るまでに入手した信頼すべきすべての情報から判断して、IAEAではイラクが核兵器製造に成功したことも、あるいは兵器への転用が可能な核物質の製造に物理的に成功したことも、あるいはそのような物質を秘密裏に入手することに成功したことも、何一つとして裏付けられていない」と、むしろ大統領の主張とは正反対の結論が導き出されている。
 また、2002年9月12日にブッシュ大統領は国連演説の中で、イラクが何千本もの強化アルミニウムのチューブを購入したことを指摘しながら、このアルミチューブが「核兵器用のウランの濃縮に使われるもの」と断定的に語った上で、これをフセイン政権が依然として核兵器に食指を伸ばしている証拠であると主張している。
 しかし、このアルミチューブは幅が81ミリと細く、実際にはウラン濃縮には使えない代物だった。IAEAはかなり早い段階でこのチューブはウランの濃縮には不向きであるとの結論に達していた。IAEAはまた、そのチューブが、イラクが従来型ロケット砲を製造するために以前から使用していたものと、まったく同じ型のものであることも、報告していた。
 ところが、ブッシュ大統領の他、ディック・チェイニー副大統領やコンドリーザ・ライス国家安全保障担当大統領補佐官までが口を揃えて、そのチューブは核兵器のためのものだと主張し続けた。ライス補佐官にいたっては、「核開発以外に使い道のないチューブ」とまで言い切っている。
 このアルミチューブについては、イラク攻撃が始まる直前の2003年2月のパウエル国務長官の国連安保理演説でも、イラクの核兵器開発の証拠としてあげられ、一部の専門家たちの失笑を買っている。IAEAの対イラク査察団の代表を務めたこともある元アメリカ海兵隊の情報部員スコット・リッターは、「国際社会を納得させるためには、パウエルはあのスピーチでホームランが必要だった。ところがパウエルのスピーチはバントだった」と、パウエルのこのスピーチを一蹴した。
 更に付け加えれば、2002年10月7日、ブッシュ大統領はテレビ演説で、「1998年、亡命したイラクの核技術者からの情報で、サダム・フセインが約束に反して、イラクの核開発プログラムの継続を命令していたことが明らかになった」と述べている。ところがこの情報をもたらした亡命者ハディル・ハムザは、実は1991年にはすでに核開発プログラムからは離れ、しかも1995年にはイラクから亡命していた人物だった。つまり、核開発に関しても1991年以前の情報しか持たず、7年以上も前にイラクを後にしている亡命者の証言を引き合いに出しながら、2002年になっても、あたかもそれがイラクの大量破壊兵器保有を裏付ける有効な情報であるかのように、大統領は国民に訴えかけていたのだった。
 ブッシュ大統領については他にも、2003年の一般教書演説の中で、イラクがアフリカのニジェールから、500トンのウランの購入を試みたことを示す証拠書類を引用し、イラクが核開発の野望を捨てていないことの証左であると主張したが、後にCIAが既に2001年の時点で、その書類が明らかなニセモノであると思われることを大統領に報告していたことが明らかになっている。

