スターリングラード

2006-07-22 21:07:01 | Red Orchestra

スターリングラード攻防戦

長く広い東部戦線の中でも、スターリングラードは最も熾烈で過酷な戦場として知られている。
ソヴィエトの指導者、スターリンの名を冠したこの都市を占領することにヒトラーはこだわった。
ソ連側も、同志スターリンの名を冠したこの都市の陥落を許さなかった。
そして都市の名前以上に、この都市は東部戦線の南方戦線の鉄道網の要衝であり、
兵器・石油・その他軍需物資の輸送路となっていた。
この鉄道網をソ連軍に使わせないようにする意味は大きかった。

ヒトラーは短期決戦のつもりで挑んだが、スターリングラード市での戦闘は7ヶ月以上も続いた。
相手が10万発の弾丸を持ってるなら20万人でかかればいいじゃない的なソ連軍の人海戦術は、
銃を配られていない兵士ですらもドイツ軍に体当たりさせ、文字通り体でドイツ軍の進撃を止めた。
またスターリングラード市に住んでいた住民なども多数が戦闘に巻き込まれ、
史上最大の市街戦の様相を帯びていったのもドイツ軍が泥沼にひきずりこまれた主要因の一つ。
よく言われるのは、ビルの一フロアを、隣の部屋を、一つの窓を、一つのドアを奪い合う、
それほどまでに混沌とした泥沼の市街戦であったという。

下記の言葉は「映像の世紀」より引用。
当時の雰囲気をよく表してると思う。


「スターリングラードはもはや街ではない。
日中は火と煙がもうもうと立込め、一寸先も見えない。
炎に照らし出された巨大な炉のようだ。
それは焼けつくように熱く、殺伐として耐えられないので、
犬でさえヴォルガ河へ飛び込み、必死で対岸にたどり着こうとした。
動物はこの地獄から逃げ出す。
どんなに硬い意思でも、いつまでも我慢していられない。
人間だけが耐えるのだ。神よ、なぜ我等を見捨てたもうたのか。」

                                     ――ドイツ軍将校の手記より


このスターリングラード攻防戦は、ソ連軍の機甲軍によりスターリングラード市を完全包囲し、
スターリングラード市攻勢にあたっていたドイツ第六軍を孤立させ、
継戦能力を断ち切り全面降伏させることによって終結を迎えた。
ドイツ軍はこの戦いによって一個軍が壊滅し20万人以上もの手痛い損害を被り、
これをきっかけに東部戦線の主導権をソ連側に引き渡すことになる。
ソ連側の損害は兵士と市民あわせて100万人近くにも上るといわれるが、元々の予備兵力の数がドイツ軍とは違う。
このスターリングラード攻防戦が一つのターニングポイントとなった。



ということで今日もルシ君とRO:O。
MAPはもちろんスターリングラード。
このスターリングラード攻防戦は2001年にハリウッドでもジュード・ロウ主演で映画化されてるので、
名前だけは知ってるって人もそれなりにいるかもしれない。
序盤の雰囲気はなかなか秀逸だけど、物語が進むにつれ肝心な部分で映画的アクションや演出が増えてくるので
戦争映画としては微妙だが、ジェームズ・ホーナーが音楽担当なだけあって曲だけは雰囲気に合っていて割と好き。

そして笛の合図と共に、ソ連兵の「ウラー」という雄叫びが聞こえてくる。
どれだけの出血を強いられようとも、ドイツ軍人として工業地帯制圧の任務に従事するのみ。



最初は廃墟と化した倉庫拠点を制圧に向かう。
ここは押さえとけば内部が入り組んでるから防衛しやすい。
階上から階下のソ連兵をMP41短機関銃で撃ち殺し、順調に占領を進めていく。



占領後は、奪還しようと押し寄せてくるソ連兵を待ち伏せて撃ち殺していく。
なかなか忙しかったが、なんだか今日は調子がいい。
位置をかえつつ防衛してると、1人でゆうに10人以上は射殺した。
こりゃ他の戦線の味方は助かってるかな・・・と思ってると、
組立工場を攻めてるルシ君によるとなかなか苦戦しているらしい。
工場内部でソ連兵が頑強に抵抗し、ドイツ軍部隊も相当な被害が出ているんだとか。

ソ連兵の装備するPPSh41というサブマシンガンは別名バラライカと呼ばれ、
71発もの装弾数を誇り連射速度も圧倒的で、至近距離の火力は恐ろしいものがある。
恐らく工場内部でこれが猛威を奮っているに違いない。

仕方ない、俺のほかにもこの廃墟を防衛してる味方ライフル兵が数人いるし、
少しぐらい俺が離れても取り返されなかろ。
この廃墟奪還を諦めたソ連兵も組立工場のほうに向かっているんだろうし、
俺もそちらの援護に向かうとする。




