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木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

今村彩子さん講演会(8月3日(火)夜・三茶)

2010年07月28日 23時10分55秒 | sign language
映像作家 今村彩子さんの講演会があります。
日時;2010年8月3日(火)19:00~21:00
会場;東京都世田谷区「三軒茶屋区民集会所
(東京都世田谷区太子堂2-17-6三軒茶屋駅徒歩3分)
手話サークルたんぽぽの定例会での講演です。
テーマ「映画で共に生きる社会を」

AEDの手話表現

2010年07月28日 00時01分40秒 | sign language
今日はAED(ウィキペディアの解説によれば「自動体外式除細動器(じどうたいがいしきじょさいどうき、Automated External Defibrillator)は、心室細動の際に機器が自動的に解析を行い、必要に応じて電気的なショック(除細動)を与え、心臓の働きを戻すことを試みる医療機器。」とのこと)の使い方を勉強しました。
前半は、救急関連用語の手話表現を考えました。
1.救急救命
2.心肺蘇生
3.人工呼吸
4.応急手当
5.回復体位(かいふくたいい)
6.胸骨圧迫
7.電極パッド
8.AED
9.気道確保
10.電気ショック

用語の文字面(もじづら)を伝えることを重視して漢字はできるだけ漢字単位にそのまま表現するのが「伝わる」のか?
あるいは用語の意味するところをかみ砕いて説明すべきなのかいろいろ意見が出ました。
5番の「回復体位」なんてのは、漢字を見ただけではさっぱり意味がつかめませんが、そうかといって身振りで伝えるのも困難(なんせ「(意識がなく)寝てる」状態を立ったまま伝えなきゃいけないですから)で、結局若いろう者は「文字通り」=戻る/身体/指文字「い」と手話通訳者がやっていたと教えてくれました。
そういえば「AED」は新しい手話として日本手話研究所のホームページに動画が載ってました。
書籍では、「新しい手話2009」に掲載されています
後半は、実際に(というかAEDの模型を使って)「AEDを使用した心肺蘇生」を実習しました。
こういうことって何度やってもすぐ忘れてしまうので、今日はなかなか良かったです。
■人工呼吸2回→胸骨圧迫30回をAEDが到着するまで繰り返して続けるのだ!
「第一発見者がろう者だったら『誰か救急車を呼んでください』とか『あなたはAEDを持ってきてください』て頼めない場合も起きると思うがどう対処したらいいのか?」なんて鋭い質問も出ていました。
ちなみに「心肺蘇生法委員会」なんてサイトもありました。

全国ろうあ者大会in島根報告18_総集編(上)

2010年07月21日 18時20分49秒 | sign language
楽しかった島根大会からあっという間に1ヶ月半経ってしまいました。
お土産(自分のため)とかもまだ整理できてなかったので、ここで「総集編」としてまとめたいと思います。(ってクドイっ!?)

01_やってきました! 第58回全国ろうあ者大会in島根(メイン会場)
この記事は、土曜日の夜に宿泊先のホテルで書いたんですが一つ忘れていたのが、レストラン「ゆずり葉」に置いてあった「ミニ手話講座テキスト」。
こんな風に街を挙げてろうあ者大会を盛り上げようという気持ちが伝わってきて、松江に着いたそうそう感激しておりました。


02_佐賀大会事前PRの携帯ストラップ
全国大会に参加するにはそれだけでも参加費やら旅費やら宿泊代とかかなりお金がかかるわけですが、実は全国各地で作っている書籍とかDVDとか買い集めるための軍資金も必要なんでホント大変です。
でもやっぱり地元ではなかなか得られない貴重な情報も得られるので可能な限り買い集めてきます。
今回はまずこれ「あいちの手話」。私は愛知県豊田市の出身なので、とりあえずこれは買わねば!と思いました。販売員のお兄ちゃんに「僕も豊田出身なんだ!」と話したけどリアクション薄くてちょっと悲しかった。


