かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

蘇州夜曲

2007-12-11 12:07:09 | お気に入り

昨日は父を町の病院に連れて行き、帰りにCDも売っている本屋に立ち寄った。店に入って、買ってみたいと思っているCDを探すのだが、なかなか見つからない。若い頃は、本やCDなどを買いに行って、なかなか見つけられなくても、店員に頼らずできるだけ自分で探していた。時間をかけて、見つけた瞬間が嬉しかったからだ。最近は、ざーと見渡して、見つけられなかったら、すぐに店員に聞くことが多くなった。時間をかけて探すのが面倒になってきたようだ。

昨日もそんな具合で、数分間探して見つけられなかったので、店員さんに聞いてみた。「あのー、服部良一のトリビュート・アルバムありますか?」 すると、店員は「はい、ありますよ」とカウンターの内側から出してきた。「えっ?あるのなら、なぜ陳列棚に並べておかないのだ?」と不可解に思った。さらに、この店員は「これをテレビで放映すると言っていたので、私楽しみにしているのですが、まだ放送やってないのですかねえ?」と尋ねてきた。私は、1~2回録音風景の部分部分を見たことがあるだけだったので、そのことは知らなかった。代金を支払い、商品を受け取る時点で、この店員さんは、ポイント券などを見せながら、いろいろ説明してくれるのだが、柳原ナントカにそっくりの口調でしゃべるので、ちっとも頭に入らなかった。 

さて、このCDは服部良一さんの生誕100周年を記念して、彼の曲を息子さんとお孫さんがプロデュースしたアルバムだ。そして、福山雅治が唄う「東京ブギウギ」で始まり、全部で16曲収められている。うちの奥さんは、福山雅治が大好きのようだ。徳永英明の「別れのブルース」はなかなか良かった。彼は本当に不思議な声をしている。しかしながら、私のお気に入りの1曲は、なんといっても「蘇州夜曲」である。歌詞がいい、メロディーがいい。おそらく、この曲が入っていなかったら、私はこのアルバムを買わなかっただろう。特に、「髪に飾ろか口づけしよか 君が手折りし桃の花」というくだりが好きだ。この曲は、霧島昇・渡辺はま子が最初に唄っていたそうだが、昭和15年8月の映画「支那の夜」の劇中主題歌として、主演の李香蘭(山口淑子)が唄ったものが有名なようで、服部さん自身も彼女のために作曲したようだ。私はもちろん両方ともリアルタイムで聞いたことはない。その後、色々な歌手がこの曲をカバーしているようで、私が持っているのは、おおたか静流が唄っているCDだ。そして、このアルバムでは、小田和正が透明感のある声で丁寧に唄っており、ぴったりはまっている感じがする。 

もう10年以上も前に(もっと前か?)、私はテレビで唄っている小田さんを見て、「えっ!あの歌声の主はこの人なの?」と、とても驚いた記憶がある。ラジオなどから歌声を聞いて、私なりにイメージしていた風貌ととてもかけ離れていたからだ。小田さん、ファンの皆様、申し訳ございません。でもその後、少しずつはそのギャップが埋められて来ているような気はします。