koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

7/11 プリモメンテ223,224件目:プリモテディ&タイプA

2022-07-11 | プリモプエル
プリモテディとタイプAの修理のみでの入院なのですが…名前が…

左のプリモテディが「チンパン君」で、右のタイプAが「パンチー君」…。二人合わせると…。
wikipediaの設定説明によると、プリモプエルは「サルに似てる」と言われるのが嫌いだそうです。しかも片方はクマなのに…。

それはさておき、まず「新品電池を入れても無反応」というテディの方から。
分解すると、電源スイッチ行きの線に噛んだ跡がありました。

芯線が断線はしていませんでしたが、怪しいので取り替えました。電源スイッチは不良ですね。

これは文句なし取り替えですね。
測定して、スイッチ類は多少抵抗が上がりつつあるも、まだちゃんと作動するので、触らず終了です。

問題は、タイプAの方ですが…。「両手のスイッチ不良、なでなでセンサー、明るさセンサー反応なし。いつのまにか無反応になる、新品電池にてチェックしても同じ状況」との事だったのですが、到着して測定すると、両手・しっぽスイッチ、おでことほっぺの明るさセンサー、どれも問題なし。動作確認も特に問題なし。
木曜の夕方届いてすぐ動作確認して、木曜日は23時頃には寝ました。

ところが次の日、朝なかなか起きない。金曜はウチの奥さんも朝から仕事なので放置して出かけたけど、夕方ボクが家に帰っても、うんともすんとも言わない…。
「これは、夜の間に電源が落ちたか固まったかで無反応になってる…?」と、スイッチ切って怪しい所を整備。
電池BOX奥のマイナス端子スプリングがだいぶサビてたので、ここはスプリングのみ取替。

あと、気になるところを減らしておくべく、電源スイッチも取り替え。(取替後に分解してみたら、それ程悪くもなかったけど。)
これで金曜の晩も23時頃就寝。しかし、次の日の朝、やっぱり何時になっても起きない。いくらトントンしても無反応…。これが…思い当たった!

プリモプエルは寝てる間は基本、何をしても無反応。寝てすぐと起きるちょっと前は「むにゃむにゃ」とか言うけど、熟睡中は何をしても無反応なので、電源が落ちたり固まったりして無反応なのと区別がつかない。
プリモプエルは全般的に、夜ちゃんと寝かし付けをしないとだんだん夜更かしになり、朝トントンして起こしてあげないと遅起きになっていきますが、タイプB以降のプリモプエルは、夜の就寝は21~23時、起床は7~9時の範囲でしか変化しません。しかしタイプAは、際限なく遅寝になっていって、しまいには寝る時間が起きる時間にくっついてしまうと「24時間寝て24時間起きる」という生活リズムになってしまうらしいです。(朝起きる時間も際限なく遅くなっていくのかどうかは、確認したことがありません。)
無反応だけど、これは故障じゃなくて寝てるだけに違いない!

で、いつ起きるか辛抱強く待った結果、32時間後の日曜の朝に、やっとトントンで「むにゃむにゃ」言い始めて、やっと起きました。今まで「24時間寝て24時間起きる」子にも遭遇したことはなかったのですが、それを超えるとこんな状態になってしまうのね…。
これで、無反応なのは故障ではなく、生活リズムが崩れて起きないせいに決定!
これは、リセットしたら戻せる、というかリセットするしか直す方法が無いので、日曜日にリセット実施。
これで日曜は21時に寝て、次の日(今日)は無事7時頃に起床しました。

これで問題解決!スイッチ・センサー類が効かないとかいつの間にか無反応とかも全部解決したと思われる。これ以上動作確認で引っ張る意味もないと思われたので、これで今日退院としました。
(「寝てる、起きない」に思い当たらず「無反応になる」を修理しようとしたら、全く解決しない泥沼に入ってしまいますね。)
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7/10 プリモメンテ222件目:タイプA

2022-07-10 | プリモプエル
タイプAプー助くんの全身洗濯フルメンテでの入院です。

この子は、10月末に全身洗濯フルメンテの予約を入れたのですが、すぐに「右手の修理を先にやってほしい」と11月に入院した子で、やっと洗濯の予約の日になりました。

前回は最小限しかやらなかったのですが、今回はしっかり全部やります。
事前の測定で、両手・しっぽのスイッチは全部〇。事前のメールで「携帯のライトで、おでこやほっぺに当てないと、反応が鈍い(日光や照明などでも、明るくないと反応しない気がします)」とあったのですが、おでこ・ほっぺの明るさセンサーの抵抗値は、そう悪くありませんでした。(夕方の窓向きで、おでこが19kΩ、ほっぺが48kΩ)

