イギリスのデヴォン地方で農業を営む貧しいナラコット家に、一頭の馬が引き取られてきた。
走る為のサラブレッドであり到底農耕には向かない馬であったが、
少年アルバートは馬に"ジョーイ"と名付け、かけがえのない絆を深める。
しかしある日第一次世界大戦が勃発し、イギリスはドイツとの戦争に突入、
ジョーイは軍馬として徴用され少年アルバートと引き離されてしまう。
アルバートはジョーイを追う為に入隊を志願するも、幼齢を理由に入隊したのは4年後であった。
ジョーイは戦火の中を駆け回りながら、様々な人間に出会い、やがて「奇跡の馬」と呼ばれるようになる。
走る為のサラブレッドであり到底農耕には向かない馬であったが、
少年アルバートは馬に"ジョーイ"と名付け、かけがえのない絆を深める。
しかしある日第一次世界大戦が勃発し、イギリスはドイツとの戦争に突入、
ジョーイは軍馬として徴用され少年アルバートと引き離されてしまう。
アルバートはジョーイを追う為に入隊を志願するも、幼齢を理由に入隊したのは4年後であった。
ジョーイは戦火の中を駆け回りながら、様々な人間に出会い、やがて「奇跡の馬」と呼ばれるようになる。
『戦火の馬』日本版予告編
『戦火の馬』(原題:War Horse)を観た。
2011年末に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督お得意の戦争映画だ。
スピルバーグにとって初めての第一次世界大戦物だが、さすがの軍事オタクで、
考証とリアリティーはしっかりした作りとなっている。
特に戦闘シーンは圧巻で、砲撃で死体が飛び散るシーンなどはプライベート・ライアンを彷彿させるが、
この映画は戦闘シーン主体の映画ではない。
しかし前線で軍馬が駆けまわり、砲撃を避け、戦車を飛び越え、
塹壕の間を縫う疾走感はとても熱くなる。
あと作中のイギリスの景色はとても美しいものばかりだ。
新作タイトルであるので内容に多く触れることはしないでおくが、
軍事マニア的視点で見れば、第一次世界大戦と軍馬に焦点をあてたのが興味深い。
なにせ第一次世界大戦というのは大々的に騎兵部隊が活躍した最後の戦争であるのだ。
機関銃の大量配備により従来の突撃は死体の大量生産を意味し、
そして史上初めて投入された戦車は新しい騎兵へと成り代わった。
要するに第一次世界大戦というのは、人間と馬が戦った時代から、
産業と機械の時代へと変貌した時代なのだ。
作中でも機関銃にバタバタとなぎ倒される騎兵部隊のシーンで暗喩されてはいるものの、
ハッキリとは触れられてはいないが、騎兵の終焉を意味した戦争である。
だからというわけでもないが、この映画の馬たちが余計に儚げに見える部分もあるのかもしれない。
あらすじと予告編で大体わかると思うが、馬と少年の絆を描いた感動ものである。
人間の感動ものよりも動物もののほうが感情移入してしまうといった人もいると思うが、
そういう人にとって、また特にペットを飼っている人にとっては危険な映画である。
しかし観るべきタイトルである。
ただ良い作品に水を差したくはないが、
ジョーイに出会った人間たちの末路を考えると、
なんか奇跡の馬ってより呪いの・・・いやまあ良いや。
良い映画だった。