koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

7/10 宇部定期開院①

2021-07-17 | おもちゃ
7月度の宇部おもちゃ病院定期開院でした。
全体としてはあまり多くなく、7件でしたが、最近新人ドクターが3人も来たので、あっちこっち手取り足取りしながら忙しかったですw。

1件目、「RABBIT TALK SPARKLING!!」と書いてあるおもちゃ。

家で検索すると、仮面ライダービルドの変身アイテムの様です。(ベルトは別途、家にあるらしいです。)

音が鳴らない、LEDも光らないとの事。入ってたLR44×3はどれも不良でしたが、手持ちの電池を入れても鳴らないので分解。

ゴソゴソしてるうちに動くようになりましたが、電池BOXからの黒線がガッツリ噛まれてます。ここが怪しいので取り替えました。

2件目からは入院ですが…、めんどうな夢の子ネルル2体です。
まず1体目ですが…手と顔に何か塗られてて、手はヒビ割れ、顔は厚化粧が剥げかけたお化けの様になってます…。

何をしたの…?ナースさん曰く「あら~、お化粧してもらったのね♪」との事。…とりあえず分解して修理していく。

この子は、過去記事を調べてみると、2014/8月に来院して、スピーカ不良取替と、圧電センサーも取り替えた子でした。
胸の「とんとんセンサー」:圧電センサーは、いつも通りぺっちゃんこだったけど、振動板もサビサビになってる。配線は切れてた。

頭の圧電センサーもやはりほぼぺちゃんこ。配線は途中で繋いで、真面目に熱収縮チューブかけてありましたが、片方ハンダ付け部で外れてました。

左手:

いつも通りです。熱収縮チューブの所で断線。続いて右手。

これも同じ。両手とも、タクトSWも配線取り替えました。今回は、いつも「ここで切れるんじゃ!」の熱収縮チューブは撤去してみました。

さて、そもそもこの子の修理の訴えは「目が途中で止まる」というものだったので、頭部を分解して、目を動かすユニットを確認します。

この旧型のネルルは、ここまでバッラバラにしないと、目を動かすユニット(及びスピーカ)に到達せず、補修性が大変悪いです…。

上側(ギアが入ってる側)を開けてみて、とりあえずギアに欠け等はなさそう。下側:プーリーが入ってる方を開けてみる。

う~ん、ベルト・プーリーがグリスでベタベタです。アルコールでキレイに拭いたら、ちゃんと動くようになったっぽいです。
ちなみに、目のユニット外した後、ケーシングはめっちゃ汚かった…。

出来る範囲で拭いておきました。

さて、ナースさんに「洗濯して欲しいんじゃない?」と言われて「いやです!」と答えておいたのですが、補修してるうちにやっぱり可哀そうになってきたので、何とか洗濯してみることにしました。(主にウチの奥さんがw。)
しかし、酸素系漂白剤、中性洗剤、台所用洗剤、メイク落とし、オリーブオイル等、何を使っても完全には落ちない…。

ここから酸素系漂白剤に付けた状態で歯ブラシでゴシゴシしたら、口の周りはだいぶ落ちましたが、目の間~おでこの辺りは非常に強固に塗りつけられていて、歯ブラシゴシゴシでも取れそうにない…。ベンジンたらしてゴシゴシもしてみましたが、溶けそうにもない…。
まあなんとか、元の「お化け」の様な状態よりはマシになったので、

これで返却とさせてもらいたいと思います…。

これで動作確認して返却しようと思ったのですが、胸のとんとんセンサーが不作動で寝かしつけが出来ませんでした…。ちゃんと補修したと思ったのですが…、仕方ないので再度分解して確認します…。
本体の縫いはほどかず、電池BOX周りの結束バンドだけ外して、布袋の固定を切ってなんとか確認。…特に悪くないけど、ハンダ付け1回失敗して圧電塗料が少し溶けたので、念のため別の場所に付け直してみたけど、やはり反応せず…。配線状態悪かったので導通確認したけど、配線に問題は無し…。基板を当たって動作状況を確認する。

左上の矢印付けたところ、頭用と胸用、表側に圧電素子のテスト端子がある。パターン追うと、ビアで裏面に行ってる。
裏面:

圧電素子は、頭用がQ1とQ4、胸用がQ2とQ5のTr2段のアンプで増幅されてる。
過去記事調べたら、2014/9月に同じ人の依頼のユメルくんで同じような調査して、「COB不良で修理不能」の判断となってました。
その時は多分まだオシロ持ってなかったと思いますが、今回はオシロで当たってもっと真面目に調査。

圧電素子をつつくと、圧電素子端にちゃんと起電力発生します。結構高い、3Vぐらいの電圧が立ちます。ちゃんと作動する頭と不作動の胸と、ほぼ同じ感じです。圧電素子もハンダ付けも配線も問題なし。
Tr2段目のコレクタが、無信号時:H、圧電素子をつつくとちゃんとLに落ちます。
表のパターンを追うと、基板:裏のCOBのすぐ近くのビアに繋がってます。このビアの導通不良だと直せるのですが、レジストちょっと削って当たってみるけど、どうも悪くない…。
ちゃんと動作する頭の方は、オシロでこのビアに触るだけで「頭さわった」と感知されるのですが、不作動の胸の方はオシロで触っても作動しないし、オシロで当たりながら圧電素子つつくと、ちゃんとH→Lの信号が来てる。
COB直近のビアで、これ以上は触りようがありません…。前回修理時は、まだ駆け出しでちゃんと調べたかどうか怪しいですが、今回もやはり「COB不良で修理不能」という結論です…。

修理実績「△」となってしまいますが、これで返却となります。
さて、もう1体、同じ人のネルルがあるのですが…怒りの修理w、別記事とします…。
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