ホントにいろんなグッズとか書籍とかDVDとかあってどれも欲しかったんですが、そうもいかずに会場を2周して厳選して買ってきたのが、まず今年3月に発行された「能登半島地震2007.3.25聴覚障害者支援活動を考える」(社会福祉法人 石川県聴覚障害者協会)。
震災被害と言えば兵庫県聴覚障害者協会からも「DVD版 阪神・淡路大震災」というのが出ていましたが、地方の震災対応ということで参考になる部分が多いのではないかというのと、私が勝手に尊敬する手話通訳士・門倉さんがいらっしゃる石川県ということでこっちにしました。まだ全然読めてないのでちょっと気が引けますが、そのまま通研の学習会テキストになりそうな報告集ではないかと見ています。「読書会」やってもいいくらい。
もう一つは「防災サイン」というDVD。これは山口県防府市(ほうふし)聴覚障害者災害対策協議会の制作。分科会のパネリストだった手話通訳士・梅田晶子さんが山口県で活動されていたから良いDVDではないかという何とも意味不明な理由で買ってきました。


03_研究分科会「労働」報告01
1.労働分科会は久しぶり(研究分科会の過去4年間開催経過)
ここからしばらくは労働分科会の記述がまじめに続くのでタイトルのみ並べます。

04_研究分科会「労働」報告02
2.なぜ今「労働」分科会なのか?

05_研究分科会「労働」報告03基調講演
3.講師は、なんと労組代表!
 ・障害者権利条約
   第2条  定義
   第27条 労働及び雇用

06_研究分科会「労働」報告04世界各国の考え方
4.各国における「合理的配慮」の考え方

07_研究分科会「労働」報告05国内での議論(取り組み)
(1)労働政策審議会障害者雇用部会「中間整理」

08_研究分科会「労働」報告 06障がい者制度改革推進本部
(2)内閣府「障がい者制度改革推進本部」第一次意見

09_研究分科会「労働」報告 07「合理的配慮」についての論点と課題
(3)「合理的配慮」についての論点と課題

10_研究分科会「労働」報告 08パネルディスカッション(1)
(1)使用者の立場から;(株)出雲村田製作所 管理部人事課 早見岳志課長

11_研究分科会「労働」報告 09パネルディスカッション(2)
(2)働くろう者の立場から;(株)出雲村田製作所勤務 片寄忠之

12_研究分科会「労働」報告 10パネルディスカッション(3)
(3)コミュニケーション支援者(手話通訳者)の立場から
    有限会社リベルタス興産 専任手話通訳者 梅田晶子


13_大会宣言

14_大会決議

15_情報・コミ保障特別決議

16_緊急決議

17_写真紹介

記念大会・アトラクションで記憶に残ったのは何と言っても「石見神楽」。すごい迫力でした。
これをただで見られただけでもかなりお得感高かったです。

大会終了後、すぐに私は堀川めぐりの遊覧船に乗船。橋桁が低い橋(6カ所って言ってたかな?)では、ナント遊覧船の屋根が下がってきて乗ってるお客さんがみんな寝そべるような状態になるのだ。私が乗った船は数人しか乗ってなかったからどってことなかったけど、いっぱい乗ってたら隣のオバはんのひざまくら状態になりそうな「低さ」でした。ガイドのおじさんも「堀川のことは忘れても船の屋根が下がって来たことは忘れないでしょう。」ってスピーチしてて笑えた。

次に目指したのが「宍道湖の夕陽」です。これも遊覧船が出てるって聞いたので宍道湖大橋に向かってトボトボ歩いて行ったんですが、ナント乗り場はかなり上流。確か5時半くらいに出航だったかなぁ~と思いつつ取りあえず乗船場に向かってさらにトボトボ。汗だくになりながら「宍道湖観光遊覧船『はくちょう』」乗り場に着いた時は6時近く。乗り場は無人。とっくに出た後でした。悲しかった。

