木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

歩蘭来(フランク)

2010年03月16日 00時00分05秒 | food
このところ食い物の話題ばかりで恐縮ですが、日曜日に21年度最後の手話通訳者研修会があって、その協力員打ち合わせ30分前に飛び込んだ洋食屋さん。

写真は、フランクハンバーグセット1100円。デミグラスソース。
ボリュームもあってとっても美味しかったです。サラダ、ライス、味噌汁付きなんですが、特に味噌汁が美味しかったのが印象に残っています。もちろん反バークが一番美味しかったですけど。

■歩蘭来TASTE(ふらんく ていすと)
 水戸市吉沢町33-5
 029-247-9972

研修会はまた別に書こうと思っているのですが、士協会が昔作った医療場面の手話通訳ビデオを見ての研修会でした。
個人的に引っかかったのは、「声を出しながら通訳するのがルール」という部分。
その理由は、何と訳しているのか医師にもわかるように「声を出しながら手話通訳する」とのことなんですが、わかるような不自然なような・・。
これって「二兎を追う者は一兎をも得ず」にならないんでしょうか。
当然、対象となるろう者によるのでしょうが・・・声に出しながら、つまり日本語対応手話なわけで、日本語通りに手と口を動かして理解できる聴覚障害者なら、問題ないでしょう。

けれども、そもそも「声を出す」必要が生じるようなシチュエーションっていうのは、「日本語が苦手」なろう者に向かって手話通訳者が「翻訳」した部分が問題になるのではないでしょうか。それを声を出しながらの日本語対応手話になったら「日本語の苦手な」ろう者に理解できるのでしょうか。
結局「簡単な日本語に言い換えて日本語対応手話で通訳」とならざるを得ないのでしょうか。

そのろう者の持ってる日本手話にできるだけ近づける努力をした手話(当然口型は手話口型)で通訳してこそ「通じる」可能性が高まる気がするし、ろう者も安心して理解し言いたいことを言えるような気がするのですが、「オマエの日本手話の力で医者の発言内容を正確に伝えられるのか?」と言われればそれもできないだろうし・・・。ホント難しいです。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」というもう一つの意味は「簡単な日本語に言い換えて」声を出すことが医者にとってどういう意味があるのだろうか?ということに引っかかるという点です。それは単に手話通訳者の医療分野の理解力・持ってる知識が医者にばれるだけで、ろう患者に対する理解促進にはつながらない気がします。結局「簡単な日本語さえわからないろう者」というバイアスを医者に植え付けるだけの効果しかないのではないかとさえ思ってしまう。そして「こんな簡単な日本語にして通訳しているのにこのろう者はわかってくれないんですよ、悪いのはろう者で手話通訳者である私は精一杯努力しているんです。」というメッセージを医者に発信し、手話通訳者を免罪しているに過ぎないのじゃないだろうか。

などとまたたいした経験もないのに偉そうに書いてしまった。
こうした実践的な課題に「評論家はいらない」でしたね。反省反省。

それとビデオに出てきたろう者が湿布薬(「サロンパス」?)のことを「人が走っているポーズ」で手話表現した部分があったのですが、けっこう研修参加者の笑いを取っていました。
あそこは笑うところなのかなぁ~と・・・。ろう者独特の手話表現を大切にしようというメッセージが研修参加者にちゃんと伝わっていたのかなぁ~などとまたまた偉そうに思う私でした。
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3 コメント

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Unknown (Meg)
2010-03-16 01:30:55
うちの地域は、ろう高齢者が多く、それも手話を母語とする方がほとんどです。通訳の現場は色々な状況がありますが、私の場合、自分の現場での様子を振り返ってみれば、常に医師に分かるように声を出しているわけではないけれど、やっぱり、その場の状況に合わせて声と手話と一緒に出している時が多いようです。
ただ、その時は、手話の文法にそった語順の日本語になっている気がします。それは音声日本語としては不完全だと思いますが、何のために声を出すかというと、自分の訳し方がそれでよいのか、という事を医師に確認してもらいたい面が強いので、あえてそうしています。
実際、時折、あっそうではなくて、という言葉が医師から返ってくることも多々あり、さらに、ではどういう言い方が正しくて、対象の聞こえない人に伝わるのか、という医師と通訳者の共同の仕事がそこにある気がします。また、通訳者が声をだして、こんな風に訳しているという事が分かって医師が安心しているというような面もあるようです。
ただ、医師の性格、聞こえない方、手話通訳者に対する理解、知識があるない、なので、現場は全く違うし、一概にこうだ!とは言えないとは思いますが・・・。
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手話の文法にそった語順 (kinoco)
2010-03-19 23:17:30
コメントありがとうございます。
手話で話そうとするとたまに声として出る「日本語」だけでは「日本語になってない」(声を聞いても分からない)ところがネックのような気がします。
逆に声を聞いただけでお医者さんなどに通じるのであれば、それはそれで音声日本語に引っ張られた手話であって、そのあたりのバランスが大切なんでしょうねぇ。
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Unknown (Meg)
2010-03-20 00:21:26
そうですね、色々な意味でバランスは大切で、それはかなり難しいことだと思います。だからこそ、日々一つ一つの現場を大事にし、そして自らの研修、研鑽が必要不可欠なのだと思います。昨年度で既に1600件を超える区登録通訳者への通訳派遣のある我が地域は高齢化、重複障害化が進み、複雑な背景をもった通訳依頼が増加傾向です。派遣センターとも契約しているので、より複雑なケースは連携し、通訳の選択の自由もありますが、ろう高齢者の依頼は地元の区の登録通訳者に対しての方が多いのです。(派遣センターへの依頼は年間600件位)それだけに、その期待にこたえるためにも、もっともっと学習しなければならない、と思っています。
そういう意味でこの「木のつぶやき」ブログはとっても勉強になります。ありがとうございます。
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