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木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

全国ろうあ者大会in島根報告02_佐賀大会事前PRの携帯ストラップ

2010年06月09日 22時36分16秒 | sign language
全国ろうあ者大会in島根報告第一弾は次回佐賀大会の携帯ストラップ。大会オリジナルではないですがなかなか素敵ですよ。
「佐賀県内の障害者団体と佐賀県が協労して企画デザインしたものです。身体障害者への理解を『オレンジ』で、知的・精神障害者への理解を『シルバー』で表現しています。また、『パズル柄』は自閉症への理解を、『ハートマーク』は難病への理解を示しています。そして、歩く姿にも似た形は、障害者への理解を”一歩進めたい”という気持ちを表しています。」
 との解説が付いています。

全国ろうあ者大会in島根報告01_やってきました! 第58回全国ろうあ者大会in島根(メイン会場)

2010年06月05日 17時50分29秒 | sign language
やってきました島根県松江市!
第58回全国ろうあ者大会in島根だぁ~。快晴です。日差しが強くて暑いです。
とりあえずメイン会場の島根県民会館へ。
書籍の販売や福祉機器の展示を見て回りました。
今回はあんまり知った人に会いませんが、東京都日野市のTさんに会えました。
朝9時に出雲空港に到着、いったんバスで出雲市駅へ。なぜならあの一畑電車に乗るためです。

駅でスタンプラリー用のパンフレットももらったんですが、これが映画「RAILWAYS」バージョンでめっちゃ素敵! 映画の写真もふんだんに掲載されているのです。これを持ってまずは出雲市駅改札口隣のスタンプをペタっ!

次は「出雲そば」です。事前に調べてきたお店は出雲大社駅の近くだったので、とりあえず駅そばでもいいから食べよう!と思って発車時間20分前に駆け込んだ駅ビルの「出雲そば 黒崎」さん。割子そば660円を注文。

そうしたら何と隣のテーブルに東京・世田谷のN理事が! 彼も一畑電車に乗るためにわざわざこの駅まで来たそうですが、ちゃんと事前調べがしてあっていったん出雲大社駅まで行って、それから松江まで乗るそうです。
私は行き当たりばったりなのですでに松江宍道湖温泉駅までの切符770円を買ってしまっていました。残念!
一畑電車は楽しかったです。宍道湖に沿って線路が走っているので「宍道湖、広いなぁ~」って実感できます。

松江に到着して目指したのは松江城ではなく「カフェレストラン ゆずり葉」。京町商店街の中にあって映画「ゆずり葉」と同じ名前だからというので、是非行ってみようと思ったわけです。おしゃれなお店でランチもデザートも美味しかったですよ。

お昼休憩もできたのでいよいろ第58回全国ろうあ者大会in島根会場へやってきたわけです。
これから二日間、気合い入れて参加するぞ~!