しかしここでメゲていられません。取りあえず今夜のお宿の玉造温泉に向かわねばなりません。そこで引き続きトボトボとJR松江駅へ。
一畑電車は宍道湖の北側を走っているのですが、JRは反対岸の南側を西に向かって走ります。
玉造温泉駅で下車。電車から宍道湖を見ている時、湖畔まで駅からそんなに遠くないのではと思えたので、取りあえず宍道湖を目指して歩いてみることにしました。ちょうど駅の近くを玉湯川が流れていてその流れに沿って宍道湖に向かうと河口に絶好の夕陽スポットがありました。宿には7時15分までには入るように言われていたので、ギリギリ6時45分くらいまで粘って夕陽の写真を撮ろうと決めて、宍道湖に沈む夕陽とにらめっこ。待ってるとこれがなかなか沈んでくれないんですよねぇ~。結局7時過ぎまで粘って何度かシャッターを押しました。きれいな夕陽でした。ただちょっと慌ただしかったことを除けば・・。
そのあと駅に戻って路線バスに乗って玉造温泉へ。目指すは長楽園。露天風呂広かったですよ~。しかも混浴! 若い男女も入っていてこっちはなかなか出られなくてのぼせそうでした。って別に先に出たって良かったんですが・・。
一人寂しく豪華な夕飯食べて、やることもないから温泉街をそぞろ歩き。僕はお酒飲めないので一人で飲みに行くこともなく、玉湯川沿いにぐるっと温泉街を一周して、途中でソフトクリームなめてお仕舞い。それでも温泉はいいです。もう一回お湯につかって休みました。

ホントは一気に書いて「総集編」とする予定だったのですが、かなり冗長になってしまったので、6月7日(月)のことは別に書くことにします。
月曜日はカフェロッソに一畑薬師、出雲大社に一畑電車特別展とチョーてんこ盛りな一日で、ちょっとやそっとじゃ書ききれない。
(下)につづく

全国ろうあ者大会in島根報告17_写真紹介

2010年07月13日 23時29分07秒 | sign language
え~島根大会というか島根県はとってもよいところでした。
大会報告シリーズの最後はフォト紹介です。
まだ、コメントが全然付けきれてないので写真の羅列にすぎませんが、雰囲気だけはお分かりいただけるでしょう。
島根大会には土曜日の朝に出雲空港に着き、そっからまずバスで出雲市駅へ出て、一畑電車に乗りました。これが今回の一番の楽しみでした。
温泉口に戻って、喫茶「ゆずり葉」でお昼ごはん。それからいったんメイン会場の島根県民会館に寄って、午後から研究分科会会場の「くにびきメッセ」へ。
夜は飲み会
2日目は記念大会+アトラクション。
大会終了後、まず松江城のお堀を船で遊覧。それから玉造温泉へ。途中で宍道湖の夕日を撮って、路線バスで宿へ。
3日目は、最初に安来市まで行って「カフェロッソ」へ。
松江市に戻って、また一畑電車に乗って、一畑薬師へ。
さらに出雲大社へお参りして、さらにもう一回一畑電車に乗ってから空港に戻るというのが大まかな日程でした。
そうそう出雲大社隣の「古代出雲歴史博物館」で「一畑電車」の特別展やってて、これもチョー感激してお土産買い込んで帰ってきました。一畑電車に始まり一畑電車に終わった島根大会って感じでした。
う~、とっても充実感ありでした。松江、いいとこだなぁ~。また行きたい。

全国ろうあ者大会in島根報告16_緊急決議

2010年07月13日 23時16分10秒 | sign language
さて、決議系の最後は、大会資料にも載ってなかった緊急決議です。
緊 急 決 議
「障害者自立支援法一部改正案」が国会に上程されています。
私たちは「私たち抜きに」検討され、国会に上程されたこの「障害者自立支援法一部改正案」に下記の理由で反対します。

