koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

10/19 リユース出張開院②~難航品①

2019-11-14 | おもちゃ
さて、10/19リユース出張開院で受け付けた難航品の1個目、ディズニーのドリームトイパッドです。

他のドクターが一通り見て分からず、「どうする?」と聞かれたものですが、ネット上での記事で、似たタイプのおもちゃで、電源ONの自己保持用のコンデンサの容量抜けで電源が入らない事例があり、なんとかなるかと持って帰ったのですが、手詰まりで困ってます…。

基板おもて(分解したときに見える面):

基板ウラ:


とりあえず水晶は…、C6.000と書いてある。

レベルがちょっと低いようで最初オシロで拾えなかったので、外して秋月の水晶チェッカーで発振確認したり、8MHzで強制注入してみたりしたけど、オシロのトリガーレベルを下げたらちゃんと拾えて、約6MHzで発振してる様です。

メインプロセッサは、GENERALPLUS社のMultimediaProcessorと思われます、「GPL32630A」ですが、ネット上ではDatasheet見られず、PIN Assignは不明…。
(GENRALPLUSのサイトに行くと、登録を求められたので登録してみたのですが、「情報は法人向けにしか公開できない」とメールが来た。なら最初からそう言えよ!)

おもて面のU3は、同じくGENERALPLUS社製のGPY0030Cで、BTLアンプと思われます。
おもて面のU7:Marking=「653 XEE」と、ウラ面のU5:GENARALPLUS社の「GPR25L642B」は、何なのか不明です…。

ウラ面のU2は、Techcode TD1410のMarkingで、調べるとDC-DCコンバータ。応用回路は下記。

これが分かっただけでも、ちょっと見通しが良くなる。

電池を入れるとすぐ、DC-DCコンバータの出力:D3とL1に3.3Vが掛かります。そして、おもて面の矢印「A」にある裸のランド、BTLアンプ周辺へのVdd供給ポイントと思われますが、ここにも3.3Vがかかります。
この3.3Vは、気長に1時間測定しましたが、切れませんでした。
電池入れたらすぐDC-DCコンバータの出力がONになるとSleep中の待機電力が増えすぎる気もしますが、電池入れてすぐは「起動状態」になって、GPLからの保持信号が出てるのかもしれません、真相は分かりませんが…。

電源SW~DC-DCコンバータ周辺の回路を確認したい…。

Q1はNPNのMMBT3904です。D4は3本足のSOT-23ですが、プリントの通りダイオードで、Marking:KL3=ショットキーBAT54のデュアルです。

Q1・D4の下で見えない部分のパターンが疑問なので、外して確認しました。

この部分、裏にもMMBT3904が1個付いてるのと、Markingから型番が判明しないSSOP-10のICが付いてる。また、多層ではない単なる両面基板とは思うが、穴がレジストのインクで埋まってる極小のビアがたくさんあって、回路の解明は非常に困難…。

何とかDC-DCコンバータ周辺だけでも回路に起こしてみるけど、かなり怪しくて、正直載せたくない…(けど、読者の皆さんに助言を頂きたければ、恥を覚悟で載せなくては…)

DC-DCコンバータ:TD1410のENピンは入力なので、NPNトランジスタのこの接続はおかしい…。あぁ、納得がいかない…。

納得がいかないけど、電池マイナス端を基準とした各部の電圧・電圧変化は下記の通り。
点A:電源スイッチのスキャン電圧は、電池を入れた直後はゼロ。
   しかし、約30秒経過すると、約2Vが掛かる。
   電源SWを押すとほぼゼロに落ちるので、電源SWの機能自体は正常。
点B:電源SWの電圧と同じ動きで、30秒経つと、0→1.65Vぐらいになる。
点C:ずっとゼロの様である。
点D:DMMで当たると3.3V。しかし、アナログテスタで当たると測れず(ゼロ)、
   DC-DCコンバータの出力が一旦ゼロになる。
   (コンバータの出力がゼロになると、点Aも当然ゼロで、再度電源ON後30秒で2Vの動き)
   電源SWを一回押してやると、DC-DCコンバータ再出力になるので、
   電源SWとDC-DCコンバータの連携は取れてる感じがする。

最初、GPLからのラインは、Bが自己保持信号で、AがWakeUpの為の入力ラインかと思ったけど、
GPLは電源投入されるとスリープは無しで、BがDC-DCコンバータの電源OFF指令で、Aが自己保持…?それとも、Aは「電源SWがもう1回押されたよ」を検知するためのただの入力?
……でも、点Dをアナログテスタで触るとコンバータがOFFになるのと、電源SWを押すと復活する動きとかと矛盾する気がする…。
Q1がPNPだったらもうちょっとマシな気がするけど、Marking=1AMで、MMBT3904と思うしなぁ…。
回路起こすのがどうも上手にならない…。多分間違ってるだろうなぁ…。

という事で、素人なりに当たってみたけど、不具合個所を見つけきれず…。今のところ「修理不能」で返却となりそうです…。(「有識者の助言求む」ですww。)
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2 コメント

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Q1? (大泉茂幸)
2019-11-16 17:11:51
つつじが丘おもちゃ病院 大泉です。

楽しそうなのをやってますね。

助言にはなりませんが、、、不思議な回路ですね。

Q1のベースとコレクタが逆だったら、納得できます。

凄く想像的な話ですが、

2MΩもの高抵抗を使うってことは消費電流を抑えるためでしょうね。と言うことは、ここは常に流している設計ではないのかと。電源SWがオープンならQ1がオンして、表示・入力系の3.3V電源を停止するのではないでしょうか。電源SWをクローズするとQ1がオフになって、3.3Vが供給されます。

3.3V電源の保持は、どこかでQ1をオフさせる回路があるハズで、R18とR13の間にビアがあるようです。ここをGPLがLにしているんじゃないでしょうか。おもて側のU7へ行ってるような。

しかし、Q1のピン接がねぇ。。。
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毎度コメントありがとうございます (kohei)
2019-11-16 19:38:05
「GPLにwake-upの信号が行ってない」の観点で調べたいのですが、
「電源(3.3Vコンバータ)は周辺回路だけでONさせて、GPLからは保持信号しか出ない。切れるときは、GPLからの保持信号が切れて、自分で自分の電源を落とす。GPLはsleep-wake-upはせずに、電源のON-OFFだけ。」というストーリーを考えてみたのですが…。

しかしそれでも、GPLが働いてないときに、電源スイッチにプルアップの電圧が掛かっててしかるべきな様な…。

「Hi-Zなら電源起動せず、Lに落すと起動する」なんて回路がありうるでしょうか…?(DC-DCコンバータのEnable端子への信号もすっきりしない…)
(マジメに回路起こせ!って話ですけどw。もうちょっとがんばって、ピアを追ってみるかしら…)

COBは当てにならないけど、ちゃんと作ったLSIが壊れる可能性は相当低いと思うんだけど…。
今のところ「修理不能」になりそうです…。
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