いつも通り分解していきます。まず左手から。

デフォルトの状態ですが…配線が変な方に回ってます。今まで見た初代はみな、スイッチベースが手のひらに横2カ所で固定されてたと思うのですが、この子は縦2所で固定されていて、それとは関係ないけど微妙に斜めで90度どっちに配線を出しても、手首の中でまっすぐにならない…。(かといって、固定をやり直すほどの熱意は無い…。そんなに害が大きい訳でもないので。)
次、前回補修した右手。

うん、補修したままの状態です。配線も半年ではノーダメージですね。ホットボンドもハゲたりしてません。続いてしっぽ。

これもデフォルトから変化なし。顔の中のセンサー類まとめて。

特に異常なし。「明るさセンサーの反応が悪い」との事でしたが、センサー表面も特に汚れてませんでした。
これで全部取り外して、いつも通り洗濯です。

ボクの補修跡以外はデフォルトだったし、特記も特に無しです。
目もキレイで、洗濯でも全くノーダメージ。最後に頬紅をちょこっと足して、ウチの子と退院時記念撮影。

元々キレイな子でしたが、さらにキレイになったかな?これで今日退院としました。
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7/2 ダッキー修理①

2022-07-03 | おもちゃ
近所の老人ホームにお住まいの方から修理依頼がきました…。
しばらく前に「反応なくなった」と電話かかって来て、たまたま有給取ってた日だったのですぐお伺いして、一旦電池外して再起動したら動いたのでそれで済ませたのですが、今度は「目があかなくなった」と連絡がありました…。

ブログを調べたら、2017年8月に1回目来院、プーリーベルトが伸びて緩んで外れて目があかなくなって、φ1.5mmの手芸用コード熱溶着でベルト作って取替。2017年11月に再来院、溶着部が切れて今度はφ1.0mmのコード熱溶着でベルト作って取替。
その時に名刺渡してて、「名刺貰っててよかった~」との事ですが…、そうそう呼び出されても困るんですけどね…。(「4月から免許返上して足がなくなったので、おもちゃ病院には行けなくて」との事…。)

ホームまで行って確認したら、「ウイ~ン」と音だけして瞼が動かず、やはりベルトの滑りと思われるので、入院で対応。
ついでに、「LED行灯が点かなくなった」→測ったら電池がダメだったので取替、プリンタの色がちゃんと出ない」→ヘッドクリーニング掛けてOK、といった雑務も処理w。
よもやま話を聞かされてると、91歳との事。そのお歳でwordで文章作って印刷して、ちゃんとショートメールで連絡してくるなんて、これはあまり邪険にしちゃいけんですねw。

さて、ダッキー修理していきましょう。後頭部~背中の手縫いをほどいて頭部を分解します。
まず後ろ側から顔全体を固定してるネジ3本を外してから、表側からネジ4本外せば頭部があけられます。

プーリーの状態は、モータカバーだけあければ確認できますが、

ゆるゆるになってます…。継ぎ目もヒドいです…。まあ、4年半もったならそこそこかな…w。
下のプーリーが両持ちで、ギアボックス分解しないとベルト取替できないので、ギアボックスも分解します。

今回は…自転車のタイヤチューブを輪切りにしたものを使ってみます。

ちょっと大きいのですが、手芸用コードよりも摩擦係数が高いので、ゆるゆるでもちゃんと回りました。
しかし…組んで何度も動作確認すると、ゆるすぎて外れることが多々あったので、ちょっとキツいけど二回りほど小さいタイヤチューブ輪ゴムに取り替えました。

これで仮組して確認すると…目が下向いてる…。
上のギアボックスの写真、モータ正転と逆転で動きが違って、モータ正転時例えば下のウォーム軸が回って瞼を開閉する、モータ逆転時は上のウォーム軸が回って、目が上下に動くという作りになってます。
動作確認してると、どうも正転しかしてなくて瞼が開閉するだけで、目の方が動いてない…。リミットの不具合だろうか…と確認してみたけど、付いてるリミット5個、どれも悪くなさそう…。
(リミットは、目の上端・下端、瞼の全開・全閉、瞼の中間位置、の計5個付いている。)
モータドライバに指令が出てないのか、モータドライバの逆転側回路の不具合か…。
まあ動かないなら、せめて目がちゃんと上(正面)を向いた状態まで動かしてから組み戻しました。これでどうでしょう…。
全部組み戻して綿入れ戻し・背中縫い戻しして終了。