1.昨年の「10.30全国大フォーラム」で長妻厚生労働大臣が障害者自立支援法の廃止を明言しました。本年1月には内開府に「障がい者制度改革推進会議」が設置され、障害者自立支援法にかわる新法について「障がい者制度改革推進会議」の下に設置された「総合福祉部会」で審議が始まっています。
国会に提案された「障害者自立支援法一部改正案」にはこの審議内容がまったく反映されていません

2.「障害者自立支援法一部改正案jには、私たちが求める地域生活支援事業である「コミュニケーション支援事業」の地域間格差を是正する施策が含まれていません
手話は言語であり、ろう者のコミュニケーションは「手話」であり、私たちの生きる権利です。

「私たち抜きに私たちのことを決めないで!」とした障害者権利条約の理念を尊重してください。そして、私たちの声を聞き、私たちの意見が反映された新しい障害者総合福祉法(仮称)をつくってください。

以上、決議します。

2010年6月6日
第58回全国ろうあ者大会


全国ろうあ者大会in島根報告15_情報・コミ保障特別決議

2010年07月13日 23時05分48秒 | sign language
3つめは、障害者権利条約「聴覚障害者『情報・コミュニケーション保障』に関わる特別決議」です。
実は、このタイトルがどこで切れるのか今ひとつ理解できていませんが、そのまま転記しておきます。
障害者権利条約
「聴覚障害者『情報・コミュニケーション保障』に関わる特別決議」

障害者権利条約では、言語の定義に手話が明記され、聴覚障害者の情報・コミュニケーション保障が謳われています。
障害者権利条約の批准に向けて、我が国では内開府に設置された「障がい者制度改革推進本部」のもと「障がい者制度改革推進会議」が発足しました。本会議の構成員の半数が障害をもつ当事者とその家族であり、障害者自らが国内法整備や障害者施策への審議・策定に参画しています。これは画期的な出来事です。
障害者政策をまさに障害当事者の手でつくることが求められている現在、すべての聴覚障害者に手話をはじめとする情報・コミュニケーションを保障する法制度を、私たちの手でつくるときがきました。
私たち第58回全国ろうあ者大会参加者は、聴覚障害者の自己選択・自己決定を基本とした真の社会参加を実現するために、以下の項目を決議します。

一.手話を「言語」として定義することを基本に、私たちの手で、すべての聴覚障害者のあらゆる場面での情報・コミュニケーションを保障する法制度をつくろう。
ニ.障害者権利条約批准に向けての国内法整備のために、現在施行されている聴覚障害者に関わる法制度を改革しよう。
三.すべての聴覚障害者が安心して暮らせる法制度の実現のために、「障がい者制度改革推進会議」を全面的に支援しよう。
四.手話を国民へ普及・啓発し、聴覚障害者の情報・コミュニケーションを保障する法制度の実現のために、30万部の啓発パンフレットを普及し、120万人署名運動を展開しよう。
2010年6月6日
第58回全国ろうあ者大会

全国ろうあ者大会in島根報告14_大会決議

2010年07月12日 22時51分22秒 | sign language
第58回全国ろうあ者大会in島根
番外編その2は「大会決議」
日聴紙にも小項目(イ、ロ、ハ等)は掲載されないのですよ。
ちなみに1~10の大項目はイコール大会スローガンになっています。
大会決議
1.手話の言語的な位置づけを確認し、情報・コミュニケーションの完全保障を求める。
 イ.手話が音声言語と対等の扱いをされるよう社会的・法的な認知の確立と手話通訳が権利として保障されることを求める。
 ロ.利用者負担は無料で、手話通訳者派遣と設置が一体になった手話通訳事業の完全実施を求める。
 ハ.すべての市町村及び相談支援センター等に手話通訳者・士の配置を求めるとともに、手話通訳者・士の労働条件の改善と身分保障を求める。
 ニ.手話通訳者・士養成の制度確立と充実を求めるとともに、手話によるコミュニケーションの国民的普及を図る。