国立情報学研究所市民講座・影浦 峡先生講演会

2010年06月03日 23時07分16秒 | sign language
国立情報学研究所市民講座を聴いてきました。
講師は、影浦 峡さん(東京大学教授)
タイトルは「多言語世界の扉を開く翻訳技術 ―人間の翻訳と機械の翻訳は何が違うのか?―」
講演概要には、「コンピュータはどこまで人間の言葉を翻訳できるのでしょうか?
先端技術を用いた機械翻訳の具体例を紹介しながら、機械翻訳の背景にある考え方と人間の翻訳との違いや共通性、そして人間がより良く翻訳するためのアイディアをご紹介します。」とのことでしたが、めっちゃ面白い講演でした。
今日の講演はいずれ同研究所ホームページの「市民講座アーカイブ」のコーナーから講義映像(オンデマンドストリーミング配信)として見ることができるようになるそうです。それだけでも凄いですよね!さすが「情報学研究所」!
私が今日の講演で一番感激したのは、
(1)「翻訳とは、欠落を補うためのメカニズムではなく、人間の潜在的な能力を引き出すため環境を整えること」=多言語バリアフリーなんだというポイントでした。
そもそも最初から
(2)X文Y訳(英文和訳など)は言語に関わる行為だが、翻訳はいささかも言語に関わる行為ではない。心をどう扱うかという行為なのだ。
などと過激なことを話されるのです。そもそも「言語」ってのは「日本語」って誰も見たことがないでしょ?とおっしゃる。翻訳の対象となるのは「言語」じゃなくて「言語で表されたもの=言語表現」「テクスト」なんだって!明快ですよねぇ~。そうなんだよ和文英訳(日本語文手話訳)じゃダメなんだよなぁ~そこが難しいのだ。手話通訳も「(音声日本語で話された)何を言いたいか」を対象者に「そういうことを言いたいんだ」と(視覚言語的に?)納得してもらうことなんですよねぇ~。
中盤は「機械翻訳」のお話。機械が困るのは(a)「太った山本さんの猫」と言った場合に太っているのは山本さんか猫かという判断、とか構文だけでは区別できないような次の文
(b)He went to the bank and got the money.
He went to the bank and picked up morels.
(前者は「銀行でお金を下ろす」後者は「土手でアマガサダケを採る」)などが紹介されました。
(3)機械翻訳は「言語」(言語学)に関わるプロセスだけど、翻訳は①聞き手の属性(中学生、小学生、研究者、翻訳のプロ、日本語を母語としない方)に合わせることができるし、そもそも②「言語表現」は歴史的、社会的な存在なのだ。ここんところは図もあったんですが難しくて、「翻訳」っていうのは、原テクストを語彙や文法規則や用例にそって対象言語のテクストに置き換えることじゃなくて、原テクストの位置に対応した位置を翻訳テクストに与える行為なんだぜ!
いいかえると「翻訳」とは、翻訳した文書の歴史的社会的な位置を定める意志決定であり、「機械翻訳」は単なる「言語の計算」に過ぎないとのこと。そうしたら日本語対応手話による手話通訳も「言語の計算」に過ぎないって言えるのかも!などと考えてしまった。
さらに後半はすごかったです。
(4)翻訳ってのは結局は、コミュニケーションの原理に関わる問題であって、翻訳対象側に翻訳文書を位置づける既往文書群がない場合は、個別的には(注)を付けるしかなく、全体としては「未来に向かってゆっくりと時間をかけて慣れていくこと。それによって文化は混ざり合う」のですよ!
私の説明ではわかりにくいだろうけど、ろう文化と聴文化ってちゃんと翻訳できるんだけど、お互いの文化に対する理解が今はまだ浅くて(注)が必要ですよねぇ~。
確かに、ろう文化(日本手話)にあって聴文化にない日本語(日本手話の概念)が、これまでテキスト化されてこなかった(手話教本に載ってない)ことが、今の手話学習者の「手話コミュニケーション力の低迷(いつまでたってもろうの手話が読めない)」の根本原因ですよねぇ~なんてことに思い至りました。もっと(注)が必要だったんですね。でも手話のテキストは日本手話→日本語という流れと逆な(日本語をいかに対応的に手話に置き換えるか)って視点から作られてきたからなぁ~。
最後は「機械翻訳」に未来やいかに?って話になって、
(5)人間と機械(インターネット翻訳エンジンなど)が協力し合うことによって人間が(消費者・商品としてでなく)参加者として、ゆっくりと将来に向けてコミュニケーションを成立させることが大切なんだというお話でした。そのために影浦先生たちは「みんなの翻訳」というサイトを立ち上げているそうです。
ホントに面白い講演でした。家に帰って早速影浦先生の『子どもと話す 言葉ってなに?』をAmazonで注文しちゃいました。
子どもと話す 言葉ってなに?
影浦 峡
現代企画室

