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to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

エリザベス:ゴールデン・エイジ

2008-02-21 22:07:22 | the cinema (ア行)
敵は、外にも中にも──そして私の心にも。

原題 ELIZABETH: THE GOLDEN AGE
上映時間 114分
製作国 イギリス/フランス
監督 シェカール・カプール
脚本 ウィリアム・ニコルソン/マイケル・ハースト
音楽 クレイグ・アームストロング/アル・ラーマン
出演 ケイト・ブランシェット/ジェフリー・ラッシュ /クライヴ・オーウェン/リス・エヴァンス/ジョルディ・モリャ/アビー・コーニッシュ/サマンサ・モートン/トム・ホランダー

1585年、エリザベス1世(ケイト・ブランシェット)はプロテスタントの女王としてイギリスを統治していた。だが、欧州全土をカトリックの国にしようと目論むスペイン国王フェリペ2世(ジョルディ・モリャ)は彼女の失脚を画策する。そんな女王の前に、新世界から戻ったばかりの冒険家ローリー卿(クライヴ・オーウェン)が現れ……。(シネマトゥデイ)

歴史は苦手だったけど、前作をDVDで観てから観賞、、の予定でした。
が、レンタル出来ぬままフライング、時間が合ったので観ちゃいました
予告のシーンの迫力から、もちろんスペイン無敵艦隊との戦いにも期待がありました。
でも、キャッチフレーズの通り、多くはエリザベスの"女王"の中に渦巻く様々な葛藤を描いたものになっていました。
劇場の大スクリーンで堪能したい映像美にケイト・ブランシェットの迫力ある女王っぷりは良かったです!

イングランドをも手中に収めようと画策するスペイン国王フェリペ2世と、
幽閉しているにもかかわらず、正統な王位継承権が自分にあると主張するスコットランド女王メアリーの脅威。
カトリック派のしのび寄る脅威にも、備える事も儘ならないイングランドの台所事情。
そんなこんなで、心を石にしての各国大使とのお見合いパーティーや
避けられない女王としての厳しい決断を繰り返す日々・・・、
そんな中、封印していた恋心を呼び覚ます新世界から来た男・・・。ローリーは遥かな遠きところからの使者
抗いながらも心惹かれる、孤独な女王。

ヴァージン・クィーンとしての公務を終え、お気に入りのベスとの女同士の他愛ないお喋りにふとみせる女の顔。
けしかけながらも怒り傷つく誇り高い女の心・・・

女王なんだもの、惚れた男なら「カモン」でベッドに呼び入れてしまえばいいのに、あれっぽっちで我慢するなんて・・
あれっぽっち、、、、
                

アルマダの海戦は期待したよりあっさり描かれていたのは残念だけど
絢爛豪華な衣装にシーンごとに変る髪形、優雅な髪飾り、
ロケに使われたウエストミンスター大聖堂などの歴史的な名所や建造物も一見の価値あり

エリザベスが自ら白馬を操り、甲冑姿で兵の前に立ち士気を煽るところはカッコイイ
そして、ラストシーンのケイト・エリザベスはもう、神々しいです~~


俺たちフィギュアスケーター

2008-01-04 23:13:41 | the cinema (ア行)

原題 BLADES OF GLORY
製作年度 2007年
製作国 アメリカ
上映時間 93分
監督 ウィル・スペック 、ジョシュ・ゴードン
出演 ウィル・フェレル/ジョン・ヘダー/ウィル・アーネット/エイミー・ポーラー/クレイグ・T・ネルソン/ジェナ・フィッシャー/ウィリアム・フィクトナー

マッチョで派手な演出を売りにしているフィギュアスケーターのマイケルズ(ウィル・フェレル)と、繊細(せんさい)なナルシストのマッケルロイ(ジョン・へダー)は世界選手権で同点1位となり、表彰台で大乱闘を繰り広げてしまう。2人は男子シングル部門から永久追放の裁を受けるが、男子ペア部門での復活に望みをかけペアを組みスケートリンクに上がることに……。(シネマトゥデイ)

行ってきました~渋谷シネマGAGA
夕方の回だったけど99%の入りでした!空いていたのは私の前の1席だけだったはず
"我想一個人映画美的女人blog"のmigさんのところで紹介されているのを観て、とっても観たかった作品

↑の画像のコスチュームとふたりの表情でほぼ一目惚れ状態~(笑)
ウワサに違わず面白かった
ウワサ通りのお馬鹿コメディ
ウワサに聞いていたけど、ホントにお下品ネタあり(笑)
でも大丈夫~、思いっきり笑えます!だってみんな一緒(の、はず・・)

サラの「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」で始まるオープニングもステキ

ちびスケーターのマッケルロイイヤ、可愛い~~
大人になっても少女まんがの王子さながらのコスチュームで=3
妙になりきる表情がツボイッキにこのおバカな世界にはいっていけます

ライバル、マイケルズのエロく暴力的なキャラ!
暑苦しさ全開!キモさがおかしいの~SEX依存症だって~(笑)