イラクとアルカイダ
 国際的にテロ活動を展開するアルカイダの指導者オサマ・ビン・ラディンは、イスラム教の中でも原理主義的で信心深いワッハーブ派に属し、世俗的なサダム・フセインの体制を批判してきた経緯がある。そのため、9・11のテロのはるか以前から専門家の間では、アルカイダとイラクの間につながりはないというのが、定説であり常識でもあった。
 しかし、ブッシュ政権としてはイラク攻撃の2つの口実のうち、大量破壊兵器の方でなかなか説得力のある証拠が提示できない状態が続いていたため、イラクとアルカイダのつながりを裏付ける情報だけは、なんとしてでも欲しかった。
 そんな時、意外なところから意外な情報がもたらされた。9・11のテロの実行犯の一人だったモハメド・アタが、2001年4月8日から11日の間、チェコのプラハでイラクの情報機関の高官と接触したらしいという情報が、チェコの内務省から届けられたのだった。
 何とかイラク攻撃の口実を見つけたかったブッシュ政権の高官たちにとっては、これぞ渡りに船だったに違いない。その後、この「プラハのアタ」の物語は、いやというほど繰り返しブッシュ政権高官の口にのぼることになる。
 しかし実際には、この情報の信憑性は2001年12月の時点で、既に大きく揺らいでいた。そのイラク政府高官とされる人物は、実際にはアーメド・カリ・イブラヒム・サミル・アル・アニという名のプラハのイラク大使館の二等書記官だったが、実はアル・アニは大使館で働く片手間に自動車の小売業も営んでいて、ドイツ人の中古車販売業者と頻繁に会っていた。そして、そのドイツの中古車販売業者の中の一人が、テロ実行犯のモハメド・アタに瓜二つの顔をしていたのだ。
 アメリカ政府の調べで、アルアニ自身がアタとの接触を否定していることが、既に2002年の12月12日にはニューヨークタイムズによって報道されていた。また、そもそも、アタがこの時期にプラハでアルアニと会うことが不可能であることを、ブッシュ政権は知っていて当然だった。なぜならば、その時期のアタにはアリバイがあったからだ。FBIは2002年4月の時点で既に、アタがアル・アニと会っていたとされる 4月の上旬、実際にはアメリカのバージニア州のバージニアビーチにいたことを掴んでいた。
その後、チェコ当局も独自の調査を進めた結果、2002年10月21日に「当初の報告を裏付ける証拠はどこにもないとの結論に達した」ことを、ハベル大統領が直々にホワイトハウスに伝えている。
 ところが、ブッシュ政権の高官たちは、その情報が確認もされないうちから、その噂を方々でまき散らし始めた。
 例えば、ポール・ウォルフォウィッツ国防副長官は2002年2月のサンフランシスコ・クロニクル紙のインタビューの中で、このように語っている。

記者「イラクとアルカイダ、及びその国際的なテロのネットワークの関連を示す説得力のある証拠というものはあるのですか」
ウォルフォウィッツ「機密扱いの情報も多いので、多くを議論することはできないんです。」
記者「機密情報の開示を要求しているわけではありません。ただ、イラク政府とアルカイダの間に実際のつながりはあることを示す証拠があるのかを知りたいのです」
ウォルフォウィッツ「私はつながりがあるとは言っていませんよ。ただ、まだ明らかにしていない事実もいくつかあります。たとえば、モハメド・アタがプラハでイラク政府の高官と会っていたという話です。」
記者「その会談の存在は不確かなものということではないのですか。」
ウォルフォウィッツ「そこがまた機密の領域に入ってしまうんですよ。」