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【追記】
人の講演の受け売りでまた調子のいいことを書くのですが、私たちの手話通訳は「機械翻訳」レベルで終わってないか?大きく自省する必要があると感じました。また、先日木村晴美さんのブログで提起された「No.158 ■日本語対応手話で話す聴者への素朴な疑問」のことも思い出しました。それは日本語対応手話が問題だという以上に「日本手話を話すろう者(文化)が眼前にいるにも関わらず日本語対応手話で『分かってもらえたつもり』になってしまう(なぜなら自分の声は聞こえているから、自分も聴者も分かってしまう、そしてろう者のみ分からないと言うことから(無視してるつもりはないだろうけど)意識をそらして(はぐらかせて)しまっているという状況に陥ってないだろうか。
 木村さんは私たちに問いかける「改めて伺いたい、あなたはその日本語対応手話がろう者に伝わっていると思って使い続けているのだろうか。」
 機械翻訳の特徴は「相手がどんな人か(小学生か中学生か研究者か非ネイティブかなど)に関わらず一つの翻訳しか出せない。」とのこと。もっと言語バリアフリーな意識を研ぎ澄まさなければならないと思う。
【追記2】
この市民講座にはPC要筆と手話通訳が付いていましたが、最初に出てきた手話通訳の女の子は講演者の「早口(かつ音響の関係で聞き取りにくそうだった)」「難解な(初めて聞く)テーマ・内容」そして「ユーモアのある語り口(まじめな話をしているかと思いきやふとジョークが混ざってる)」にかなり苦労されていました。何人かろう者が参加しておられたようですが、字幕付きの手話通訳は辛いですよね。「辛い」って手話通訳者にとって針のむしろだという意味ですが・・。ろう者の立場から見たら・・見るに忍びない?あるいは怒りさえ通り越しちゃう・・なのかな?

第58回全国ろうあ者大会in島根 開会!

2010年06月03日 00時24分10秒 | sign language
ついに第58回全国ろうあ者大会in島根が開会しました。
山陰中央新報の記事はこちら
私も去年のお礼というのも変ですが、全国大会開催の苦労を知ってる身として島根の皆さんのがんばりをこの目で確かめねば!と土曜6月5日から島根県松江市へ行く予定です。今年は「労働」の研究分科会に参加予定です。
6日(日)は式典・アトラクション。帰ってきてからいろいろ報告することになっているので、デジカメ+簡易ビデオカメラ(vado)なんかも用意してできるだけ映像として持って帰ってきたいと思っています。
大会ブログに書いてあったのですが、来年59回大会は佐賀県なんですねぇ~。
そして再来年は60回記念大会ということで京都なんだそうです。
昨日、手話サークルで教わりました。

「祇園」と「筑波」の手話

2010年06月02日 00時55分38秒 | sign language
このところ火曜日は以前に住んでいた地域の手話サークルに顔を出しています。
今日は全体学習ということで京都出身のTさんが「東京の手話と京都の手話の違い」を教えてくれました。
私は「一志」で正油ラーメン食べてて1時間近く遅刻してしまったので、最後の方だけでしたが、ざっと・・・
(1)ウーロン茶(龍のひげ)
(2)服部(洋服のえり(「服部」は呉服屋だったらしいですが)
(3)プロ
(4)ベテラン
(5)スポーツ
(6)焼酎(煮る)
(7)興味(ひっかかる)
(8)弁護士(おしゃべり)
(9)橋(親指付き)
(10)道(東西南北に横切る)
(11)祇園(ぎおん)(首をはねる)
(12)河原町(かわらまち)(メガネを上げる?)
(13)清水寺(きよみずでら)(山の頂上)
(14)西
(15)上京区(かみきょうく)・下京区(しもきょうく)
(16)西京区
(17)当たり前 cf「当然」
(18)もうすぐ
(19)なかなか
などを「東京手話」と「京都手話」、それぞれで表してもらいました。
皆さん、表現し分けられますか?

