koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

7/13 宇部定期開院

2019-07-17 | おもちゃ
7月度の宇部おもちゃ病院定期開院日です。
この日は、宇部工業高校から「見学」という事で4名も来てくれました~!
先月のリユースフェスの時に、リユースにいつも何かしら(スライム作ろう!とか、今回はサンドブラスト体験とか)出店してる宇部工業高校の先生を紹介して貰って、生徒で興味のありそうな子派遣して!と院長からお願いしておいたのが、早速来てくれました。
これが…、元気良くて積極的で、電子部品の知識とかハンダ付けとかの基礎がある、めっちゃ使える子たちでした~!

ということで、助言しながらその子たちが修理したものも、ぼくの実績カウントにしちゃお~ww。
1件目、ラジコン(赤外リモコン)ヘリ。

「買った時から全く動かない」みたいな話でした。ケイタイのカメラで見て、赤外線LEDの発光が確認できない。高校生たちに「そこのエアコンのリモコン持っておいで~」と、リモコンの赤外線LEDの発光が、ケイタイのカメラで見れることを説明。(最近のスマホでは、「外カメ」「内カメ」があり、iphoneでは「内カメ」の方じゃないと見えないみたい。今回はAndroidケイタイで見てもらったけど、やっぱり「内カメ」じゃないと見れなかったっぽい。)

続いて、赤外リモコンのモニターで信号を確認。2cmぐらいの距離なら信号が拾えるけど、だんだん離してくと音が小さくなって、5cmぐらいで全く検出できなくなる…。
「3つ付いてる赤外LEDが、3つ一遍に壊れるのはおかしい…。」ということで、LEDドライブの表面実装Trを取り替えてみる。
「トランジスタ、何て書いてある?」「…1しか読めません~」「……これは、Y1だな、Y1なら持ってるぞ」という事で、表面実装のSS8050を取り替えてみましたが、改善しない…。

次に、LEDを3つとも外してみた。そして新品を1個付けて確認したが、光らない…。
基板をよく見なくっちゃ。LED3つは、直列に接続されてるんですね。

という事で、1個ダメになっただけで、3つ全部点かなくなるんですね。
ケイタイのカメラで1個ずつ点灯確認して、ダメだった1個だけを新品に取り替えて、ばっちり直りました!

そうこうしてるうちに、いつの間にやら高校生3人が、勝手に別のラジコンを分解し始めてる。(写真撮りそこなった、写真はイメージですw。)

30cmぐらいの大き目なラジコンで、実物は黒でした。ガルウイングだったので、ランボルギーニかと思ったけど、フェラーリーだったかも…。

1回「ボディが外れません~」と持ってきたので、ツメで引っかかってる感じの所を外してあげた後、「前進とステアリング操作はちゃんと動くけど、バックだけ動かないんだけど…」とヘルプが来ました。
コントローラ操作して、モーターに電圧が掛かるかどうか確認してもらったけど、やはりバックは電圧が掛からないとの事。ラジコンチェッカで、後進の信号は出てることを確認。

ヘリコプターの方やりながら、チラっと基板を見たら、モーターブリッジと思われるTrの中の一つに亀裂が入ってました。Marking見てもらったら「B7何とか」だったので、手持ちのちょっとボディの大き目な2SAのトランジスタに取り替えてもらった。
「ハンダ吸取り器使った事ある?」「あります、スッポンって楽しいヤツや~」という事で、ハンダ付けしやすいように吸取り器で吸って貰ったら、ランドが1ヶ所剥げちゃったけど、慌てない。レジスト削って付けさせて、ばっちりバックも走る様になりました。

さて、今日は来院者多くて、時間も終わりかけにもう1件。高校生たちせっかく来てもらったので、ギリギリまで働いて貰おうww。歩行器の音が出る部分。

液漏れで電池BOX端子がメタメタ。ざっとリューター掛けたけど、復活しないので分解。プラス線が断線してました。
かなりハンダの乗りが悪くなってたけど、プラス線は何とか接続。そうこうしてるうちに、マイナス線も切れた~。
「線換えましょう」と提案有り、マイナス線は取り替えた。端子もハンダが乗りそうになく、マイナス端子1個取り替えて、復活です。

あとは入院での対応。4件目という事で、「そうめん流し器」らしいです。(これは…おもちゃかw?)

