観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」。最後の「踊る…」か?

2011年02月13日 | 映画・ドラマ
 久し振りの「踊る大捜査線 」の新作は、新湾岸署への引っ越し準備で大忙し。刑事課強行犯係の係長・警部補に昇進を果たした青島俊作(織田裕二)がその指揮を取り騒然とした出だし。
 その最中、銀行強盗事件、バスジャックが起こるがいづれも被害は無い。更に、警備の手抜かりから拳銃三挺が盗まれ、大掛かりな犯罪へと…。
 出だしこそは面白かったが、事件解決シーンからと言うか、以前の犯罪者・小泉今日子登場辺りから完全にトーンダウン。
 レギュラー陣・織田裕二、深津絵里、ユースケ・サンタマリア、柳葉敏郎に加え、歴代犯罪者てん稲垣吾郎、岡村隆史、小泉今日子・伊集院静の顔出しや、新たに伊藤淳史、小栗旬、小泉孝太郎。これまで関わって来た、小泉今日子、寺島進が同役で出演したりと、映画らしい華を添えているが、内容は、結構マンネリ。
 残念ではあるが、これは続編製作はもう難しいだろうと思わせる。もうこれ以上、青島さんだけでは視聴者を引き付けられないのではないだろうか? もはや、青島とすみれ(深津絵里)の恋も、正直、「いつまで同じトーンなの」だしね。
 余談だが、ユースケ・サンタマリアが新湾岸署署長になっちゃって、そこで今回出演が叶わなかったユキノ(水野美紀)のことくを織り交ぜたスピーチ。これ必要だった?

「ちょんまげぷりん」。まあまあ、軽ーく

2011年02月13日 | 映画・ドラマ
 離婚して、息子の友也(鈴木福)と二人暮らしの遊佐ひろ子(ともさかりえ)の下に転がり込んだのは、180年前の江戸時代から来た木島安兵衛(錦戸亮)だった。江戸時代に戻れない安兵衛は遊佐家の居候として、外で働くひろ子に変わって家事全般を引き受けることになった。
 共に暮らすうちに次第に、安兵衛の人柄に引かれていくとひろ子。そんな折り、友也のために作ったプリンをきっかけにしてお菓子作りに夢中になった安兵衛は、「ケーキコンテスト」で優勝し、人気パティシエになってしまう。
 そして、お決まりの別れ。さらにお決まりの現代に続く安兵衛の足跡…。
 サラッと軽く見る事ができる。
 以外だったのがラスト。ひろ子親子が偶然見付けた江戸時代から続く和菓子屋の創設者が安兵衛だった。そこで出されていたのはプリン。ここまでは、「そうなるだろうな」の筋書き。その後、和菓子屋の現代に生きる安兵衛の子孫が、錦戸亮で、ひろ子親子とと運命の出会だろうとてっきり思っていたら、錦戸の再登場無し。親子がプリンを食べて微笑むシーンでお仕舞い。
 ただ、単なるタイムスリップではなく、江戸時代に旗本ではあったが、仕事が無く、「一度でいいから働きたい」という安兵衛の願いが現代へのタイムスリップに繋がり、安兵衛はパティシエとして、生きる道を見付け、江戸時代に戻って士分を捨て、和菓子屋として成功したという、意味あるタイムスリップもの。
 最初に現代の服装に身を包んだ安兵衛の帽子の下の髪が短髪じゃん。とか、江戸時代にパティシエ姿で戻ったら大事じゃんとか、そういった屁理屈はもう、いいやってなくらいに、観ちゃいましょう。
 しかし、今、なぜ、ともさかりえだったのだろう?

「ハケンの品格」。はまった!