 イラク攻撃強硬論者の筆頭格だったウォルフォウィッツは、断定は避けつつも、機密をという盾を巧みに使いながら、アタがイラク政府と関わりがあったことを匂わせることに成功している。普通の人の感覚でここでのウォルフォウィッツの発言を聞けば、アメリカ政府は既にアタがイラクと関わりがあることの確たる証拠は掴んでいるが、たまたまそれが機密扱いとなっているために、明快には回答ができなくて残念でならない、と受け止めるに違いない。
 ウォルフォウィッツは、この情報が機密扱いとなっていることが、これを断定的に話せない唯一の理由であるかのように振舞うことで、実は非常に不確かな情報に、目に見えない説得力を持たせることに成功している。うまいと言えばうまい、せこいと言えばせこいやり方である。
 「プラハのアタ」については、その後もブッシュ政権の高官の発言は続いた。2002年の4月にFBIがアタのアリバイを確認した後になっても、例えば、2002年7月にラムズフェルド国防長官は記者会見で、「イラクはアルカイダと関係があった」と言い張り続けている。チェイニー副大統領が、テレビのインタビューの中で、「何年にもわたってイラクとアルカイダの間にさまざまな接触があったことは報告されていた。ハイジャックの実行犯だったモハメド・アタは何度かプラハを訪れているが、少なくともそのうちの一回は、世界貿易センタービルが攻撃される数カ月前に、アタがプラハでイラク政府の高官と会っていたことが報告されている」と語ったのは、2002年9月8日のことだった。
 イラクとアルカイダを無理矢理結びつけようとするブッシュ政権の情報操作はその後も続いた。
チェイニー副大統領は2004年1月にラジオのインタビューの中で、サダム・フセインとアルカイダの間には「明確な関係の証拠」があると断定した上で、イラクが1993年の世界貿易センタービル爆破事件の容疑者アブドゥル・ラハマン・ヤシンを匿っていることを、その証拠の一つとしてあげた。ヤシンがその時イラク国内にとどまっていたのは事実だが、ここでチェイニーが意図的に明らかにしなかった事実がもう一つある。それは、1998年にイラクがアメリカに対して、ヤシンの身柄引き渡しを打診していたという事実だった。イラク政府はヤシンの引き渡しと引き換えに、イラクが世界貿易センタービルの爆破事件とは無関係であることを公然と認めるよう求めたが、当時のクリントン政権がこれを拒否したために、ヤシンの身柄引き渡しは実現しなかったのだった。前政権下での話とは言え、半分はアメリカ側の都合で身柄の引き渡しが実現していなかったにもかかわらず、チェイニーはそれを知りながら世の中には堂々と、これをイラクとアルカイダのつながりを示す証拠として提示していたのだった。

誤植までコピペされていた英の剽窃リポート
 2003年2月、イギリス政府は『イラク―その隠蔽と欺瞞と威嚇の基盤』と題するイラクとアルカイダのリンクを指摘する調査報告を発表しているが、この報告書のインチキぶりもまた、ブッシュ政権の一連の対イラク情報操作を凌ぐほど欺瞞に満ちたものだった。
 この報告書はイギリス政府が作成したもので、ブッシュ政権は報告書の中身には直接関わっていないが、後にパウエル国務長官を始めとするブッシュ政権の高官たちが、繰り返しこの報告書をイラクとアルカイダを結びつける根拠の一つとして引用しているので、ことの顛末を簡単にご紹介したい。
 この報告書は当初イギリスの情報機関MI6の諜報員がまとめたものとして公表されたが、後になって、実際はブレア首相の側近として知られるアリステア・キャンベル報道官のスタッフが作成したものであることが明らかになった。そして、この報告書の「でたらめさ」のすごいところは、なんと報告書の中身の9割方が、他の論文からの丸写しだったことだった。
 この報告書は過去に学会誌などに掲載された複数の論文の中から、自分たちの主張の裏づけに使える部分だけを適当にコピペ(コピー&ペースト)し、最後の結論部分、つまりイラクが国際的テロを支援しているという結論だけを自ら書き足すという、何ともあきれた作業の産物だった。あきれついでに付け足しておくと、原文にあったスペルのミスまでが、そのまま報告書にも移植されていた。まさに文字通りのコピペ作業だった。
 この論文の大半は、カリフォルニアに住む研究者イブラヒム・アル・マラシ氏が博士論文として書いた『イラクの安全保障と情報のネットワーク―ガイドと分析』と題する論文から、無断でコピーされたものだった。
 分量的には9割方がコピペだったが、それでも中で使われている単語のいくつかは、興味深い別の単語と差し替えられていた。例えば、オリジナルの論文では「大使館を通じてモニターする」と表現されていた部分が、報告書では「諜報活動」に変えられていたり、「反対勢力」は「テロリスト」という単語に差し替えられていた。そこからは、この報告書の本来の意図が垣間見える。
 それにしても、いくら急いでいたにしても、また、いかに最終的に到達すべき結論が予め決められていたにしても、報告書の9割方を他人様の、それも既に公に発表された論文からそのまま拝借し、自分たち都合のいい結論だけをつけ変えてしまうスタッフの神経も見上げたものだが、そのような報告書を政府の公式文書として公表してしまうブレア政権にチェック体制も、相当なものである。ブッシュ同様ブレアも、かなり焦っていたのかもしれない。
 このように、この報告書そのものはまともに取り合うのも馬鹿馬鹿しいような代物だったわけだが、ブッシュ政権の高官達はその報告書の内容を、その後も繰り返し引用し続けているというから、更に驚きである。
 パウエル長官は、2003年3月の国連安保理の演説でこのコピペ報告書について「イギリス政府が、イラクの欺瞞行為を詳細にわたり検証している素晴らしい報告書を配布しています。皆さんぜひこれをご覧下さい」と語り、これに最上級の賛辞を送るとともに、イラクとアルカイダのリンクを示す有力な証拠の一つとして、全世界に向けて紹介している。