「祇園」は昔処刑場があった場所とのことで、『首をはねる仕草』で表すそうです。私は”その手話どっかで教わったなぁ~”と会場にいる間は思い出せなかったんですが確か「筑波」だったように思います。(「筑波」は二本指だったかなぁ~)
そういえば京都の手話地名には「その地域に昔住んでいたろう者の特徴をそのまま表現したものが多い」とのこと、面白いですねぇ~。

 そういえば「木村晴美さん」が近頃書いた文章のタイトルは、
「No.158  ■日本語対応手話で話す聴者への素朴な疑問」とのことでした。
 今日の手話サークルでも「声による私語」が多くてちょっと残念でした。
(最後の一行寝ぼけていて書き間違えました。もちろん「声による私語」も気になったのですが、それ以上に報告の手話が日本語対応で、隣りに座っていたろうの女の子がいちいちOHPで内容を確認していたのが気になりました。
 それでさらに思い出したのが、前回だったか読み取りの学習で野沢克哉さんの講演ビデオの読み取りをやったんですがビデオが暗く口話が読めなくてお手上げ!というのがありました。)

手話で裁判員制度を解説したDVD(兵庫)

2010年05月03日 00時03分39秒 | sign language
ちょっと古い記事ですが、連休ということで古いメールの整理をしていて気がつきました。こういうDVDが全国にあると良いですよねぇ~。

神戸新聞より
裁判員制度、手話で説明 聴覚障害者センターがDVD

 聴覚障害者に裁判員制度について理解を深めてもらおうと、県立聴覚障害者情報センター(神戸市灘区岸地通1)は、制度の概要を手話で説明したDVDを作った。自身も耳の不自由な同センターの嘉田眞典所長(44)は「DVDを見て、裁判員になることに前向きになってもらえたらうれしい」と話す。

 同センターによると、裁判用語は専門性が高く、文章を読むより手話の方が理解しやすいという聴覚障害者も少なくないという。そこで同センターは昨年夏、手話で制度を説明するDVDを作ろうと、神戸地裁に協力を要請し、DVD2本を完成させた。

 1本目は、聴覚障害者の手話での質問を受けた神戸地裁の裁判官が、手話通訳者を介して制度を説明。裁判員裁判で使う法廷や評議室の映像も流れる。

 2本目は、聴覚障害者が裁判員候補者名簿に記載されたと想定。同センター職員と相談しながら手続きを進める様子などを演じている。

 聴覚障害者の裁判員裁判への参加については、録音テープでの立証が必要な公判では参加が難しいことや、裁判用語に精通した手話通訳士が少ないことなどが指摘されている。

 嘉田さんは「課題は多いが、まず聴覚障害者がきちんと制度を理解することが大切。選ばれたときに、裁判員としてきちんと役割を果たせるようにしたい」と話している。

 DVDは、無料で借りられる。問い合わせは同センターTEL078・805・4175(三島大一郎)(2010/01/13 09:15)

手話通訳者だったら・・・

2010年03月22日 09時32分38秒 | sign language
 裁判員裁判における「通訳」の難しさを痛感する記事をアサヒ・コムで見かけた。
 この事件の概要を読んで私はすぐに「メルボルン事件」を思い出した。でも、むしろ「ニック・ベイカー事件」(日本手話通訳士協会が出している手話通訳士ブックレット9「司法通訳の意義と通訳人の心得」(講師 水野真紀子さん)に掲載)に近いタイプの事件かもしれない。
 ■参考1「ニック・ベイカー事件に関する日本通訳学会の見解
 ■参考2「日本通訳学会ホームページ
 ■参考3「日本通訳翻訳学会ホームページ」(スミマセン、「日本通訳学会」は、現在「日本通訳翻訳学会」となっていました。)
 今話題になっている「裁判員」裁判における通訳の問題と、今回の「被告人」に対する通訳の問題は異なるのかもしれないが、「誤訳」という問題に対する「通訳人」への社会の関心が高まり、その責任が問われる時代になっていることを痛感した。
 さきに紹介したブックレットの27ページには「問題の所在」として4点指摘されている。
(1)被告人の話す英語の特徴があまりにも日本人の通訳には対処できないような難しい発音の英語であったこと。
(2)通訳人の資質、能力にも問題があったこと。
(3)通訳人の選任体制の不備。
そして最後に
(4)意思疎通の成否の確認方法というのが甘かった、ほとんどされていないまま終わっていた。 
 当たり前だけど、どれも手話通訳における課題にも当てはまる。特に4番目の「意思疎通の成否の確認方法が甘かった」という点は、司法通訳の特殊性を踏まえた事前研修で少しでもカバーできる問題と思う。

