koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

6/30 プレイルーム修理4件

2021-06-30 | おもちゃ
宇部市のすくすくプラザプレイルームからの修理依頼です。
6/14に道具抱えて行ったのですが、その場で修理出来たのは1件だけで、あとは入院になってしまいました。どれもめんどうそうで、プリモプエル修理を優先して、後回しになってました…、皆様すみませんw。

1件目、プラレールのドクターイエロー。

全く動かないので分解。

電池1本で白色LEDを点灯させるため、昇圧回路が付いてますね。この状態でモータ端子に電圧掛けても回らないので、さらに分解。

歯車数多いですね。モータ単体にして電圧掛けてグリグリしても、全く回る気配なし…。モータ分解してブラシ確認すると、

こりゃダメですね。汚れたグリスを取ってもみずに、手持ちの中古モータのおケツと交換しました。

2件目、小さなプルバックカー。

トミカぐらいのサイズです。
「中でユニットが上がって、タイヤがタイヤハウスに接触しちゃって、全く走らない」という訴えでした。中身はこんな。

プレイルームの現場で、ユニットの位置修正まではしたのですが、微妙に引っ掛かりがあって、ちょっとつついてあげたりしないと走らず、入院としました…。

ミニミニなゼンマイユニットですが、ギアの欠けか変形、又はぜんまいの折れかなぁ…と、渋々分解。(上のピンセットと比べると、小ささが伝わるかなw)

歯車はどれも傷んでませんでした。ちょっと小さなゴミの粒が付いてる様な所があったので、丁寧に除去はしました。ぜんまいは…外すとかなりめんどうな事になりそうだったので、触りませんでした…。
仕方なく仕戻し。前よりは良くなったかなぁ…。

ところで電池がすっかり消耗してました。CR1220×2個ですが、ホームセンターに行ってみたら以外に安くて110円×2個だったので、依頼者さんにお断りして購入・取替しておきました。

3件目、いつものIWAYAの歩いて鳴く犬です。

試運転してみると、伏せ・鳴きの動作の所で、ガキっと動作が飛びます。これは、ギアの欠けですね…、めんどうですw。

分解してみると、やはり伏せ動作用のギアが欠けてます。

これは…しばらく前に全く同じヤツやりましたね。(確認したら、2021/3/13でした。)

全く同じ作業です。

12T-28Tの二段ギアの12Tの方、3枚ぐらい歯が欠けてます。これを切り落として、右の手持ち予備品をくっつけます。

前回と同様、φ0.55mmのSUS番線を6本立てて、それをガイドに取替の12Tピニオンを刺して、エポキシで固定。これで固まるまで待って組み戻せば、ちゃんと動くようになりました。

カルテに「電池の減りが早い」と書いてあったので消費電流を測ってみました。モータ単体では3Vで0.18Aぐらいで異状無いと思われます。歩き動作の時が0.22Aぐらい、伏せ・鳴き動作の時はもうちょっと負荷高く0.45Aぐらいでした。連続で動かせば3~5時間ぐらいかなぁ。あまり長時間動かしっぱなしにしない想定のおもちゃだと思うので、こんなものだと思います。

最後4件目、「おかえりワンちゃん」というおもちゃです。

プリモちゃんの顔の明るさセンサーと似てますね。明るさ変化を感知して鳴く・動くという動作をして、「ただいま~帰ってきたよ~」「ワウ~~~ン」みたいな暮らし方をするおもちゃですね。

新品電池を入れてもうんともすんとも言わない。要分解です。
とりあえず電池BOX周りの結束バンドを外したのですが、なかなかBOXが抜けず、ちょっと苦労しました。BOX抜いてみると、

ずばり、首の骨が折れてますw。これは後で考えます。

BOX開けるとこんなでした。

電池の電圧が基板まで来てない→電源スライドSWの不良ですね。

つまみ側の切片はそうでもありませんでしたが、ベークライト側の使ってる接点がまっっ黒でした。これは…反転としましょう。#2000のペーパで軽く磨いて、きれいな方の接点を使うように配線付け替えました。
(この大きさのスライドSWにモータ電流を流すと、ちょっと厳しいよね。Trブリッジ回路への電源供給だけ切り離して電池から直にしてやるとSW負荷を下げれるけど、そういう改造をすべきかせざるべきか…w。)

これで、起動時の鳴き声・動きはするようになったのですが、明るさ変化に反応しない…。
基板側でCdSの抵抗値を測ると、明るい時:20kΩ程度、手で影にすると数百kΩで、正常な抵抗値&配線も切れては無い。

基板:表

基板:裏(CdS関係の部品接続を書いてます)

コンデンサ・Tr、抵抗まで疑って外して測定するも、どれも悪く無さそう。ハンダ付けも仕直したし、一見繋がってる様でパターンが切れてる所とかもない…。各部の電圧を測ってみると、どうも期待通りになってない…。
ここで困って、いつも相談に乗って頂いてる先輩ドクターにメールでヘルプを出したところ、こちらの確認不足がいろいろあったものの、「Trが一番くさい。Trのチェックはどうやったの?」との事。

その先輩曰く、「クサイTrを交換して治った、と言うのはキライです。不具合の箇所と状況を明確にしてから対処すべきですよね」との事ですが、いやいや、とりあえず交換してから考えますw。

CdSの明るさ変化をCOBのポートのデジタル入力にするのには、2SC945が使われてました。これを手持ちの2SC1815に取り替えたら、ばっちり反応するようになりました!
Trのチェックですが、スイッチング回路でLEDをON/OFFさせる自作の「Trチェッカー」でチェックして、LEDが普通に点いたので「OK!」と判断してたのですが…。
(このTrチェッカーは、モータを繋いでモータがON/OFFできるかも確認できるチェッカーだったのですが、2SC945にモータを回させるとちょい過電流なので、モータは繋ぎませんでした…)

先輩曰く「hfe(増幅率)の低下」との指摘だったので、手持ちのDMMについてたhfe測定モードで測ってみると、1とか2が出ましたw。(取替に使った2SC1815GR:公称hef=200だと、ちゃんと300ぐらいの数字が出ました。)

上記のTrチェッカーは、「Trが性能劣化して、LEDぐらいは点灯できても、モーターが回せないという状態があるので、モータ駆動に使われてるTrは、実際にスイッチングでモータのON/OFFをしてみないと、アナログテスターだけじゃ良否判断できない」と聞いてたから作ってあったのですが、実際のその状態に遭遇したのは初めてでした。
単に「大きな電流が駆動できなくなる」と思ってたのですが、hfeが低下して大きな電流が流れなくなるのであって、電流の低い回路であってもhef低下でまともに動かない状態になるんですね。勉強になりました。

さて、「首の骨が折れた!」問題ですが、巻いても邪魔にはならないので、プラ欠片で当て板して、エポキシでごてごてに巻きました。

さてさて、これで組み戻せば終わりと思ったのですが、しっぽが動いたり動かなかったり。これは…ギアの割れによる滑りですなぁ…。

12Tのピニオン、ばっちり割れてますw。φ2.5mmの軸径ですが、ローレットで圧入にちょっと苦労しました。
(ちなみに、モータ正転で首が動いて、逆転でしっぽを振るようなギアの作りになってます。)
これでやっと終了、明るさ変化も感知して、ばっちり「お出迎え」してくれるようになりました!

今週土曜日イベントで、プレイルームのある多世代ふれあいセンターに行くので、何とか土曜日より前に終わらせたかったのよね。先輩の助言のおかげで、なんとか終わりましたw。
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