組立工場内部でも、えらく調子がいい。
味方部隊の援護をしながら突き進み、合計で4人射殺。
工場内部の掃討も完了し、敵の残る拠点は鉄道のみ。
そこを制圧すれば勝利なので、最後の拠点を制圧しようとドイツ軍側は全員なだれこんでいく。



最後の鉄道拠点での攻防戦。 しかしここが曲者だった。
最後の最後ということもあり、ソ連軍の抵抗も凄まじく、
かつてないほどの熾烈な銃撃戦になり、激戦となる。
ビルの窓からソ連兵の狙撃兵と重機関銃が狙い撃ちしてきて、これが特にやばかった。
貨車などを遮蔽物に敵兵と銃撃戦を交えてると、ビルの窓から機関銃弾が雨のように降って来る。
激しい接近戦となり、手榴弾の雪合戦の中を伏せて隠れてると、窓から狙撃兵が狙い撃ちしてくる。
やられてもやられてもドイツ兵はこの鉄道に押し寄せたが、ソ連兵はその全てを迎撃した。



次第に、いつのまにか死亡数はドイツ軍がソ連軍をはるかに上回り、なんとReinforcement(援軍)値が0%に。
Reinforcementとは、このゲームではこれが最初は100%から始まり、
味方の兵が戦死しリスポンして戦線復帰すると減っていく。
つまりReinforcementがあるうちは何度死んでも生き返ってプレイできるが、
これが0%になるともうリスポン不能、死んだらおしまいの事態。
Reinforcementが0%になっても、生存してる兵が全滅するまでに敵拠点を全て押さえれば勝てるわけだが、
それは理想論であり果てしなく困難なわけで・・・

ひと時の勝利と優勢さに溺れ、無茶な突撃を繰り返しまくった代償が回ってきた。
勝利は軍を弱体化させる、とはよく言ったもんだ。
ここで、ルシ君と共にある建物の内部に立て篭もり、
外に無尽蔵にいるソ連兵に向け発砲しまくる。


だんちょ
「俺らが死ぬまでにここで100人ぐらい撃ち殺せば勝てる!」



とかなんとかボイチャで叫びつつ、ルシ君と共に外の敵兵を撃つ。
その間にも、刻々と一人また一人と味方の兵達が倒れていく。
この時俺の装備してる銃はMP41短機関銃、ルシ君はKar98小銃。
敵にも俺たちの位置はとっくにばれてるので、どんどん集結してくる。
俺たちはボイチャで合図しあいながら、外の敵兵の数を減らそうと撃ちまくる。
敵も俺たちの立て篭もる建物に向け撃ちまくってくるため、ほとんど釘付け状態。


だんちょ
「よし、一人ゲット!」

ルシ君
「おーけー、こっちも一人当てた!」

だんちょ
「よっしゃもういっちょ! って、あああああ」

ルシ君
「すまん! やられた・・・」


とうとうルシ君が被弾、すぐ隣で崩れ落ち、戦死する。
これで、この建物に立て篭もるのは俺ひとり。
手榴弾はとうの昔に使い切り、予備マガジンもあと1本。
それに俺1人しかいないということは、撃ち尽くせばもうリロードする暇なんてない。
撃つのをやめたら敵が飛び込んでくるし、そこを援護射撃してくれる味方はもう近くにはいない。
そろそろ潮時かな・・・と思ったとき、敵に手榴弾を投げ込まれる。
とうとう爆死。

どうやら他の場所でまだ生き残ってる味方がいたらしく、
その後少しまだ戦闘が続いた後に敗北。
ちくしょー前半と中盤はめっちゃ優勢だったのに、最後の拠点になってから逆転され全滅。
最後のほうの緊張感と銃撃戦はなんか映画みたいだった。
死んだら生き返れないのに無尽蔵に沸いてくる敵を迎え撃たなきゃいけないって状況はそうない。
なかなか熱かった。



あるときの、他のMAPでの小エピソード。

ある建物を俺とルシ君の2人で掃討してた時、
どうやらこのドアの向こうの部屋に敵が2,3人立て篭もっているらしい。
ってことで、ルシ君は手榴弾を構えながら・・・


ルシ君
「だんちゃん、こっち来てこのドア開けてくれないか。
その瞬間に俺が手榴弾投げ込むから。」

だんちょ
「おーけー」


ってことで、ルシ君が手榴弾片手に振りかぶってる横を、
援護射撃するために短機関銃を構えながら、ドアに接近する。
が、そのとき


ルシ君
「あ」



俺の目の前で、ルシ君の右手からゆっくりと手榴弾が滑り落ちドアの前を転がる。
しばし転げ落ちたそれを2人で眺める・・・。


「「・・・・・・」」
二人とも爆死。