かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

メジロ捕り

2007-12-16 17:13:03 | 田舎の生活

この田舎では、一日中鳥の鳴き声が良く聞こえる。最近では、家の庭の梅の木にも時々「チー、チー」と鳴きながらメジロがやってくる。子供の頃、冬場になると、年長の従兄弟によくメジロ捕りに山へ連れて行ってもらった。先に捕獲したメジロを鳥かごに入れ、とりもちとみかんを持って山に出かける。そうして、メジロの通り道になりそうな場所の木の枝に鳥かごを掛け、その脇にとりもちを巻いた細い枝を置き、半分に切ったみかんを添えるという仕掛けをセットする。そうして、数m離れた場所で身を潜めて、ひたすら彼らがやってくるのを待つというのだ。時には、口笛が上手な人は、口笛を吹いてメジロの群れを呼び寄せたりもしていた。あの頃は、子供達の間でメジロを飼うのがはやっていた。ところで、おとりに使う最初の一羽はどうやって捕獲していたのだろうか?  きっと、とりもちとみかんと口笛で捕獲できたのだろう。

このメジロは、集団での移動時間が決まっていたような気がする。ある時間帯には、山の方から木を飛び移りながら、斜面を下って海岸の方へ行き、その後の時間帯には、ねぐらへ帰るのか、逆に斜面を上っていったように記憶している。だから、うまくその時間帯に合わせて仕掛けないと、全くメジロに出会えないということになってしまう。メジロは、目の周りの白い輪が特徴だけれど、遠目にはメジロとよく似ていたウグイスがいた。この時期のウグイスは、まだ「ホーホケキョ」と鳴けずに、「チャッ、チャ」と鳴いていた。だから、この地区ではウグイスのことを「チャッチャ」と呼んで、少し小ばかにしていたような気がする。

メジロは、良い声でさえずるので、江戸時代から鳴き合わせ競争の道楽に使われていたようだ。私も何度か捕獲して、鳥かごで飼ったことがあるが、どうも飼育がへただったようで、いつもきれいな声になるまでに死なせてしまっていた。時には、無残にも猫にやられる場合もある。かわいそうなことをしたものだ。  

このメジロは、乱獲による生態系破壊や種の交雑が問題化して、近年になり、鳥獣保護法による規制が強化され、現在は特定の場合を除き、捕獲や飼育が禁止されているとのことである。  なんだか寂しい気もする。