「北○○」の画も可笑しかったけど、アレ、あんな扱いいいの?って怖さがよぎりましたが、ウケました~
年末からとっても観たかったけど、お正月に気持ちよく笑えるおバカコメディ
お下品エロネタもあるけど、カップルで初笑いにもいいかもネー
とにかく無責任に楽しい、楽しめる、楽しめた~

スコット・ハミルトン、ナンシー・ケリガン、サーシャ・コーエンなど
嘗てのアメリカフィギュア界の人気メダリストが嬉々としてカメオ出演していて
ホンモノだったのにびっくりしました

ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた

2007-12-01 01:51:28 | the cinema (ア行)
2006年に他界した女性監督エイドリアン・シェリーの遺作となった作品。

監督 エイドリアン・シェリー
音楽 アンドリュー・ホランダー
出演 ケリー・ラッセル/ネイサン・フィリオン/シェリル・ハインズ/エイドリアン・シェリー/ジェレミー・シスト/アンディ・グリフィス

南部の田舎町にあるダイナーで働くジェンナ(ケリー・ラッセル)はパイ作りにかけては天才的な腕前を持つウェイトレス。ある日、彼女は嫉妬(しっと)深い夫アール(ジェレミー・シスト)の子どもを妊娠。予想外の妊娠に困惑するジェンナはアールから逃げる計画を立てる一方、産婦人科医のポマター(ネイサン・フィリオン)と不倫関係に陥る。(シネマトゥデイ)

食べた人を幸福感で包み込むようなパイを作るジェンナが、仕事仲間にも同情されるほど不幸な実生活。
アメリカ映画にしか出てこないぐらいの嫉妬深くてどうしようもない男と、ジェンナが、
一体どうして結婚したのか?
そこが知りたかったけど、
回想シーンはママがパイを作りながら歌ってくれた歌にのせて
パイ作りのシーンが流れるのみ。
自分だけが可愛いダメ亭主の子供、、
お金を吸い取られ、時間を奪われ、自由な時間さえない彼女に
マシュマロ・パイが取り持った(赤ちゃんかな?)めくるめく恋・・・
―わたしはずっと幸せじゃなかった―
そういうジェンナを誰でも応援したくなるでしょう

ウエイトレス仲間のドーン(エイドリアン・シェリー)とベッキー(シェリル・ハインズ)の恋も絡めながら
少しずつしたたかに、それぞれが自分なりの幸せを手に入れようとする姿がコミカルに描かれて、なんとなく
頑張ろう、みんな!って思える(笑)
「恋するチョコパイ」は私も食べたい(笑)
ちなみに作品中の沢山のパイの殆どは、ドーン役であり、監督でもあるエイドリアンが
スタッフと作ったものがほとんどだとか。凄い!


エンドロールの最後の方で―今は亡きエイドリアンへ―というクレジットが出て、
また瞼が痛くなりました。。。まだ40歳という若さだったそうです。
ラストに出てくるジェンナの子供は、エイドリアンのお嬢さんだそう・・・。
子供を持つ悦びを描いた作品なのに、、胸が詰まりました。

妹の恋人

2007-11-14 02:11:01 | the cinema (ア行)
原題 BENNY & JOON
制作年度 1993
製作国 アメリカ
上映時間 99分
監督 ジェレマイア・チェチック 
音楽 レイチェル・ポートマン
出演 ジョニー・デップ/メアリー・スチュアート・マスターソン/エイダン・クイン/ジュリアン・ムーア/オリヴァー・プラット/ダン・ヘダヤ

ベニー(エイダン・クイン)とジューン(メアリー・スチュアート・マスターソン)の兄妹は、幼い頃に火事で両親を亡くし二人暮し。
自動車修理工場を経営しながら、神経過敏で精神の安定を欠くジューンをベニーは親のように保護し、この13年を過ごしてきた。
ある日、友人宅でポーカーのカタにサム(ジョニー・デップ)という変わり者の青年を押し付けられ、3人で暮らすことになるが・・・

文字の読み書きができないが、抜群の記憶力を持つという設定から、
ジョニー演じるサムはおそらく軽度の自閉症だと思われる。
一方のジューンは、知性には問題がないが、突如として襲う精神の高ぶりをコントロールできない精神疾患を抱えている。

火遊びの癖のあるジューンの為に雇った家政婦も、次々に辞めてしまい、
周囲はジューンを施設に預けるようベニーに忠告するが、決心がつかずにいる。
そんな時にこの兄妹が一緒に生活をするようになるサム。
一風変わった青年、サムの出現により、ウェイトレスのルーシー(ジュリアン・ムーア)とも親しくなるが・・・

『ギルバート・ブレイク』でジョニーが演じた役まわりを、ここではエイダン・クインが、
自分の幸せを捨て、妹を庇護する兄を好演している。
初めて女性に対して理解を求める時のもどかしさ、
初めて――妹に対して庇護でなく、理解を求められた時の切なさ、、
ある意味で共依存の関係だったのかも・・・無理ないです。。

