「名古屋お出掛け日記、その3」の続きです。
【勇気不足】
その昔、子供だった頃、私は
「旅の恥はかき捨て」と言う言葉の意味を、間違って理解していました。
旅に出たら、いつもの自分とは違う自分を引きずり出し、恥をかくことを怖れず何事にもチャレンジする事。そんな前向きな意味なのかと。
本当の意味は、以下の通り。
旅先では知る人もいないし、長く滞在するわけでもないから、恥をかいてもその場限りのものである。
この意味から私が前向き理解をしても、あながち間違いとは言えなかったかもしれませんが、世間的にはあまり良い時には使いませんよね。
それはともかく、私流「旅の恥はかき捨て」的チャレンジ精神は、常に私に素敵な思い出を作ってくれていたように思います。
でもいつしか私の中のそんなものは、何処かに飛んでいってしまっていたのだと気がついてしまいました。それって若さにも関係があるのかもしれません。
今回もまだ「明治村」でのお話です。
まだなの~、とうんざりした声が聞こえてきそうなので、今回で終了です。
≪監獄体験≫
金沢監獄中央看守所 ↑ です。ここでは監獄体験が出来るんですよ。
この中に入って、神妙な顔をして写真を撮ったり出来るのですよ。
昔の私なら、反政府の思想犯になった気分で権力には屈しないぞと言う顔をして写真を撮ったと思います。
でも、他の見学者を意識してやりませんでした。
≪コスプレ写真館≫
↑ 高田小熊写真館です。私はここでちょっと勘違いをしてしまいました。「明治村」では明治のコスチュームを着て写真が撮れるんですよ。でもそれはここではなくて、安田銀行会津支店内のハイカラ写真館で撮れるのでした。
高校時代にここに来たいと思っていたときには、真っ先にそれをやろうと思っていました。今でもノリの良い友人と来ていたらやったかもしれません。
でも一人では出来ませんでした。恥ずかしくて・・・。
≪十年後の手紙≫
↑「重要文化財宇治山田郵便局」です。
ここでは10年後の自分宛に手紙を書くことが出来ます。10年経ったら「明治村」からその手紙が届く「はあとふるレター」です。
kiriyさんはそういうの好きそう・・
って、思ったでしょ?
そう。少し悩みました。でも書けませんでした。何か怖くて・・・。
13歳だった私は10年後の23歳の私に、迷うことなくそういうものが書けました。その時だって、「私は10年後にちゃんと、この世に生きているかしら。」ぐらいの事は考えました。でも、開封されなかったその手紙を両親が見つけて、大泣きをする事があっても、その手紙は彼らの大切なものになるはずだと思いました。
でも今の家族で、もしも私が既にいないのに、そんな手紙が届いたら・・・
もしかしたら彼らは開封しないかもしれません。
それでも開封されることを考えて、思わず文面が浮かびます。
「アタシ、書けないわ。なんか遺言が入っちゃって。」
ちゃんと私が受け取っても(そちらが大前提ですよ!)、思い浮かべた遺言が入ってしまっている文面では、私が泣いちゃうもの・・・。
という訳でスタコラサッサと逃げました。
でも、家に帰ってお茶などを飲みながら、自分の気持ちを考えてみると、今から10年前だったら、やっぱり私は迷わず書いたなと思いました。子供たちに思いを巡らせても彼らは大学生と社会人なりたてで、
「頑張っているかしら。」と書けば良いのですから。
でも次の10年。
子供たちも30代。私達の親たちは、生きていて欲しいけれどかなり高齢です。そして夫は。そして私は。
かなり大きな10年です。
だから、たとえ今の生活ぶりを面白おかしく書くような内容だったとしても、気楽に書くことが出来なかったのです。それが「何か怖い」の「何か」の正体だったのです。
時々、私は老いていくのは肉体のみでその精神は違うような事を書いていたりしますが、本当は違うのですね。年齢に合わせて、肉体の老いのみではなく、出来なくなってしまう事があるのですよ。
だから今しか出来ない事には、貪欲にチャレンジするべきなんだ。
人生の旅の恥はかき捨て・・・
あなたの失敗なんか、誰も覚えていないですよ。
と、自分へそして誰かに向けてメッセージを書き込んでおきます。
【お気楽&しみじみ観光】
さてと、書くべきことは書いたので、後はお気楽観光ですよ。トップの画像は「重要文化財品川灯台」です。明治の開港の歴史の重みを感じます。しみじみ~
あらっ、これは何↓
明治の裁判風景らしいです。簡易裁判なのかも知れませんが、駅の待合室っぽいですね。その宮津裁判所↓
↓ この黒い建物、何か素敵でしょ。
菊の世酒造です。
↓ それでこれは何処だったかしら?「長崎居留地」かな。明治のトイレがあるところ。正直、見たくなかったかも・・・(汗)
ガイド付だったので、一番丁寧に見たのは芝川又右衛門邸だったかもしれませんが、気がつくと画像なし。
見たところ以外は撮らなかったし、見たところもシャッター切るのに飽きてしまったから撮らなかった写真がたくさん。パンフを見ると、見逃したところが山のよう。
でも、まあいいや。とっても楽しかったから♪
という訳で、「明治村」を3時頃後にして名古屋に帰ってきました。
この日はホテルに行って、もう終わり?
いいえ、まさか。
という訳で「名古屋お出掛け日記、その5」に続きます。