2.国連・障害者権利条約の批准と国内法の整備を求める。
 イ.国内法整備にあたっては障害当事者の参画を求め、情報保障及び公開を求める。
 ロ.障害者差別禁止法や手話・コミュニケーション・情報保障に関する包括的な法整備を求める。
 ハ.聴覚障害者に関わる相談支援の公的資格創設を求める。
 ニ.欠格条項改正後も続いている不平等な取扱基準等の撤廃を求める。

3.聴覚障害者の参政権の保障を求める。
 イ.全ての政見放送に公的責任で手話通訳及び字幕をつけるよう求める。
 ロ.手話通訳者・士を「選挙運動に従事する者」とする公職選挙法の規定を撤廃し、中立・公正を基本とする手話通訳者・士としての処遇を求める。
 ハ.手話通訳士を対象にした政見放送研修事業の充実と予算化を求める。

4.聴覚障害者福祉制度の充実を目指し、安心して利用できる保障を求める。
 イ.聴覚障害者に負担を課す応益負担の撤廃を求める。
 ロ.ろう高齢者施設を全国各地に設置することを求めるとともに、一般の老人ホームにろう者が安心して共同生活を送れる環境や条件を求める。
 ハ.ろう重複障害者のための共同作業所やろう者対象のデイサービス活動に支援を求める。
 ニ.全ての都道府県、政令指定都市に聴覚障害者情報提供施設を設置することを求めるとともに聴覚障害者に関わる相談支援員と人件費の新設を求める。

5.ろう重複障害者を含むすべての聴覚障害者の就労と職場環境の保障を求める。
 イ.ろう重複障害者や社会自立の必要な聴覚障害者の働く場を保障するとともに、それを支える施設の財政を保障するよう求める。
 ロ.官公庁や企業における障害者雇用を拡大するために法定雇用率アップと聴覚障害者の雇用率が分かるよう障害者雇用率表示の見直しを求める。
 ハ.手話協カ員の稼働時間の増加と身分保障の改善を求めるとともに、手話協カ員の業務の位置付けを明確にしたガイドラインを策定・普及する。
 ニ.職場研修や会議、技術取得の機会等への参加保障のための手話通訳派遣制度の新設、及び職場定着を支援するジョブコーチ支援事業の充実拡大を求める。

6.テレビ放送の手話放送と字幕番組を拡充する等により、格差のない情報・文化の保障を求める。
 イ.放送に関する法に、手話放送と字幕番組を入れる法整備を求めるとともに、映画やDVD等の映像作品全てに字幕をつけることを求める。
 ロ.聴覚障害者にも完全に分かる「緊急放送・通信システム」の確立を求め、市町村における普及を求める。
 ハ.緊急避難所・公的施設に「アイ・ドラゴン」を設置することを求める。
 ニ.ろう者による美術・演劇・芸能・映像・文芸等の文化活動を推進する。

7.ろう学校の名称の存続と、手話でコミュニケーションできる環境でろう児が教育を受ける権利の保障を求める。
 イ.ろう児の集団での教育の場を確保するために、ろう学校の単独障害種別の学校としての存続を求める。
 ロ.ろう学校を含むすべての学校に在籍するろう児が言語としての手話を習得し、アイデンティティを確立することができるよう、手話及びろう教育の専門性を習得した教員の養成、配置を求める。
 ハ.ろう児のアイデンティティの確立に必要なロールモデルとしての役割を担うことができるろうの教員の採用を求める。
 ニ.聴覚特別支援学校等の名称変更に反対し、すでに変更された学校の名称を元に戻すことを求める。
 ホ.聴覚障害をもつ子どもとその保護者に、手話言語を使用し社会で活躍する成人ろう者をつなぎ、不安をなくす取り組みを推進する。

8.デフリンピックについて理解を広め、発展させよう。
 イ.デフリンピックの社会的認知と支援を広げるとともに競技アスリート育成を推進する。
 ロ.生涯スポーツ活動を広げ、健康で豊かなスポーツライフの実現をめざす。