そして、ここに天使のようなサム。


               

打算のない、純粋な、本能のような優しさで
この兄妹の為に、そうと意識しないで彼等を危機から救う・・・

それにしてもジョニー・デップが素敵です
カフェでの皿芸、パンでのステップ相当な努力あってのことだと思うけど、
いや、もともと器用なのだという気もする。
バスター・キートンに憧れているサムのファッションが可愛い♪
それより可愛いエプロン姿~特にファンでなくてもきっとお気に召します

ベニーの恋人役でちょっと出演のジュリアン・ムーアも素敵な雰囲気で、よかったです

ほのぼのと心があったまる可愛いお話でした

ウィンター・ソング

2007-10-17 03:01:36 | the cinema (ア行)
原題 PERHAPS LOVE/如果・愛
製作年度 2005年
上映時間 109分
監督 ピーター・チャン
出演 金城武/ジョウ・シュン/ジャッキー・チュン/チ・ジニ

女優になる夢をかなえるために、自分を捨てた孫納(ジョウ・シュン)を思い続ける林見東(金城武)。別離から10年後、ミュージカル映画の共演者として再会した林見東と孫納は、映画で演じる男女に自分たちを重ね合わせ始める。一方、孫納の恋人である監督の聶文(ジャッキー・チュン)は彼女の気持ちが自分から離れるのを恐れ……。 (シネマトゥデイ)

10年ぶりに再会した男女の愛の物語を、劇中劇のミュージカルを交えて描くラブストーリー。
監督は『ラヴソング』の名匠ピーター・チャン。

この"ミュージカル"(東洋の)が不安で、なかなか観る気にならなかったというのが正直なところ。
全篇にテレサ・テンの歌が流れた『ラヴソング』はとても好きで、3回ほどレンタルしてきてみたと思う。
今年になって借りようと思ったら、たった1本しかなかったVHSがなくなっていて寂しかった。


映画学院の学生リン・ジェントン(金城)と、空きっ腹の歌手志望のスン・ナー(ジョウ・シュン)が出会ったのは凍てつく北京の街。
貧しかったけど励ましあって、夢に向かって生きていたが、一緒に暮すころにはスン・ナーの夢はハリウッドを目指す女優に・・・
その夢に近づく為に彼女はジェントンを捨てた――

10年後。香港で俳優として成功したジェントンと、大陸で注目を浴びる女優になっているスン・ナーは、
彼女のパートナーで監督のニエ・ウェン(ジャッキー・チュン)のミュージカルで共演することになる。
突然の失恋から立ち直れず、未だにその傷をひきずっているジェントンは、毎夜、不眠に悩まされていた。
二人の間にあったものは本当に愛だったのか―
愛と夢を秤にかけ、愛を捨てたスン・ナーは言う「記憶は忘れる為にある」

苦悩する現在から、ミュージカル仕立ての劇中劇を経て過去の二人へと場面が変わったりで、
なかなか感情移入ができにくかったけど、思ったよりは解かり難くはなかった。
ただ、ジャッキー・チュンを起用したかったからミュージカルなのか、
"あのシーン"を撮りたかったからサーカスなのか、
そういったシーンをなくして、すなおに二人の10年を描いてくれたほうが
ラブストーリーとしては堪能できたと思う。

切ない思いを抱きながら、必死に泣かずに生きて十年後をむかえたレイキウに、涙がこみあげるのを抑えられなかった『ラヴソング』のラストシーン。
それは離れていた年月、荒波に揉まれる二人の姿を観客が見ていたからだ。
そういう意味で、いまひとつ決意の縁切りをしたスン・ナーに感情移入ができなかったのが残念。

嬉しい誤算は、金城君の歌がとっても上手かったこと
甘く、のびのある声が素敵だった
一応、金城武とジョウ・シュンのW主演ということだけど、なんといってもこれは
金城君あっての作品といって良いと思う。
30代になっても少年のような切なさが出せるのは流石だと思うし、
情熱を秘めた孤独な瞳に、過去にとらわれた女々しさと、彼の魅力がいっぱいで
ファンには堪らない1本になったのでは?

ミュージカルが好きでも、香港映画が好きでないとつらいかも知れません。

明日へのチケット

2007-10-06 01:56:13 | the cinema (ア行)
原題 TICKETS
製作年度 2005年
上映時間 110分
監督 エルマンノ・オルミ 、アッバス・キアロスタミ 、ケン・ローチ
出演もしくは声の出演 カルロ・デッレ・ピアーネ 、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ 、シルヴァーナ・ドゥ・サンティス 、フィリッポ・トロジャーノ 、マーティン・コムストン 、ウィリアム・ルアン

テロ対策の警備のため、すべての電車が遅れたことにより騒然とするインスブルック駅を、ローマ行きの急行列車が出発した。仕事相手の企業の秘書(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)に便宜を図ってもらった初老の大学教授(カルロ・デッレ・ピアーネ)は、自分に親切な秘書に心引かれていることに気づく。 (シネマトゥデイ)


