goo blog サービス終了のお知らせ 

カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

『リハビリの夜』より、過剰な身体内協応構造

2011-01-30 14:25:02 | 本日の『リハビリの夜』
「運動目標を持たずにただ寝転がっているときには、体の筋緊張を自覚することはほとんどないのだが、いったん目標を持った運動を始めようとすると、とたんに背中から肩、腕に至るまでが、がちっと一体化してこわばる。背中から腰、足にいたるまでも同時に硬くなっている
 つまり私の身体は、「過剰な身体内協応構造」を持っているということができるだろう」

身体内協応構造というのは、脳からの意識が運動に関わる筋肉それぞれ別々に指令を出すのではなく、指令を受けた運動に関わる筋肉が横の連携をとって自立的に運動を完成させることをいう。

脳に過剰な身体内協応構造を持っている熊谷さんは、一つの動作をする時に、それに必要なだけの筋肉を使うことができず、全身の筋肉を緊張させてせざるを得ない。

熊谷さんは、近くでちょっと大きな音を聞くと、全身をびくんとさせる。
これは熊谷さんの鼓膜の振動がダイレクトに全身の筋肉と連動しているからなのだ。

これは熊谷さん本人が意図しない疲れに直結する。
そして熊谷さんたちのこの種の疲労は他の者になかなか気付かれる事は少ない。
熊谷さんたちは慣れ親しんでる疲れとして改めて訴えることは少ないのだろうし、、、。
それを訴える前に、生きていく上で訴えなければならない事、要求を伝える事が優先されてるのだろうし、、、。

周りの者は、熊谷さんたちにそんな種類の疲れがあることなど想像だにしない。



カイロジジイのHPは
http://www6.ocn.ne.jp/~tokuch/



それと、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、ここをクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

『リハビリの夜』より、内部モデル

2011-01-25 18:55:36 | 本日の『リハビリの夜』
「今から思うと、小さいころから私の中には二種類の内部モデルがあったと言えるだろう。
一つは、「健常者の動き」をシュミレートする内部モデルで、もう一つは、等身大の自分の体をシュミレートする内部モデルである。」

徳さんをはじめ、いわゆる健常者という輩の欠点とは何かと言うと、熊谷さんたちがこのように二重の内部モデルの中で苦労している事に、まるで思い至らぬ事が一つあげられる。

障害者の周りには善意の人たちもたくさんいる。
その頂点に立つ人は障害者の親だろう。
8合目、9合目辺りにも多くの人たちがいる。
そういった人達に囲まれ、その障害者は、良い環境に恵まれ、良い人達に恵まれている、ということになる。

しかし、彼(彼女)たちは、熊谷さんたちに「健常者の動き」へ近づく事を進歩、発展と見なし、それへの努力を強要する善意の悪魔かも知れない。
悪魔というのは言いすぎだろうが、無言の圧力者にはなっている。

彼ら(彼女ら)は健常者に一歩でも近づく障害者を期待し、歓迎する。
障害者の等身大の姿を発展させ、より動きやすく、より生き易くすることにはほとんど無関心と言って良い。

けなげな、幼き障害者たちは、周囲の善意二見守られて頑張りすぎるほど頑張るのが常である。

熊谷さんたちが、等身大の自分を実現するのにさえ四苦八苦しているのに、なんてトンチンカンな要求を障害者にしているのかと、深く、深く反省した次第で御座ります。



カイロジジイのHPは
http://www6.ocn.ne.jp/~tokuch/



それと、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、ここをクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

『リハビリの夜』より、脳内バーチャルリアリティ

2011-01-23 19:04:45 | 本日の『リハビリの夜』
脳性麻痺者の熊谷さんは自分の痙性マヒの仕組みを知ろうとして、最新の脳生理学を学習する。

今日は熊谷さんが学習したことを学習することになるので、徳さんには難しいのだがしょうがない。

手足を動かす運動を考えた場合、普通には、自分の自由な意思の元に、直接的に筋肉に命令が伝わると思われているが、実際は違うらしい。

以下、ポイントを押さえていこう。

“段階1 補足運動野・運動前野でこれから行う運動プログラムがつくられる。

段階2 運動プログラムが後部頭頂葉に転送される。この時、自分ではこれから行う運動への意思が立ち上がるのを感じる。

段階3 後部頭頂葉で運動のシュミレーションがなされ、実際にはまだ体が動いていないにも関わらず、意思に従って自分の体が動いたかのような感じを持つ。

段階4 運動プログラムが一次運動野に転送され、そこで具体的にどれくらいの力を入れればよいかが計算されたうえで、全身の筋肉に運動指令が送られ、体が動く。

段階5 全身の筋肉や腱から、実際どれくらい動いたかについての情報が一次運動野や前部頭頂葉にフィードバックされる。
そのフィードバック情報が大脳基底核という領域で段階①の運動プログラムと比較され右下部頭頂葉と呼ばれる領域で段階③の内部モデルによる予測運動イメージと比較される。
そしてその結果に乖離があれば運動プログラムや内部モデルが修正される。”