9.全ての障害者とともに国際連帯を深め、世界平和の確立に努めよう。
 イ.障害者権利条約が日本及び世界の全ての国で批准されるよう、世界の障害者と手を携えて進める。
 ロ.アジア太平洋地域のろう団体との連携支援を図り、障害者権利条約の取組み及び監視活動(モニタリング)の活性化を図る。
 ハ.障害者やその関係団体と広く連携し、協同して障害者福祉の充実を求めていく。
 ニ.戦争に反対し、核兵器の廃絶・地雷等の非人道的兵器の完全撤去等をめざし、世界平和を守る運動に協力する。

10.聴覚障害者の問題についてより理解を深める契機となるよう、学校・行政関係者等に「ゆずり葉」の全国上映会を推進させ、会員や日本聴力障害新聞購読の拡大、出版物の販売促進につなげよう。
 イ.学校・行政等での「ゆずり葉」の全国上映運動を展開し、聴覚障害者の問題の啓発を図る。
 ロ.都道府県に1団体の原則を堅持し、行政の障害者政策等に対応できる組織改革をはかり、全国の聴覚障害者の団結を図る。
 ハ.会員の拡大、日本聴力障害新聞や「季刊みみ」購読者の拡大、出版物の販売促進に会員一人一人が取り組む。
 ニ.加盟団体の財政的な基盤を確立し、専従職員体制を充実させ、会員と賛前会長等による一層の組織的強化を図る。

全国ろうあ者大会in島根報告13_大会宣言

2010年07月12日 22時44分40秒 | sign language
第58回全国ろうあ者大会in島根 番外編としてまず「大会宣言」を掲載します。 意外とテキスト化されたデータがないのですよねぇ~。 (太字・下線は私が勝手に付加したモノです。)
大会宣言
 「私たち抜きに私たちのことを決めないで」のスローガンの下に結集した、全日本ろうあ連盟をはじめとする障害者全体の運動は、ついに、政府が「障害者自立支援法を」中止する」と明言する情勢をつくり出しました。
 障害者自立支援法に代わる障害者の総合的な福祉法を制定するため、内開府が設置した「障がい者制度改革推進会議」は、障害をもつ当事者やその家族が委員の半数以上を占め、名実ともに、当事者による政策づくりの扉を開きました。日本の障害者運動の歴史的な一歩が踏み出されたのです。
 私たち聴覚障害者の姿をありのままに描いた映画「ゆずり葉」は、高い評価を得て、全国各地で感動を巻き起こしました。聴覚障害者と手話を理解する国民を一人でも多く増やそうと展開された上映運動により、観客動員数は目標を達成しました。今こそ、国連・障害者権利条約の批准に向けて、条約の理念にそって国内法の整備を大きく進める時です。
 この好機を生かすべく、連盟は、新しく聴覚障害者のため総合的な法律の制定をめざすことを決め、行動を開始しました。障害者自立支援法が実際に廃止され、新しい法律が実現するまでには、これからも困難に立ち向かわなければならない時があるでしょう。しかし、障害者自立支援法廃止の流れをつくり、国民に理解を広げる努力をたゆまず続けてきた組織の力をもってすれば、乗り越えられるものと確信しています。そして、新しい法律は、情報とコミュニケーションのバリアがなく、より豊かで充実した暮らしを守る、国民全体の拠り所とならねばならないと考えます。
 時代は私たちを後押ししています。ここ島根の地で結んだ縁(えにし)も新たな力としながら、一歩一歩、歩み続けることをここに宣言します。
 2010年6月6日
 第58回全国ろうあ者大会

全国ろうあ者大会in島根報告12_研究分科会「労働」報告 10パネルディスカッション(3)

2010年07月10日 15時11分30秒 | sign language
(3)コミュニケーション支援者(手話通訳者)の立場から
    有限会社リベルタス興産 専任手話通訳者 梅田晶子