オーストリア西部のインスブルック駅を出発するローマに向かう特急列車に乗り合わせた、様々な社会で生きる人々のそれぞれの思いを
3人の監督がリレー形式で繋いでいく人間ドラマ。

出張で来ていた老齢の教授。
飛行機が飛ばず、どうしてもローマに帰る必要がある彼の為に、チケットを手配してくれた顧問をしている企業の秘書に惹かれ、想いを馳せる第一のエピソード。

翌朝イタリアの小さな駅から乗り込んできた、険しい表情の中年女性と不思議な関係の青年が持っていたのは2等のチケット。
1等の車内でふたりが繰り広げる騒動。

セルティックファンの若者3人は、ローマとの準々決勝を観戦するため、なけなしのお金をはたいてチケットを購入、敵地ローマに向かう途中だった。

心地よい眠りに吸い込まれそうな第一のエピソードから、
一転して、眠気を覚ます我が儘で、傍若無人な未亡人が登場し
やれやれと思ったところに、いかにもいそうな無計画で気のいいサッカーファンが登場。
おそらく日本人にはめったにいないその金銭感覚を心配し、ここで初めて物語りに入り込んだ
彼らが差し出すチケットは、正しくあの一家の明日へのチケット
―そしてその行動によって、失うことのなかった彼らの明日へのチケット―

第3のエピソードが一番好きでした。
でも、、、彼らの明後日のチケットも心配になる私でした

アヒルと鴨のコインロッカー

2007-09-28 21:13:44 | the cinema (ア行)
   ちょっとだけ 神様を閉じ込めよう....

製作年度 2006年
上映時間 110分
監督 中村義洋
原作 伊坂幸太郎
脚本 中村義洋 、鈴木謙一
音楽 菊池幸夫
出演 濱田岳/瑛太/関めぐみ/松田龍平/大塚寧々

若手人気作家、伊坂幸太郎の同名小説を映画化。

大学入学のため仙台に引っ越してきた椎名(濱田岳)は、奇妙な隣人の河崎(瑛太)に出会う。初対面だというのに河崎は、同じアパートに住む孤独なブータン人留学生に広辞苑を贈るため、本屋を襲おうと奇妙な計画を持ちかける。そんな話に乗る気などなかった椎名だが、翌日、モデルガンを片手に書店の裏口に立っていた……。 (シネマトゥデイ)

ブロガーさんの間でかなりの方達が高評価していた作品なので、絶対見てみたかった。
気がつけば何処でも夜の上映。。。諦めかけていたけど、ありました!お昼の上映♪
いそいそと久しぶりの六本木まで行き、やっと観れました。

サスペンスだという事は知っていたので、どなたのレビューも観ず、予告も観ないで(最近予告で見せ過ぎが多いし)行って正解!

W主演の2人はホントに上手い。
濱田君はドラマ「平成夫婦茶碗~ドケチの花道」で、健気なお兄ちゃんでよく泣かされました(笑)
あまり大きくなってない気がしたけど、相変わらず飲み込んだ演技をする人。
瑛太もEITAのころから上手い。
デビュー作の「さよなら、小津先生」「リモート(蒼井優ちゃんとゲスト)」と、ドラマは殆どを観ていると思うけど、
いつも安定した演技で安心して観ていられる。


東京から初めて親元を離れた椎名の、一人暮らしにウキウキの大学生活への期待と緊張がコミカルに描かれ
いかにも怪しい瑛太の河崎が登場する。
この最初の2人の会話にもなっていない会話、やがて、あ・行っちゃうのね、、みたいな本屋襲撃にも
細かに伏線が張られていて見逃せない。

地方の学生街の雰囲気がボブ・ディランの「風に吹かれて」と、小心な平和主義者の椎名のキャラで、
どこか懐かしい70~80年代テイストから、
ミステリアスな「ペットショップの店長」の出現で雲行きが変わり、次第にサスペンスな展開になっていく後半。
たぶん、、もしかしたら、、はきっとあたっていても、惹き込まれます。

自分の信念に真直ぐで、見てみぬ振りが出来ない琴美が出した軟らかい答え"神様に目隠し"に
まるで母親のような対応だと思ったのは私だけでしょうか?
私たち日本人に時としてつきつけられる、いくつかの問題。
非常時にどう行動を起こせるか・・・などと自問しながらラストまできました。

ふとした事で係わり、親しくなった椎名とカワサキ。
帰京する椎名が残した「風に吹かれて」は、いつまで、どこまで聞こえるんだろう?

    The answer, my friend, is blowin' the wind.
       The answer is blowin' in the wind....