 それから「誤訳」そのものももちろん重要な課題だけれど、私はむしろ水野さんらによる「鑑定」が「誤訳」の問題を指摘したことに注目した。
 手話通訳者の世界でもこうした「鑑定=相互検証」というシステムと、それに併せて「誤訳」という指摘を受けた時の「手話通訳者の身分保障」の問題を予め整理し、何らかの制度を整備しておかなければ、通訳の引き受け手がいなくなくなってしまうのではないだろうかと感じた。
asahi.com 2010年3月21日21時17分より>
裁判員裁判で通訳ミス多数 専門家鑑定 長文は6割以上

 大阪地裁で昨年11月にあった覚せい剤密輸事件の裁判員裁判で、司法通訳人2人が外国人被告の発言を英語から日本語に訳した際に、「誤訳」や「訳し漏れ」が多数あったと専門家が鑑定したことがわかった。長文に及ぶ発言では全体の60%以上になると指摘している。被告の弁護人は「裁判員らの判断に影響を与えた可能性が高い」とし、審理を地裁に差し戻すよう控訴審で求める。

 この被告はドイツ国籍の女性ガルスパハ・ベニース被告(54)。知人女性らから依頼され、報酬目当てで覚せい剤約3キロをドイツから関西空港に運んだとして、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)の罪に問われ、懲役9年、罰金350万円の判決を受けた。

 南アフリカ生まれの被告は英語が母語であることから、地裁は男女2人の英語の司法通訳人を選任。2人は交代で通訳にあたった。被告は法廷で「違法な薬物を運んでいるという認識はなかった」と無罪を主張したが、判決は「罪を免れるための虚偽」と判断し、容疑を認めた捜査段階の供述のほうが信用できるとして実刑を導いた。

 控訴審から弁護人になった渡辺●修(ぎしゅう、●は「豈」の右に「頁」)弁護士(大阪弁護士会)は今年2月、通訳内容を検証するため、司法通訳人の活動実績もある金城学院大文学部の水野真木子教授(通訳論)に、地裁が2日間の審理の過程をすべて録音したDVDの鑑定を依頼した。

 その結果、主語と述語がそろった文を二つ以上含む被告の発言の65%(61件中40件)で、意味を取り違える「誤訳」や、訳の一部が欠落する「訳し漏れ」があったとした。「はい」「いいえ」といった一言のやりとりを除く短い発言を含めると、通訳ミスは全体の34%(152件中52件)でみられたという。

 水野教授は、鑑定書で「通訳人は発言内容を十分理解していない」と指摘。裁判員らの心証形成に影響を与えた可能性が大きいと結論づけた。

 鑑定によると、たとえば、被告人質問で弁護人から「結果として覚せい剤を持ち込んでしまったことへの思い」を問われた際、被告は「I felt very bad」と答えたが、男性通訳人は「非常に深く反省しています」と訳した。水野教授は「心や気力が砕かれた状態をいう表現で、反省の弁ではない」と指摘する。

 また、覚せい剤が入っていたスーツケースに知人女性が白い結晶入りの袋を詰めるのを見たと話していた被告が、検察官の質問に「nothing done with the suitcase」と述べた部分を、女性通訳人が「スーツケースには何の細工もされていなかった」とせずに、「スーツケースは空だった」と訳したのも文脈からすれば誤り、としている。