 3人目のパネラーは宇部興産の特例子会社「リベルタス興産」の専任手話通訳者 梅田晶子さんでした。
 従業員40名うち聴覚障害者は7名で、専任手話通訳者が2名配置されているとのこと。
 同社はグループ会社への障がい者雇用支援として①ネットワーク会議や②雇用支援の冊子作成、③テレビ会議システムを使った遠隔支援(手話ネット)なども担っておられるようです。

1.企業概要(略)http://www.ube-ind.co.jp/libertas/ 参照
<以下、資料集及び当日スライドより転記>

2.社内手話通訳者の仕事
 ①社内手話通訳者の業務
  ・研修・会議での通訳、トラブル発生時の通訳、打ち合わせの通訳
   ☆全体朝礼(事前に資料を配付)
   ☆年1回会社との個人面談での通訳
   ☆年1回定期健康診断での通訳
   ☆グループ別(デジタル・製作)の朝礼通訳
   ☆小集団活動・グループ別での会議通訳
   ☆来客時の通訳
   ☆入社面接、導入教育での通訳
   ☆込み入った仕事の説明・打ち合わせ
   ☆メーカー修理・トラブル発生時の通訳
   ☆研修時の通訳

 ②手話勉強会について
   毎週水曜日12:30~13:00 講師は聴覚障害社員と手話通訳者との輪番制

 ③相談支援について
  ・職業・生活相談員として相談支援に応じる。
   ☆会社への報告は必要時に本人から伝えることを基本とする。
   ☆本人の了解をとって会社へ伝える
   ☆諸手続や連絡の電話通訳を行う
   ☆必要な情報提供を行う
   ☆社員間のトラブル解決は早めに
   ☆話を聞くことで相談の70%は解決する

 ④その他の業務
  ・ホームページの作成
   ☆手話通訳の部屋にコラムを書き込む
  ・地域・関係機関・企業等からの講師依頼に応える。
   ☆地域の学校や、関係機関、企業等からの講師依頼に応える
   ☆市内の小学校へは2ヶ月に1度聴覚障がい社員と講演活動をしている。
  ・親睦行事での通訳。
   ☆旅行についてはボランティア通訳を依頼。

3.社内手話通訳者としての工夫とあり方
 a.手話通訳の名札を用意
   社内手話通訳者は、通訳としての顔と同じ職場で働く社員としての2つの顔を持つことになる。
   この切り替えを行うには、形に見える工夫が必要。
   名札を付けることにより、聴覚障がい者、手話通訳者双方の発言の立場や意識をはっきりさせる。
   また、指示・報告はリーダーと行い、指示系統は明らかにしておく。

 b.手話表現の工夫
   言葉の力を伸ばすために専門用語はそのまま表す必要がある。
   しかし、二重否定のような表現は手話文法に合わせて表さないと通じない。
   分からない言葉を学習していく努力は本人に求められる。
   専門用語の手話を作っていくことでコミュニケーションの円滑化を図っていく。

 c.トラブルはその時、その場で解決
   過去と現在のことが整理されずに出てきたり、実際に起きたことと自分が感じたことが一緒に話されることがある。
   その時、その場で説明していくことが理解を助ける。
   仕事は現場で絶えず動く。後で解決では間に合わない。
   仮定の話は伝わりにくい。現場で実際にやってみて、やらせてみて身に付けさせることが大切。

 d.仕事内容を熟知する
   仕事の流れや機械の仕組みなどが分かっていないと正しい手話表現ができない。
   機械のトラブルでメーカーからの説明がある時は、殊に専門知識が求められる。
  (メーカーとのやりとりを聴覚障がい者自身が行うことで仕事の力を伸ばすことができる。)

 e.本人が通訳を必要とした時にも保障する
   外部から手話通訳者が入る場合は、会社が認め会社が依頼した場合に限られる。
   本人が必要とした時に通訳できることが円滑なコミュニケーションの前提となる。

 f.生活分野の支援は地域の支援機関に繋ぐ
   職場生活での相談業務は行うが、生活部分の支援は地域の支援機関に繋ぐ。
   社外であっても緊急の場合は行ってきたが、地域生活支援事業における設置・派遣体制の充実を望む。