「説明責任」を逃れても「結果責任」は最後までついてくる
 こうしてブッシュ政権の情報操作を一連の流れとして見ていくと、何だか笑い話かドタバタ喜劇でも見せられているような気さえしてくるが、しかし笑ってばかりもいられない。くれぐれも忘れないで頂きたいのは、このように一見杜撰な情報操作でも、それが世論形成に対してはかなりの影響力を発揮しているという、冷徹な現実である。その結果、実際に武力行使が行われ、多くの血が流れ、そして一つの政権が倒され、今イラクがアメリカが主導する軍隊の占領下にある。
 また、そのようないい加減な情報操作になぜメディアはいとも簡単に踊らされ、結果的にそれに加担することになったかも、今後厳しい検証を必要とするだろう。
 更に、この戦争の大義が、遅ればせながら1年たった今になってようやくアメリカやイギリスでは問題となっているのに対し、日本では「戦争の大義」問題が一向に盛り上がらないのはなぜかも、考えてみる必要がありそうだ。
 今日本は、その戦争の延長にある米軍占領下のイラクに、自国の軍隊を派遣している。ブッシュ政権のレトリック政治に習って小泉政権はこの派兵を「非戦闘地域」への「人道復興支援」などという新しい造語を巧みに使って、つまり情報操作によって説明責任をうまく切り抜けようとしている。そして、その操作は少なくともここまでは、功を奏しているかに見える。
 しかし、ブッシュ政権の例を見てもわかるように、メディア操作の最大の問題点は、よしんば一時的にそれがうまくいったとしても、所詮はそれが嘘や欺瞞に過ぎないことだ。そして、嘘によって仮に「説明責任」をごまかすことができたとしても、後により重い「結果責任」がのしかかってくることは避けられない。
欺瞞で説明責任からは逃れられても、結果責任からは逃れられないことを指し示す一つの好例がある。パウエル長官は2003年2月の国連演説で、イラク北部にある建物の衛星写真を指し示しながら、この施設がイスラム教テロリスト集団「アンサール・アル・イスラム」の「化学兵器及び毒ガス工場」として使われていると主張した。しかし、その建物は後に国連の査察官や各国の報道機関が調査・検証した結果、単なる廃墟に過ぎなかった。
 世界はまたしてもまんまと騙された、だけのことだったのかもしれない。しかし、ただ騙されたでは済まない人たちがいた。
 その廃墟から5キロほど離れたクーマルという街の住民たちは、パウエルが国連演説でその施設の場所を化学兵器の製造場所として名指しにしたために、いったん戦争が始まると彼らの村がアメリカ軍に爆撃されることになるのではないかと恐れていた。そして、その恐れは現実のものとなった。
 恐らく化学兵器とは縁も所縁もなかったクーマルは、戦闘開始直後にアメリカ軍の巡航ミサイルの爆撃を受け、45人の村人が犠牲になった。「情報操作」という名の「嘘」が招いた重い結果だった。
(世界2004年5月号に掲載)



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選挙の前に、、、⑦ 「鼻をつまんで投票」山口二郎(東京新聞、本音のコラム)

2014-12-13 18:11:51 | 本日のおまけ
う~ん。
この記事を読んで、徳さんは力なくうなだれてしまった。
やはり小選挙制はいかんぜよ!
選挙民にとって出来る方法はこんなものでしかない、、、。

  *****
日ごろ自分が快く思っていない政党の候補でも、最悪の候補の最有力対抗馬であれば、鼻をつまんでそちらに入れるべきである。
  *****

小選挙制では有権者の選択範囲が限られる。
山口氏によれば、小選挙区制下で候補者を選ぶ基準は、ベストでもなく、ベターでもなく最悪でないものを選ばざるを得ない、となる。

今の日本人って結構不幸?