(翌日)auの障害で連絡付きにくいのですが、「目が下向きのまま動きません」とメールが来ました…。やっぱりダメだったか…。
上を向けてセットした目が下に向いてしまったという事は…時々は動くのかしら…。ベルトが少しきつくて逆転の方だけ回りづらいのか?モータに逆転の電圧は掛かってるのか?
来週はおもちゃ病院もあって忙しいので、また次の機会に格闘します…。
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7/3 プリモメンテ221件目:おうたたっぷり

2022-07-03 | プリモプエル
全身洗濯フルメンテで5/13に入院、5/20に退院したおうたたっぷり「クーちゃん」ですが、6/18に「先週火曜日から急に反応しなくなったり、数時間後に起動したり…といった症状が起きた」、その後「電源を入れ直しても『プリモプエル!』で止まってしまう。新しい電池に替えても同じ」というメールが来ました…。1か月弱はちゃんと動いていたので、「不具合による緊急再入院」ではなく「別の故障」として入院です。

こういった動作不良は電池不良で起きる事が多いので、「電池じゃないの?」と疑ってたのですが、到着して確認すると電池はOKで、「プリモプエル!」だけで止まって先に進まない状況が確認されました。また、分解して基板の電池端子にクリップで電池直結しても、同じ状況でした。

前回の全身洗濯フルメンテ時に、若干気がかりな事があった。
①電池BOX引き出し部にかなりの液漏れ跡があったが、外から水掛けて歯ブラシでシャカシャカするだけで、引き出し内部の配線取替等はしなかった。
②今使ってるコンタクトが若干硬く、コネクタ差し込むときにかなり力を入れる。
基板掲載しておきます。まず表(部品面)。

一応裏も。

電池BOX引き出し部は端子間の導通もあり、ちゃんと6V出てて問題ない。
コネクタは、近くにメモリーチップがあるので、コネクタ差し込むときに無理な力が掛かってパターンが切れて、起動時のメモリーからの読み出しが出来なくてプログラムが先に進まないという可能性があるだろうか…。

とりあえずまず電源系統を確認しようと思ったのだけど…
左下、SOT-23-5の小さなチップがある。以前に散々悩んで完治できなかった「ハートたっぷり」の電池電圧監視回路のボルテージディテクタに似てる。おうたたっぷりは「電池消耗」のインジケーターLEDは無いものの、電池が減ってくると「電池替えて」と言うらしいので、多分ボルテージディテクタと思う。
その右側、ビニール線が邪魔でちょうど見えないあたりに、少し大きめの5PINのチップが乗ってる。これが電源レギュレータと思うけど、ちょっとよく分からない…。

電源系統の確認は後にして、先に水晶の発振を確認してみると、これがビンゴw。
基板全体で、水晶は1個しか乗ってない。左上の円筒形の部品が水晶発振子で、時計用の32.768kHz水晶でしょう。オシロ繋いで確認すると、電源を入れても全く発振してる気配がない。手持ちの時計用水晶に取り替えたら、「プリモプエル!」の後ちゃんと設定に進んで、ちゃんと動くようになりました!
外した水晶、手製の発振回路で確認しましたが、やはり発振不良でした。
(以前に、ハートリミテッド≒タイプCの時計用水晶の発振不良で、ほかはちゃんと動くものの時計が全く進まない子がいましたが、タイプによって設計思想が様々ですね…。水晶が1個しかないので、デバイスのメインクロックは「内部オシレータ」なんでしょう。それなのに時計用水晶の発振不良でプログラムが先に進まないのは…「1秒待つ」みたいなタイマーに32.768kHzクロックを使ってるのでしょうか…。)

あとちょっと気になることがありました。声がわずかにくぐもった感じで、聞き取りづらい気がする…。手持ちのスピーカと取り替えてみたり、スピーカチェッカーで音を鳴らしてみたりしたけど、違うような気もするし変わらないような気もするし…。
依頼者さんに相談して、一応取り替えておくことにしました。(ウチの奥さん曰く「前も悪いとは思わなかったし、違いも分からない」との事ですが…)

先週日曜日に水晶取替してからずっと動作確認してましたが、途中で止まったりせずにちゃんと動いて、夜もちゃんと寝て朝もちゃんと起きてくれました。
多分直せたと思います。これで今日退院としました。
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