 渡辺弁護士は「無罪主張の被告が急に反省の弁を述べたり、虚偽の説明をしたりしたように受け止められた恐れがある。被告が適正な裁判を受ける憲法上の権利を侵害されたのは明らかだ」と話す。

 一方、法廷での通訳を長年務めてきたという担当通訳人の男性は取材に「通訳人2人のチームで臨み、最善を尽くした。裁判員と裁判官は、すべての証拠を総合的に判断したと理解している」と話している。大阪地裁の広報担当者は「個別の裁判に関してはコメントしない」としている。(阪本輝昭)

8月20日(金)から22日(日)は『第43回全国手話通訳問題研究集会in埼玉』です。

2010年03月19日 01時50分53秒 | sign language
全国集会三連発の最後は、全通研埼玉集会です。
今年の夏の集会は埼玉県熊谷市の立正大学を中心に行われるとのことです。
ホームページのフラッシュ画像がすごいです!
22年度は県通研の役員に手を上げているので、もちろん埼玉集会も参加します!ってお金が続くのかな・・・ちょっと自信ないかも。借金してでも参加するぞぉ~!

22年度の「NHKみんなの手話」は期待が持てる?!

2010年03月19日 01時00分32秒 | sign language
3月25日、来週の木曜日に発売される「NHKみんなの手話」のテキストの紹介がNHK出版のホームページに掲載されています。来年は早瀬憲太郎さんがメイン講師なんですね。久しぶりの「ろうメイン講師」復活じゃないでしょうか?
テキストの内容も一新されるようです(当たり前ですけど・・)。4月の会話は「いろいろなものを手話で表してみよう」で、第1回は「大きさや重さを表そう-このくらいの大きさ」とのこと。これってCLをやるのかな? 22年度の「NHKみんなの手話」はとっても期待できそうです。4月4日(日)開講です。私も早速テキストを買って、テレビ録画の準備もして、頑張って勉強したいと思います。
<もくじ>
4月の会話「いろいろなものを手話で表してみよう」
 第1回 4/ 4&10「大きさや重さを表そう-このくらいの大きさ」
 第2回 4/11&17「ものの特徴を表そう-アパートを探しに」
 第3回 4/18&24「指や手を人に見立てて表そう-会社の面接に」
 第4回 4/25& 1「表す位置が大切です-かばんの中に」
5月の会話「手話の特徴について考えてみよう」
 第5回 5/ 2& 8「同じ日本語でも手話は変わります」
 第6回 5/ 9/15「どのくらいの量か表そう-たくさん入りそう」
 第7回 5/16&22「いろいろな動作を表してみよう-テレビを探しに」
 第8回 5/23&29「主語が変わると向きも変わります-どれに決めた?」
 第9回 5/30& 5「否定の表現を覚えよう-何も決まらない」
6月の会話「感情の表現を覚えよう」
 第10回 6/ 6&12「いろいろな感情を表してみよう-いらいらする」
 第11回 6/13&19「気持ちを表してみよう-おもしろくない」
 第12回 6/20&26「素直に心を伝えてみよう-ごめんなさい。それで?」
 第13回 6/27& 3「受け答えも大切です-いいね~。きっと喜ぶ」


 いかがですか?テキストの構成もずいぶんこれまでと違いますよね。さすが教育者の早瀬さん。とっても楽しみです。
 ちなみに「出演 今井絵理子さん」とのことです。22年度の「NHKみんなの手話」はきっと人気出ると思いますよ。手話を学ぶ人が一人でも増えてくださるのはとっても嬉しいことですね。みんなに宣伝しよう!
 そうだ早瀬さんの講演を頼もう!タイトルは「NHKみんなの手話-制作裏話」で決まりですね!
NHK「みんなの手話」ホームページ