そしてやっぱり、山口氏の指摘するとおり徳さんとこの選挙区では心から投票したいという人がおらんのだよ。

徳さん、明日の今頃は苦い酒を飲んでるに違いない、、、、。




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アトピー性皮膚炎改善、寄生虫関与の仕組み解明

2014-08-25 19:57:02 | 本日のおまけ

 ******

 群馬大大学院医学系研究科の石川治教授(皮膚科学)らの研究グループは19日、寄生虫の感染でアトピー性皮膚炎が改善する仕組みを解明したと発表した。
仕組みを応用すれば、新たな治療法の開発につながると期待されるという。

 グループは、アトピー性皮膚炎が先進国で多く、発展途上国で少ない原因の一つとして、寄生虫の感染が関係していると考えられていることに着目。

 湿疹があるマウスに、寄生虫のマラリア原虫を感染させたところ、感染症状が進むにつれて湿疹が改善したという。

 その皮膚を調べた結果、免疫力に関係するナチュラルキラー(NK)細胞が増加していることが分かった。一方、NK細胞が増加しないよう薬剤を投与したマウスでは、湿疹は良くならなかった。また、マラリア感染で増加したNK細胞を、湿疹がある別のマウスに静脈注射したところ、症状が改善したという。

 天野博雄講師は「感染でNK細胞が増加する仕組みを解明し、感染以外の方法で増やすことができれば、新たな医薬品の開発などにつながる可能性がある」としている。

2014年08月20日

  ******

読売新聞の記事からの転載だ。
(徳さんは読売新聞を購読してはいない。理由は簡単で、巨人が嫌い、社主の言動が嫌い。でも時々こうして拝借はする、、、)

徳さんの感想でいうと、何を今さら!だ。

30年以上も前の話なので、徳さんの記憶も曖昧だが、藤田紘一郎という寄生虫学者が、それに類する事をすでに指摘していた。
一昔前まで、日本人は回虫やサナダムシと最終宿主として結構上手く付き合ってきた。
そう、徳さんも回虫とのお付き合いはあった。
何万年、何千年という永い歴史がそこにはある。
その永いお付き合いの中で、人間の体内には、彼らが持ち込む、それは彼らが排出する排泄物が主な対象となるらしいが、異種たんぱく質を無害化するような抗体を持つようになった。
その名は免疫グロブリンE、IgE。

これで、一安心。
回虫さん、サナダムシさん、遠慮なくいらっしゃい!
てな、親密関係だったのだ。
そうやって、もう永い永いお付き合いだったのだ。

その蜜月関係が壊れたのは、日本に清潔欲求運動が起こってきてからだ。
お腹に寄生虫が居るなんて許せない!気持ち悪い!
近代化の敵、寄生虫!って。

ともかく寄生虫の駆除に精力が注がれた時代があった。
国民運動になっていた。

その結果、ぼく達の身体から回虫、サナダムシ、ギョウチュウ、ベンチュウたちはいなくなった、、、。

じゃあ、それら寄生虫に対しして用意された、免疫機能はどうなる?

