1 いじめの構成・場所
いじめを体験しているのが普通という国
私はアンケート項目を、「いじめられた体験」がある人、「いじめた体験」がある人、「傍観者=いじめを見たこと」がある人、の三群に分けました。これがいじめに関しての生徒のオールスターキャストです。アンケート結果によれば、この分類で最低いずれかひとつを体験した人の割合が63%にのぼりました。いじめ体験はまさに一般的といえます(実は、今年の数は例年に比べ少なく、これまでは70%以上になっていた)。日本の学校社会はデータの上ではまちがいなく〈いじめ社会〉なのです。
4人以上が1人をいじめる
いじめの人数構成比をみてみましょう。これがほとんど例年ひとつのパターンでしかないのです。1人が1人でもなく、2人以上が2人以上でもありません。「4人以上が1人」をいじめるというものが突出して多く、例年半数以上を占めます。昨年は男子が55%、女子が66%、で全体でも62%となりました。ここで、注意しなければいけないのはいじめの対象となる人間が一般的には「1人」だということです。
場所は教室
それからいじめが敢行される場所ですが、これも例年きまって多数を占めるのが「教室」なのです。昨年も男女共に70%を超えていました。続いて「廊下」というのがいわばいじめの〈定番〉です。つまり、生徒にとっては、教室は生活の場であると同時に、いじめが敢行される場所でもあるのです。
2 いじめる側の論理と行動
「なまいき」「なんとなく」「むかついて」
いじめの理由を問うと、いじめる側において例年一般的な理由というのはありません。そのなかで比較的毎年多いのがこの「なまいき」「なんとなく」「むかついて」なのです。昨年のデータでも全体では半数に達しませんが、無視し得ない人数(30%程度)がこの三つを答えていました。
さて「なまいき」なので「むかついて」いじめた、というのは意味として了解可能ですが、「なんとなく」をどのように理解したらよいのでしょうか。文章のデータで補ってみましょう。
《いじめる側のグループのあたまがあいつやっちゃおうと言うとみんなでいじめるって感じ》
《グループの人が別に○○だと思っていなくても、一応Kingの悪口に相づちを打つ》
こうした同調圧力によるいじめを想定してみると「なんとなく」の意味が説明可能となるように思えますね。
いじめ方についての男女差
データからは、全体として半数を超し、一般則といえる項目は、「シカト・無視、仲間はずし、悪口」です。
さらに「かげぐち」が女子で半数を超えるデータであり、「からかう、ものをこわす」が半数には達しないが無視し得ない数の回答がありました。また男子では「からかう」が半数以上にのぼり、「殴る・蹴る、むりやりいやなことをする・かげ口」が半数には達しないものの無視し得ないデータとなっていました。
こうしてみると、男子はいじめ方として直接的、物理的な色彩を現わしているのに対し、女子は、間接的、精神的な形式でいじめていることが認めらます。至極当然な帰結なのですが、記しておきたいと思います。
3 いじめられる側のリアクション
仕返しをしたい、そして学校を休みたい
データの上では必ずしも例年の法則はないが、いじめられる側はいじめの事実を少なくとも先生と親には報告しているようです。昨年のデータでも「親」には全体の半数が報告しており、「先生」にも男子は半数が報告しています。しかし、「誰にも話せなかった」生徒もいじめられた生徒の3分の1を占めていることは注意すべきでしょう。これまでの私の経験では4人に1人から3人に1人程度の幅でこの層が存在しているのです。そして、いじめられた彼らは「仕返しをしたい」と「学校を休みたい」という二つの反応を示してはいるのです。
4 傍観者のリアクション
見てみぬふり、かわいそう
昨年採取したデータによると約70%の生徒が「いじめをみたことがある」と答えています。その内の60%が「見てみぬふり」をしており、全体で44%が「かわいそう」だと答え、39%が「自分とは無関係」だと答えているのです。
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手の動きや、体の動きは不自然に急いでいます。急に顔を上げたり、いじめられている人から顔や体ををそむけたり、その場には全く関係ない話を始めて、不自然に盛り上がったりします。この現象はほんとによくあります。これを客観的にみていると、何か紛らわしているというか、表面に出てこないようにしているというか、複雑な心境になります。そしてその場所を立ち去ったとき、むな苦しさと、何が本当のことなのかがわからなかったことへの妙な探究心「これはいったいなんだろう?」と、疲れとストレスと、その場から抜け出たことへの開放感で大変複雑な気持ちを毎回経験します。学校はこのくりかえしのようなところです。
いじめって何も殴るけるやズボンずらしみたいな見える形のものより、仲間はずれや、しかとの方が圧倒的に多い様な気がします。どれもいじめに変わりはないのですが。安心してその場所に一人でいられない。そういう空気が漂うところは、すでにいじめが発生しているといっていいと思います。自分ひとりがそのターゲットにされると、いつも仲良くしている子でさえ冷たくはなれていきます。
君とは関係ないっ!
て態度を見せながら。そういう子はまたほかのグループにいっていかにも楽しそうに振舞っています。そしてその子はまた気まぐれに、その集団とは別の場所でこちらが一人でいるときなどに近づいてきて話を始めます。いつものように仲良く。この友達?は木村先生がいう、傍観者に当てはまると思いますがどうでしょうか?
■書き込みありがとうございます。さむこさんのコメントをみていると学校はほとんど北朝鮮と変わらない、いえ、よく北朝鮮の報道が、それも強制収容所などの報道がなされますが、どうもそれはほとんど学校社会がミニチュアだからかもしれない、と思わざるを得ないですね。■一体、傍観者とは何かってことです。心ある傍観者って本当に精神衛生上よくないと思いますね。いじめられ経験者さんがお書きになられた変わり身については、また、べつのところで書きましたhttp://blog.goo.ne.jp/kmasaji/e/89cb982ed0544bae0327c27f8f95970dみておいていただければと思います。
■書き込みありがとうございます。お返事が遅れまして、ごめんなさい。■この書き込みだけではほとんど事情がわかりませんが、大丈夫ですか?私にできることがあればできるかぎりご相談にのりたいと思います。