我が家の近くに生えている、このツル性の植物の名前を知らなかったのだけれど、最近ふと図鑑を見ていて、「ノブドウ」だということがわかった。以前、群馬県のとある山の中に生えているヤマブドウを地元の人に教えてもらったことがあるが、ヤマブドウはワインにしたり、ジャムにしたりして食用にできるが、このノブドウは食用にはならないようだ。子供の頃から身近に生えていた植物だと思うのだが、確かに食べた記憶がない。だから、どれほどまずいのかもわからない。しかも、この実には多くの場合、小さな昆虫の幼虫が寄生しているらしい。ただこの時期、この1cm足らずのノブドウの実は、褐色がかった紫色、インク色、白っぽいインク色などと色とりどりで、結構目を引く。実をいくつかつぶしてみると、褐色がかった紫色の実は硬かった。そして、インク色の実はどちらも柔らかく、中からミルクのような白っぽい液体が出てきた。ということは、この実は熟すにしたがって、褐色がかった紫色からインク色、白っぽいインク色へと変化していくような気がする。そうだとすれば、褐色がかった紫色の前にも違う色だったのではないだろうかと思えてくる。
子供の頃は、野山に出かけてよく木の実を取っては食べたなあー。季節ごとに色々な果実が味わえ、それらがどこに生えているか、子供仲間の年長の人たちが教えてくれた。この時期は、ムクノキの黒く熟した実が美味しかった。