とりあえず、花粉や、化学物質、雑菌に過剰反応するしかなくなる。
寄生虫がいた頃は、捨て置かれた環境の様々な物質が攻撃の対象になってしまう、、、、。

回虫やサナダムシの粉末を、飲みやすいカプセル化して問題は解決するんじゃないの?
って、素人考えで思ったもんである、、、。


画像は、本文とは関係ない、おまけのおまけ。
心ある?患者さんからの差し入れの数々である。
それが、どうした事か、みな酒の肴ばかり、、、。
おまけに彼らは飲んべじゃない。
差し入れの酒の肴はどこか頓珍漢。
酒飲みの嗜好をご存じない。
今も徳さんの机の引き出しに大切に保管されている。
でも、責任を持って食べつくす事をここに誓います。



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ちょっと、ずるい対応でゴメンな

2014-07-30 20:08:08 | 本日のおまけ
本日のおまけの予告。

今日、中学時代の友人が腰が痛いとカイロにやって来て、施療しながらその友人から有力情報をいくつか貰った。
その一つが“ユマニチュード”。

徳さん、何のことやら知らなかった。

なんでも認知症のジジババに画期的な対応法があると、、、。
それがユマニチュード。
イヴ・ジネストというフランス人が開発したもの。

友人が帰った後、少し調べてみて驚いた。
確かに、確かに認知症のジジババには意欲が芽吹き、異常行動は必要でなくなり、身体機能も一段階上がるようになる。

ユマニチュードの理念は簡単だ。
「見る」、「話す」、「触れる」、「立つ」
それだけだ。

ただし、その動詞の前に、ほんのちょっぴり形容詞や副詞が必要とされる。

「見る」 
老人は視野が狭くなっているので、なるだけ相手を見つめる目を真正面に据える。
その時、笑顔を持って。
ジジババにこちらを害無き者とまずは認識してもらう。

「話す」
相手への関わりを同時中継形的に説明していく。
介護者はマニュアルに従って動くロボットではない。
(ここら辺だけでも福祉現場に確立されれば凄いことになるはず)

「触れる」
点で触れるのではなく、面で寄り添うように触れる。
こちらの意志を主人公にするのではなく、あくまでジジババの行動に寄り添うように。

「立つ」
当然人によっては無理難題。
でも、やってみましょうよ。
脳を地上に対して屹立させるだけで脳は活性化する。
人類の初源に立ち返るのだ。

でも、これって、人間同士が付き合う時の当たり前の基本テクニックとも言えるよな。
ただ、俺たちが勝手に忘れてただけ、、、。

人間のある時期、真っ当な時期、認知症なんて存在してなかったかもしれない、、、。



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高村薫 『神の火』

2014-06-29 18:16:59 | 本日のおまけ
今日はおまけのみ。
というのは、昨晩読了予定だった高村薫「神の火」が、硬質な文章に手こずり、まだ読み終えていないのだ。

この本が書き下ろされたのは1991年。
1986年に起きたチェルノブイリ原発事故を踏まえて構想された。
まだ、北朝鮮が核を持たない時点で「北」の核への固執が舞台背景の一つになっている。
原発がテロに出くわす想定といい、原発の将来を見通した先見性に満ちた小説だ。

その高村薫は福島原発事故後、様々な所で発言している。
集団的自衛権問題で、原発の問題がどんどんかすれていく中で、僕たちは何度も何度も、原発事故直後に立ち返らなくてはならない、、、。


  *****
NHK ニュースウォッチ9
2011年5月3日 インタビュー
『高村薫さんが語る “この国と原発事故”』
http://cgi2.nhk.or.jp/nw9/pickup/index.cgi?date=110503_1
大越):インタビュアー 大越健介NW9キャスター
ナレ):ナレーション
青字):高村薫

大越)一進一退が続く福島第一原発。今回の事故は私たちが原子力にどう向き合うべきかを考える上で大きな分岐点になったともいえそうです。
これまで原発を題材にした小説を発表し、その脆さや原発を巡る社会のひずみといったものを社会に問いかけてきた大阪在住の作家 高村薫さんにインタビューしました。

