

“星に願いを”と問われれば、クチを閉じる思いの深さ。
全ての後に来るのは祈りでしかなのかと、笹を濡らす雨に目を閉じます。
友の無事、家族の無事。
平穏であることの掛け替えのなさを感じずにはいられません。
また天では例によって、一年に一度の大イベントが展開されようとしていますが、こんな日の夜は傘でもさして出会うのでしょうか?
恋愛の様式もすっかり変わって、天上物語にうっとりしたのも、わたくし達世代と、幼稚園児で終わりなのかも知れませんね。
「あひみての のちの心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり」
小倉百人一首の有名な恋の歌は昭和歌謡まで、脈々と続いていました。
「逢えば別れがこんなに辛い 逢わなきゃ夜がやるせない どうすりゃいいのさ思案橋」
早世の歌手、青江 三奈さんの「長崎ブルース」です。
長崎が雨の似合う町と言われるように、今宵の雨もさて。
天の二人の涙雨と致しましょうか。


扉の向こうに小さな椅子が