koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

11/14 宇部定期開院

2020-11-22 | おもちゃ
11/14は朝から宇部まちなかエコ市場リユースでの出張開院に出てましたが、14時半には撤収して、宇部おもちゃ病院の定期開院の方にスイッチです。

行ったらちょうど、受付に夢の子ユメルくんが来てました。自動的にぼくの担当ですw。

「左手SWが全く効かない」との事。既に時間も経ってたし面倒な作業なので、入院で対応。

手縫いの糸を若干切って、電池BOX周りを止めてる結束バンドをほどいて、綿出して左手SWを引っ張り出し。いつも通り、熱収縮チューブのところで断線。

ほんっと、設計ミスよね…。かならずここで断線する。
以前に、途中で継いで先だけ替えて断線再発したことがあったので、その次は基板付け根から全部引き換えしたのですが、今回は先だけでの繋ぎにしました。代りにちゃんと熱収縮チューブを被せた上で、ビニールテープで巻いて熱収縮チューブにもグルグル巻いて固定にしました。

あらかた組んで動作確認すると、頭の「なでなでセンサ」が不作動で、時間合わせが全くできない…。しかたない、頭の手縫いを切って確認します。

頭のセンサの整備・取替は、胴体~首~頭の分解はせずとも、頭の手縫いを切って綿を出せば出来ます。(頭の分解は結構めんどうなので。)
頭の圧電センサ、いつも通り潰れてました。(これも根本的に設計に問題ありですね…。アルミカバー無しの圧電センサにするとかタッチセンスとか、なんか改善して欲しいね。)
取り替える事も多いのですが、今回は表の潰れたアルミ部をマイナスドライバの細いので整形するだけでちゃんと感知するようになったので、取り替えずに済ませました。
(アルミの部分が潰れて振動版を押さえつけちゃうと、振動を拾えなくなるのでしょう。センサ自体の感度低下がなければ、アルミを浮かせてやれば復活します。)

これで動作確認→OK。綿を詰め戻して縫い戻し、外した結束バンドをちょっと延長して仕戻しして終了です。

2件目、これはドクター1年目の子が開院時間中に苦労してた物、時間も一杯で断念して、ぼくが持って帰ることになったものです。

行ったときには既に苦労してバラバラにした状態でしたが、後ろに「ON/OFF」のスイッチと、音楽・おしゃべりのボタンがあります。

バラすの大変だったようですが、ボタンの中はこんな感じ。

ON/OFFのスイッチは、パソコン用のマウスに使われてるのと同じマイクロスイッチ、音楽・おしゃべりのボタンは、導電塗料パターンと導電ゴムのスイッチです。

このマイクロスイッチを押すと、と~~~きどき「こんにちわ!」と言います。離すと必ず「また遊ぼうね!」と言います。
この「こんにちわ!」がと~~~きどきしか出ないのが気になる…。
ONとOFFで、A接点とB接点の両方を使ってるのかしら?ONのA接点の方がいまいちで、OFFのB接点の方は毎回確実に動作する→スイッチ不良?
と考えて、マイクロスイッチを取り替えてみたのですが、状況変わらず…。ONと思われる状態で、導電塗料の側を金物で短絡しても、音楽・おしゃべりは鳴りません…。
こりゃ、COB内部のON感知のラインが切れて、COBダメかも…。となると、PIC換装かしら……と思いながら持って帰りました。

開院時間中では、配線が突っ張って基板の裏側(COB側)がちゃんと見れなかったのですが、本格的に触るべく、電池BOXの赤・黒線を外して、基板を引っ張り出しました。

マイクロスイッチは、B接点側はどこにも繋がってない「浮きランド」で、A接点しか使ってませんね。OFFにした時に「また遊ぼうね!」をしゃべるので、このマイクロスイッチは電源のON/OFFではなくて、単なる接点入力で、電源は常時ONでスリープと思われます。
胴体の方にマイクロスイッチがもう1個付いてて、持って帰った時点でそこ行きの黄色線が基板付け根で切れてました。もしかして「そのスイッチをONしてる間だけしか音楽・しゃべりが鳴らないといった構造になってないか??」と思って、とりあえずその線を復旧してみました。
すると、その胴体の方のSWは、押すと「ビヨ~~~ン」とか「ジャカジャ~ン」とかの音が出るスイッチでした。その音はちゃんと鳴る…となると、ダメなのは音楽・しゃべりの導電塗料パターンSWだけで、他はちゃんと動作してるのでは???
と、導電スイッチの確認をする事に。

確認すると、やはり、基板裏(COB側)と表のパターンの側で、導通がないっぽい。上の基板のCOBのすぐ左側の穴2つのところが「貫通ビア」の様になって、基板表(スイッチ側)の導電塗料パターンに繋げてあるのですが、これが…ちゃんと銅で繋げた貫通ピアじゃなくて、裏の穴あきランドから表まで導電塗料だけで導通させてる。この「導電塗料貫通ビアw」の導通が不良の様です。
この導電塗料はもう見捨てて、COB横の穴の導電塗料・レジストを削って、直接GNDと短絡すると、ちゃんと音楽・しゃべりが鳴りました!

原因が分かれば修理は簡単w。表の導電塗料パターンも全部見捨てて、銅箔テープでスイッチを作り替えます。回路との接続は、貫通ビア部を通します。

両面テープで銅箔テープを張り付けてSWパターンとし、端っこは丸めて細くして穴に突っ込んで、パターンの側でハンダ付け。(1か所長い所があるので、そこはリード線で繋ぎ。)
これでバッチリ動くようになりました!

さて組み戻し。背中の青い部分がスライドして、電池を取り替える構造になってる。ここの配線の引き回しをちゃんと元通りにしないと、ちゃんと組めません。

この写真は持って帰った時点の写真で、黄色線が切れてますが、青い部分の左側に、同色の蓋がある。この蓋の下にLED行きの5本線と胴体SW・スピーカ行きの黄・橙線とを敷き込むように組み立てれば、そこに溝があって、線を噛まずにスライドするように配線出来ます。
複雑で大変でしたが、なんとか組み戻し。スピーカ行きの線も作業中に断線してましたが、取り回し確認の為に最後に接続する事にして、ほぼ全部組んでスピーカを繋いでみると……ウンともスンとも言わない…。

仕方ない、もう一回全部分解して確認すると、電池BOXのプラス・マイナス間に付けてある抵抗型ヒューズが断線してました…。なぜ…?組み戻しの失敗でビニール線の被覆が傷んでどっかショートがあったりするのかも…、と思いましたが、とりあえずヒューズ取り替えて組み戻して動くようになりました。
胴体部のSWは、手を下げるとミッキーが上に「びよ~ん」と上がりながらスイッチを蹴って音が出るのですが、ミッキーの動きがいまいちで引っ掛かり気味だったので、摺動部にグリスを塗った所、ほぼ良くなりました。

結局、スイッチをONにした時の「こんにちわ!」は、めったに鳴りませんが、こういう仕様なのかな…。「こんにちわ!」を言わなくても、ちゃんと音楽・おしゃべりは動作します。
これで完璧に治ったかと思います。
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