「あなた。ホントに秋はまだなのかしら? 同じ行くなら、“秋はまだですか?”なんてタイトルを付けて行きません?」
「いいねぇ~ッ! 君はホントにタイトルを付けるのが上手いね」
なんておだてられて、先週末、決めていたお宿を目指して、鳥取方面に向かうことになりました。
9/4(土) <雨女 なってもいいわ 今日くらい>
一時間半ずつ運転をして、入り組んだ海岸の、とある入り江にある小さな旅館に投宿しました。
今日の宿泊は二組ということで、もう一組の、まったく同年輩のご夫婦と、衝立を隔てて夕食を取ることになりました。
まず夫から口火を切りました。
「どちらから?」
「大阪です」
衝立がじゃまになるほどあれこれ話が弾み、途中から自然と夫婦の会話に分かれましたが、食事を終えられたようで、
「それではお先に」と言って、ご夫妻は先に席を立たれました。
後を覗きますと、ビールが一本。
あれほど仲良く、楽しそうに召し上がっていたのに一本ですか?
わたくしはカラになるたびに厨房に行かされ、
「あの~ もう一本ビールをお願いします」
これを四回繰り返し、「今日はメチャ調子がいいなぁ」と夫が言いました。
<ええ~ッ 五回目も行くの?> ギョッとしましたが、
「よし。今日はこれくらいにしとこ!」とすんなり席を立ちました。
「偉い。あなた!」
何で誉めないといけないのか、わたくしの悪い癖です。
“秋はまだですか?”
ありました。今日見つけた、たったひとつの秋がここに。
<天ぷらに なって出てきた もみじです>
お安い宿ですが、このほかに焼きガニが少々。
9/5(日) <今日もまた なれそうもない 雨女>
車は海岸線を少し西へ。
やって来ました鳥取砂丘。近くの海では波乗り族が、
ノッテケ ノッテケ波遊び
砂丘のラクダも 汗ラクダ! (注・汗だくだ!)
砂丘は広いなぁ 大きなぁ
笑いたくないほど、秋はどこにもありません。
「あなた。だめですね。今日はどこにもありません」
「そうだね」
~間~
「あッ ありました。こんなところに」
「えッ どこ?」
「二人の間(あいだ)に秋風が・・・」
「またぁ。君はホントにジョーダンが上手いんだから」
ジョーダンと本気がよく分からない夫を持って、私は結構 幸せ者かも知れない。
“秋はまだですか?”
ええ まだでした。でも必ず多様な秋が来ますから。
そのことはシニア世代が一番よく知っているはずです。
あの熱い夏が過ぎて、今その秋を実感している私たちですもの。
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