4.社内手話通訳としての支援
 ①会社との関係
   (1)ファックス・メールなど情報機器の活用
   (2)研修に参加するための保障
   (3)会議に参加するための保障
   (4)大切な連絡は必ず書いて渡す
   (5)背中の情報を提供する。
   (6)会社評価と自己評価の違いを埋める。

 ②他の従業員との関係
   (1)常識・マナーと言われるもの
   (2)読話の間違いから起こるトラブル
   (3)情報障がいから起こるトラブル
    ・ほかの人の仕事が分からない
    ・現在の状況がつかめない
    ・判断のための情報が少ない
   →結果として、臨機応変に対応することが難しい。
   ☆聴覚障がい者へのマナーと言われるものを伝える。
   ☆他の従業員の状況を伝える。
   ☆従業員に聞こえないことの情報提供を行う。

 ③本人への支援(聴覚障がい者の心理)
   宴会での孤独をフォロー。
   話せる場所を作る。

5.今後への希望
 ①設置型手話通訳者への助成金制度の創設

 ②就業・生活支援センターに手話のできる支援員を配置すること。

 ③入社1~5年までのフォローアップを行うこと。
  (ジョブコーチ、手話協力員等の活用)

 ④雇用側へ情報提供と支援を行うこと。
  (特例子会社は企業への有力な支援機能を持つ)

聴覚障がい者にとっての合理的配慮とは
自分の言葉で仕事を進められること


 私は梅田さんの発表をうかがって「やっぱり専門家が設置されている地域は内容が深まってるなぁ~」と感じました。
 梅田さんも「今後への希望」で書かれていますが、(財政規模の小さい)地方において設置型手話通訳者をどう増やしていくかが(今さらですが)重要なんだと思います。
 また、企業内通訳は「会社が設置」しているわけですが、それでも「本人が希望した時に通訳を受けられる」ことが大切なんだとのお話を聞いて、あらためて労働現場における情報保障の難しさを感じたところです。
 企業の都合で通訳がついたりつかなかったりするんじゃなくて、聴覚障がい者自身のニーズに合わせた情報保障がキチンと配備されなきゃ「合理的配慮」とは言えないですよねぇ。たいへん勉強になりました。

全国ろうあ者大会in島根報告11_研究分科会「労働」報告 09パネルディスカッション(2)

2010年07月10日 14時07分55秒 | sign language
(2)働くろう者の立場から
 出雲村田製作所に勤務されているろう者・片寄忠之さんが報告されました。

  ①自己紹介
  ②1984年に(昭和59年)出雲村田製作所に入社(私と同期入社だ!)
  ③聴覚障害者のためのランプ(お知らせ)の設置
  ④朝礼(課朝礼、全体朝礼)にOHPで情報保障
  ⑤身体障害者の会の設立
  ⑥聴覚障害者が働き続けられることができるために


 社内での様子は、早見人事課長さんが言われたのとほぼ同じ内容でした。
 あとの質疑のところで、京都の村田製作所に勤めるろう者から「京都は開発部門なので、機密保持の観点から手話通訳は入れていない。むしろ現在はメールでいろいろな情報をやりとりしているので、問題ない。」との報告がありました。
 これに対しては、3人目のパネラーである企業内専任手話通訳者である梅田さんが「手話通訳士倫理綱領があって、守秘義務ももちろん手話通訳者が守るべきルールであるので、手話通訳者が介在すると機密保持ができないというわけではない。」とフォローされていました。
 なお、片寄さんのお話で印象に残っているのが、「24時間3交代勤務になってからなかなかみんなが集まりにくくなっている。」という現状でした。
 私の知ってるろうの若者も以前は地元のろう協や青年部の活動、手話講習会の講師など積極的にやってくれていましたが、勤務シフトがきつくなって夜勤が増え、全然ろう協関係の活動ができなくなってしまいました。合理的配慮以前の「普通の労働条件」がどんどん悪く(厳しく)なっているように思うのです。