to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

息子の部屋

2010-05-19 23:14:19 | the cinema (マ・ヤ行)
原題 LA STANZA DEL FIGLIO/THE SON'S ROOM
製作年度 2001年
製作国・地域 イタリア
上映時間 99分
脚本 ハイドラン・シュリーフ
監督 ナンニ・モレッティ
出演 ナンニ・モレッティ/ラウラ・モランテ/ジャスミン・トリンカ /シルヴィオ・オルランド/ジュゼッペ・サンフェリーチェ/クラウディア・デラ・セタ/ステファノ・アコルシ/ソフィア・ヴィジリア

第54回 2001年度カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作。
精神科医のジョバンニは、妻パオラ、娘のイレーネ、息子のアンドレアと幸せに暮らしていた。が、ある日、アンドレアが事故で死んでしまう。父ジョバンニは、事故の当日、息子とジョギングの約束をしていながら急患の往診に出てしまい、そのことで自分を責め、仕事もやめてしまう。家族はいつまでも悲嘆に暮れ、いつしかお互いの関係さえも悪化させていく。そんなある日、息子宛に一通の手紙が届く。(allcinema ONLINE)

キャッチコピーは生きているときは、開けてはいけないドアでした。に、
公開当時はかなり惹かれたものでしたが、観にいけないまま何年も忘れていました。
でも、終わってみれば、このキャッチコピーは必ずしも作品の本筋とは余り関係がない。
キャッチコピーで作品を推し量れないってことですね。
ただ、家族の再生の物語ではありました。

イタリア映画は最近はあまり観ていないものの、何気に名作が多い。
バンクーバー五輪で再び火がついたのか、「道」はレンタル中が続いてるし、
私の中で降水量NO1の「ひまわり」、アランドロンの「太陽がいっぱい」ヴィスコンティ「家族の肖像」など
濃い、強烈なインパクトのある作品がけっこうあったけど、
そういう昔の作品に比べると、薄味の作品だともいえるかも。

精神分析医のジョバンニは、妻にも子供たちにも気配りの行き届いた穏やかな性格。
問題のある患者にも丁寧に接するし、息子の僅かな変化にも気づくような…。
息子もまた優しく、ほとんどの場合父の頼みを受け入れるような少年だった―。

それでもアンドレアのアンモナイト疑惑があり、、
テニスの試合での、勝負をしない態度に不安を覚えていたある日、突然息子を失う日がやってきた。

人が壊れていく過程、、、
普通に成長すれば、親は気づくことのない息子の心の部屋を垣間見、
家族が立ち直っていくきっかけを静かに見つめる作品でした。

親はどんな時も子を守りたい。
しかし、親の知らない時間が子供を育てるのもまた事実。
でも、もしもあの時―、もしもこうしていたら―…と、きっと誰も思ってしまうものだろう。

家族がまだ幸せだったある日、車の中で楽しく大合唱してドライブするシーン、
その歌詞が妙に印象的だった、、、

   できたら 笑って
  苦しいけれど
     生きるために
      少しだけ死ぬの.......


できたら 笑って、また明日。。。元には戻れないけどまた笑える日がきっとくる。
      

そういえば、超~長いイタリア映画「輝ける青春」も観てみたいです。


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2 コメント

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ううう・・・ (マリー)
2010-05-20 17:55:12
このタイトルと内容を見て、それだけで泣けてしまう私・・・

最近、手がかからないあまり、ずっと放ったらかしだったチビのこと、よそのお母さんからたくさん聞いて(いいことが多かったからホッですが~)知らないことが多すぎてびっくりしてたとこなんです~。
もし・・・急に私の前から消えたら・・・
後悔しか残らないわ。。。

再生の物語は勇気を与えられるけど~切ないですよね。
イタリア映画って濃い~イメージなので
こういう繊細なストーリー、新鮮ですね。
ご紹介ありがとう♪
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マリーさ~ん* (kira)
2010-05-22 21:24:30
>このタイトルと内容を見て、それだけで泣けてしまう私
ところが、
この作品は、思い切って泣かせてはくれないんですね・・
この、残された家族の痛みを知り、かれらを見守り、
彼らが歩き出すのをみて救われる。

こういう作品を幾ら観ても、
突然の不幸に見舞われたときに役に立つものではないですし、
それが解っていても、リアル子育て中の私たちに
我が子をみる視界の狭さを教えてくれるシーンに出会うと、
真剣にハッとするのです。
親だからといって、子供の全てを知るのは不可能だし、
ある意味では誤解も必要かな~とも思うです

観たい作品が、なかなかレンタルショップにないのですよ~。
「輝ける青春」どこに行けば置いてあるんでしょ
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