読売新聞10月13日(火)夕刊記事より「医療通訳」普及進まず

2009年10月13日 23時31分37秒 | sign language
10月13日(火)の読売新聞夕刊に医療通訳の現状についての記事が載りました。手話通訳者の組織もこうした組織と有機的なつながりが持てるといいですよね。

「医療通訳」普及進まず
民間団体の育成頼み

 日本語が不自由な外国人が医療機関で受診する際に、医師との意思疎通を助けるのが医療通訳だ。日本で暮らす外国人の増加とともにニーズも高まっているが、なかなか普及が進まない。(飯田祐子、写真も)

■ポルトガル語を通訳
 「何か、ほかに気になることはありますか?」。愛知県西尾市の診療所「山田産婦人科」を、子宮がん検診のために訪れたブラジル人女性に、日本人の医師が語りかけた。「いま34歳で、出産経験がありません。来年、出産したいと考えているのですが、何か検査を受けておいた方がいいですか?」という質問に、「今のところは、特に検査などは必要ありませんよ」と答えると、女性はほっとした表情でうなずいた。
 日本語、ポルトガル語の会話を取り持っていたのは、医療通訳の鈴木マーガレッチ若子さん(47)。ブラジル育ちの日系3世で、日本語とポルトガル語、スペイン語を使いこなす。
 同市周辺には、日系ブラジル人を中心に、自動車部品などの製造業で働く若い外国人が数多く住んでいる。鈴木さんが同診療所で最初の医療通訳として働き始めた16年前は、外国人の出産は年に数人だった。医療通訳の存在が知られるようになると、他県からも訪れるようになり、昨年は150人ほどの外国人が出産。現在は、4人の医療通訳が、英語、ベトナム語にも対応している。
 先月末、長男を出産したブラジル出身のハラ・セレステ・カオルさん(27)は、「初めての出産で分からないことばかりだったが、鈴木さんが分娩(ぶんべん)にも付き添い、『赤ちゃんの頭が見えてきたから、あと少し』などとポルトガル語で状況を説明してくれたので、パニックに陥らずに済んだ」と話す。

■理解と支援が課題
 「言葉の壁」は、誤診や医療事故にもつながりかねず、通訳によって診療がスムーズになれば、医師の負担も軽減される。日本で暮らす外国人は220万人を超え(2008年末現在)、医療通訳の必要性は増す一方だ。
 医療通訳を求める声に応じ、NPO法人「多言語社会リソースかながわ」(横浜市)は、神奈川県などと協力し、10言語の医療通訳を医療機関に派遣している。京都市などでも、自治体と民間団体による派遣事業が行われているほか、病院が職員やボランティアとして採用するケースもあるが、まだ少数派だ。
 公的な資格制度はなく、人材育成には、民間団体などが独自に取り組んでいる。鈴木さんは、「専門用語や医療倫理、各国の文化など、幅広い知識が必要だが、研さんは、ほとんど自主努力に任されている。患者から金銭面の相談を受けるなど、対処に困ることが起きても、周囲の理解が乏しく、一人で悩んでしまう人も少なくない」と、支援の必要性を訴える。
 今年2月には、医療関係者や民間団体のメンバーらが、初の全国組織となる「医療通訳士協議会」を設立した。会長の中村安秀・大阪大教授(国際保健学)は、「医療通訳は高い専門性を求められ、人命にかかわる責任を負う。その役割をボランティアのみで担うのは難しい。報酬と身分を保障し、プロフェッショナルを育成する必要がある」と話している。

◇NPO法人「AMDA国際医療情報センター」(センター東京(電)03・5285・8088、センター関西(電)06・4395・0555)では、電話による医療通訳を7言語(関西は4言語)で実施しているほか、外国語が通じる医療機関の紹介も行っている。

◇NPO法人「多言語社会リソースかながわ」((電)045・314・3368)http://mickanagawa.web.fc2.com/

◇医療通訳士協議会 http://jami.hus.osaka-u.ac.jp/

(2009年10月13日 読売新聞)