我々が何気なく動かしている筋肉もこのように実に複雑な回路を通してなされるということらしい。  

転送という言葉が使われている場合、これらの脳の領域は隣接していない。
この事だけでも驚異的な仕組みである。

そして実際には、運動指令とフィードバックには0.2~0.3秒のタイムラグがあるため、スムーズな動きをするために知覚情報の処理や身体の制御を、フィードバックを待たずに予測的に行っているというのだ。

我々が動いていると感じているのは、実際に動いているかどうかに関わらず、後部頭頂葉にある内部モデルが行った運動シュミレーションの結果を、実際に起きた運動として錯覚しているに過ぎないのだそうだ。

いや~。
今回はしんどいですな。
ほとんど丸写しだけど、、、。


カイロジジイのHPは
http://www6.ocn.ne.jp/~tokuch/



それと、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、ここをクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

 

『リハビリの夜』より 二次元の世界

2011-01-19 18:16:58 | 本日の『リハビリの夜』
18歳になるまで毎日リハビリを受けていた熊谷さん。
その決定的な奴が、夏休みの終わりの一週間にやって来る。
遠方の専門施設に出向いて、泊り込みでリハビリ合宿をするという奴だ。

熊谷さんは嫌でたまらないが、まだ子供なのと、周囲の大人たちは良かれと思って設定したのだけは明らかなので、従うしかない。

普段は車椅子生活をしていた熊谷さん。
ここでは、訓練中、徹底して車椅子から降ろされる。
その方が、熊谷さんの身体性が明らかになるという理由からだろう。

床に下ろされ、放置される。
それも立派な訓練となる、ということなのだ。

熊谷さんは、懐かしき?二次元の世界に舞い戻ることになる。
幼い頃の二次元の世界と違って、今は車椅子生活で三次元の世界を知った上での二次元の世界だ。

そこで熊谷さんは床というものと徹底会話をすることになる。

印象的な一節
「床の温度や摩擦、湿り気、においなどを感じながら、私は腹ばいになってほふく前進のようなやり方でもぞもぞと動く。この私の奇妙な運動を床は受け止め、それを「移動」という形に変換してくれる。私の運動は空を切る無意味な運動にならず、床によって意味を与えられるのである。私の動きに意味を与えてくれるのは、この床だけなのだ。(中略)
 たいていの場合、この腹ばい移動には、床と私の関係の外部にこれといった目標地点がない。三~四メートル動くにもはとへとになるくらいだから、腹ばいで行ける場所は半径数メートルくらいに限定されているので、その範囲内に目標地点を見出すことのほうが困難だ。むしろこの腹ばい移動は、そこに床があるからとか、床の別の場所に触れてみたいとか、そういった身体と床との関係の内部に閉じた理由で行なわれていたと言える」

この時の熊谷さんにとっては、床はある人格を与えられているようだ。


カイロジジイのHPは
http://www6.ocn.ne.jp/~tokuch/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

『リハビリの夜』より、折りたたみナイフ現象

2010-12-05 17:32:27 | 本日の『リハビリの夜』
この歳になってガリ勉は無理だし、身につかないから、のんびりとね、、、。

「折りたたみ現象」
これも、普段聞き慣れない言葉だ。

脳性マヒの人の筋肉の緊張には大きく分けて二つのタイプがある。
不随意運動が起きてしまうアテトーゼタイプと、筋肉が常に緊張状態にある痙性マヒタイプが。

その違いは、脳のどの部分が損傷を受けているかによる。

筋肉の滑らかな動きを導くために抑制、微調整をしている大脳辺縁系が損傷されるとアテトーゼタイプに。

脳の他の部分で運動のイメージが作られた後、実際に全身の筋肉に運動指令が出る一次運動野に損傷があると痙性マヒタイプに。この痙性マヒは内部の筋肉の緊張のため外からは把握しにくい。

