きんぴらにっき 

ジュリーと猫と日々のこと・・

日本映画専門チャンネルにて「土を喰らう十二か月」

2024-02-19 23:50:39 | 土を喰らう十二カ月

気温はあたたかめ(この時期にしてはだいぶ高め!)だけど時折ものすごい風が吹きすさんだ本日。

早くも春の嵐でしょうか。

 

先週は月曜に続いて、さらに金曜にも川越スカラ座を訪れました。

この日「鈴木清順大正三部作」日替わり上映最終日。

この企画、スカラ座は初日「夢二」で幕を開け、最終日「夢二」で幕を閉じました。

初日は行かれなかったけど千秋楽はぜひ~!ってことでまた行ってしまった。

日を開けずに鑑賞したので、さすがに今回は「え!こんなシーンがあったなんて・・!」は、ないでしょう~と思っていたんだけど、

「わこんな色っぽい表情してましたっけ?」というのがあったりして。

やはり見るたび発見のある不思議な映画。いや、やっぱり私の記憶力の問題かもしれないけど~、見るたび新鮮というのはめっちゃお得感あり!なのでよいかな?

 

ってことで、今週末はさすがにお出かけもせずおとなしくおうちで過ごしておりましたが、この日曜日にはキネマ旬報ベストテンの表彰式があったようですね。

そうかー。

「土を喰らう十二か月」でジュリーが主演男優賞を獲ってからもう1年経ってしまったのね。早いなぁー。

1月に毎日新聞映画コンクールでの男優主演賞授賞の発表があり、そのキネ旬の主演男優賞も受賞し・・んまぁー嬉しかったよね~

あのころどんだけ劇場に通って見たことか。

と、そんなことを思い出していた日曜の夜、CSの日本映画専門チャンネルの日曜邦画劇場で「土を喰らう十二か月」が放送されておりました。

今回は日曜邦画劇場支配人の軽部真一さんが本編前後に解説するというのが気になって録画予約。(解説がつくのは日曜夜21時の枠の時だけらしい)

どんなふうに語ってくださったのか?と言いますと~・・

まずはいきなりジュリーの話で始まりました!

 

沢田研二さん・・ジュリーが出演した映画と言いますと、当劇場でもお届けした「太陽を盗んだ男」をはじめ、「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」、森田芳光監督の「ときめきに死す」、鈴木清順監督の「夢二」。

最近では志村けんさんの代役で出演した「キネマの神様」と、傑作・話題作がたくさんあります。

そんなキャリアの長い沢田研二さんですが、今夜お楽しみいただく映画で「キネマ旬報ベストテン」で主演男優賞を受賞。

これが初めての授賞でした。一体どんな円熟の演技を見せてくれるんでしょうか。

 

と、まぁこんな感じで。

あとは作品のあらすじ、原案が水上勉の料理エッセイであると紹介し、「ひとり身のツトムと四季折々の自然が対話する静かでぬくもりのある物語です」とまとめてから、あらためて役者の紹介。

 

ツトムを演じるのは沢田研二さん。「キネマの神様」での志村けんさんの代役が話題となりましたが、その作品より以前からこの撮影には入っていました。

スターの華やかさはあえて消して、しみじみとした男のありのままの姿を見せています。

 

   他の役者さん、監督の紹介があって、

長野県白馬に50年近く放置されていた屋敷を修復して1年半にわたって撮影されました。

それではごゆっくりお楽しみください。

 

ってことで本編に入りまして。

まぁさらっとはしてたけど、ジュリーについての解説が明らかにたくさん。

映画の解説で一人の俳優さんについてこんなに語るっていうのは珍しいような気がします。

で、本編終了後。こちらは結構長尺。

 

いかがでしたか?

里山に一人で暮らす主人公。そう聞くと、偏屈な変わり者、かっこいいスローライフ、オーガニックな意識高い系を思い浮かべてしまいますが、ツトムの日常はまさに地に足の着いた飾り気のないものでした。

映画の前半はひたすら旬のものをいただくシーンが続きます。食欲をそそる映像と音がほんとに堪らなかったですねぇ。

お米を研ぐ。

 

竈にくべた薪がぱちぱちと爆ぜる。

おこげをはがす、お櫃によそう。

漬物を噛む。

ツトムが作るのは精進料理をもとにした飾り気のない料理でしたが、そのどれもが美味しそうなこと。

それもそのはず、NHK今日の料理でも有名な土井善晴さんが料理から盛り付ける器、台所のセットの作りまで徹底的にこだわったんだそうです。

目と耳が美味しさと豊かさに満たされる作品でした。

しかし、後半になると心筋梗塞で倒れたところから急展開します。ツトムに老いが近づき、死と直面する心境も描かれていきます。

眠りに入るたびに、そっと『みなさんさようなら』とつぶやく、沢田研二さんの演じるツトムの生々しさが見ている私たちの心をぎゅっとつかみました。

沢田研二さんはこの映画の中では、派手な格好、かっこいい仕草は一切していません。

しかし、夕暮れに一人佇むだけで、そこはかとなく漂う微かな色気を放っていました。

中江裕司監督は、原作者の水上勉さんは大変女性にもてる色気のある男だった、それを演じるのは沢田さんしかいない、とキャスティングしたんだそうです。

 

と、こんな感じのあと真知子とツトムの関係性、「ふたりで筍を料理して一緒に食べるシーンはツトムと真知子のラブシーンと思って撮った」という監督の話とか。

奈良岡さんの遺作となったことなども話されて。いろんなシーンとストーリー、その解釈など、映像交えて5分近く語ってます。

そして最後にもう一度ジュリー!

 

さて、沢田研二さんと言えば還暦記念として6時間にわたるコンサートを東京ドームで開催。それから10年以上経過していますが、現在でもコンサートは続けていて精力的に活動しています。

そのスターが、一人暮らしの男を演じることでジュリーにしか出せない深み、奥行き、滋味が漂ったのかもしれません。

 

歌手活動にも触れてくれました

さいアリのことは言及しなかったのが残念ではありますが。オトナの事情とかあるのかしら。

しかし、さすが軽部さん!随所にジュリーへの愛とリスペクトを感じる語り口を感じました。

 

名支配人軽部さん、ありがとうございましたー

 

 

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