エンドロールが終って、場内が明るくなるまで誰も席を立ちませんでした。(満員でした。)
悲しい余韻もたしかにあって、それはつまり、自分は大人としてちゃんと生きてるかな?とか、
そういう少し後ろめたいような悲しさですが、
彼らの"神さま"は、椎名の後姿にも一人になったドルジにも、観客に向かっても歌い続けているんですね。
そこに救いを感じられました....
初めて行った窮屈な映画館だったけど、観れてよかったです

藍色夏恋

2007-08-23 02:53:00 | the cinema (ア行)
原題 BLUE GATE CROSSING/藍色大門
製作年度 2002年 台湾・フランス映画
上映時間 84分
監督 イー・ツーイェン
出演 チェン・ボーリン/グイ・ルンメイ/リャン・シューホイ

17歳の高校生モンは、恥ずかしがり屋の親友ユエチェンに頼まれて、彼女がひそかに想いを寄せるハンサムな男のコ、チャン・シーハオ(チェン・ボーリン)にラブレターを届ける。
ところがチャンは、モンこそ自分に恋する張本人だと勘違いしてしまう。
モンはそれをぶっきらぼうに否定するが、
チャンはユエチェンではなくモンに好意を抱き追いかけるようになる。
けれどもモンには人には言えない秘密があり……

親友の恋―放課後の体育館―夜のプール―自転車での帰り道―
ラクガキ―そして、誰にも言えない秘密・・・
「今」を楽しみながらも漠然とした不安を抱え、傷つき易かったけれども夢もみていた、あの頃・・・

親友の恋の橋渡しをきっかけに、モンに新しい夏が訪れ、
天真爛漫なチャン・シーハオと関わりを持っていく。
恋人と呼ぶにはまだ幼く、純粋でぎこちない―

少し前までの日本にもみられた風景・・・
キラキラと眩しい、
どこか懐かしい青春映画です

夏風を受けて街の緑の中を疾走する2台の自転車
誰もがふとそこに"あの夏"の自分をみつけるでしょう

こういう、高校生がメインの作品だと、いつもならつい母親目線でみてるのに
今回はそうじゃない。そうならなかった。
なぜか教室にも居た
自転車で駆け抜ける彼らに吹く風だった
爽やかに駆け抜けていくふたりの姿が小さくなった時、
わけも無く泪が・・・

だれにでも訪れた"あの夏"に返りたくなる、、そんな作品かもしれません


               

おまけ http://news.brokore.com/content_UTF/Read.jsp?num=4728
今年のソニーウォークマンの「ふたりの5年後」という設定のCMがみれます。

イルマーレ

2007-05-19 23:34:30 | the cinema (ア行)
原題 THE LAKE HOUSE
製作 2006年 アメリカ
監督 アレハンドロ・アグレスティ
製作総指揮 メアリー・マクラグレン
脚本 デヴィッド・オーバーン
音楽 レイチェル・ポートマン
出演 キアヌ・リーヴス/サンドラ・ブロック/ショーレ・アグダシュルー/クリストファー・プラマー/エボン・モス=バクラック

同名の韓国映画をハリウッドでリメイクした純愛ラブストーリー。主人公の男女を演じるのは、『スピード』以来の共演を果たしたキアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロック。

2006年、シカゴの病院で働くことになった女性医師ケイト(サンドラ・ブロック)は、湖岸に立つ一軒家からシカゴ市内に引っ越す際、郵便受けに次の住人へのメッセージを残す。後日返事を受け取るものの、それは2004年を生きる建築家の青年アレックス(キアヌ・リーヴス)からの手紙だった。

仕事に忙殺されるだけの医師としての日々。ケイトは孤独を抱えていた。
家族を省みなかった父と和解できず、自分の生き方に迷いをかかえていたアレックス。
最初は現実逃避だったかも知れない、2年の時の狭間を行き交う手紙が
いつしかお互いの慰めになり、心が通い合う。

同じ本を読み、同じ街を歩き、同じ犬と暮らし・・・、会いたさを募らせる。しかし、
ケイトの明日は、アレックスの2年後―
2年の時を越えて初めて運命を感じた相手と、二人は会うことが出来るのか。
それは何時?

約束の"イルマーレ" から、クライマックス~ラストまでが良く出来た脚本だった
なるほど~そうきたのねっていう人は「韓国版」をご覧になった方でしょう。
リメイクとしては、かなりシナリオ的には良かったと思います。ただ・・・
サンドラはこの役、あまり似あってなかったと思ったのは、私だけ?
しかも、研修終えたばかりにしては年齢が高過ぎな気が・・・
なので、ストーリーは良かったのに、会えないもどかしさや胸に迫る切なさとかが感じられず、、
ハリウッド的には、この年齢じゃないとラブストーリーはいけないのかな~と思ってしまいました。
(興行的に。。)

韓国版「イルマーレ」は、主人公のふたりが若かった事もあり、
また、素敵なロケーッションが印象的で私としては感動できたので、
ちょっと大人のハリウッド版に、より期待があったのかも知れませんね。
それとも、映画館での観賞だとまた印象も違っていたのでしょうか.....