ナレ)作家の高村薫さん。25年前のチェルノブイリ原発の事故をきっかけに原発の持つ危うさに関心を持ってきました。
チェルノブイリ原発事故の5年後に発表された小説『神の火』。
原発の構造を徹底的に取材し、テロや戦争に対して脆弱だと警鐘を鳴らしました。
しかし今回、恐れていた事態が津波で引き起こされた意味は重いと考えています。

大越)原発がやられたんだ、と知ったとき、どういうことを考えましたか。

自分が生きている間に こういうことが起きるとは、よもや想像していなかったので、この先も日本が国としての形をちゃんと保って存続していけるのかというそれぐらいの瀬戸際に立たされている、それぐらい大きな事故だと思います。

ナレ)なぜ事故は避けられなかったのか。
高村さんは非常用のポンプや電源が屋外に設置され、対策が施されていなかったことに愕然としています。

『想定外』という言葉が使われましたけども、今回の場合にはそもそも想定しなければならないことが想定されていなかったという意味では『人間のやることには限界がある」以前の話で、やはり『問題外の事態』だったと私は思っているんですね。
『これで大丈夫だろうか』という想定をするときに、非常に恣意的に自分たちの都合のいいように作ってきた、という感じがします。
ですからこれは私は『科学技術のモラルの問題』だと思います。

ナレ)更に高村さんが厳しい視線を送っているのは政治です。
原発推進の是非を巡る対立、政治家が客観的データを元に論ずるより先に 
原発を政争の具にしてしまったと感じています。

村が二分され賛成反対に分かれて対立するような不幸な歴史がずっと続いていたわけですよね。
その中で 本当の技術的な問題が 結局私たちの誰も理解できないまま、あるいは正しい情報が出ないまま、になってきた。

ナレ)高村さんは2005年に発表した著作「新リア王」の中で原発の誘致に携わった政治家に こう発言させています。
『電源多様化を名目に わが国では代替エネルギーとしての原発増設に拍車がかかった。疾走する原子力事業に対して政治は時どきに正しい舵取りを成し得たのか否かだが、答えは少々心もとなかったと言わざるをえない。』

この日本の原子力政策が行われてきた半世紀というのは55年体制と同時でしたので、原発の問題が常に賛成か反対かに分かれて、それが常にイデオロギーと一緒にされてきた。それが非常に不幸なことで、私たちは消費者あるいは国民としてイデオロギーや政党色を置いて、技術、まさに科学技術として どのような現実的な評価が行われてきたか。それを知りたいんです。

ナレ)そして事故が起きた今こそ判断に必要なデータがあると指摘しています。

『この地震国で原子力発電をするときのコスト』を もう一度冷静に計算し直してみる必要が絶対にあると思います。たとえば耐震化工事にかかる費用、あるいはこういう事故が起きたときの補償や賠償の費用、その上で私たちが それでも原発を使うのか、それこそ私たちの選択にかかっているんだと思います。

ナレ)最終的な選択を迫られるのは私たち自身だという高村さん。
日本のエネルギー政策や暮らしのあり方が問われていると考えています。

私たちが今できるのは 逃れられない現実に耐えて見つめ続けるか、
あるいは目をそらして無かったことにするか、逃げるか、なんですね。
私は、逃げてはならない、と思います。
現実に福島で 生まれ育った土地、仕事も家も子供もある土地を追われて 今日明日にも逃げていかなくてはならない方たちがおられる。それを無かったことにして、時間がたてば元通りになるという根拠はどこにも無い。

大越)これだけのことがあっても 今の豊かな電力供給を原発が担っている以上は 私たちはそれに乗っかって生きていくという道を無意識に選択している人も多いですよね。

これまでと同じように生きるという選択肢は無いんだと思っています。
私自身は 今すぐには無理ですけれども 10年というスパンで考えたときには、日本は(原発から)脱却して次のエネルギー社会へ進んでいくべきだと思っています。
原子力発電という技術を否定するものではありませんけども、
『日本は地震国なので無理だ』と。そういう理由です。

