真如堂(通称名)は正式には鈴聲山(れいしょうざん)真正極楽寺で比叡山延暦寺を本山とする天台宗寺院です。
朱色の山門からの参道が何とも言えない風情を感じます。
四季を通じて素晴らしい光景を見せてくれる"お気に入りのお寺"のひとつです。
本堂前には"秋の七草"のひとつ藤袴が鉢植えでふたつ置かれています。
境内地は広く、約1万2千坪を誇り、重文指定の本堂をはじめ総門や元三大師堂、鐘楼堂、三重塔が立ち並んでいます。
余り知られていませんが、三重塔の隣りには地蔵堂があり、鎌倉地蔵がお祀りされまた、"殺生石"が置かれています。
ご由緒については駒札をご覧下さい。
元三大師堂です。
前に置かれている石燈籠は琵琶湖疏水の主任技師を務めた田邊朔郎博士の寄進によるものです。
真如堂から数百m北に住まいしていた関係からでしょうか?
近くには田邊家の中で朔郎の書斎だった「百石斎」だけが残され登録有形文化財に指定されています。
真如堂は今では珍しく、本堂内は無料で入堂する事が出来ます。
ご本尊は秘仏で毎年11月15日だけご開張されます。
ご本尊は阿弥陀如来立像で慈覚大師円仁作と伝えられ、不動明王坐坐像は陰陽師として知られた安倍晴明の念持仏と言われています。
三仏がお祀りされている須弥壇(宮殿)の扉には三つ葉が入り、徳川五代将軍綱吉公と桂昌院による寄進です。
この日は久しぶりに庭園を観賞しました。
真如堂にはふたつの庭園があり、ひとつは曽根三郎氏により1988年に作庭された「涅槃の庭」
背後の大文字山を借景に、お釈迦さまの涅槃の様子を景石で表現されています。
もうひとつの庭園は2010年に重森三玲のお孫さん千青氏により作庭された「随縁の庭」です。
背後の仏堂にある蟇股にある真如堂の檀家・三井家の家紋にちなんで、四つ目の意匠を取り入れた庭園です。
庭園名にある「随縁」とは事象が縁に因って様々な現れ方をする事を言うのだそうです。