1.3致富が確認される場所
三つ目に次ようなマルクスの記述を考えてみたい。マルクスは『資本論』第2部第1篇第1章「貨幣資本の循環」において、P(生産手段)…P’、G(貨幣)…G’、W(商品)…W’の三つの循環を検証している。その帰結において、次のような指摘をしている。
「他方では、形態P…P’は必ずしもP…P’(P+p)とはならないし、また形態W…W’では一般に両極間に価値の差が認められ . . . 本文を読む
現在、労働価値説は死語である。よほど志操堅固なマルクシストでもないかぎり、経済学者でも労働価値説に依拠して経済理論を組み立てることなどしない。そして、この事態は私たちの通常の生活感覚ともそう大きく乖離するものではない。私たちが労働現場に立って、労働価値説を意識しつつ生活するなどということは考えられない。せいぜい、需要と供給の関係から、あるいは限界効用価値説にしたがって、私たちは自分たちの賃金を考 . . . 本文を読む