イン・ハー・シューズ

2007-05-14 16:50:21 | the cinema (ア行)
原題 IN HER SHOES
製作年度 2005年 アメリカ
監督 カーティス・ハンソン
原作 ジェニファー・ウェイナー
出演 キャメロン・ディアス/トニ・コレット/シャーリー・マクレーン/マーク・フォイアスタイン/ブルック・スミス

抜群の容姿を持ちながら、難読症のマギー(キャメロン・ディアス)は内面に自信が無く
弁護士で成功しているものの姉のローズ(トニ・コレット)は容姿にコンプレックスを持つ。ふたりの幸せ探しの物語。

30を目前にして難読症に加え、計算も苦手なマギーは、男にたかってぶらぶらしていたが、ある夜ついに実家を追い出される。
姉のアパートに転がり込み、留守中に姉のコレクションの靴を勝手に履いたり、お金を拝借したり。
ついには姉の恋人まで拝借・・・そこに帰ってくるローズ
妹と恋人に裏切られ、ふたりを追い出すローズは、仕事への意欲をうしなう。

追い出されて行き場の無いマギーは、父の書斎に隠してあった古い手紙を頼りに
フロリダに住む祖母のエラ(シャーリー・マクレーン)のもとへ・・・
突然孫に押しかけられたエラもまた、2人の母親である娘の死に自責の念を持って長年いきていた。
傷ついたローズは、マギーの置き土産の犬の散歩をきっかけに、元弁護士仲間や友人に見守られながら、少しずつ傷を癒していく。
エラの勧めでケア施設の手伝いをするマギーにも、新たな出会いが彼女の内面に影響を与えようとしていた・・・

近くに居ても解からないこと。
愛していても、愚かしいことをしてしまう事。
幼くして母親を亡くした、コインの裏と表のような姉妹が、
こころを曝け出し、ぶつかって・・・そして離れる事によって見つけられる心地よいもの。

他人を認め、素直になる事。許すこと・・・
これって幸せの法則なのかな~と感じたステキな作品でした

ちょっぴり私の苦手系のキャメロンも、なかなか良かった。
自信が無い為によろめき傷つき、傷つけ、惨めなマギーを好演してました

人生ってうまくいかない、なんなのよーって感じた時でも
最後はきっと、すこしだけ明日の自分に自信がもてるかも



オール・ザ・キングスメン

2007-04-20 14:54:35 | the cinema (ア行)
          
            善は、悪からも生まれる。
製作年度 2006
製作国・地域 アメリカ
監督 スティーヴン・ザイリアン
音楽 ジェームズ・ホーナー
出演 ショーン・ペン/ジュード・ロウ/アンソニー・ホプキンス/ケイト・ウィンスレット/マーク・ラファロ/パトリシア・クラークソン

1949年、ルイジアナ州メーソン市を舞台に、
のちに時の大統領から“最も危険な男”と言われた、叩き上げの政治家ウィリー・スターク(ショーン・ペン)と、彼に興味を惹かれる上流階級出身のジャーナリスト、ジャック・バーデン(ジュード・ロウ)の物語。

群の出納官で実直だったウィリーは、不正糾弾を契機として州知事への当選を見事果たすが、やがて彼自身も汚職やわいろなどに手を染め始める。
一方のジャックは、貧しい民衆を前に堂々たる演説のウィリーに興味をもち記事にするが、結果的に後押しをすることになり、裕福層を敵にしたとしてクロニクル紙を辞めることに・・・。

ショーン・ペンの演技は、観る者を飽きさせない。
民衆を魅了するカリスマ的政治家の顔。だらしなく女を見つめる一人の好色家の顔。激昂する下品な策略家の顔。
長台詞でまくしたてるシーンの連続なのだが、その迫力は凄い!

しかし、この映画はジュード・ロウの目線で語られていくので、とにかく彼がカッコイイ
壁にもたれて立っていても、ベッドにひっくり返っていても、なにもしゃべらずニヤついていても(笑)
初恋のアン(ケイト・ウィンスレット)との関係ではハッキリしないヘタレなのに、二人のシーンはひと頃のフランス映画のような素敵な雰囲気がある
彼の名づけ親の判事(アンソニー・ホプキンス)とのシーンでは可愛い~とさえ思う(笑)

とくに後半部分は、ジャックを取り巻く人間関係を中心にドラマが展開され、その複雑さを理解しようと字幕を追っていくので
真ん中、後ろ寄りの席だったにも拘らず、首の辺りが疲れてしまった。

とはいえ、政治に終始しているだけではなく、人間ドラマとしての見ごたえも十分の作品だといえるのではないかと思う。
嵐のように人を巻き込みながら、自らも飲み込まれ溺れていくタイプの男。
常にその傍らにいながら、傍観者でいられると思いつつも協力していく抗えない男。
育った環境も性格も信念も、全く違うこの二人の出会い―それは本人だけでなく、周りの人達の人生も影響を受ける・・・

結局、失った物の大きさに比べ、ジャックの得たものは何だったのか―
ひとは自分の人生の傍観者にはなれない、という事ではないか・・・。

イルマーレ「韓国版」

2007-04-09 01:58:53 | the cinema (ア行)
海辺に建つ一軒家に備え付けられた郵便受けを媒介に、2年の時を隔てて存在する男女が手紙を交換し愛を育んでいくロマンチック・ラブ・ストーリー。