2011年02月04日 | 映画・ドラマ
 数年前に鑑賞。その時は、「大泉洋って誰? 何者?」と書いたのを記憶している。それ以前に偶然テレビ番組で一度だけ見た事があったが、その時は「北海道の人気タレント」ということで、行きつけのスープカレー屋とか喫茶店を紹介しており、人物よりもスープカレーに心引かれたものだった。思うに、「この人は北海道のラジオのDJか何かだろう」と認識していたところ、「ハケンの品格」で大きな役をやっていたので驚いた。
 内容も面白かったがそちらの方が気になっていたのだが、今回改めて、大泉洋って「いい役者」だを実感。はまり役だったかも知れないが、シリアスな中にもひょうきんさを持つキャラがぴったり。で台詞の掛け合いがまた巧い。アドリブかな? 篠原涼子との掛け合いは互いにお見事。
 昨年「黄金の豚」があったが、やはり「ハケンの品格」の篠原涼子の方が魅力的だった。
 この人、今、これだけ人気があるのも納得。
 当時はまだ知らなかった、安田顕も結構出番も多く、大泉同様のシリアスさとひょうきんさのあるキャラだったが、こちらも「巧い」。かぶりそうなキャラを巧く演じ分けている。
 ストーリーは言う事無しの面白さ。強いて言えば、加藤あいが素直すぎるのと(普通だったらもっと根に持つよね)と松方弘樹が、理由も無く、突然、嫌なキャラにシフトチェンジ。そしてまた、何ら根拠無く、序盤のいい人になってたのが、「出来過ぎ」だが、何度観ても面白いってのは、内容があってのこと。
 なんで続編できなかったのだろう? 
 小泉孝太郎、上地雄輔、勝地涼、城田優って辺りも出ているので、続編でも十分にゴールデンでやれるのに。

「雪冤」。切なさと家族愛を描いた傑作

2011年02月04日 | 映画・ドラマ
 「切ない」。登場人物の背景も、物語も、結末も…考えさせられる名作だが、全てが切なくて、やり切れない思いになった。
 無罪を主張するも殺人事件の容疑者として、無罪を主張するも、死刑囚となってしまった息子の冤罪を晴らすために、15年訴えを続ける父。そして息子の刑は時効寸前に執行されるが、その後、事件の真相にたどり着く。
 普通なら、間に合い父子が喜びを分かち合い再スタートするといった展開になるところ(てっきりそう思ってた)、刑の失効後に、息子は冤罪だったと知った父。
 やり切れない。
 そして「どうしてそこまで」と思ったのが家族構成。一人息子の父子家庭なのだ。老人となった父が一人で台所で食事をとるシーン。並べられたおかずがタッパーに入っていたりして、これがまた「切ない」。通常のドラマなら母親がいて然りだ。
 これはありがちだが、弁護士だった父が息子の事件で退職し、新聞配達で生計を立てる。これも「切ない」。
 さらに、最低限度の関係者しか登場しないなど、実にリアルなのである。いい意味でドラマ臭さがないのだ。年老いたら誰もが孤独になるもの。そうそう、友達だー、知り合いだーは居なく、小さな世界で生きている辺りが描かれている。
 息子の刑の執行を知らされた時に、毅然とした受け答えと、その葬儀後の姿。これも、ドラマと分かっていても見ていて「辛い」くらいだ。
 これは主演の八木沼悦史(橋爪功)と出番は少ないが息子・慎一(林泰文)の淡々とした演技によるところも大きいが、実際に犯罪に関わった家族の在り方が痛いくらいに伝わった。
 最後の目撃者の告白の内容はこれは、ちょっとと頭を捻るものがあったが、事件がどうか否かよりも、家族や親の愛を伝えたサスペンスだったと思う。
 原作者の大門剛明も見事だが、橋爪功、林泰文の演技も評価大。素晴らしい。
 

「リセット」。好きです。こういうドラマ

2011年02月03日 | 映画・ドラマ
 再度鑑賞。一度目も面白かったが、二度観てもまだまだ面白い。一話完結で短い時間にエピソードを織り込んでいるのと、「リセット」による結末が、発展的なものと怖いものと入り交じっていて、最後の最後まで先を楽しめる。
 ほとんどの場合、浅はかな女が失敗し、過去からやり直したいといったものだが、やり直して失敗する例、違った結末で幸せになる例、全部受け入れそのまま先へ進む例。
 続編がなぜ出来ないのかが不思議なくらいに面白いのに。
 毎回主演も変わり、「世にも奇妙な物語」っぽいものの、携帯電話を使っての「リセット」と、振って湧いて来る不可思議ではなく、自身の人生選択といった面で違いを出している。
 ココリコの田中直樹が「リセット」係とストリートテラーを兼ねて大真面目に進行しているが、その真面目さと出方も面白い。