to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

マイ・ブルーベリー・ナイツ

2008-03-28 15:49:19 | the cinema (マ・ヤ行)
原題 MY BLUEBERRY NIGHTS
製作年度 2007年
製作国・地域 香港/中国/フランス
上映時間 95分
脚本 ローレンス・ブロック 、ウォン・カーウァイ
監督 ウォン・カーウァイ
出演 ノラ・ジョーンズ/ジュード・ロウ/デヴィッド・ストラザーン/レイチェル・ワイズ/ナタリー・ポートマン

香港の名匠ウォン・カーウァイが、アメリカを舞台に描くロードムービー仕立てのラブストーリー。

恋人の心変わりで失恋したエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、元恋人の家の向かいにあるカフェに出入りするようになる。毎晩、ブルーベリーパイを用意してくれるオーナー、ジェレミー(ジュード・ロウ)と話すことで、徐々に慰められていくエリザベス。しかし、どうしても終わった恋を引きずってしまう彼女は旅に出る決心をする。(シネマトゥデイ)

先ず、エリザベスの失恋自体にリアリティを感じられないから、
失恋したって騒いでる彼女の心の傷があまり伝わってこなかった。
手付かずのブルーベリー・パイを、ただ嗜好の問題だというジェレミーは鍵を捨てられないロマンチスト。
NYで一番美味しいパイの店のオーナーとして働く珍しいジュードの姿が観れる(笑)
そして、いつしか彼の待つものが変わっていくのだが・・・

エリザベスの物語・・・というにはちょっと、という内容。
使われない鍵と、売れ残るブルーベリー・パイ・・・
ニューヨークで待つのが、単なるパイ屋のオヤジでなく、ジュードだったから
この話がラブストーリーになった気がする。

エリザベスがNYを遠く離れて出会った男女との関わりも、なぜ相手がエリザベスだったのか
孤独な勝負師として生きるレスリーとの関わりで何を学んだのか、なぜNYに帰ったのか
その決め手がなかったように思う。

大切な物への扉を開く"鍵"はあっても、
もうその中に大切なものは入ってないかもしれない。
過去にしがみついて時を浪費していても、前には進めない。過去の自分でしかない。

3つのEPにそれぞれ魅力的なキャストが配されていたのが
最後まで飽きさせなかった理由だったのだろう。

個人的には、ただ美しいだけでなく、その演技力、存在感においてさすがのジュード・ロウと
ナタリー・ポートマンが光っていた作品だった

「恋する惑星」でウォン・カーウァイに出会った人にとっては、この作品は感激とまではいかなくても
懐かしさは感じられる、オシャレなタッチの作品ではないかと思う。