製作 2001年 韓国
監督 イ・ヒョンスン
音楽 キム・ヒョンチョル
出演 イ・ジョンジェ/チョン・ジヒョン/チョ・スンヨン/ ミン・ユンジェ

原題「IL MARE」はイタリア語で”海”
新築の海辺の家に引っ越してきた日に『イルマーレ』と名づけたソンヒョン(イ・ジョンジェ)は
夜になって郵便受けに消印の無い手紙をみつける。
恋人からの連絡が途切れたままこの家から引っ越していったウンジュ(チョン・ジヒョン)が、次の入居者に残したものだったが、「私はあなたの前の住人です」で始まる手紙の「イルマーレでの幸運を祈って 1999年12月21日」という文面に驚く。
なぜなら、自分が最初の入居者であり、今日名づけたばかりの家だったから・・・
そしてソンヒョンは1997年12月に生きていた。

桟橋の先にある、海の上に立つ家。桟橋を挟むようにしてクラシックな郵便受けと一本の木。柔らかな陽ざし・・・
どこかヨーロッパの島かと思える、プロローグの色彩が素敵

遠距離恋愛の心もとない日々の果てに、恋人を失い、
時の彼方からの優しい便りに、知らず知らずのうちにお互いを思いやる心から、求める恋心へ変わっていく。
  ウンジュ役のチョン・ジヒョンは、この作品が「猟奇的な彼女」「デイジー」より前の出演らしかったけど
  この役が一番似合っているのかも。
  でも、なぜか同じような役が多い気がする。前向きじゃない女の子の役?

建築家を目指す学生のソンヒョンは、7歳の時に父に捨てられた事で孤独の影を引きずっていたが、手紙を交わすうちに誰にも言えなかったその思いをうちあける。
そして彼女によって癒され、会いたいと思うようになる。
  けっして美男と言うほどではないこの若い俳優、韓国ではとても人気が高いとか。
  清潔感のある笑顔がとてもいい。
  ことさらに男らしさ、強さを強調しない、自然な一途さを感じさせる演出も良かった。
  どうしても韓国映画には、そういうオーバーな(過激な?)演出があって引き気味になるのだけれど
  これはそういう意味では韓国映画らしくない作品だと思う。

済洲島の美しい浜辺、
パスタでワイン
人間みたいな可愛いコーラちゃん
黄昏の中のイルマーレ
  とにかく素敵なシーンが随所にあって、二人の切ないラブストーリーを盛り上げます。

  散歩道でのミレニアムワインとか、コーラちゃんの事とか、
  今回も突っ込みはナシってことで、素敵なラブストーリーを楽しみました

ウォーク・ザ・ライン~君につづく道

2007-03-23 00:52:43 | the cinema (ア行)
1950年代、アメリカ。ジョニー(ホアキン・フェニックス)はレコード会社で飛び込みのオーディションを受け、合格する。妻子を残し全米ツアーに出た彼は、憧れのカントリー歌手、ジュ-ン・カーター(リース・ウィザースプーン)と運命的に出会うが……。 (シネマトゥデイ

1950年代のカリスマスター、ジョニー・キャッシュの成功と挫折、そしてそこからの復活をとげ、運命の愛に辿りつくまでの人生を描いたもの。

少年時代に心の支えだった兄を事故で失い、その時に父親から浴びせられた言葉で深く傷つけられる。
事故の前の兄弟のセリフから兄は弟を庇い、弟は兄を崇拝し慕っている様子が短く語られ
「お兄ちゃんはイイ子だね」という少年ジョニー。
お兄ちゃんはイイ子で、僕は悪い子・・・兄の事故死がなくてもこの父と子の関係はどこかで狂いが出てきたかも知れないと思わせる、家庭内での雰囲気。
この家族の母の存在感のなさに少し驚いた。
いつの時代でも母はその家庭でこどもを孤立させてはいけないと思う。

自分の存在に罪悪感を持ったまま結婚。そして開かれる音楽への道。
音楽で自分を表現しようとするジョニーを理解しようとしない妻。音楽をやっていても傷を引きずったままのジョニー。
そんな時に憧れのジューンと出会い、お互いに惹かれていくが・・・

何度か登場したガラス瓶の砕けるシーン。ガラスのような危うさと、黒の衣装で自信と反骨精神に満ちた男らしさの両面をホアキンが見事に演じていて、惹きこまれました。
薬とアルコールに溺れ、全てを失った彼が、ひたすら求めてやまないジューンの存在。
歩き続け、彼女の名を呼ぶその姿が、私には、捨てられた子供が母親を求めているように見えました。
「今はまだ、その時期じゃない」
ジューンが長いことキャッシュの求愛を受け入れなかったのは、彼の依存性の強い性格を分っていたから・・・。