熊谷さんの脳性麻痺(CP)は痙性マヒタイプだ。
その特徴に『折りたたみ現象』というのがあるのだそうだ。

筋肉の緊張で固まった関節を他の人から強い力で、持続的に力を加えられると、最初よけいに強ばって抵抗する関節が、ある時を境にふっと力が抜けてゆき、グュニャグュニャになるという。(この時の脳の仕組みについては言及されていないのが残念)
熊谷さんによると、これは快感なのだそうだ。官能という言葉で表現されていたが。

カイロ施療の現場でも、CPの人を相手にしてる時だけでなく、似たような事に出くわすことがある。
患者さんの多くは、何らかからの目に見えない圧力で精神的緊張を強いられている。
その結果としての、肩こり、頭痛、腰痛、生理不順、不定愁訴、うつ病、、、。
脳に具体的な損傷がないとしても、その脳への血行が悪くなり、筋肉の異常な緊張を招く事はおおいに考えられる。




カイロジジイのHPは
http://www6.ocn.ne.jp/~tokuch/



それと、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、ここをクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 健康ブログ カイロプラクティックへ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

『リハビリの夜』より教えていただきやす

2010-12-01 19:30:33 | 本日の『リハビリの夜』
徳さんはこの本を教科書として読もうとしているのだから、ここは、ゆっくり、己の能力に従ってお勉強をすることにする。
そして、一見特殊な障害である脳性マヒ(CP)という後遺症から、普遍的なものの考え方、ものの見方が取り出せるんじゃないかと思ってる。

出産時に胎盤の異常で脳が酸欠状態になり脳性マヒになった熊谷さんが最初に取り上げるのは、脳と体の運動の仕組みだ。

何故、脳の障害は百人百様の現れ方をするのかを脳の仕組みの知見から考える。
そして、熊谷さんが、最も反応したのが、「身体内協応構造」だ。
この耳慣れない言葉の説明は、

『たくさんある筋肉同士がある程度自発的に、互いの緊張ぐあいを拘束しあうような連携を持つことで、「歩け」などのようなたった一つの指示で、たくさんの筋肉がいっせいに協調的な動きをすることが可能になる。このような横の連携のことを、ロシアの運動生理学者ベルンシュタインは「身体協応構造」と呼んだ。人体に「身体内協応構造」が備わっているおかげで、意識から見たときの、身体運動が持つ過剰な自由度は縮減され、運動制御の負荷は減ることになる。』

熊谷さんは自分の障害を、この「身体内協応構造」が過剰に反応することによってもたらされるとしている。

我々は、運動神経が筋肉を動かすためにあるとついつい考えがちだが、運動神経の80%は抑制性シナプスで大脳辺縁系あたりで複雑に絡み合った神経線維による情報交換によって、我々の滑らかな運動が保障されているというわけだ。


カイロジジイのHPは
http://www6.ocn.ne.jp/~tokuch/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 健康ブログ カイロプラクティックへ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村




新教科書遭遇『リハビリの夜』

2010-11-27 17:22:43 | 本日の『リハビリの夜』
何の教科書だって?

もちろんカイロプラクティックの教科書だ。

とはいっても、徳さんのカイロは、過去の成り行きと、他に名付けようがないのでカイロを名乗っているに過ぎない面があるのは否めない。

アメリカ仕込みの○○テクニックは身に付けていない。
とあるカイロプラクティックの施療院で学んだことに、開業以来25年間で患者さんの体の反応から学んだものを継ぎ足している感じだ。

マンネリ化しないのは、患者さんの体が百人百様で、マニュアルめいた施療が受け入れられないからだろう。

昨日、図書館にリクエストしていた本を手にした。
熊谷晋一郎という人の『リハビリの夜』(医学書院)という本だ。

熊谷さんは脳性マヒ者で車椅子の小児科医である。
この本は、小さい頃のリハビリに明け暮れる生活の中で考えられた身体論である。
リハビリの際、我々健常者がついつい陥りがちな、“正常”な体の動きを求める方法を、自身の身体感覚から否定している。

“ほどかれる体”“まなざされる体”“見捨てられる体”がキーワードだ。

昨夜、拾い読みをしただけなのだが、カイロプラクティックに限らず、あらゆる施療行為に多くの示唆を与えてくれる本だ。

何か自分の施療が一皮も二皮も剥けるのではないかの予感がして、一見畑違いのこの本をこれからの教科書に決めた。

これから先、少しずつ検討し、考えていきたいと思っている。


カイロジジイのHPは
http://www6.ocn.ne.jp/~tokuch/


そして、なんでもブログのランキングというものがあるそうで、以下をクリックするとブログの作者は喜ぶらしい。

にほんブログ村 健康ブログ カイロプラクティックへ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村