森の中の一本の木

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ヨークシャーの切り裂き魔事件~刑事たちの終わらぬ苦悶

2024-02-11 02:29:53 | 海外ドラマ

1月にミステリーチャンネルで見たドラマの感想です。

「切り裂き魔事件」だなんて、この人は本当にこのような怖いサスペンスが好きなんだなと思われても仕方がありません(笑)

確かにその通りですし。

でもこのドラマは、本当にあった事件を基にして、いかに遺族や刑事たちがその犯人に立ち向かったかというかなり社会派的なドラマで見ごたえがありました。

以下はミステリーチャンネルHPのイントロダクションからの抜粋です。

『2023年9月からITVで放送され、“注目に値するドラマは犠牲者に正義を与える(DAILY MAIL)”
“2023年最高のドラマになるであろう(THE i)” と各メディアで絶賛された、1975年から1981年にかけてヨークシャー・リッパーと呼ばれたピーター・サトクリフの事件の捜査を、英国の名優オールスターキャストで映像化した大作ドラマ。
1000人以上の警察官が関与し、逮捕までに膨大な費用と6年という時間を費やしたこの事件により、当時の警察の捜査の質が疑問視され、その後の英国警察の捜査方法に大きな影響を与えた。本作はこの英国犯罪史上最悪の連続殺人事件を描くとともに、被害者の女性達に焦点を当てて描き、THE TIMESから“被害者に敬意を表した犯罪ドラマ”と称賛された。』

ヨークシャーの切り裂き魔事件~刑事たちの終わらぬ苦悶|ミステリーチャンネル ~日本唯一のミステリードラマ専門チャンネル~(旧AXNミステリー) (mystery.co.jp)

 

これは実話かと思うと、けっこう厳しいなと思うことがありました。というのも、上の抜粋にもありますが、『当時の警察の捜査の質が疑問視され』の部分で、かなり痛い人がいたからです。その人のモデルになった人は、今は何を思うのでしょうか。

ミステリーはネタバレなしで感想をと思っています。

そうするとあまり踏み込んだことは書けないわけですが、警察は世間を騒がせている時に乗じた愉快犯などを見抜き、踊らされないことは大切なことだと思いました。

そして思い込みは危険。だけれどそれ以上に危険なのは、せっかく上がってきた情報を、考えもせずに自分の身勝手な思い込みの情報を優先させ投げ捨ててしまった事だと思います。

「偉そうにしているけれど、邪魔だ、お前は。」と、心の中で言いそうになりました。

いや、一人でテレビで見ているドラマなので声に出して言っても良いし、叫んでも良いわけですが、一人でテレビと会話するおばさんと言うのも寂しいような気がするので、眉間にしわを寄せながら、心の中で言っていると言うわけなのです(笑)

 

事件を解決してみれば、何度もその犯人の名前が目撃情報などに挙がって来ていたことが分かります。それを見逃してしまったのが、思い込み。

もしも1年でも早く犯人逮捕が出来ていたならば、その1年で殺されなかった人もいたと思うと、何事も警察での早期解決は大事なことなんだと思いました。

 

またこのドラマは、被害者女性たちを丁寧に描き、それ故にその悲劇が伝わってきます。

ある日、朝になっても帰らぬ母を待って、二人の子供がバス停でずっと母の帰りを待っていました。家にもっと幼い弟たちを残して。

だけどその母は、ほんの目と鼻の先で殺されていたのです。

 

またある女性は、普通の主婦でした。でも家の事業が行き詰まり、また大きな出費が重なって、どうしようもなくなって夫を説得して街に立つようになります。こんなことはすぐに辞めようと思いながら。だけど殺されてしまいます。

警察はそのタイミングで「娼婦殺し」と世間に発表してしまいます。「切り裂き魔」と言えば娼婦ばかりを殺していた、切り裂きジャックを思い浮かべるでしょう。だからと言って、その情報、世間に言う必要はあったでしょうか。

そのニュースを見て、驚きと困惑を隠せない息子なのでした。

 

その後、未遂の事件があっても、被害者は口は堅く閉ざされてしまいます。

なぜなら、そうでないのに「娼婦」とレッテルを張られてしまうからです。

また危ないおとり捜査に婦人警官を使ったりしますが、その警護も完ぺきじゃなかったとか、その時代の女性の生き辛さが伝わってくるのでした。

 

見ごたえがあるドラマでした。

 

 

 

 

 

 


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