貝合わせの貝のようにぴったりの二人。
お互いの魂が求め合っているのに、こんなに長い年月が必要だったのは、それだけ彼の心の傷が深く時間が必要だったのだろう。
そしていつも黒い服に包まれた彼の孤独なこころの灯となったジューンの強い精神力に感動
40回めのプロポーズ!愛していながら拒み続ける・・凄い愛です。素敵な女性です
心の痛みも、音楽も共有できる友達のような存在であり、
彼の母親に欠けていた強い母性をも感じさせて、ほんとうに好いパートナーとの出会いだったのですね。

少年期のシーンがあまりにも可哀想で、半分ぐらい母親目線で観てしまいましたが
最後・・・彼女の後を追うように亡くなったという、どこまでも羨ましいラブストーリーでした

「うつせみ」

2007-03-20 01:46:33 | the cinema (ア行)
テソク(ジェヒ)は留守宅に侵入し、住人が戻るまでの間そこで暮らすという奇妙な犯罪の常習犯。ある日いつものように豪邸に忍び込んだが、その一部始終をその家の主婦ソナ(イ・スンヨン)が物陰から見つめていて……。 (シネマトゥデイ)

製作・・・・・2004年 韓国
脚本:監督・・キム・ギドク
出演・・・・・イ・スンヨン/ジェヒ

ドロドロ、不気味、血みどろ、これ見よがしな泣きのシーンが苦手で
韓国映画を観に行かなくなってしまったが、これはタイトルからずっと惹かれていた。
うつせみ....ぬけがら
笑っちゃうぐらいタイトル付けにセンスが感じられない韓国映画の中で、原題「空き家」を「うつせみ」にしたのが素晴しい

劇中、ひと言もセリフが無いテソク(ジェヒ)。
不法侵入を繰り返す犯罪者ではあるが、いわゆる悪人ではない。
無断で食材で調理し食事をするが、後片付けもするし洗濯もする。壊れた時計やヘルスメーターは直して去る。
そんな彼の日常に運命のように出会うソナ(イ・スンヨン)も終盤まで全くセリフが無い。
浴室で一人声を上げて泣き、電話口で吠えるように叫ぶシーンだけ。
終始言葉を投げつけてくる夫との間に無言で入り込んできたテソクと自由の旅に出る傷つき疲れ切った女を、全身で表現している。

二人はまるで密林の中を羽音もなく、もつれあってただよう蝶のように静かに町を漂う
そして引き裂かれて、待ち焦がれた再会のあと彼女は言うのだ
「愛してる」「食べて」.....

お互いに名前さえしらず惹かれあい、やっと手に入れた幸せ・・・
本当はいろいろと突っ込みどころもあったけど、これはそのまま不思議ワールドの殉愛をみつめたい。
最後に流れるテロップ「・・・私たちは現実と幻想の際(きわ)で生きている」も自然と受け入れてしまう1時間半だった。

「同じ月を見ている」―DVD

2007-03-16 23:43:54 | the cinema (ア行)
なんとなく、今上映中の映画に惹かれなくてレンタルしてきました。

製作 2005年
原作 土田世紀
脚本 森淳一
音楽 藤原いくろう
出演 窪塚洋介/エディソン・チャン/黒木メイサ/山本太郎/松尾スズキ/岸田今日子/モロ師岡/水川あさみ

10歳の時に出会った恋人・エミ(黒木メイサ)の病を治したい一心で医者の道を歩む青年・熊川鉄矢(窪塚洋介)。ある日エミの父親を死に至らしめた山火事事件の犯人・ドン(エディソン・チャン)が刑務所から脱走する。

鉄矢と心臓病を煩うエミ、不思議な能力を持つドンの3人は、それぞれが心に傷をもちながら少年時代の思い出を紡いでいく。
精神的なひ弱さからイジメにあっていた鉄矢が、思春期に入りその弱さの為に歪んでいき、そこから悲劇が始まる・・・

原作は知らなかったけど、ドンが車の後部座席から送る視線で、この時点でほぼストーリーが読めてしまい
そのまま最後まで予想通りの展開、結末でしたが良かったです

過去の不甲斐ない自分に怯え、追い詰められていく鉄矢・・・窪塚くんはとても繊細に演じていました
セリフが極端に少なく、ほとんどが眼に訴えるシーンの連続でも、エディソン・チャンの演技は素晴しかった
特筆すべきはチンピラ役の山本太郎の演技!もともと器用な役者さんだと思っていたけど、この映画は彼無しでは成り立たなかったかも

思い通りにいかない事の連続でも
理不尽な事に腹が立っても
見上げる空に月はいて・・・それをどこかで見ている誰かがいる。。。
人生は不条理で、時に残酷だし、不平等なことも多いけど、
真昼の月も宵の月も、見上げる人全てに等しくそこにある・・けど
ちょっと悲しいラスト....やっぱ映画館で観たかったかも

先日お亡くなりになった女優の岸田今日子さんが出演されていました。彼女がかもし出す雰囲気がとても好きでした。
ご冥福をお祈りします。