サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

129目「内藤礼 すべて動物は・・・(神奈川県立近代美術館)」鎌倉

2009年12月06日 | 姪っ子メグとお出かけ

姪っ子メグ おじさんと、最近は、結構日本画や浮世絵を見に行くことが多いね。あと、典籍とか、茶道具とか。
キミオン叔父 うん、そのあたり、オジサンはずっと敬遠してきたからね。いまでも、わかんないけどさ。でも、まあひたすら見ようと思っているの。そのうち、なんとなく、分かってくるんじゃないかな、と。
ほら、先日も畠山記念館に行ったじゃない。信長、秀吉が愛した云々というからさ、こりゃ織部の時代の「へうげもの」の華やかな宴の跡かな、と思ったら、やっぱり超地味。
ハハハ。五島美術館の「典籍」もそうだったな。まず、書が読めないからなァ。どこが達筆なのか、わかんない。
でも、畠山美術館で、観賞客でとても素敵なお嬢さんがいたじゃない。
ああ、白金だから、聖心か明治学院の国文学のお嬢さんか、あるいは茶道をやってらっしゃるのか、それとも古美術屋の娘なのか・・・。
また、勝手な想像してる。畳みに正座して、まず、正面の作品に一礼してね、それからひとつの作品とずっと向き合うように10分ぐらいいたわね。背筋もきりりとしていて、なんか、作品と対話しているようで・・・。
いいよね。興味もって横から覗いたら、とても清楚で美人なんだな(笑)。あそこは、抹茶をいただけるじゃない。思わず、お茶でもいかがですか、と言いかけたよ。嘘だけど。オジサンは正座もできないからなぁ。
こうみえても、あたしはお茶、お花と舞踊も少しやったんだからね。ちゃんと、お茶を入れてあげるわよ。あぐらでも、赦してあげる。




現代アートも、何度も行くけど、あんまりよくわかんないんだけどさ(笑)。
内藤礼さんって、有名よね。
うん、文学界の表紙を飾っていたよね。
おじさんの好きな鎌倉の近代美術館。ここで、前川さんのモダン建築に、内藤さんのインスタレーションが仕込まれるという趣向ね。
内藤さんというのは、空間に差し込む光や、空気の揺らぎや、かすかな音に、僕たちを誘うように仕掛けをする。パンフによれば、「ひとりひとりの時間の中で、かつてあった/未だ生まれざる世界の記憶を呼び起こし、見る人の時間と交感することでしょう」とあるけどね。うーん、小難しい表現だな。
まず「地上はどんなところだったか」と題して、ガラスケースの中にLEDか豆電球かしらないけど、小さな照明をリングさせて、その下に模様をほどこされた染め布が敷かれている。その周辺に、コップに入った水や、テープ、リボン、風船、ビーズ、ガラス玉なんかが配置されている。
ガラスケースの中に入ってもいいということなので、荷物を置いて靴を脱いでいそいそと入ったけど、コップを蹴っ飛ばすんじゃないかと緊張したよ。
次の空間では、「地上はどんなところだったか(母型)」ということで、プリント布を敷き詰めてある。
ただ、それだけ・・・(笑)
あと、1F部分にイサム・ノグチの彫刻やら、池の見えるテラスがあるけど、そこにガラス瓶に入った水が置かれたり、ビーズ・テグスが吊り下げられて風にひらひらしたり・・・。なんだ?
これ、半日ぐらいぼーっと眺めていれば、面白いのかもね。陽のあたりかたも変化するし。
そりゃそうだけどさ、でも、ちょっとした下宿の部屋で、窓際に水の入ったコップを置いたり、かすかな照明をつけて僕らも愉しんでたじゃない。なにが違うの?
芸術意識よ!なんちゃって(笑)
宗教学者の中沢とか、脳学者の茂木なんかが、なんかご大層な解説してるけどさ、こんなインスタレーションは、偶然の産物を発見して感動するほうが正解だと思うな。木洩れ陽の神秘なんかは、誰にでも平等に偶然に与えられる恩寵だよ。
おじさん、テラスでたばこをプカプカしてたわね。
そう、1箇所だけあるんだけどさ、喫煙場所が。そこで、煙草をくゆらせながらね、その煙がたなびいて、夕暮れに儚く消えていく。インスタレーションしてたの。
まーた、嘘ばっか!


 


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