大越)高村さんは「自分は科学技術に対して全面的に信頼を持って育ってきた世代で、科学技術というものを前向きに評価している」ということでした。
そこで この震災を機に次世代のエネルギー社会を作るという夢を掲げて一歩抜け出すことを日本は考えるべきではないかと話していました。
原発を徹底的に取材して警鐘を鳴らしてきた作家の良心がそう語っているように思いました。
  *****



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埴紗萌『サボテンのふしぎ』+阿部能成

2013-07-19 14:46:05 | 本日のおまけ
本来、サボテン学者であるところの埴紗萌。
このペンネームはサボテンから取ったことが見え見え。



あるサボテンのつぼみの内部。
他の花と変わりはございません。



発芽のご様子。
砂漠に雨期がやってきて、一定量の雨が降って一気に発芽。
それまで、じっと耐える、サボテンの発芽。



ちゃんと双葉で発芽するが、水不足にだけは、ちゃんと対応している葉の厚さ。

同じスタートラインに立って、環境によってここまで変われる、変わらざるを得ない、、、。


もう一つの本日のおまけ。

先日、紹介した阿部能成さんが末期ガン患者のリハビリについて公演している記録を見つけた。
その、一部分。

 ***
38歳の乳がんの女性の方がいました。リハビリが開始になった時は,すでに不全対マヒになっていて,膀胱・直腸障害もおきており,お小水のほうはバッグですませることができましたが,お通じが2日か3日に一回ありました。ベッドに横になって体の下に便器を差し入れるのですが,仰臥位ですからなかなか出い……1時間たっても出ない。下手すると半日かかる。仰臥位でもすぐ出るのは赤ちゃんだけなんですね。その病棟から私のところに連絡があって,なんとかこの人をトイレに行けるようにしてほしいとのことでした。不全対マヒですから座るのも大変なのですが,リハビリを少ししただけで,なんとか座位をとれるようになりました。
座位がとれるようになったので,車イスで身障トイレに行きましょうとなりましたが,病棟看護師の話では,「それはだめ,あの方は,4人がかりで持ち上げても痛がるから」という。私は,持ち上げる必要はないこと,トランスファーボードを使えば,かんたんにベッドから車イスに移せることを説明しました。実際,そのようにしたら,一言も痛いとは言いませんでした。身障トイレに行ったら,「先生,出るわ! とっても気持ちいいの」。このことは何を意味しているかというと,
こうではないか──ADLは上がっていないけれどもQOLは上がった。
 ***

ADLとは日常生活能力。
QOLとは日常生活の質、とか意味。

仰臥位でもすぐ出るのは赤ちゃんだけなんですね。
という発言が印象深い。


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http://www6.ocn.ne.jp/~tokuch/



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三鷹天文台から四次元宇宙映像の贈り物

2013-04-07 17:09:12 | 本日のおまけ
新宿と国分寺の小さな空間で施療行為をしているわけだが、時々港町の一画で商売をしている気がしてしまう。
酒も女も提供はしないが、、、。

患者さんは、実に多彩。
世界中を駆け巡る人もいる。
徳さんの知らない世界で活躍している人もいる。

徳さんは、じっとしてるだけの寄港地だが、いろんな船が立ち寄ってくれ、いろんな話や情報を提供してくれる。

「先生は宇宙の話なんかに興味ありますか?」

「急に聞かれても、、、。
多少は本を読んだりするけど、なにしろ宇宙の話は難しくて、、、。
暗黒物質があったり、、、。
単位が想像できなかったり、、、」

「パソコンで四次元の宇宙が見れるソフトがあるんですよ。
知り合いで、三鷹天文台に勤めてる人がいて、そこで創ったんですよ。
宇宙の中を自由自在に動けるようになっていて面白いですよ」

「そういえば、こないだ『宇宙の地図』って題だったか?地球からどんどん視点を遠ざけて行くやつ。」

「あ、その本を出した人たちですよ」

「もっとも、僕は読んだというより、ただ眺めてたんですけどね」



http://4d2u.nao.ac.jp/t/var/4d2unav/