とりあえず、電源のスライドSWがONの位置で固着して動かない…。電池入れてみたら、ちゃんと動いて水も上がったけど、一応分解してみる。

ケースにはネジが1個もない…。接着かと思ったけど、はめ込んであるだけだった。
水中ポンプになってて、周りは防水になってない。パイプの外は濡れない想定のようだが、どうしても水がかかってSWが錆びてしまうみたい。
一応動くのだが、いまいち不安定なので、スライドSWは取り替える事とした。

ちょうどツマミが長めのが1個あったので、そのまま取替して終了。

5件目、アンパンマンのキーボード。

これは、他のドクターから「私の手に負えない」と預かって帰る事になった物。
「一応動くが、30秒ぐらいしたら鳴らなくなって『ブッ、ブッ、ブッ』と音がし出す。電源パイロットのLEDも点滅する」との事。家に帰って点けてみると、たしかにそんな状況。
基板はこんな。表:

裏:

電源電圧の不安定を疑って、電源入れて電池両端電圧を確認。モーターが動くと少し電圧下がるが、ほぼ6Vある。アルカリ電池とはいえ、電流が増えると電池の内部抵抗で電圧が下がるのはしかたない範囲でしょう。「ブッ、ブッ、ブッ」の状態になっても、電池電圧に変化無い…。

もう夕方だったので、明日やろう~。明日、水晶の発振確認して、ちょっと数が多いけど、電解コンデンサ1個ずつ外して確認するか……、と思いつつ別のことしてたら、ひらめいた!!

電池BOX端子に「リセッタブルヒューズ(別名ポリスイッチ)」が直付けしてある。これの不良だろう!
電源入れて、電池端直接じゃなくて、リセッタブルヒューズの後で電圧確認すると、スイッチON後から徐々に電圧が下がっていく。リセッタブルヒューズの電圧降下がだんだんと大きくなっていく。「ブッ、ブッ、ブッ」の状態になると、2Vぐらいまで低下してる!
こないだAliExpressで悩んで買った1.6Aのリセッタブルヒューズに取替えよう。

下が元ついてたヤツ。規格・定格は不明…。Aliで買ったヒューズ、ちょっと定格が大きすぎたわ…、ちょっと不勉強でした。
「0.8Aぐらいじゃ、モーターの起動電流で落ちやしないか?」と思って大き目買ったのだけど、即断型のヒューズと違って、リセッタブルヒューズは公称定格の2倍流れないと落ちないらしい。それも、2倍流れて1分とか経たないと落ちないらしい。公称の定格は、「その電流なら何時間流しても落ちない」連続通電可能電流、といった意味合いらしい。10個買っちゃったけど、次は小さめ買おう…。

もう1件、NINTENDOのスイッチを預かる羽目になってたのですが、悩んだ末、修理は見送りとしました…。音はするので電源は入ってる様だが、画面が映らないという状況。要液晶取替と思われる…。
NINTENDOのサポートページを見ると、液晶取替:8,640円とある。民間でも商売にしてるところもある。一方、密林で液晶買うと3,980円、隣国から買えば、最安2,500円ぐらい。
しかし、おもちゃ病院活動としては、「他では誰も修理してくれない物」の修理をしたい。もしくは「買った方が安い」「ここでダメならもう捨てます…」といった物。
「メーカーに修理に出したら1万円近く掛かる所、おもちゃ病院に持ってったら4000円で直してくれた!ラッキー♪」というのは、ちょっと虫のいい話な気がして…。
それと、スイッチの液晶交換はなかなか大変そう。一応裏蓋は開けてみたのだけど、裏蓋開けた後、中の基板を上から順にほぼ全部取って、さらに表の両面テープでがっちり固定してあるタッチ板を割らない様に剥がさないと、液晶が取り替えられないらしい。全体的に「メンテ性は良い」という評価らしいけど、触る箇所が多い分、ミスのリスクが高くなり、メーカー修理の方が確実と思われる。
やればできない事は無いと思うけど、まだまだ新しい機種なので、メーカー修理をお勧めして返却としました。(VitaじゃないPSPや3DSより前のDSとかならやってもいいかな…?)

という事で、入院も含めて終了しました。
それにしても、高校生たちと修理が、超楽しかった~。来月以降も、また来てくれるかな~w。



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